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半竜娘は異界の空に  作者: 名知 あやめ
プロローグ
1/13

重要なお知らせ


 始めまして。

 まず、私は名知 あやめ本人ではありません。彼女の遺志を受け、代理としてこちらに書き込みをさせて頂きます。


 2012年5月上旬、ペンネーム・名知 あやめは永眠いたしました。享年28歳、急性骨髄性白血病でした。

 私の聞いた限りの情報になりますが、2011年12月に健診で指摘された時には既に相当悪化していたようです。その後の治療の甲斐なく、この世を去られたそうです。


 ここより下の文章は、彼女の最後のメールより、なろう読者の皆様へ伝えて欲しいと、アドレス・パスワードと共に送られてきた文章となります。そのまま転載させていただきます。


『 半竜娘は異界の空に を読んでくださった全ての方々へ


 皆様、お久しぶりです。まず何より、長い間更新が滞ってしまい、申し訳ありません。

 私は現在、入院しております。そして、この文章が皆様の目に触れる頃には、既にこの世を去っているでしょう。

 急性骨髄性白血病だそうです。医療系の端くれとして知識にはある病気でしたが、まさかこうして自分がなるとは、夢にも思っておりませんでした。

 発見が遅れて、かなり悪化しているようです。自分でも、あまり良い状態ではないことはわかります。


 連絡が遅れて申し訳ありませんでした。この頃になって、ようやく気持ちも落ち着き、こうして文章を書く事ができます。先日までは、とても何かを書けるような心境ではありませんでした。

 しかし不思議なもので、こうして文章を書いていると、何故か心が落ち着きます。アマチュアとすら呼べない趣味の物書きでしたが、それでもこれが『小説家』というものなのでしょうか?


 医者の先生や家族はぼかして話していますが、私の知識にある限り、今の状態から完全寛解を得られる(代理人注:治ること)可能性はかなり低いです。それでも、一生薬を飲み、治療を続けながら生きることはできるでしょう。

 この文章が誰の眼にも触れず終わることを祈りますが、それでもだめだった場合に備え、友人にこの文章を託します。


 半竜娘~は、私にとって思い入れの深い作品です。災害や、今の病気に見舞われて完結させることはできなかったけれど、多くの方に読んで頂き、感想や指摘を頂けて、拙い文章でありながらランキングに載るという名誉まで得られました。

 プロットや、設定、世界観などは、既に完結分まで書いてあります。そして、それも友人に託しました。

 こうして、私の都合のせいで中途半端に終わってしまった作品ではありますが、見たいという方がいらっしゃれば公開してくれるよう、友人に頼んであります。

 また、その場合、私はこの作品に対する著作権の一切を放棄いたします。プロットを曲げてもかまいません。世界観が崩れてもかまいません。何らかの形で書きたい・利用したいという方がいらっしゃれば、ご自由に使ってください。(できればどこかに一筆書いておいて頂けると嬉しいですが)


 最後になりましたが、短い執筆期間、中途半端に終わった物語ながら、こうして私がいた証を残し、それが皆様に読んで頂けたという事実を嬉しく思います。

 どうか、これからの皆様の人生に幸多からんことを。


 乱筆乱文お許しください。


 2012年3月18日 なろうペンネーム 名知あやめ 』



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