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ボク、女の子になって過去にタイムリープしたみたいです。最推しアイドルのマネージャーになったので、彼女が売れるために何でもします!  作者: 奇蹟あい
第七章 定期公演 ~ Monthly Party 2024 ~ #4編

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第14話 新垣春生誕祭2024 その6~楽屋探訪・伝説の歯ブラシが登場してしまった(終)

『次のお宝は……みっちゃんみっちゃん! これです! とうとうこれが出てしまいましたっ!』


 サクにゃんがそう言いながら高々と掲げたのは――。


『こ、これは! 伝説の歯ブラシ、ですわね!』


 取り出したのは出先で使う用の歯ブラシ。最近話題の赤外線除菌キャップ付きだよ!


 いや、そんなことより……何が伝説なのさ……。勇者の聖剣を抜いたみたいなリアクションはさすがに違うでしょ。

 それに……歯ブラシペロペロするのは、さすがにシャレにならないからマジでやめなさいね?


“まさか、やるのか?”

“やってしまうのか⁉”

“どっちなんだいっ!”

“や~るっ!”

“さすがにその一線を越えては……w”

“間接キス的な!”

“いやいやいや……やらないよね⁉”

“見てみろ、あの目……やる気だw”

“サクラ、ステイステイw”

“さて盛り上がってまいりましたwww”


『さっちゃんがとうとう大人になってしまうのですわね……』


『みっちゃん……お先に失礼しても良いですか⁉』


 失礼して良いわけないでしょ!

 レイさん、さすがにあれは止めてもらいたいんですけど!


 と、レイのほうを振り返ったその時だった。


 中継先から大きな物音が聞こえてくる。

 控室が……まるで扉が蹴り破られたかのような衝撃音がスピーカー越しに響き渡る。


『サクラ! それだけは……ダメよっ!』


 中継先への乱入者はハルルだった!

 えっ、今の今までスタジオにいたはずのハルルがなぜそっちに⁉


『春さん! なぜここが⁉』


『みっちゃん、ここはわたくしに任せて早くペロペロしてくださいまし!』


『ダメよ! それは絶対にダメッ!』


 あっという間に揉みくちゃになる3人。


 ああっ! ボクの歯ブラシを取り合わないで!

 って自分で言っていて、何を言ってるんだって感じなんですけどね……。誰が得するんだ、この映像……。


“ひどい絵面www”

“史上稀に見るひどさw” 

“マネージャーの歯ブラシを取り合うアイドルたちw”

“ネットニュースの1面を飾ろうw”

“まったく何をやってるんだかw”

“今日も平和だなー”

“使い終わったらでいいから、視聴者プレゼント頼むw”


『何? そうなの?……わかったわ。それを発表すればいいのね?』


 ウタが何かをつぶやいている声がマイクに乗る。

 インカムから何か指示が?


『お取込み中のところ悪いんだけど、その歯ブラシは新品らしいわよ』


 衝撃の展開! なんと、新品の歯ブラシ!

 はて、ボク、今朝新しいのにしたっけな?


(こんなこともあろうかと、わたしが取り替えておきました)


 ウタとの交信相手はレイだったの……だからこんなことって何⁉

 まあでも、交換しておいてくれてありがとうね?


『新品……』


『残念ですわね……』


『なんでそんなもったいないことを!』


 いろいろと反応がおかしいから。

 ほら、これ以上醜態を晒す前に、全員スタジオに戻ってきなさいよ。


 まあでもあれか。大騒ぎしてくれたおかげで、メイメイの汚バッグのことはみんなの頭から消え去ったかな。アイドルのカバンが汚いのはまあまあかわいいポイントだと思うんだけど、メイメイのあれは度を越しているからね……。生配信が終わったらちゃんと掃除させよう……。


『こんなものがあるから争いがなくならないのよ! ええい! ガブッ!』


 あ、こら! ボクの新品の歯ブラシ!


“ハルルいったーw”

“新品やぞw”

“もうなんでもいいんかいw”

“ハルル優勝ww”

“や り や が っ た な w”

“ちょっとさー、今の楓の顔を映してくれよw”

“カエデ、今どんな気持ち?ねえどんな気持ち?w”


 歯ブラシ取り合いされてどんな顔すればいいの……?

 って、こんな顔だよ!


 絶対映りたくないけどさ……。


 楽屋探訪最低な企画!

 もう二度とやらないでほしい!

 少なくともボクだけは巻き込まないでください!


 

 * * *


 やっとウタのOKが出たようで、サクにゃん、ウーミー、そしてハルルの3人がスタジオに戻ってきた。


 無言で出迎えるメイメイとナギチ。

 2人ともちょっと怒ってる?


「はい、というわけで、仕切り直しまして! ナギサが作ってくれたスペシャルなバースデーケーキをお披露目しましょう!」


 ハルルが今まさに配信が始まったかのように明るい笑顔で宣言する。


 何が「というわけで」なのかわからないけれど、編集点作っても、これ全部生配信されてるからね?

 それにしても、自分の生誕祭で自分のバースデーケーキを紹介するの斬新だね! 普通はほかのメンバーがやるよね……ってもうダメか。今日は誰も使い物にならないそう……。


『ケーキを移動させるのは非常に危険なので、みなさま別室に移動をお願いします』


 スピーカーから流れるレイのアナウンス。

 たしかに、8段のケーキなんて手で移動できるわけないか。ナギチ、どうやって作ったの……。



 案内されたのはビルの食堂の中。

 ここは完全に厨房ですね。


 まあそうか。作ったら移動できなくなった。なるほど、わかりやすい。


 それにしても巨大なケーキだなあ。

 厨房の天井ギリギリまである……。


「自信作よ! ハルにゃん、ハッピーバースデー♪」


「春さんおめでとうございます!」


「ハルちゃんおめでとう~」


「おめでとうございますですわ~!」


 みんなの祝福にハルルが照れたような表情を見せる。


「ありがとうね。私、今日大人になりました!」


 涙ぐむハルル。

 その手にしっかりと握られているのは……歯ブラシ。


“おとな(意味深)”

“歯ブラシ握りしめて何言ってんだw”

“ハルルも大人に”

“今日もポンコツちゃんでかわいい”

“はよケーキ入刀しろ”

“歯ブラシでか?w”

“おまえら、あのケーキのすごさにもちょっとは触れて差し上げろよw”

“見たことないデカさ”

“素人の作品じゃないだろw”

“ナギサもパティシエの資格あるからプロ?”


 しかしこの巨大なケーキ、どうやって食べるんだろう。

 ちょっと切ったら崩れそうな気もするし……。


「みんな~、上のほうから食べないと崩れるから、お皿持って並んで~」


 ナギチが持ち出したのは巨大な脚立だった。

 そうか、脚立で登って上の段から順番に切るのか!

 

 でもこれ、この人数で食べきれる量じゃなくない?

 

 レイに促されて食堂のほうを見る。


『本日、≪The Beginning of Summer≫新垣春さんの生誕祭開催中。配信終了後、無料でケーキを配布します。お食事のお供にぜひどうぞ』


 なるほど。

 ビル全体でお祝いするのもいいね!


 波乱に満ちた展開の新垣春生誕祭だったけれど、ハルルのお祝いは配信終了後、会社を挙げて夜遅くまで続くのだった。


 ハッピーバースデー、ハルル!


 ケーキ、とってもおいしいね♪


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