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ボク、女の子になって過去にタイムリープしたみたいです。最推しアイドルのマネージャーになったので、彼女が売れるために何でもします!  作者: 奇蹟あい
第七章 定期公演 ~ Monthly Party 2024 ~ #4編

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第19話 やっぱりボクはオチ要員なんですかね?

 レイによるメイクアップが完了し、自分の姿を鏡に映して観察してみる。


「あのー、レイさん……。やっぱりボクはオチ要員なんですかね?」


「とてもよくお似合いです。かわいいです」


 いや、そうじゃなくて。


「メイクがかわいいのは……うん、わかる。ナギチみたいにキラキラしたメイクになっていて、ボクでもこんなふうになれるんだなって感動しているよ……」


 でもさ、これはコスプレとは違くないですかね?


「これ、まったくナギチに似せにいってないよね? 普通にナギチっぽいメイクをしたボクだよね⁉」


「何か問題があるのでしょうか。とてもかわいいです。新人ナースのかえでくん、とてもかわいいです」


 2回かわいいって言った!

 それにこのミニスカナースの服さ、サイズが合っていないというか、ボクの体ってレイやナギチみたいにメリハリが少ないというか……着せられてる感が半端ない。……でもまあ、それが新人ナースっぽいのかな?


「レイのコスプレのほうの完成度が高すぎて、ボクだけ完全に浮いてませんかね? そもそもこのゲームにボク必要ですかね?」


「絶対に必要です。むしろかえでくんが主役です」


「『ナギサをさがせ!』だから、ボクが主役だと困りますが……。あきらかに『プークスクス』要員ですよね?」


「それは否定できません」


 ですよねー。できれば否定してほしかったよ。ちょっとは隠す努力して?

 それでおもしろくなる目算があるわけですよね? ホントのホントに? 失笑されて終わりなら嫌なんですけど……。


「任せてください。わたしの演出で、見事かえでくんを輝かせてみせます」


「いや、輝かなくていいんだけど、ちゃんとゲームにいる意味を持たせてね?」


「はい。かえでくんは絶対に必要ですから」


 ホントかなあ。

 まあ、プロデューサーのレイに任せるけどさ……。


 レイ(プロデューサー/ミニスカナース)の指示に従い、偽ナギチ(ドクター)、偽ナギチ(ミニスカナース)、ボク(新人ナース)、真ナギチ(インフルエンザ)が配置につく。

 真ナギチ(インフルエンザ)は眠ったまま意識を取り戻していないので、ボクたちが勝手に周りでなんやかんやしている状態だ。


 なんとなく見えてたけど、初日のコンセプトは『病院』ですね?

 

 病人(本物)が寝ているので、できるだけ静かに撮影を進めていった。

 なんかちょっと思っていたよりもシリアスな雰囲気だったね。動画とはいっても、あまりセリフとかはないのね。どういうふうに編集されるのか、ちょっと楽しみ。


「今日の試し撮りは一度これで終わりましょう。それではまた明日続きを撮影します。今日はゆっくり休んでください」


「うん。ナギチの熱が早く下がるといいねえ。レイはこのまま看病を?」


「はい。1人ここに残しておきます」


「そういえば今さ、レイの実体が2人以上存在しちゃっているけど、これは問題にならないの?」


 麻里さんとの約束的な意味で、レイが実体として増えていいのは2人までだったような。豪快にルールを破ってますよね。


「今回の企画書は提出済みで、師匠から正式に許可をいただいています。看病についても同じく許可をいただいています」


「なるほど、それなら安心……だね?」


 何が安心なのかはわからないけど。


「では、なぎささんたち、帰りますよ」


「は~い」「レイちゃんのお部屋に帰る~」「カエちゃんと寝るの~♡」「プリン作る~」「私材料買ってくるね!」


 いや、ちょっと待てぃ。


「このままぞろぞろナギチたちを連れて行ったらまずいでしょ!」


 それと勝手に買い物に行こうとするんじゃない! そのかっこうで外をうろつかれると困るんですよ! とくにそこのレザービキニ姿のサキュバスみたいなナギチ! なんでキミが積極的に買い物に行こうとしてるの⁉


「では看病するなぎささんだけ残しますね。みなさんは静かに部屋に戻ってください」


 レイの号令に、それぞれ淋しそうな表情を浮かべつつ、ナギチたちは肩を落として寝室のドアから出て行った。なんか悪いことしてるみたいに感じちゃうじゃんか……。


「では、なぎささんの看病はおねがいしますね」


「まかせろ……くっ殺せ!」


「いや、人選ー! せめてドクターかピンクナースの人いたでしょ!」


 顔がナギチの時点で不適切なんだけどさ!

 でも、くっころは絶対ダメでしょ! どう考えても看病に向いてない!


「そうですか。わたしのお気に入りなぎささんなのです」


「なんかそんな気はしてたけどさ、ここはぐっとこらえて、ピンクナースのナギチを呼び戻して。それと特殊メイクはやめてレイの素顔に戻してね?」


 ナギチが目を覚まして、もし自分に看病されているのを見たら、驚いて気絶しちゃうかもしれないし。


「ナース戻りました。では一晩なぎささんのお世話をお願いします」


「うん、ぼくに任せて!」


 と、元気よく返事をしたのは――。


「っておいっっ! そいつさっきの集団の中にいなかったでしょ! 戻ってきたの新人ナースじゃん! しかも顔が完全にボクのドッペルゲンガー!」


「ナースならだれでも良いかと思いまして」


「今明らかに新しくコスプレしてきたでしょ! レイがナギチのコスプレをした後にボクのコスプレをした新人ナース! ややこしいわっ!」


「なぎささんもかえでくんに看病されたほうがうれしいと思ったのですが」


「それは……そんな気がしないでもないけれども……あとで口裏合わせるのが大変だからやめておいてください……」


 一晩世話をしていたのに、ほかのところでボクの目撃情報があるといろいろとね。

 レイは慣れているから大丈夫かもしれないけどさ。


「わかりました。ではこちらのピンクナースで」


 レイの顔をしたピンクナースが現れる。

 つまり今、まったく同じ格好をしたレイ(ピンクナース)が2人、同じ部屋の中にいる。これはこれで不思議な光景なんだけど……まあ、レイだしそういうこともあるかって思えてしまうのはなぜだろう。


「よし、じゃあしばらくナギチのお世話をお願いね」


「わかりました。いってらっしゃいませご主人様。……くっ殺せ!」


 ……あのー、それ、裏で何体か混ぜましたね?


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