表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ボク、女の子になって過去にタイムリープしたみたいです。最推しアイドルのマネージャーになったので、彼女が売れるために何でもします!  作者: 奇蹟あい
第八章 定期公演 ~ Monthly Party 2024 ~ #5編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

402/454

第29話 定期公演#5 その8~ハルvsサツキ☆逆野球拳対決~着膨れするのはどっちだ⁉(4)

『こちら本部。10回戦が終わったところですが、MCコーナーの時間が10分押しになっています。よって、次の対戦を最後の1回とします。それで勝負を決めていただきます。なお、最終対決は特別ルールを適用します』


 レイから会場全体にアナウンスが入る。


 特別ルール。

 まったくもって初耳だなあ。レイさん、もしかして……今思いついたんじゃないよね?


『特別ルールの説明を表示します』


 画面に図と文字が映し出される。

 えーと、何かな?


--------------------------

最終対決は1回勝負


勝負の形式はダーツ


巨大なダーツボードに向かって、代表者1名が1本のダーツを投げる

ダーツが刺さったところに名前が書かれているメンバーが罰ゲームを受ける


罰ゲームの内容はこちら

--------------------------


「おっと? なんと最後はリアルにダーツを投げて勝敗を決するようですよ? これなら不正も起きないし、ハルルさんも納得ですかねー?」


 隣に立っているハルルの様子を伺う。


「も、もちろんよ! ここで一発逆転を狙うわ!」


 勝負事には真剣なハルル、とても鼻息が荒いね。まだ逆転をあきらめていない。良い姿勢だ。


「メイメイさんはどうですか?」


「え~、聞いてないよ~。せっかくここまで私勝ってたのに~。って言うのがお約束ですか~?」


「アイドルはお約束とか気にしないでいいんで。擦れてないナチュラルなコメントくださいよ……」


“ガチダメ出しw”

“メイメイが配信に慣れすぎちまったw”

“ベテランの貫禄出すなw”

“フレッシュレモンになりたいの~”

“なっつwww”

“そういや初夏は天然キャラがいないな”

“え?”

“え?”

“え?”

“え?”

“え?”

“なんかごめん……”

“せやなw”


 せやな……。

 伝説のアイドル・レモンさんは天然キャラでもなかったし、逆に≪初夏≫は天然だらけだからね……。いや、今はそんなことはいいんだって、最終対決をしなければ!


「『罰ゲームの内容はこちら』って書いてありますけど、どんな罰ゲームですかね?」


 とつぶやいてみると、画面が切り替わる。


--------------------------

ダーツによって選ばれたメンバーは、

こちらの『ドームくん着ぐるみ』を着て、

今日1日過ごしてもらいます

--------------------------


 最後に『ドームくん着ぐるみ』の画像が雑に張り付けてある。

 ミラーボールみたいに七色に光り輝く球状の何かから、手足と顔がニョキっと生えているようなサンプル画像。だ、ダサい……。超絶ダサい……。これを着るのは罰ゲーム過ぎる……。


「ちょっと待って? このドームくん着ぐるみを今日1日ですか……。それってこのコーナーが終わった後も着るってことですか?」


『そうです。本日の23:59まで強制着用です』


「えーと、本部のレイさん? 一応確認ですけど、このMCコーナーの後って、そのまま定期公演#5は終了じゃないですよね? 歌とかありますよね……?」


『このあと3曲のステージが残されています』


「つまり……」


『ドームくん着ぐるみで歌って踊ってもらいます』


「「え~~~~~~⁉」」


 ハルルとメイメイが驚きの声を上げる。

 ここにきて、今回の罰ゲームの真の恐ろしさを理解したようだ……。


「大丈夫ですか? この罰ゲームはレイさんの独断で進めたりしてないですよね?」


『もちろん本部の決定です』


「決定ですか……」


 つまり、麻里さんがGOを出している……というか主導しているということか。すなわち、もうここから罰ゲームをなしにすることは誰にもできない!


「2人とも。どっちが負けてもがんばって乗り切ってくれ!」


 健闘を祈る!


「いやよ~! あんなダサい着ぐるみで踊れないわよ!」


「ドームくん、真ん丸でかわいいですよ~」


「じゃあ、サツキが着なさいよ! 私はあんなダサいの嫌よ!」


「私も嫌ですよ~」


「かわいいって言ったじゃない!」


「かわいくても自分で着るのは嫌ですよ~」


 にらみ合う2人。このままキャットファイトにでも発展しそうだ……。アイドルが暴力で解決するのはダメですよ、ちゃんとゲームで勝敗を決めますからね?


『まだルール説明が終わっていないので、みなさん静かにお聞きください』


 レイからのアナウンスが入る。


『ダーツボードに表示されるみなさんのお名前は、最初に使ったルーレットとは異なり、50%ずつではありません』


「どういうこと?」


 赤が50%で青が50%。半円ずつのルーレットを回していたけれど、最後はそうじゃないってこと?


『これからファンの皆さんにはお1人1票ずつ、誰を応援するか投票していただきます。わたしが「スタート」と言った瞬間の発言から、投票が有効になります』


「えーと、コメントに名前を書き込んだらそれが応援になるってこと?」


『そうです。フルネームでも名字だけでも愛称でも、判別可能なコメントはすべて有効な判定とし、ログインID毎にメンバーの名前に関する最初の発言のみを有効票としてカウントいたします』


「なんかすごいな。急にファン投票が始まるってこと? あれ、でもこの場合って応援されるとそれだけ……」


『ダーツボードに占める割合が大きくなり、当たりやすくなります』


「なんだかそれって複雑ね……」


 おそらく現時点ではハルルのほうがメイメイよりもファンの数が多い。

 つまり、ハルルのほうが不利になる?


『会場にいらっしゃるみなさんは、投票締め切り時のペンライトの色で判定させていただきます』


 なるほどね。

 会場はわかりやすいかもしれない。集計は大変そうだけど。


『それではこれから最終対決のダーツボード割合決定投票を始めます。スタート』


 レイが開始の合図をする。

 一斉に配信コメントに名前が書きこまれていく。


“ハルルがんばれ!”

“メイメイ着ぐるみ似合うよ~w”

“この場合カエデはどうなるんだ?”

“メイメイおっすおっす”

“やっぱりカエデだろw”

“楓に着させる方法はないものか”

“ハルルのちょっといいとこ見てみたいw”

“順当にいけばハルルw”

“どれくらい差がつくかな?”

“カエデ脱げ~w”


「いや、ボクのことは良いから、みんなちゃんと2人の名前を書き込んで投票しなよ……」


『あと30秒で投票を締め切ります。アカウント切り替えしてかえでくんに組織票を入れたい方は急いでください。わたしも急ぎます』


「ちょっと本部の人ー。いろいろ間違ってますよー。複数投票を助長するのもおかしいし、ボクに投票しても無効票ですからね?」


『あと15秒です。今回のMCお当番は、はるさん、さつきさん、かえでくんの3人です。もちろん最終対決には、かえでくんにも参加していただきます』


「えっ?」


『残り5秒。4・3・2・1・0。締め切りました。集計に入ります』


 ちょっとレイさん、最後の不穏なコメントなんですかあ⁉

 うわっ、会場のペンライトがけっこう黄色いんですけど⁉


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ