第一話〜再会〜
**** 第一話 ****
〜再会〜
「行ってきまぁす!!」
待ちに待った大学入学初日
いきなりの寝坊
さすがアタシ
神経図太い
足もぶっとい
ほっといて!!
「遅刻遅刻ぅ!」
とか言いながら
食パンくわえて走れば
街角でカッコいい青年とぶつかれる
かもしれないけど、
あいにくあたしん家、食パン品切れでした
でも、そこはさすがあたし
こんなときのために
ストックしておいた
ウィダーインゼリーで
朝食10秒チャージ!
2秒でいけた
・・・
勇ましいわ
せっかく大学入ったんだし
彼氏の一人くらいほすぃ・・・
もぅ少し乙女にならなくてゎ
明日からは、
そうだ
可愛くプリンにしよぅ
とろけるようなあまぁい口どけ
うふふ
太るわね・・・
一人で色々考えながら颯爽と電車に飛び乗る
プシュゥ〜
「ふぅ、なんとか間に合った」
と思ったら、
逆じゃーん!
電車逆方向じゃぁん(泣笑)
おろろーん!!
アホなこと考えてるからぁ〜
あたしのばかぁ〜!!
初日から遅刻
始業式に遅れる
あたしの人生も各駅停車だ
青春なだけにね!!
う、サブイ
てかきついわ
気まずぅい空気の中、式に途中参加
「・・・ミキ?」
あたしを呼ぶ声
聞き覚えのある声だ
「わぉ、・・・だれ?」
振り向くとそこには
顔面真っ黒
金髪
なのに神戸巻き
・・・これはオシャレと言えるの?
というよりどこの国の方かしら?
原住民?
どっちに進みたいの?このファッションは逆に最先端?
と困惑していると
「あ、わかんない?ウチ、キョウコ、ほぉらぁ、二年の時同じclassだった」
二年・・・?
同じクラス・・・?
キョウコ・・・?
キョウコ・・・!!!?
「えぇ?!マッジ!?
キョウコ?
変わりすぎじゃん!ブフゥッ!!
ってか誰だよおめぇ!!
その髪の色と肌の色は逆にしとけっつぅの!!」
キョウコのあまりの変貌振りにあたしも思わず大きい声で泣き笑いながらツッコンでしまった
『そこ、静かにしなさい』
うわぁい、学長に怒られた
式も終わり、あたしはキョウコとの再会に興奮してた
「あんたアメリカ行ったんじゃなかったっけ?」
そう、キョウコは高3になるとき
親の都合でアメリカの高校に転校していった
「そうなんだけどさ、やっぱ日本LOVEでさ〜、
大学こっち来ちゃった
てかミキにmeet againできるとは思わなかったよぉ」
「うん、あたしもキョウコがこんなに未確認生物に変貌を遂げてるとは思わなかった」
「あ、ひっどぅーい、でも向こうのfriendsみんなこんな感じだよぉ?」
「それ黒人さんでしょ?自黒だから!!」
「あ、そうかもね、ゴババ、
OH!JIGURO!That's right!」
「え?『ゴババ』って笑い声?!
てかさ、キョウコ英語しゃべれるようになったの?なってないの?
さっきから片言の英語がなかなかにうざいんですけど」
「うぅ〜ん・・・完璧!もうI'm NOVAだょ」
「ウケルぅ!絶対お前しゃべれねぇだろ!」
「ばれた?ジェスチャーでなんとかdo it!だから!!ゴババッババババ!!」
「Do it!それいただき!ハハハハッ!憧れのあの人もこれでDo it!!」
「それ使い方a littleちがーう」
「マジ?きゃははん!!」
そんなやり取りをしているとすっかり高校生に戻ったかのような錯覚に陥る
やっぱりキョウコはキョウコだ
変わんない
そんであたしも変わんない
やっぱりアホだ・・・
ドン!!
後ろから走ってきた男が不意にあたしにぶつかった
そんでよろめいたあたしがキョウコにぶつかった
「きゃははっふぃ☆」
「ゴババッティ☆」
笑ってる最中だったから変な声が出てしまった
でもキョウコは元から変な声で笑ってたからあんま気になんない
「わりぃ!」
それだけいうと男は走っていった
「何あれ?!普通『大丈夫?』とか言って手くらい差し出すでしょ?
やな感じ」
これがあたしとユウとの初めての出会いだった・・・
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