色を無くした、灰に染まった
ひとつだけお願いがあるんだ。
どうか僕をこの世界へ置いていってほしい。
あの世界は色に満ちていて
この世界は灰色に染まっている
僕に色は苦いみたいで
あの世界は息苦しい
灰色はやがて僕を包み
また僕も灰色へと還るだろう
美しい君は色のある世界で
鮮やかに生きて
やがて白い骨となるだろう
それはすこし残酷すぎやしないか
色を失うくらいなら
ま白く染まるくらいなら
いっそ僕はこの世界で
無い色を探し続けるさ
ほら、みてよ
この世界ならすぐに見つかる
全部灰色、僕も灰色
赤がいいかな、青がいいかな
あればきっと、すぐに見つかる
僕はひとつの色に寄り添い
君を忘れて世界にとける。