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ボク、女の子になって過去にタイムリープしたみたいです。最推しアイドルのマネージャーになったので、彼女が売れるために何でもします!  作者: 奇蹟あい
第九章 定期公演 ~ Monthly Party 2024 ~ #6編

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第7話 糸川海生誕祭2024&1st Anniversary その4~金属製のビキニアーマーに聖剣エクスカリバーを携えて

「3回戦始めますわよ~」


 え、もうウーミーがスタジオに入ってきた?

 今の本部からの音声によると、ちょっと裏の控室でレイとトラブルになっていたような? なんだか切り替え早いな。


「おい! ここはどこなんだ……? 常に敵襲に備えなければ!」


 周囲を警戒するように、低く腰を落としながらウーミーが入ってくる。って、この格好は!


「私の部隊はどこだ⁉ 私の優秀な部下たちはどこへ……。ま、まさかお前たちが⁉ 私のことをどうするつもりだ……衆目に晒して辱めるつもりだな⁉……くっ、殺せ!」


 お、女騎士のくっころさんだ!


『ナギチをさがせ!』の時に登場したくっころさんのコスプレだ! 金属製のビキニアーマーに聖剣エクスカリバーを携えて。ウーミーめちゃくちゃ似合うなあ。やっぱりくっころさんは金髪に限るね。


“くっころ!”

“王道!”

“いいやん”

“さっきと比べて露出はそこまで高くないのに妙にエロいw”

“もう何でもよくなってるだろw”

“足が良い”

“腰が良い”

“くっころせ!”

“もっと辱めたい”

“ウーミーのコスプレいい”

“オーク似の俺歓喜”

“お、おう……がんばって生きろよ”

“応援してるぞ”

“男は顔じゃない”

“オークいけるよ!”

“心までオークになるな!”

“がんばれ”

“突然オークを励ますスレにw”



「やめろ! そんな汚い手で触るな! 汚らわしいゴブリンどもめ!」


 だからさ、急に1人コント始まるのなんなの?

 女騎士なら定番のオークと戦おうよ? ゴブリンって……まあそれでもいいけどさ。


「触るな! 私はかの有名な女騎士だ! どうだ、参ったか! 怯まない、だと……」


 そりゃそうでしょ。魔物に言葉は通じない。しかも有名な女騎士って……誰だよ、ちゃんと名乗れよ!


「くらえ! ファイヤーボール!」


 ちょーっと! 女騎士が魔法を使うんじゃない! お腰につけたその立派な剣で戦って! まったく抜く素振りもないけど、そのエクスカリバーは飾りなの⁉


「今のはメラゾーマではない……メラだ!」


 ウーミーのキメ顔。

 カメラ目線で3秒。そしてボクたちのほうを向いて3秒。その場で1回転してから3秒。 最後にハルルの正面に立って5秒。


「ぶっふぁっ! ウミ! それはずるいわよ!」


 ハルルが堪えきれず、口から水を吹いてしまった。

 えーハルルさん、またですかー?


“オレも負けたわw”

“がっつりファイヤーボール言いましたやんwww”

“もう無茶苦茶だw”

“せめて剣使えよwww”

“ウーミー意外と演技いけるな”

“真面目な顔でふざけるのずるいわ”

“お前ハルルか?w”

“ハルル降臨w”

“残念。オークでした”

“オークかよ!”

“紛らわしいwオーク消えろw”

“オーク〇ねw”

“オークゆるさねーw”

“急に始まるオークバッシングwww”



「よし、1匹メスゴブリンを倒したわ。わた……余は満足じゃ。さらばだ。……くっ、殺せ!」


 ガッツポーズのくっころさん(ウーミー)がスタジオを去っていく。

 またもやゲラのメスゴブリン(ハルル)を撃墜して満足そうだ……。



* * *


「おいー! ハルルー! いい加減にしなさいよ⁉」


「春さん、あれはさすがにガマンしましょう! サクラだって耐えましたよ!」


「ハルちゃんまたリーダークビになっちゃいましたね~」


「このメスゴブリンがっ! ギャラクシーメラゾーマ☆」


 みんなで取り囲んで、ハルル総バッシング。


「面目ないです……」


 正座して下を向くハルル。

 さすがに今回はがっつり反省したほうが良いと思う!


「どうする、みんな? もう2回目だし、ハルルはこのまま卒業で良いんじゃない?」


「そんなっ!」


「しずかに。卒業メスゴブリンは黙ってて!」


「ううっ……」


 涙をポロポロとこぼしながらスカートの裾をギュッと押さえている。

 うむ……今日もハルルの泣き顔はかわいいな。あと3回は卒業させられる。あ、でも3回目でホントに卒業か……。


「ハルちゃんも反省してますから、みんなで助けてあげましょうよ~」


 メイメイが助け舟を出す。

 やさしいな。さすが天使は心が広い。


「ハルちゃんハルちゃん」


「ありがとうサツキ……。私の親友!」


 抱き合う2人。


「あと1、2……3回卒業できますね~」


 指を折って数えるメイメイ。

 やっぱりおもしろがっているだけでした。

 小悪魔天使メイメイ!


「よ~し! みんなでハルにゃんを3回卒業させるぞ~☆」


「サクラがんばります!」


 七変化の主旨変わっちゃってるじゃん。

 ちなみに3回だと復活できないからね? 笑うのは2回までにしておかないとホントに卒業になっちゃうからね? まあそれはそれでおもしろいから良いけどさ。


「サツキ……みんな……。こわい……」


 震えあがるハルル。

 でもね、生殺与奪はボクたちの手にあるわけですよ。

 フハハハハハハ!



「それでは張り切って4回戦を始めます」


 お、次が始まるね。

 折り返しの4回戦か。

 この調子でがんばるぞー!



「こんにちは。糸川海です」


 音もなくゆっくりとスタジオに入ってくるウーミー。

 えっと、ウーミー……?

 ホントにウーミーか?


 ねえ……どこからどう見ても、レイさん……ですよね?


「みなさん、驚かれた顔をされていますが、どうしましたか?」


 いや、だってさ……レイでしょ?


「いいえ。わたしは糸川海です」


 今さ……ボクの心の声に返事したよね?

 あ、今も一瞬「しまった」みたいな顔したよね?


 ちょっとレイさん、どういうことですか⁉


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