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ボク、女の子になって過去にタイムリープしたみたいです。最推しアイドルのマネージャーになったので、彼女が売れるために何でもします!  作者: 奇蹟あい
第二章 学園・大学病院 編

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第36話 初配信

「配信に来てくれたみなさん、こんばんは~! そしてはじめまして! 私たちは~」


 せーの。


「「「「「≪The Beginning of Summer≫で~す」」」」」


 さあ、始まったぞ!

 ファンと触れ合う初めての機会。がんばれ、みんな!


“初配信おめでとう~”

“パチパチパチパチパチ”

“自己紹介してー”

“おめでとう!”

“The Beginning of Summer、ビギサマ?”

“手振って!”



 スタートは同接200人か。わりと多い? こんなものなのかな。

 

「わ~見て見て! 画面上に花火が上がってる! ギフトありがとうございます!」


 ハルルが目ざとく見つけ、お礼を言う。えらい。

 早速ギフトを贈ってくれたファンの人がいるみたいだ。


「あ、ありがとうございましゅ!」


「ありがとうございますですわ~」


「ありがとうございます~」


「おおきにサンキューな」


 それぞれバラバラにお礼を言い始める。

 ん~まあ初回だから仕方ないけど、代表者がお礼したら、他のメンバーは短めに、リアクションだけ大きく。尺取りすぎないように。って後で課題だしとこ。



「はい、初回の生配信ということで、まずは私たちの自己紹介をさせてください!」


「名前だけでも覚えて帰ったってな~」


 ナギチ、めっちゃうれしそう……。そのセリフ好きだよねー。


“覚える覚える~”

“漫才師みたいだなw”

“アイドルとお笑いは相性がいい”


「今日のお客さんはノリええやん。あーしの超オモシロ一発ギャグが火を吹いたろか?」


 ナギチが腕まくりのポーズで勢いよくイスから立ち上がる。

 おーおーテンション上がってるなあ。


“自らハードル上げてくるぅ~”

“これ絶対スベるやつじゃんw”


「ナギサ、段取り守って?」


「はい……」


 やんわりとハルルに注意されてナギチが静かにイスに座った。


“ナギサの一発ギャグめっちゃおもろー”

“すべらんな~”

“どうもありがとうございました!”


「コメント欄うっさいわ! まだ一発ギャグやっとらんわ!」


「ナギサ!」


「……すみません」


“漫才まだ続いてたw”

“ナギサちゃん押しに弱くて推せる”

“すべらんな~”

“自己紹介はじまらんやんwww”

“リーダーつよくてかわいい”



「なんだかすみません、段取りがグダグダで……。さて! 気を取り直して自己紹介します!」


 ハルルが両手をポンと打ち鳴らし、切り替えの合図をする。


「は~い、まずは私から。私は新垣春、17歳です。≪The Beginning of Summer≫でリーダーを務めさせていただいてます。ハルちゃんとかハルルって呼んでほしいです。最近はまっているものは、この間マネージャーさんと食べに行った台湾かき氷です。よろしくお願いします!」


“88888888”

“ハルちゃーん”

“リーダー”

“自己紹介動画を見て配信きたよー”

“ハルル~”

“動画の演技マジ推せる”

“生配信でもかわいいね”

“恋の台湾かき氷うめ~”


「コメントありがとうございます! 自己紹介動画は……隠し撮りされててちょっと恥ずかしいのであまり見ないで……でも再生はしてほしいから、見ないで再生してください!」


“どういうことだってばよ……”

“まだ見てない。見たほうがいい?”

“ハルちゃん顔真っ赤や”

“あの恋する乙女の顔は隠し撮りなのか”

“あれガチ? 演技じゃないの?”

“急にノベルゲームになってて草”


「動画の話はおしまい! はい、次! サクラ、自己紹介お願い」


 ハルルが強引に話を切ってサクにゃんに回す。

 せっかく自分の話題になっているんだから、もうちょっと膨らませても良いのに。もったいないなあ。



「はい! 小宮桜15歳にゃん。みんなからはサクにゃんとか、ちーちゃんって呼ばれてましゅ。……す! 将来の夢は、ネコ型ロボットを作ることにゃん! よろしくお願いしましゅにゃん!」


“噛み噛みにゃんでかわいいにゃん”

“ネコミミあざとかわいい”

“サクにゃ~ん”

“ネコ型ロボットを作る?”

“耳がすごい動くけどどういう仕組み?”


「えっと、このネコミミは、脳波を読み取って動くおもちゃをちょっと改造して作ったんですけど、今研究中の社外秘なので中身は言えないです。ごめんなさい」


 サクにゃんは勢いよく頭を下げた。


“研究? 社外秘? サクにゃん何者?”

“ネコ型ロボットを作る研究?”

“アイドルが研究するのはダンスだろ~”

“ロボットダンス”

“それちゃうw”


「いずれちゃんと……どこかのメーカーから発売されたら買ってほしいにゃん」


 ネコポーズでごまかそうとしているけれど、しゃべっちゃって良い話だったのかな? どこのメーカーの研究とか言ってないからギリセーフかな?


“サクにゃんマジもんの研究してんの?”

“そういや動画もロボット関係のなんかだったな。むずかしそうで見てないけど”

“理系のワイ、ネコミミ少女に興味を持つ”

“字面が犯罪臭しかしなくて草”

“ちょっと動画見てみるか”


「ロボット研究の動画も良いですが、この後出そうと思っているネコ語でロボット解説動画も見てほしいにゃん」


“ロボットとネコを混ぜてきた”

“ドラさんかな?”

“ピンクのドラさん”

“えっちぃドラのコスプレ”


 コメント欄が怪しい方向に……。


「はい、サクラ自己紹介ありがとう! ネコ語でロボット解説がんばって! じゃあ次、サツキお願いね」


「は~い。羊の鳴き声は~(メイメイ)みんな元気~(メイメイ)メイっぱいがんばちゃうぞ。メイメイこと夏目早月です~」


“メイメイ”

“初見で乗れなかった。なんかごめん。次がんばるわ”

“メーメー”

“ライブではちゃんとやるぞ!”


 メイメイ……そのアイサツにしちゃったの?


「ありがとうございます~。私はスイーツが好きで~、いっぱいスイーツ食べる動画も公開しているので見てほしいです~」


“見る見る~”

“メイメイお姫様みたいでかわいいね。一生推します”

“スイーツは何が好き?”


 なに? なにか? ちょっとみんなこっち見るのやめて? はいはいはい、ボクですよ! ちょっとくらい自作自演したって良いじゃない! コメント参加NGじゃないでしょ⁉


「はい、メイメイ~サツキ、ありがとう。では次、ウミお願い!」


「はいですわ。わたくしは糸川海18歳ですわ。ピアノと声楽をたしなんでおりまして、ピアノ動画も公開しておりますので、ぜひご覧いただけるとうれしいですわ~」


“お嬢様だ”

“金髪姫!”

“ピアノはコスプレしてほしい”

“なわとびの子だ”

“アイドルだし清楚系で売っていこうぜ”

“金髪巨乳縄跳び推せる”

“もりすぎ~”


 やっぱり縄跳びが人気……。ウーミーがんばれ……。


「言い忘れていましたわ。わたくしのことはウーミーと呼んでくださいまし」


“ウーミー”

“ウーミー”

“いとかわうーみー”

“シースー”

“ウーミー推します!”


「はい、ウーミーありがとう! じゃあ最後、ナーギーサー」


「めっちゃゴロ悪っ! ……うしっ、待たせたな、あーしの番やで! あーしが水沼渚、ピッチピチの18歳やで! 埼玉県出身や! なんやなんや、埼玉だとなんか悪いんか? お?」


“ナギサ埼玉w”

“まだ誰もなんも言ってないwww”

“効いてる効いてるw”

“ださいたまw”

“エセ関西弁かよw”

“アニーちゃん”


「埼玉でも関西弁のやつはおるやろ! せんべい投げつけんぞ! あーしのことはナギチって呼んでくれよな!」


“奈良のワイ、鹿せんべいで対抗しちゃる”

“あーしナギチ”

“アニーちゃん天パ?”

“そういや超本格的なスイーツ作りの動画上げてたな”


「このパーマはもちろんオシャレや! お、動画見てくれたんか。おおきにな。あーしはスイーツ作りが趣味なんや。どんどん動画出してくから見たってな」


“見た目とのギャップ!”

“ナギサスイーツ作れんだ?”

“見てみ?マジ本格的でびびる”

“料理できなそうなのに意外な魅力?”


「おうおう、あーしに惚れんなよ?」


“そこはアイドルなんだから惚れさせていいんじゃね?”

“ガチ恋禁止ですぅ”

“なぎさちゃんすきすきあいしてる”

“イロモノ枠決定なんだよなあw”


「はい、ナギチありがとう。じゃあこれでみんな自己紹介できたかな?」


 ハルルの問いかけに、全員うなずく。

 ちゃんと時間通りに自己紹介できてえらい。


「では次は、みなさんお待ちかねの~、ボックスから質問を引いてなんでも答えちゃうコーナー!」


“わーわーまってましたー”

“88888888”

“質問1000000個投稿した!”

“読まれたらギフト送るわ”



「はい、それではこのコーナーの進行は、サクラが担当しましゅね」


「サクラ、ファイト!」


 サクにゃんはまだまだ緊張しているな。

 ハルルがすっごい心配そうな目でサクにゃんを見ている。


“にゃんにゃん”

“最初のお題は~?”


「はい、この黄金のボックスにみなさんからいただいた、た~くさんの質問を丁寧に紙に書いて入れてありま~す」


“手書き?”

“手書き熱い”


「メンバー1人1枚ずつ引いて、それに答える形式です。みなさん覚悟は良いですか?」


「がんばります~」


 メイメイが楽しそうに両手を上げて答える。

 他のみんなは無言でうなずき、それぞれのがんばるアピールをポーズで表現している。ナギチのそれは何? ロダンの考える人?


「ではこのボックスから1枚ずつ引いてくださいね。まずは誰からですかね。最初に引きたい人はいますか?」


“まさかの挙手制w”

“はじめてみたわ”

“トップバッターのハードル高し”


 台本では……順番に引くとしか書いてないのか。まあ、ここは流れを見守ろう。


“そういや、まだメンバー紹介終わってないんじゃね?”

“どういうことだ?”

“マネージャーちゃんたちの紹介求”

“集合写真見た”

“みんなけっこうかわいい”

“マネージャーちゃんたちの動いてるところ見たいな”

“顔出しOKなら紹介してよ”


 んん? コメント欄の流れおかしくない……?

 周りを見ると、レイ、都、ウタ、シオが一様にやれやれといった表情をしていた。


 え、これ受け入れる流れなの⁉ マジか!!

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