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ボク、女の子になって過去にタイムリープしたみたいです。最推しアイドルのマネージャーになったので、彼女が売れるために何でもします!  作者: 奇蹟あい
第八章 定期公演 ~ Monthly Party 2024 ~ #5編

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第31話 定期公演#5 その10~そして伝説へ(終)

 ハルルが投げたダーツが刺さったのは22%の細いエリア。赤のエリアだった。

 赤はハルル自身のメンカラーだ。


 ハルル、罰ゲームのドームくん着ぐるみ強制着用決定――。


「いや~~~~~~~~~~!」


 ハルルの絶叫がこだまする。


“やっちゃったな~w”

“自分でとどめを刺したかw”

“これはもう文句を言う相手がいないパターンw”

“ハルルさすがもってるな~www”

“リーダー好きだわw”

“そこ当てるか?w”

“ハルちゃんカワユスwwwww”

“カエデも自分で着るつもりだったのにちょっと困ってるじゃんw”

“それなw”



 いや、ぜんぜん着るつもりはなかったですけど? まあ、でも割合的にはちょっと諦めていたっていうのがホントのところ。……って、どうするの、この後のステージ⁉


『以上、MCコーナー「リアルダーツで勝敗を決めろ!」でした』


 レイのナレーションでコーナーを締める。

 って、コーナータイトル変わっちゃってるじゃん。


「いやよいや~! あんなの着て、このあと踊れないわよ~!」


 ステージ上を走り回りながら駄々をこね続ける赤アフロ。

 その暴れっぷりと言ったら……ダーツボードに体当たりして破壊しかねない勢いだ。


「ハルちゃんハルちゃん」


 メイメイがハルルを呼び止める。

 お、うまいこと説得してくれるのかな?


「何よ!」


「よく見たら、ドームくん着ぐるみもかわいいと思いますよ~」


 煽っただけだったー!

 メイメイ何してるのさ! 雷様にぶん殴られないうちにさっさとステージ降りて!


「はい、ストーップ! ハルル、一旦落ち着こう。これは定期公演でファンのみんなと作るショーだからね。リアルガチで暴れるのはダメ」


「……わかっ……てるわよ。着るわよ! 負けたんだから着ます!」


「はい、良い子ね。ハルちゃん良い子」


 よしよし、とアフロのハルルを軽くハグする。こそっと耳打ち。


「とりあえず控室に行こう。どうしても着れなかったら、ボクが代わりに着て、みんなに謝ってあげるから」


「ありがと……。でも平気よ」


 そう言ってステージを降りていくハルルは、冷静さを取り戻したいつものハルルだった。



* * *


 数分後。


「これでよし、と。じゃあみんな、後半戦も気合入れていくわよ! We Can!」


 控室で完全武装状態のドームくんが叫ぶ。


「ハルちゃん……」


「ハルにゃん……」


「ドームさん……」


「春さん……」


 困惑する4人。全員、何とも言えない表情でハルルを見つめる。

 ハルルの掛け声に「おー!」と答えられないでいる、みんなの気持ちがよくわかってしまう……。


 ねえ、ドームくん……やっぱりその格好で歌って踊るのは無理なのでは?


「誰だよ、こんなデザインの着ぐるみ考えたやつ!」


 責任者出てこい!


「責任者は師匠です」


 ですよねー!

 ホント責任者出てこい!


 こうなった時のリスク管理はどうなってるのさ? ボク以外が着たら絶対こうなるでしょ。何、あれはメイメイにダーツをやらせて、ボクのところに刺すまでがシナリオだったわけ? それならそうと最初に言っておいてくださいよ! いつも台本が適当でアドリブ任せだからこうなるんですよ、わかります?


 マジで責任者出てこい!


「カエデちゃん、私は余裕よ。毎日しっかり練習しているから、こんな着ぐるみの1つや2つ着たところで、何の支障もないわ! We Can! We Can!」


 You can'tだよ……。

 そんな強がりを言っても物理的に無理なものは無理だと思います……。

 だってさ、手が短すぎてハンドマイクを口元に持ってこれてないじゃん。

 膝、ぜんぜん曲がらないでしょ?

 首、埋まってて回らないでしょ?


 そんな真ん丸の球体で激しいダンスできるわけないよね。



「時間よ、いくわ!」


 のっしのっしとドームくんが先頭を切って控室を飛び出してい……体が大きすぎて控室の扉に引っ掛かった⁉ 強引に身をよじってつぶれながら出て行ったー!


 ああっ、ドームくん! どうか、そのままステージに上がるのは考え直して! ボクが頭を下げれば済む話なら、何回でも下げてあげるから! そのまま行かないでー!


「かえでくん。はるさんの覚悟を見届けましょう。はるさんなら最後までやり遂げてくれるはずです」


「いや、ちょっと良い話風に言ってますけど、レイにも大きな責任がありますからね! あんなドームくん着ぐるみなんて『ダメですよ』ってちゃんと麻里さんに言っておけばこんなことにならなかったのに。それよりも先にボクに相談してくれていれば、なんとかできたかもしれないのに!」


「かえでくん。はるさんを信じましょう」


 あくまで良い話風に片づけようとしているな……。

 ねえ、レイ……。もう何ともならないと思ってさすがに諦めてるでしょ?


「かえでくん。はるさんを信じましょう」


 同じセリフを繰り返すんじゃない! 村のNPCか!

 ああっ、ステージにスタンバイしてしまった! コメント欄がめっちゃざわついてる!


“マジでドームくんw”

“この状況でハルルはなんでキリッとしてられるのw”

“すでにお腹痛てえwww”

“センタードームくんwwwww”

“ダメだ、マジで降参w”

“これで3曲歌うの?マジ?”

“ほかの4人の表情www”

“伝説の始まりだー!”

“逆伝説w”

“これ、アイドルのマジのライブなんだぜ?”

“ハルルがんばえ~”



 もうダメだ……。

 神様!



 そして、定期公演#5は、違う意味で伝説となった――。



第八章 定期公演 ~ Monthly Party 2024 ~ #5編 ~完~



第九章 定期公演 ~ Monthly Party 2024 ~ #6編 へ続く


-----------------------------------

ここまでお読みいただきありがとうございました。


第八章の前半では、ボンバー仮面V3直接対決して完全敗北した楓たちでしたが、何とか立て直し、定期公演#5を開催することができました。

しかしまあ、無事終了できたかと言われれば、ハルルがある意味伝説となって終わったわけですが……。


第七章で発表された≪Believe in AstroloGy≫×≪The Beginning of Summer≫一夜限りのスペシャルコラボレーションライブの開催もまだですのでこちらの続報にもご期待ください。

第八章の冒頭で朝西日常系スピンオフマンガのアニメ化が発表されていますし、7月は≪初夏≫結成の月でもありますので、アニバーサリー的なあれこれも控えており、この後もイベントが盛りだくさんです。


この後もどうぞよろしくお願いいたします。

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