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ボク、女の子になって過去にタイムリープしたみたいです。最推しアイドルのマネージャーになったので、彼女が売れるために何でもします!  作者: 奇蹟あい
第七章 定期公演 ~ Monthly Party 2024 ~ #4編

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第33話 定期公演#4 その2~ナギチ、MCやるじゃん

「みなさ~ん、こんばんは~! 私たちは~」


「「「「「≪The Beginning of Summer≫で~す」」」」」


 2曲目の『青春=理不尽』が終わり、1発目のMCへ。

 ナギチがお当番回だよ、ボクとレイの分までがんばって!


「今日はなななななんと! 定期公演『The Beginning of Summer ~ Monthly Party 2024』の第4回目ですよ! ギャラクシー☆」


「ナギサちゃん、みんな知ってるよ~」


「いいでしょ! 私だってこういう司会っぽいことやってみたいのよ~! サッちゃんだって最初やってたじゃないの~! ギャラクシーなドームからギャラクシー☆」


 会場が一斉に水色のペンライトで埋まる。

 ナギチの応援一色だ!


 これは壮観だなあ。

 だって、このドームは5階席まであるんだよ!

 見上げたら首が持って行かれそう……というのは大げさだとしても、だ。

 代々森体育館とは段違いのスケール。ペンライトの光も、応援の声も、全部全部違う。1個ずつ感動しちゃうね。夢みたいだ。


“ナギサ~!”

“今日は真面目にやれよー!”

“配信乗っ取られるなよ~!”

“歯磨けよ~”

“宿題やったか”

“ドーム公演おめ!”

“ドームってマ?”

“マジマジ”

“最初に会場全体が映った時、超でかいドーム型だった”

“どこ?今って全部のドーム野球やってる時間だろ”



「ナギサ! あれ、やってみたくない?」


「ハルちゃんそれ! 私も思ってたところ! やってみたい!」


「渚さん、あれってなんですか?」


「さっちゃん、あれですわよ、あれ」


 ピンと来ていないサクにゃんのために、ウーミーが観客席を指さしてぐるりと回る動作を見せる。


「あれですね! サクラもやりたいです!」


「じゃあいくわよ~! このギャラクシーナギサと一緒に~」


「せーの」


「「「「「アリーナ~~~~!」」」」」


「「「「「配信のみんな~~~~!」」」」」


「「「「「1階席~~~~!」」」」」


「「「「「2階席~~~~!」」」」」


「「「「「3階席~~~~!」」」」」


「「「「「4階席~~~~!」」」」」


「「「「「5階席~~~~!」」」」」


「「「「「もう1回、配信のみんな~~~~!」」」」」


「「「「「全部~~~~!」」」」」


 フェイントで配信が2回だと!

 こんなのファンのみんなが喜んじゃうやつー。


「すっごいわね!」


「すっごいです~」


「すっごいすっごい!」


「すっごいですわ~」


「すごすぎです!」


 語彙!

 全員おバカさんになってしまった……。


 いや、でもそれだけすごいんだ……。

 歓声が反響してそれが体の中を駆け回る。なんて心地よい振動なんだろう。


 恍惚。


 これ以外にこの感動を表現する言葉が思い浮かばないよ。


「そうそう、大事なことを忘れてました!」


「どうしたの、ナギサ?」


「私、重要なお仕事を頼まれていたのですっ!」


「なになに~? 今日もケーキ作ってきてくれたの?」


「わたしゃ、ケーキ職人か! いつもケーキ持ってくる人じゃないからね⁉」


「しゅ~ん」


「サッちゃん、しゅんとしないで! また作ってあげるから~」


「わ~い。ナギサちゃん好き~♡」


 メイメイがナギチに抱きつく。

 なんだ百合営業か⁉

 いや、まあこの2人は……餌付けする人・される人の関係以上にはならないか。


「ほら、ナギサ。脱線しないの。ちゃんとお仕事して!」


 ハルルがたしなめる。


「はい、リーダー! ナギサ、大切なお役目を果たします!」


 最敬礼。

 何、ナギチの中で敬礼が流行ってる?


“ひっぱるなあw”

“はよ仕事しろw”

“ケーキ以外だと滑り芸か?”

“この間の配信のコントは良かったからまた期待してる”

“ナギサちゃん、大事なことってな~に?”

“ナギサ、ナギサ!”

“メイメイはよ離れなさいw”



「みなさん気になっていると思うんですけど、ここがどこかわかりますか~?」


「どこ~?」


「どこかしらね?」


「どこでしょうか⁉」


「存じ上げませんわ~」


 ナギチの質問に全員が首を傾げる。

 会場もざわざわ。みんなここがどこなのかわからない。


「なんとここは、とある山奥にある洋館の~、地下に新設された私たち専用ドームなんです! 全世界初公開! どう、ギャラクシーサプラ~イズ☆ おどろいた⁉」


 ドヤ顔のナギチ、仁王立ちを決める。

 いや、これはドヤっていい。

 ナギチがすごいわけではないけれど、とにかくドヤれ!


“専用ドーム、だと……”

“地下?”

“何を言っているんです?”

“地下闘技場?”

“とある山奥の洋館って”

“専用ドーム!”

“規模でかくない⁉”

“何万に入るの?”

“専用ドームやべー!”


 驚きの声しか上がってこない。

 いや、うん、ボクもまだ驚いているもの。

 そんなことある? ってね。


「すごいでしょう⁉ 私たち、セキュリティ対策バッチリの専用ドームを作ってもらっちゃったんですよ! これもナギサがかわいすぎるせいかな♡」


「私がかわいいからですよ~」


「何言ってるの。私が映画に出たおかげよ」


「サクラが発明をがんばったおかげかと!」


「わ、わたくしもグラビアをがんばってますわ~」


 いや、ごめんだけど、みんなのこれまでのお仕事くらいでは、とてもじゃないけれど建設費用は賄えないと思うよ……。


「それでね~。今日このドームは初披露なんですよ! まだ私たちも今日初めてここに来たばっかり!」


「すっごいきれいよね。ピカピカの新品のドーム!」


「そうだ~。今のうちの床に名前を書いておこう~」


 どこからかマジックペンを取り出すメイメイ。


「サツキ! ホントに怒られるからやめて!」


 慌ててマジックペンを取り上げるハルル。


「最初に名前を書いた人のものです~」


 そんなマイルールが許されるわけ……。


「そう、それ! サッちゃんナイス! 名前よ!」


「それ? ナギサちゃんも名前書きたいですか~?」


「このドームはまだ名前がないのよ! さっき私たちもどんな名前にしようかな~っていろいろ考えてたんだけど、決めきれなくて困ってるの」


 そこまでナギチがしゃべったところで、上空に浮かぶ巨大な立方体のモニターが下りてくる。


 ここからは麻里さんの説明にお任せってことかな。

 なかなかにうまい繋ぎ。

 ナギチやるじゃん。


 巨大モニターに文字が映し出される。


『≪The Beginning of Summer≫ファンクラブ設立記念! ファン総選挙~専用ドームの名前を決めろ~』


 ふーむ。

 

 って、ファンクラブ設立⁉

 とうとう来たか!


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