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ボク、女の子になって過去にタイムリープしたみたいです。最推しアイドルのマネージャーになったので、彼女が売れるために何でもします!  作者: 奇蹟あい
第九章 定期公演 ~ Monthly Party 2024 ~ #6編

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第11話 さあ、全員でキャンプに行くぞー!

「よーし、メイメイも全教科満点で補習クリアできたし、全員でキャンプに行くぞー!」


 これで定期公演#6まで、ボクたちが夏休みを満喫するのに何の支障もないっ!


「カエく~ん、ちゃんと補習の小テスト合格したからごほうびくださいよ~」


「いや、うん……まあ、そうね……はい……」


 メイメイが体をくねらせながらボディータッチしてくるのをぼんやりと眺める。

 なんていうか……キャラに対する解釈間違ってると、すごく複雑な気持ちになるね……。


「じゃ、じゃあ、キャンプの時にバーベキューしようか。お肉各種10kgくらい買えば満足かな?」


 牛、豚、鳥、羊もいいね。

 あ、そうだ! 厚切り牛タンも食べたいから、かたまり肉で買って行こうっと!


「そんなごほうびいらないですよ~。ねぇカエくん。ギュッてして♡」


 両手を広げてハグ待ちのポーズ。

 肉よりもハグ。もう、完全にキャラ崩壊してるなあ。


「レイさん、そろそろそれ大丈夫なんで、終わりにして着替えてきてくれます? できれば早めにお願いします。バレたらホントにシャレにならないんで……」


「わかりました」


 スッと表情を消し、メイメイが音もなく立ち去る。


「もどりました」


「おかえりなさい、レイ」


 まるで廊下の角を曲がって、そのままUターンしてきただけのようなスピード感ですね。


「ではごほうびのハグをお願いします」


「はいはい。……これでいい? 今日は無茶に付き合ってくれてありがとうね」


 ちょっぴりボクより背の高いレイを、正面から強めに抱きしめる。

 肩にあごを乗せて、そのゆっくりと浅い吐息に耳を傾けていると、だんだんと自責の念に駆られていくわけだけど……。

 

 ああ、しかしボクはなんてことをしてしまったんだろうか……。


 言い訳しようもなく、犯罪に手を染めてしまいました……。でもこうするしかなかったんです。せめてもの罪滅ぼしに、キャンプにも勉強道具を持って行って、自主的な補習を行います。どうか赦してください……。


「続きは今夜おねがいします」


 ハグに満足したのか、レイがボクから体を離した。


「いや、うーん。はい……」


 続きは今夜……ということはですよ。『ハルサクメイナギウミ一生アイドルしますドーム』の温泉施設で体が縮む薬≪REJU_s≫を飲むことになるのかなあ。まあ、もうハルルやウーミーもボクの体が縮むことは知っているし、もう別に問題ないのかなあ。


「問題ないのなら、今から飲みますか?」


 それはちょっと……。

 

「逆に≪REJU_b≫を飲んで、車を運転するのはどうでしょうか?」


 体が10歳の状態に縮む薬≪REJU_s≫に対して、≪REJU_b≫の効果は体が20歳の状態に成長する薬だ。まあ、どっちも遺伝情報をデジタルデータ化しているボクだけが安全に使える薬らしい。(マッドサイエンティスト談)


「どうでしょうか、じゃないよ。20歳になったからって自動的に車を運転して良いわけじゃないんだよ。日本の法律では免許が必要だからね?」


「はなさんのコスプレをすればバレないのではないでしょうか」


 バレなきゃいい理論はホント良くないですよ?

 いや、今回の補習のテストは、緊急事態でそうするしかなかっただけで……。とにかく法律は守って!


「はるさんも喜びますよ」


「喜ばないでしょ……。あれはあれでそっとしておきたい問題というか……」


 どうしても聞けていない問題。

 ずっと尾を引いているダーリングさん事件。


 結果的にボクはハルルをだましたことになるわけで……。ハルルだってそのことに気づいているっぽいのに何も言ってこないんだから、蒸し返したい問題ではないはずなんだよ……。


「な~に? カエデちゃん、私がどうかしたの?」


「おわっ! ハルル!」


 いつの間に⁉

 今の話、どこまで聞かれた?


「はるさんが最近かわいくなりましたね、という話をしていました」


「えっ、ななななな何よ急に⁉」


 ハルルの頭の上からボンッという音が聞こえた気がした。


「身長が伸びてスタイルが良くなって、大人な女性の魅力が出てきたので、新しいファンを獲得できるのではないかと期待しています」


 レイさん……。表情を変えないままよくもそんなに口から出まかせでペラペラと適当なことが言えますね……。ハルルはぜんぜん身長伸びてない……あ、なんならサクにゃんのほうが身長も伸びてずいぶん大人びてきたような。もしかしたら、身長で抜かれたりしたら、妹枠交代もあるのか⁉


「ねぇ、カエデちゃん……。今私の顔見て、すごく失礼なことを考えてない……?」


 ジト目――。


「ううん? ハルルってかわいいなーって。ノーメイクでもお肌すべすべでうらやましいなーって思ってただけ」


「ねぇ、カエデちゃんがそれ言う? 真っ白できめ細か過ぎて、透き通るような肌のカエデちゃんが人の肌を褒めることなんてあるの? 嫌味?」


「いや、それは……。ハルルはほら、肌が薄くて血管が透けて見えるところとか、とってもセクシーだと思うよ?」


 苦しいか?


「ほ、ホント⁉ 血管が透けてるのってセクシーなの⁉ ところどころ青白く見えて気にしてたんだけど……。カエデちゃんが言うならセクシーなのかな⁉……自分だとわからないわ」


 着ているTシャツの襟首をめくって、自分の鎖骨辺りの血管を見つめている。


「あーうん。個人的な意見だけどね?」


 ヤバい、想像以上に食いついてきた。

 レイさん助けて!


「このあとは屋外でキャンプですからね。肌が薄いはるさんは、とくに日焼けには気をつけましょう」


「そうだわ! すぐに赤くなって痛くなっちゃうのよ。日焼け止めをしっかり塗り込まないと! 私、買いに行ってくるね!」


 そう言ってハルルは売店に向かって走っていった。

 

 レイ、サンキュー。

 ボクたちもメイメイを迎えに行って、キャンプに出かける準備をしないと。補習中にドッペルゲンガーがうろついたらヤバいってことで、今朝からずっと部屋に缶詰めにしているし、そろそろ解放してあげないとね。


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