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らーめん屋見習いの異世界飯 〜超能力チートで異世界旅〜  作者: 七浜ユウキ
第2章 異世界編1
9/19

第9杯 異世界渡航

更新です。

『こんにちは。こんばんは。おはようございます!皆さん!』


『私はステータス管理センターライク支部のカンリと申します!』


『私のお仕事は神様から託された神託、つまり神からのプレゼントを皆様にお伝えに上がります』


『頭の中でピンポンパンポンっと鳴りますのでよろしくお願いします』


『神様はあなた達の行いをショッケンの獲得数に応じて管理しております。使用済みショッケンはポイント化されあなたの体のデータに保存されます。そのデータに応じてスキルや称号、職のレベルアップポイントが神託により送られます。』


『また特別に通称ザンパンと呼ばれる世界に蔓延っている問題を解決された方にも神託が送られる時があります』


『それでは良い異世界生活をお送りください』





『ピンポンパンポーン!メンマ様に神託がございます!』


メンマの頭の中に謎の声が響く。


(神託?何それ?)


『私はカンリと申しますあなたのステータスを管理いたします!』


(はあ……)


『メンマ様はプレミアムスキル異世界渡航により初めての異世界に訪れました。それを記念して神から神託がございます』


(おいおいさか……そんな……)


『神はパクの事をよろしく頼む。前賃としてなにかスキルをあげるとおっしゃっていました』


(スキル?スキルって?)


『はい。スキルは五種類ございます』


ロースキル 生活に必要なスキルで比較的習得が簡単なスキル。


ハイスキル ロースキルをLv10まで極めて進化させるか特定の条件を満たすと習得可能。


レアスキル ハイスキルをLv10まで極めて進化させるか神託によって習得可能。


ユニークスキル 神託によって習得可能。この世に1つしか無い。


プレミアムスキル ユニークスキルをLv10まで極めると稀に進化することによって習得可能。(パクは例外)


(さすが異世界……そんなのもあるのか)


『その他に称号と呼ばれるシステムがあり、称号を得るとそれに応じたスキルが発現するようになります。但しスキルの発現にはきっかけが必要です』


(ますます分からん……称号?)


『この度メンマ様には異世界人という称号が負荷されます。また神から何でも好きな称号をあげてねーと仰せつかりました』


(ほお好きな称号とな。それじゃあ超能力者にでもしてもらおうかなぁ。俺SFって結構好きなんだよねーまあ冗談だけどー)


『かしこまりました。超能力者ですね』


(ほぉえ?)


『メンマ様は称号異世界人、超能力者を発言しました。それに伴いスキル小収納Lv1、鑑定Lv1、ユニークスキルサイコキネシスLv1を獲得しました』


(マジかよ!サイコキネシスってもしかしてもの動かせるとかそんなのか!?)


『はい。Lv1では小石程度を動かすことが出来るかどうかですが……あーあとメンマ様の職は称号異世界人によってオールティーと呼ばれるものとなっております。オールティーは全ての職の特徴を持つ代わりに上がりにくくなっています』


(職ってなに……)


『私に説明できるものは以上になります。それでは異世界生活をお楽しみください』


(おい……!ちょっと待って!うっ睡魔が……)


そこで俺は再び意識を失った。





「メンマにぃ!メンマにぃ!起きて!」


パクの声が頭に響く。


「んっあ……なんだよ……」


「メンマにぃ!起きてーーーー!」


パクがメンマの懐にピップアタックをくらわせた。


「うぐほぉ!」


さすがのメンマも飛び起きた。


「いてててて……あれ?ここは?」


あたりを見回すと辺りは樹齢100年はくだらないであろう大木が無数に生えている。


苔が生えた丸石がごろごろと転がり、昔家族といった屋久島の樹林を思い出す。


どこかに水が流れているのかせせらぎも聞こえてくる。


その中の巨大な白い一枚岩の上にメンマとパクと屋台が乗っていた。


辺りからはキィーキィーッと不気味な鳥の鳴き声がこだまし、光が葉の隙間から地面を照らしている。


まるで光のカーテンのような光景が広がる。


「なんだよ……ここ……俺達さっきまで……もしかしてパク……本当に異世界に……いやまさかな……」


「メンマにぃ!そうだよ!ここがパクのきた世界!ライクだよ!!」


(おいおいマジかよ……)


「信じられねぇ……でも信じるしかないんだよな……んで、ここが異世界だとしてここはどこなんだ?」


「うーん分かんない!パクが最後にいた所はここじゃないし、確かかみさまが異世界渡航ってスキルはランダムになってるって言ってた」


「んで?あっちの世界には戻れんの?」


「10日……後だと思う……多分」


「10日!こんな森の中に10日って……しかも今あるのは売れ残りの俺のスープと余った具材たちだけだぞ……水はまだ少しあるから5日は何とかなると思うけど……」


「ラーメン売れなかったの?」


「まあ分かってたんだけどねー親父のスープは完売だったんだけどさ……やっぱりちょっとショックだよね」


「んじゃパクが食べる!頂戴!」


「よし来た!まずは何をするのも腹ごしらえからだよな。ちょっと待っててね!」


メンマは屋台に駆け寄るとスープを温め始めた。


「あちゃー麺がねぇ……ごめんパクスープと具だけになるけどいいか?」


「うん!いいよー!」


もはやラーメンとは言えないが具材入スープをパクに手渡すメンマ。


「よし食うか!頂きます!」


「いっただきまーす!」


丁寧に洗った豚骨を半日ドロドロに乳化するまで煮込んだスープに生姜、削り節、ネギ1本、キャベツ、玉ねぎを溶かし込んだスープは一見濃厚ながらサラサラと飲めるスープ。


(何で売れねぇのかな……完成度はいいと思うのに……)


そのスープに麺の代わりに茹でたキャベツともやしを大量にぶっ込んだなんちゃって豚骨野菜スープ。今人気の二郎系のようになってしまっている。


パクは「おいしー」っと言いながら食べているがメンマはなんか納得が言っていない。


丼を片手に持ちながらメンマはあたりを散策してみることにした。


歩きながら食べると色々な人に怒られそうだが……。


「パクー俺そのへん見てくるから大人しくしてろよー」


「うん!」


さてさて探索でもするかな……確かサイコキネシスが使えるって言ってたよな……てかどうやって使うんだ?


メンマは近くにあった小石に向かって片手をかざすとはぁーーーー!っと喝を入れた。


小石に反応はない。


はぁ?どうしろってんだよ。んじゃ次は……。


メンマは動けー動けーっと念じてみた。


反応なし。


くそーー!


メンマは小石を掴むと思いっきり遠くへ投げた。


「はぁはぁ本当に使えるのかよサイコキネシス……」


半ば諦めてパクの所に戻ろうとする。


ぐるるるるるる。


(ん?なにか聞こえたな?)


ぐるる。ぐるるるるるるるるるるる。


(ん?)


後ろを振り向くとそこには熊のような体格で太く立派な角を生やした見たこともない獣がいた。


角の間には先程投げた小石が挟まっている。


(あっ俺死んだかも……)


異世界に来て15分……の出来事であった。

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