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4-地球にて(章末)

あまりストーリーは進みません。でも平和は一番だよね。

ギルド<TkD>が試合で完敗した、その日の夜のことだった。

ギルド本拠地、といってもそこらへんの一軒家のような住処の庭のベンチで、ユーヤとみゆきが二人で話をしていた。涼しげな、夏を感じさせる風物詩である風鈴が静かに揺れながらその体を鳴らしていた。

「ユーヤ、今日はお疲れ様」

「え?あ、いや、俺は別に何もしてないような気が・・・」

「いや、お前のおかげで出ることができた大会だったんだ。そして私たちは思い知らされた・・・」

その会話の内容は同い年とは思えないほど重いものだった。

そこに酔っぱらったようなタケイがやってくる。

「ウイーッス、愛をはぐくんでるかい」

「あほか!今大事な話してるんだから、あっちいってて!!」

「あはい」

タケイを3秒で追い返すと、彼らの話は続く。

「大事な話って、何?」

ユーヤが言うと、

「え?あ、いや、別に何でもないけど・・・」

その後は謎の沈黙が続いた。

「そうそう、課題は終わった?」

ユーヤが切り出す。

「終わってるにきまってるじゃん。昨日の夜やっちゃったよ」

「えぇ!?いつの間に終わってんの!?」

ユーヤはどうやら終わってないようだ。

「あのねぇ、土曜のAM1時、つまり私たちがここにワープする時、その時は、ここ遊星に持っていきたいものを持ってると、一緒に持ってくることができるの。私はいつも課題を持ち込んでるよ。」

へぇ、とユーヤはうなづく。と同時に、何かおかしいことに気が付いた。

なんだろう、みゆきと2人「だけ」で話しをしていると、彼女の口調はいつもよりやわらぐような・・・そんな感じがしない気もしない。

ん?これが俗に言うツンデレというものなのか?

ユーヤはその真相を確かめたかったが、手段が見つけられなかった。

そこにまたまた酔っ払いらしき、いや、100%酔っ払いのななみが2人のところへやってきた。

「あァ!ユーヤとみゆき発見!」

「ななみ!?」

みゆきがななみを呼び捨てる。そしてななみはユーヤのところへ近づき、

「ユーヤんさぁ、みゆきに告るなら、早めのほうがいいよォー」

「うわ、酒くさっ!!」

「それとも、今夜は、あたしと・・・」

ななみがユーヤに迫っていると、みゆきがななみに

「ちょ、何やってんの、ユーヤは、私のだから!!」

「はァ?何言ってんのみゆき、ユーヤあんたんじゃない、あたしの!!」

「え、え、ちょ、ちょっと!?何言ってんのお二人!?」

ユーヤが困っていると、急に目の前が真っ暗になった。

すると、いつも通りの月曜日がやってきた。


「え?夢?」


とても儚い気持ちになった。やはり今のは少しおかしいと思った。作者でさえ少し今の表現にはひいてしまった。ユーヤ死ねってなった。

そう、月曜日は待つことなくやってきた。

5時半に起床したユーヤは、手つかずの国語の課題の1ページ目をようやく開く。

「今日の提出は3ページまでか・・あ、数学の友やってねぇ、10ページ分あるし・・

あ、自学やってねぇ」

何もかもやってねぇユーヤ。そういえば昨日の夜の記憶が少しないような。

まぁ、惑星をワープしていればそんなこともあるだろうと思い課題に手を付ける。

「みゆきの家ってどこかなぁ・・」

今は課題を最優先すべきと思いながらも、ユーヤはみゆきのことが頭から離れない。夢と現実の乖離に苦しんでいたユーヤだったが、2時間後、だらだらやりながらもようやく課題をすべてやり終えた。

「よし、学校にいってくるか!」--


――キーンコーンカーンコーン

そこはユーヤが通う、平凡という言葉では言い表せられないほど平和な学校だった。

いつも通りの風景。店長やおっさん、松恵副委員長などがそこにはいた。

「おう、おっさん、店長」

「「おう」」

「なんか、久しぶりな気がするのは気のせいかな」

「俺も、そんな気がする」

店長がいう。まぁ、そりゃ、惑星をワープしていればよくあることだろうと思い、授業の準備をする。

「そういや、お前らも遊星いってきたんだよな」

ユーヤが二人に話しかける。店長は

「あれ楽しいよな!!また行きたいぜ!何せ、休日は暇だからよぉー」

おっさんは、

「もううんざりだぜ!!めんどくせえ!!休日はゴロゴロするもんだ!!」

対照的な二人の意見に、ユーヤはどちらもどっちだなぁと思った。

店長の意見に少し賛同したわけは言うまでもあるまい。まぁ、みゆきという存在に会いたい、そういう願望が少しあるのだろう。


――そして時は過ぎ、金曜の放課後がやってきた。

彼ら3人にとって、金曜の放課後は至福のひと時なのだ。

「おっさん家、3時しゅうごぉぉぉぅぅぅおおおおお!!」

店長がはしゃぐ。彼はいったい何者なのだろうか。

おう、とユーヤが言うと家にも帰らず一直線におっさん宅へ2人が集まった。

「よし、先週の続き!!」

おっさんがいう。

「え、またあれやんの!?!?」

とユーヤ。

「あほたれ!!暇なんだよ!」

と店長。

「それがいいんじゃねえか!!」

と平和使者ユーヤ。


その意見になぜか2人が賛成し、夕方を迎えるまでおっさん宅にて2人はゴロゴロしていた。

時は7月4日。金曜日。

もうそろそろ衣替えの季節もやってくる。

夏だなぁ・・・ ユーヤが言うと クーラー欲しいな、今年こそ おっさんが言う。 ばかいえ と店長がいい、 8時間後くらいには俺ら遊星ついてんだよな と続ける。 不思議なもんだな、ワープって ユーヤの発言におっさんは どういう仕組みか知りたいな さすが理系、と2人はうなづく。


時が過ぎるのはなんと速いのだろう。ましてゴロゴロしているとなおさらだ。彼らはじゃあなと言い合い、またあとで会おうぜ! と約束した。

そして、IWB(インフィニティーウィークエンドブレイク)T(タイム)がやってきた――。

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