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ボク、女の子になって過去にタイムリープしたみたいです。最推しアイドルのマネージャーになったので、彼女が売れるために何でもします!  作者: 奇蹟あい
第二章 学園・大学病院 編

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第28話 【30分限界チャレンジ】○○できたらご褒美で自己紹介できちゃう⁉

「みなさん、はじめまして、こんにちは! 私たちは~」


 せーの。


「「「「「≪六花≫で~す」」」」」


 5人がカメラに向かって笑顔で手を振る。ナギチだけダブルピースしている。

 全員イスに座った状態からスタートだ。前列は左からハルル、サクにゃん。2列目は左からナギチ、ウーミー、メイメイだ。


“みゃ:生配信おめでとう!”

“詩:見てるわよ”

“レイ:がんばってください”

“楓:アイサツできてえらい”

“シオ:定点カメラOKやで”


 そう、今日は生配信のリハーサルだ。

 別室でマネージャー陣が配信をモニタリングしてコメントを入れている。

 本番の配信中は、なんやかんや小道具を用意したりする係で、カメラ脇をうろうろするだろうけれど、今日は完全5人だけになっている。


「え~と、最初の配信なので、普通は自己紹介をしたりするものかな~って思うと思うんですけど、配信タイトルにもあるように『【30分限界チャレンジ】○○できたらご褒美で自己紹介できちゃう⁉』だそうです」


 ハルルがなめらかに導入のカンペを読んでいく。


“楓:えーお話ししているかわいい子は誰なのー?”


「コメントありがとうございます。私たちの自己紹介はチャレンジ成功した時にしたいと思います! もし失敗したら……概要欄には別撮りしたそれぞれの自己紹介動画もあるのでそちらをぜひご覧ください」


“レイ:チャレンジ成功するといいですね”

“みゃ:〇〇できたらって何をするのかしら?”


「こ、これを引きますでしゅ!」


 サクにゃんがいきなり噛んだ。


“楓:でしゅ”

“詩:噛んだわね”

“レイ:かみましたね”


「です! このボックスからお題を引いて、それに30分間チャレンジします!」


 顔が真っ赤のサクにゃんが両手に抱えた金色のボックスを振ると、中でカサカサと紙が擦れる音をピンマイクが拾った。


「ここからはあーしが説明するで。今回はお題の中身をスタッフが用意してくれたんやけど、第2回目からは前回配信のコメント欄で次回のお題候補を募集して、ボックスに入れる形式にするから、ジャンジャン書き込んでな」


 ナギチがドヤ顔でウィンクする。

 うまく説明できたね。


「危険なお題や不適切なお題は、スタッフが確認して……え~と~候補からは外すのでご了承ください~」


 メイメイはちょっとかたいな。緊張しているかな?


“楓:キャーメイメイちゃんと説明できてえらいよーーーーーー!”

“みゃ:コメント欄静かに”

“楓:はい……”


 場を和ませようと思っての行動だよ?

 都……何その目は。ホントだよ⁉


「時間も30分と限られていることですし、さっそくボックスからお題を引きますわよ」


 そう言ってウーミーが後ろの席から立ち上がり、前列のサクにゃんの持つボックスに手を入れようとする。


 OH! Fantastic!


 サクにゃんに真後ろからのしかかるようなかっこう……なので、サクにゃんの頭の上にウーミーの胸が完全に乗っかって……その重力にトレードマークのネコミミがゆっくりとつぶされていく。


“楓:スクショチャンス?”

“詩:最低な発言ね。退室させるわよ”

“レイ:かえでくん自重してください”


 ボクは場を和ませようと思ってね?

 うう……。


「引けましたわ! 春さん、お題発表をお願いしますわ」


 いたって真面目なウーミーが、箱から取り出した小さな紙きれをハルルに手渡す。

 と、同時に重力攻撃から解放されたサクにゃんがネコミミの位置を調整していた。耳はグルグル動いているので壊れていない様子。


“みゃ:お題は何かしら?”

“シオ:ここでドラムロールの効果音”


 どぅるるるるるるるるるるるる……ドン!


「はい、出ました。記念すべき第1回の限界チャレンジは~『大縄跳び連続30回飛べたらチャレンジ成功』だそうです!」


“楓:大縄跳び!”

“レイ:みなさんがんばってください”

“みゃ:簡単なお題ね!”


「大縄跳びって長い縄跳びをみんなで飛ぶやつですか~?」


「たぶんそうじゃないかしら?」


「この場合、縄を回す役はどうするんや?」


 現場が混乱している!

 普通に5人で飛ぶイメージだったけれど、縄を回す役のスタッフが周りにいないと3人になっちゃうね。

 どうしたものかな。


“みゃ:今回はテスト配信なので、2人回す役に回ってちょうだい”

“楓:縄だけに”

“みゃ:ダジャレじゃないわよ……”


「了解! 縄を回す役は、私と……ナギサでいきましょう」


 ハルルが即座に役割を決める。ナイスチョイス。


「よっしゃ! まかしとき!」


「縄はどこかしら」


“シオ:こっちにあるから渡しに行くで”


「ありがとう。みんな、イスを片付けて場所を確保して」


 みんなテキパキと動き、大繩を回せる場所を確保。アドリブでしっかり動けるのはえらい。


「時間はここから30分で良いのかしら?」


“詩:違うわよ。配信枠30分のチャレンジだから、残り8分よ”


「時間少ないです~」


「早月さん、がんばりましょう!」


 弱気なメイメイをサクにゃんが鼓舞する。


「縄跳びは得意なのでがんばります~」


 メイメイもすぐに切り替えて前向きだ。 

 そうだなあ。スタジオで30分のカウントダウンの表示が見られる状態にしたほうが良いな。後配信内にも表示したい。


“楓:ゴーゴー”

“みゃ:3人ならいけるわよ~”

“レイ:みなさんがんばってください”


「まずはちょっと縄を回してペースを作るわね。ナギサ、いくわよ」


「よっし、せ~の」


 ゆっくりと縄が回り始める。

 ちょっと回すペースが遅いかも?


「とりあえず3人入って、1回飛んでみましょうか」


「は~い」「わかりました」「よろしくてよ」3人がそれぞれ返事をする。


「せ~の。い~ち」


 失敗。

 一番後ろのウーミーが引っ掛かっていた。


「思ったよりも難しいですわ」


 悔しそう。


“楓:今のは練習練習”

“レイ:みなさんがんばってください”


「もう一度いくわよ。せ~の。い~ち」


 失敗。

 やっぱりウーミーが引っ掛かっていた。


「並び順変えましょう。海さん真ん中に入ってください。先頭がサクラ、そして海さん、早月さんの順で」


 真ん中のほうが比較的飛びやすい。サクにゃん、ナイス判断。


「がんばりますわ!」


“楓:もうちょっと速く回してみたら?”


「では気持ち回すペースを速めましょう。いくわよ。せ~の」


 い~ち、に~、さ~ん、し~、ご~。

 5回目で失敗。

 メイメイとサクにゃんは余裕そう。

 ウーミーは運動神経いいはずだけど、縄跳びは……揺れがとにかくすごいもんなあ。これをそのまま配信したら視聴回数伸びそうだなあ。第1回からそういう路線で良いのかわからないけど。


「けっこういけました~」


「わたくしちゃんと飛べましてよ!」


「海さんやりました! これならすぐクリアできますね!」


“みゃ:みんないいわよ~”

“楓:このペースでいこう!”

“レイ:みなさんがんばってください”

“詩:残り5分よ”


「みんな、きばりや~、一気にクリアするで~」


「せ~の」


 い~ち、に~、さ~ん、し~、ご~、ろ~く、し~ち、は~ち……。


 うーむ。何回やっても10回を超えられない。

 全員に疲れが見える。特にウーミーは肩で息していて、ピンマイクを通した音声がASMRになりつつある。


「はあはあはあ……難しいですわ~」


“レイ:うみ先輩がんばってください!”

“詩:残り60秒よ”


「ラストチャレンジ! 行けるところまで行くわよ! せ~の」


 11回を飛んだところでタイムリミット。強制的にテスト配信終了となった。



「みんな、お疲れさま。チャレンジは惜しかったけど、内容は良かったわよ」


 配信スタジオに移動し、都が5人をねぎらう。


「わたくしが足を引っ張ったせいで……」


「今回はテストだから、次はいけるって。ね、レイもそう思うよね?」


「はい。うみ先輩はがんばっていらしたと思います」


「零さん……ありがとうですわ」


 2人が見つめあう。

 おお、なんだか良い雰囲気。


「お疲れちゃん。今日の配信動画は切り抜いて何かに使わせてもらうで」


 やはりシオセンセ……そうなりますよね。今回の映像にただならぬポテンシャルを感じたのはボクだけではなかったか。


「今日は休んで、また明日からがんばりましょう。解散よ」


 やっぱり≪六花≫はそれぞれが補完しあって良い感じに回るなあ。

 あとはメイメイがもう少し目立ってくれれば最高なんだけど……覚醒ってどうしたら覚醒するんだろう。

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