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ボク、女の子になって過去にタイムリープしたみたいです。最推しアイドルのマネージャーになったので、彼女が売れるために何でもします!  作者: 奇蹟あい
第二章 学園・大学病院 編

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第24話 裏エピソード1

(春)“カエデちゃん、こっちこっち”

(春)【カエデちゃん全然気づかないわ。迷子になってキョロキョロしてる。かわいい♡ もうちょっと見守りたい……でも泣いちゃったら困るわ】


(楓)『ハルル! 良かった。はぐれたかと思ったよ』


(春)“急にいなくなるんだもん、びっくりしたよ”

(春)【何か気になるものがあって、1人で走って行っちゃったのかな? 子供みたいでかわいい♡】


 いや、なにこれ……?

 ハルルの1人称視点の映像なのはわかるけど、途中に挟まる心の声みたいな音声なんなの? めっちゃエコーかかってるし。ハルルのこんな猫なで声聞いたことないよ?


「迷子のかえでくんかわいいですね♡」


「夢中になって迷子になっちゃうのかわいいです~」


 迷子にはなってないんですが……。

 レイもメイメイも肯定的! え? どうした⁉ ボクがおかしくなったのか……?



(楓)『けっこう人が多くて、すぐにはぐれちゃいそう……』


(春)【不安そうに周りを見ているのもかわいいわ。ギュってしたくなっちゃう! そうだわ、手をつなぐチャンスね!】

(春)“じゃあ、はぐれないように手でもつなぐ?”


(楓)『良いの?』


(春)【カエデちゃんうれしそう! やったわ! カエデちゃんと手つなげるわ♡】

(春)“もちろんカエデちゃんがいやじゃなければ”

(春)【あ~もう一生手を洗わない!】


「それはちゃんと洗って……。って、いやいやいや、ハルルの心の声を捏造するのはやめてあげて? 絶対こんなこと思ってないでしょ」


「いいえ、はるさんはだいたいこんなことを思っていると思います」


「え、まさか、レイ……ハルルの心を⁉」


「勘です。そんな雰囲気の表情をされているので間違いないかと」


 そんな表情してないでしょ! いったいどこを見てそんな結論に?


「私はカエくんを見る時、だいたいこんな感じですよ~。いつもちょこちょこ動いていてかわいいな~って思ってます~」


 メイメイが急に頭を撫でてくる。


「え、メイメイ……ボクのこと、そんなふうに思って見てたの⁉」


「カエくんは、真剣な顔をして何もないところで急に転ぶのがとってもかわいいです~」


 そ、それは……。たまに距離感がバグるというか……良いじゃん転んだって!


「カエちんはかわいいから、たぶんだいたいみんなこんなふうに思ってるんやで~」


 衝撃の事実!

 ボクって子供ががんばってるくらいの感覚でみんなに見られていたのか……。



(楓)『うん、ありがとう! じゃあ、はいこれ?』


(春)“あ~ひどい! もうそんなに手汗かいてないもん!”

(春)【急にハンカチを渡してきたりして……私、もしかして汗かきキャラ⁉ 臭い⁉ もしかして臭いの⁉ もう生きていられないわ……】


(楓)『冗談ですー。ほら、暑いし早く行こうよ』


(春)【じょ、冗談かぁ。心臓止まるかと思ったわ……】

(春)“カエデちゃん性格悪いよ!”

(春)【もう! 汗と臭いの話題は冗談じゃすまないからね⁉】


(楓)『もしかして……ボクのことキライになった?』


(春)“そういう質問も性格悪いよ! もう、行くよ!”

(春)【まさかキライになるわけないじゃない! 好き♡好き♡好き♡好き♡好き♡好き♡好き♡】


「うわーーーーーーー!」


 なんじゃこりゃ! ハルルが壊れた⁉


「かえでくん、しずかに!」


「いや、だってこれ、ダメでしょ? 勝手にハルルの心の声を……」


「だいたい合ってますから大丈夫です」


「だいたいって……」


「勘です」


「そうですか……」


 レイのその謎の自信はどこから来るの……。

 絶対間違ってるでしょ。

 


「まあ、こんな感じや。裏エピソードはメンバー限定だから安心しいや」


 シオがニヤニヤしながら言う。

 マジなんてものを作ってくれてんのよ!


「ホント流出させないでくださいよ? これが流出しようものなら、デビュー前からメンバー引退案件になりますよ?」


「表エピソードのほうはさっき見た通り、傑作に仕上がってるから安心しいや」


 傑作ねえ……。

 CG合成でなんか恋愛ゲームみたいになってるしなあ。

 シオの思うバズる基準がわからぬ……。


「こんなバージョンも作ったから軽い気持ちで見たってや」


 シオセンセの悪い顔リターンズ。

 あ、これは良くないことが起きますね?



(楓)“うへー。あっついねー”

(楓)【暑すぎる……もっと涼しいところでイチャイチャしたいなあ】


(春)『ホント暑いわ……。ようやく汗が引いてきたのにまた一気に噴き出して……あっ』


(楓)【背中にくっきりブラが見えてる! 紫かあ。ラッキー!】


(春)『やだっ。私、下着透けてる……』


(楓)【隠しても無駄ですー。もう見ちゃったもんね。ゲヘヘ】

 

「おい、こら!」


 シオさん、ボクの1人称視点で完全にふざけましたね?

 ボク、これは本当に怒っていい案件ですよね?


「ゲスエピソード1や!」


 さっきは裏って言ってたのに、今回はゲスって言っちゃってるじゃん。ホントこれひどいよ?


「カエくん最低です~」


 メイメイが胸を隠して引いている……。

 うわー、その反応は地味に落ち込む……。


「これボクじゃないよ⁉ ボクが映ってるけど、ホントのボクじゃないからね⁉」


 濡れ衣だよ!

 ゲヘヘって何だよ、マジで!


(春)『暑いのに白Tシャツなんて着るからだねぇ。あ、せっかくだから、そこのお店で服買って着替えちゃおっか』

(楓)【お、いいねー。どうやって着替えを覗こうかな】


「ストップストップ! はいこれ中止中止!」


 テレビの前に立って、両手を激しく振る。

 ピピー、没収試合!

 ギブアップです! もうダメ、見てられない!


「かえでくん、今すごく良いところなのでちょっとお静かにお願いします」


 レイの表情が真剣そのもの。

 レイは何言ってるの?


「良いところなんてどこもなくない? ボク……は映ってはいないけど。声はボクの……サンプリングだし?」


「普段と違うかえでくんを見たいです」


「これ、ボクじゃないからなあ」


「推しの供給は二次創作でもいいのですよぅ」


「え、あ、うん、はい……」


 二次創作……そうか、なんか納得しかけてしまった。

 ボクだけどボクじゃない。原作とは違う……そうか……。


「かえでくんが凌辱されていても、わたしは受け入れられる派ですよぅ」


「そんな派閥解体されてしまえばいいのに!」


 うっとりボクを見ながら凌辱とか言わないでほしい……。

 納得しかけて損したわ!


「私は楽しいお話が良いです~」


 そうだよね。

 メイメイはとても良い子だね。


「よっしゃ。2人の願いはうちが叶えたろ」


 もう悪い予感しかしないので、シオセンセはおかえりいただいてもよろしいでしょうか……。

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