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ボク、女の子になって過去にタイムリープしたみたいです。最推しアイドルのマネージャーになったので、彼女が売れるために何でもします!  作者: 奇蹟あい
第七章 定期公演 ~ Monthly Party 2024 ~ #4編

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第26話 青チームの車内にて

「イエ~イ! 盛り上がっていくぞ~! カエデちゃん飲んでる~?」


「お~! 真の宴の始まりよ! ギャラクシーカンパ~イ☆」


「2人ともすっかり元気になって良かったです~」


 青チームの車うるさい……。

 やっぱり赤チームの車に戻りたい……。



 レイがうまいこと交渉してくれて、#海桜も快諾。そんなこんなでボクは青チームのほうへ合流。ついさっきSAを車が出発したところなわけだけど。


「ちょっとさー、今日は遊びに来てるわけじゃないんだけど、わかってるわけ?」


 まずは説教だな。

 さっきあんなにグロッキーになっていたのに、まだエナジードリンク飲もうとしてるのはさすがに見過ごせない。


「全員、飲み物は水オンリーにして」


 両隣のナギチ、ハルルの手の中にあるエナジードリンクを回収。助手席のメイメイは……もうプルタブ開けちゃってるのか。しかたない、それはボクが飲もう。あんまり好きじゃないけど。


「なんでボクがこっちの車に乗ってるかわかってる?」


「……私のことが好きだから?」


 遠慮がちにつぶやくナギチ。


「違うわ!」


 さすがにひどいぼろ雑巾みたいになっていたから同情したからってのはあるけどさ。


「やっぱり私のことが好きなのよね!」


 今度はハルル。


「それも違う」


 ハルルもハルルでさっきまで別の意味でひどいものだった……。

 SAの看板の前でメープルちゃん人形とぬい撮りした写真をSNSにアップしようとしていたからね。


「まったくさー。リアルタイム投稿ってだけでも禁止事項に触れてるのに、今日、今ボクたちが何をしてるかホントにわかってるのかな⁉」


「それはホントにごめんなさい……」


 マジで反省しなさいよ⁉

 SAの情報なんてSNSにアップしたりしたら、ウタたちが一生懸命準備してくれている会場の場所をばらすことにもつながりかねないんですよ!


「あ~、私、写真アップしちゃいました~」


「なんだって⁉」


 灯台下暗し!

 メイメイのアカウントをチェックしてなかった!


 震える手で端末を開く。

 頼む、場所が特定されるような写真じゃありませんように!


「ってあれ? 何この写真……」


「レイちゃんからもらったカエくんのオフショット写真ですよ~」


 メイメイは助手席からわざわざ振り返り、ニヒヒと笑っている。

 またからかわれた!


 メイメイの言うボクのオフショット写真とは、今朝のリビングで撮られたものだった。ボクが3rdアナザーバージョンの制服を着て、レイの淹れてくれたコーヒーをお気に入りのマグカップで飲んでいるところ。日常の風景過ぎて何の問題もない……。いや、そもそも盗撮だし、無断アップロードだから問題だらけだけど!


「いつ撮られたのか……。だけどまあ、ボクは芸能人でもなんでもないから、普通にいつもオフなわけだけど……」


「コメントいっぱいですよ~。『やるやんカエデ』で埋まってます~」


 また古参どもが悪ノリしてるな……。何もやってないんだが……。


「ぜんぜんうれしくないんですけど! ハルル、自分の端末にこっそりダウンロードするんじゃない!」


「見つかった!」


 って、もう待ち受けに設定されている!

 

「今日の定期公演がうまく行きますように」


 ボクの待ち受けに向かって祈るな!


「ナギチも、『その手があったか!』みたいな顔をするんじゃない。ご利益とかないから……」


「こうなったらわたしのカエくんフォルダを開放しちゃいますか~」


「むやみに開放するんじゃない! 許可なく人の写真をSNSにアップしちゃいけませんって、事務所の決まり以前に社会のマナーだよ⁉」


「え~、カエくんと私の仲じゃないですか~」


「「どんな仲⁉」」


 ハモるな、ハモるな。

 そんなのアイドルとマネージャー以外にあるわけないでしょ。


「私、カエデちゃんと一緒に住みたい!」


「私も私も!」


「どうせならみんなで住みましょうよ~」


 それは寮を通り越してシェアハウスのノリだね。


「最大2人部屋だからなあ。この間ナギチの部屋に行った時に見たけど、大学病院のほうのビルもこっちと同じ造りだったもんね」


「ナギサの部屋⁉ なんで行ったの⁉ どういうことなの⁉」


 ハルルが急に首を絞めてくる。


「くるしい……。おとといくらいまでナギチがインフルエンザだったでしょ! 看病のためにレイと一緒にね。あと定期公演のMCコーナーのために動画も撮ったりしてた」


「毎日カエちゃんに看病されちゃって~、もうすっかり元気~♡」


 ナギチもここぞとばかりにしなだれかかってくるんじゃないの。

 ハルルの顔見て! アイドルが……それ以前に人間がしちゃいけない表情になってるでしょ!


「どっちのビルにも大部屋なんてないから、みんなで暮らすのはちょっと無理だな~」


 だから諦めてねー。


「たまにはお泊り会したい! 最近ぜんぜんパジャマパーティーしてないわ!」


「あーそういえばしてないね。今年入ってから1回もしてないんじゃない?」


「今年⁉ 私1回も呼ばれてない!」


 今度はナギチが首を……。

 いちいち殺そうとしないで⁉


「ナギサ~、ごめんね~。学生だけのイベントなの♡」


 何なのこの2人のマウントの取り合いは……。


「次はナギサちゃんも呼びますね~。外泊許可申請しておいてくださいよ~」


「ありがとう! サッちゃん大好き♡」


 メイメイはやさしいなあ。

 アイドルの前にやっぱり天使だ。


「今日の定期公演が無事終わったら、みんなでパジャマパーティーしましょう~」


 うわっ、フラグっぽいもの立てないで!

 今そのフラグはシャレにならないよ⁉


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