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ボク、女の子になって過去にタイムリープしたみたいです。最推しアイドルのマネージャーになったので、彼女が売れるために何でもします!  作者: 奇蹟あい
第十二章 定期公演 ~ Monthly Party 2024-25 ~ #9編

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第32話 定期公演#9(≪BiAG≫コラボレーションライブ) その1~さそり座まで連れてって

 本番3分前。

 ≪初夏≫の5人が円陣を組む。

 中心にいるのは、リーダーのハルルだ。


「とうとう待ちに待った定期公演#9、≪BiAG≫とのコラボライブが始まるわ。いつもとは違う私たちを魅せる時。練習はいっぱいした。大先輩の胸を借りてこのライブを成功……違うわね。そんなの私たちらしくない!≪BiAG≫のパフォーマンスに期待している人たちをあっと言わせてやりましょう。私たちのほうが上だってね。私たちは今日ここで頂点に立つ! Call Enchant! We Can! We Can! We Can! We Can definitely do it<私たちなら絶対にできる!>」


 ハルルの決意表明に全員が大きく頷いた。

 右手にはブイサイン。自信に満ち溢れた五芒星が今、完成する。


「Are you ready? Our goal is to make lots of people smile. Let's enjoy the stage as usual today!<私たちの目標はたくさんの人を笑顔にすることよ。さあ、今日も普段通りステージを楽しもう!>」


『We are ≪The Beginning of Summer≫!!』


 さあ、行ってこい!

 みんなならできる!

 絶対負けるな!



 定刻。

 いよいよ開演する。

 だけど今回は、Overtureもメンバー紹介動画もなし。

 すべてが特別。


 上手側から≪初夏≫のメンバーが、下手側から≪BiAG≫のメンバーが登場し、ステージ中央に集まる。


 スポットライトが点灯し、全員揃いの衣装がお目見え。

 真っ白でシンプルな半袖のセーラー服。紺色のプリーツスカート。

 ただし、リボンの色は≪初夏≫が水色で≪BiAG≫が赤色だ。


 アイドル12人がステージ上で一堂に会した。



 前奏なしに1曲目が始まる。


 最初の曲は、伝説のアイドルグループ≪Believe in AstroloGy≫の代表曲『さそり座まで連れてって』。


 変形のV字フォーメーション。

 1列目、センターに秋月美月。

 2列目に左から小宮桜、新垣春、夏目早月。

 3列目、佐々木千佳(ささきちか)、水沼渚、糸川海、越後梨美(えちごりみ)

 4列目、益田友恵(ますだともえ)伊勢野乃花(いせののか)目白沙希(めじろさき)比留間樹(ひるまいつき)


 Aメロ。

 秋月美月ソロから始まる。

 

 センターでただ1人、不動のまま歌唱。

 残りの11人が一糸乱れぬダンスで盛り上げる。


---------------------------------

 あなたはワタシ

 宇宙そら見上げ

 星座に祈り捧げる


 泥みたいな世界

 抜け出せるように

 ただ祈り続ける 

---------------------------------


 この出で立ち。このオーラ。この歌声。


 誰がAIプログラムだなんて思うだろう。

 誰が作りものだなんて思うだろう。


 本物の秋月美月が現代に蘇った――。


『18年の時を経て、私は戻ってきた。迎えに来たよ、ユエユエ』


 ルーナの、ボンバー仮面V3の言葉を思い出す。

 今まさに、麻里さんの手によって、伝説のアイドル・秋月美月が蘇ったのだ。



 音源でしか、映像でしか体験することのできなかった≪Believe in AstroloGy≫を、生で感じることができる喜び。


 これが本物の音楽。

 これが本物のアイドルなのだ。


---------------------------------

 世界の終わりがやってくる

 (逃げ場なんてないんだ)

 ボクはただ立ち尽くすだろう 

 (絶望が近づいてくる)


 ボクらは振り返る

 タマシイ震わせて

 死んでも ぶつかっていけ

 (Fly to the galaxy!)

---------------------------------


 フォーメーションが変わり、前中後3列、各4人ずつの横並び。

 1列目、佐々木千佳、秋月美月、夏目早月、新垣春。

 2列目、益田友恵、小宮桜、越後梨美、目白沙希。

 3列目、水沼渚、伊勢野乃花、比留間樹、糸川海。


 波打つようなダンス。

 指先の動きまで美しく揃っている。

 まるでずっと一緒に組んでいる1つのグループのように。



---------------------------------

 さあ立ち上がれ

 反撃の狼煙

 目指すはさそり座 叫び続けろ

 あの真っ赤なアンタレスへ

 どうか届け


 さあ立ち上がれ

 肩寄せあって

 笑顔で歌え 声の限りに

 止まることないボクらの心臓

 一番星のその先へ

---------------------------------


 一切の遊びがなく、フルスロットルで踊り続ける。

 あの≪BiAG≫の面々に交じっても、≪初夏≫のみんなは決して見劣りしない。

 堂々と渡り合っているじゃないか。


 ああ、とうとうここまできたんだな。

 

 タマシイが震える。

 もしボクにタマシイなんてものがあるのだとしたら――いいや、この体の奥の奥、芯から細胞が震えるようなこの感覚こそが、タマシイの震えなのだろう。


 今この場所にいられることに、感謝の祈りを捧げずにはいられない。


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