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ボク、女の子になって過去にタイムリープしたみたいです。最推しアイドルのマネージャーになったので、彼女が売れるために何でもします!  作者: 奇蹟あい
第九章 定期公演 ~ Monthly Party 2024 ~ #6編

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第6話 糸川海生誕祭2024&1st Anniversary その3~これは……ギャラ……クシー?

「第2回戦、始めますわよ~」


 ウーミーが戻ってきた。


 さあ、みんな、気合を入れるぞ!

 コップの水を口に含んで……全員生還だ! We Can!


「ハルちゃんハルちゃん。ボク、また人間になっちゃったよ~」


 四つん這いのタヌキが、スタジオの中へ入ってきた!

 この間ボクがハルルとのデートの時にしたタヌキのコスプレじゃん! ちょっとー! 連続でボクのコスプレをするんじゃないよっ!


“タヌキw”

“ちょっと予想が当たったわwww”

“執拗に楓シリーズで攻めてくる~w”

“ビキニが破れそうなほどピチピチじゃんw”

“カエデ用のを無理やり着たなw”

“サイズ用意してあげてw”

“屈むと揺れがすごい……”

“カエデの汗とウーミーの汗が混じって”

“おまわりさんこいつです”

“まだ何も言ってないだろ!”



「タヌキちゃん! ちょっと……えっ、そのビキニ大丈夫? ちょっとお尻はみ出ちゃってない?」


 ハルルは少し黙ってて!

 視聴者のみんなにこれ以上エロの燃料を与えないで!

 

「ボクね、この間の撮影から、体がちょっと成長しちゃったみたいなの。もしはみ出てたら……ハルちゃんがお手手で隠してくれる?」


 ウーミーも何言ってるの……そんなことになったら放送事故だし、ダメに決まってるでしょ。そうなる前にさっさと控室に戻りなさいよ!

 それとさ、ハルルを利用して掛け合いしないで。そのパターンを使うのは反則でしょ。


「誰か~。ボクのご主人様になってくれませんか~?」


 ウーミーがいきなり立ち上がり、ボクたちのイスの回りをグルグル走り回る。


「誰か~。マッチを買ってくれませんか~?」


 それはマッチ売りの少女ですね。もはやタヌキ関係ない……。


「は~。すっごく寒い……。今日は大みそかですものね……」


 急に寸劇が始まった?


「そうだ! このマッチを擦って暖を取りましょう」


 マッチ売りの少女タヌキがマッチ箱からマッチを1本取り出すと、シュッと擦って火をつける。いや、ホントタヌキ関係ない……。


「暖かい……ああ、消えちゃったわ……。もう1本だけ……」


 再びマッチを取り出して火をつける。

 するとひときわ大きな火花が散った。


「あれ……? 今、炎の中に何か……」


 けれどすぐに火は消えてしまう。


「もう1本だけ……」


 震える手で、次のマッチを取り出すと、マッチ箱の外側を擦ると、再び大きな火花が散った。


「これは……ギャラ……クシー?」


 いや絶対違うでしょ!

 ちょっと真面目に見て損したわ!


「タヌキちゃん……かわいそう……」


 ハルルは何で泣いてるの?

 今どこか泣き所あった?


“オレたちは何を見せられてるんだ……”

“ギャラ……クシー?”

“だからギャラクシーって何だよ(哲学)”

“宇宙工学な”

“うるせーよwwwどの学問かは聞いてねえんだよwww”

“タヌキがマッチ擦ってる”

“いかん……谷間にしか目が行かん”

“それなw”

“サイズ合わな過ぎてやばいwww”

“ふぅ”

“おい!まだ2回戦だぞ!”


「ハルちゃん……じゃあボク、もう帰るね。バイバイ。また会えるかな……?」


「タヌキちゃん……い゙がな゙い゙で~~~~~!」


 だからハルルは何でガチ泣きなの?

 この間の動画の撮影を思い出しちゃった?


 逆にみんなハルルが入り込み過ぎてるのを見て、冷静になってるからね?


「ボクはタヌキ……シュークリームふわふわ~」


 帰りながら雑にシュークリームの振り付けすんな!

 さっさと帰れ!



* * *


「今回は余裕だったね……?」


「そうですね! みっちゃんが体を張り過ぎて、笑うよりもポロリが心配で仕方なかったです!」


「最後ちょっとはみ出ててましたね~」


 いやはみ出てないから。

 スロー再生とかするやつが現れるから、メイメイは余計なこと言わないで?


「だっちゅ~の♡」


「ナギチ、それ昭和の……。よく知ってるね?」


「お笑いファンならみんな一度はマネするネタ~☆」


 あれはお笑いの範疇なの?


「みんな、私のためにありがとうね!」


 ハルルが泣きながら1人ずつ全員の手を取って握手して回る。

 だからなんで引き続きガチ泣きなの?


「ハルルはボクたちの邪魔ばっかりしてたけどね。口に水を含んでいないからって、ずっとしゃべるのはやめよう? それのせいでウーミーとのコントみたいになっていて、ちょっとおもしろくなりかけてたじゃん」


 前半ほんのちょっとだけね。後半はぜんぜん余裕でしたけどね。


『こちら本部です。2回戦は誰も笑わなかったので、はるさんの復帰を許可します』


「やった~! みんなこれからもよろしくね!」


 涙が止まってとても良い笑顔ですね。

 なんかもう、ハルルだけこの企画を楽しみ過ぎじゃないですかね。


「ねえ、本部のレイさん」


『はい、こちら本部。かえでくん、なんでしょうか?』


「あのさー、本番中にこんなことを言いたくはないんだけどさ……ウーミーにエロい格好させるのやめて?」


“おい、カエデ!余計なこと言うな!”

“カエデーーーーーーー”

“俺たちの楽しみを!”

“タヌキの回だけ一生ループ頼む”

“次のコスプレを!!!”

“カエデ卒業”

“おまえwww”

“まじひくわー”

“私女だけど海さんにエロい格好はさせたほうが良いと思うわ”

“私もそう思う!女だけど!”



 コメント欄が荒れてる……。

 ボク、間違ったこと言った……?


『こちら本部。うみ先輩がエロい格好をしたいと泣いて頼んでくるので仕方なく手伝っているだけです』


 えー、ウーミーさん?


『ちょっと、零さん⁉ わたくしそんなこと一言も……。レイさんがこれを着ろと無理や――。はい、こちら本部。失礼しました。おかしな音声が入り込みましたので、沈静化しました』


 いや、今ウーミー本人の声でしたよね?

 沈静化って……。

 ウーミー……大丈夫?


「レイさーん。なんかそっち大丈夫ですか? 揉めているなら手伝いましょうか?」


『大丈夫です。問題ありません。3回戦ははるさんも復帰して5人で挑戦をお願いします』


 まあ、大丈夫だっていうなら、このままスタジオでがんばりますけどね。


「3回戦始めますわよ~」


 え、もう?

 ついさっき揉めていたと思ったのに、ずいぶん準備が早いな。

 さっきのごたごたもコントの一部だったのかな?


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