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ボク、女の子になって過去にタイムリープしたみたいです。最推しアイドルのマネージャーになったので、彼女が売れるために何でもします!  作者: 奇蹟あい
第六章 定期公演 ~ Monthly Party 2024 ~ #3編

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第25話 水沼渚生誕祭2024 その2~箱の中身はなんじゃろな♪

 都が奥の扉からスタジオに入ってくる。

 両手には大きなお盆。その上にはサイズ違いの3つの白い箱が乗っていた。


 都はそのままカメラ前に突入していき、横目に少しだけ頭を下げてから、カメラ前の大きなテーブルに無地の箱を等間隔で並べていく。カメラに向かって左から大・中・小の順。ちなみに大の箱の大きさは1mくらいの立方体。中の箱は30cmくらい。小の箱10cmくらいの大きさだった。


「おまたせしました~。みなさんこんにちは。マネージャーの市川都です。うちの子たちがお世話になっております~」


 道で偶然すれ違った時の近所のおばちゃんか。


“ミャコさんミャコさん!”

“口パクのw”

“口パクのお姉さん!”

“やっぱり美人!”

“大人の色気!”

“ミャコ~!”

“でも口パクなんでしょうw”


 あーあ、メイメイの口から出まかせを引きずってる! 都が口パクのお姉さん扱いに……。ひどいもんだよ。

 大人っぽいって言っても、都はナギチ&ウーミーと同学年だからね。あとシオもか。誕生日的には2/28生まれの都が一番若いのかな? でもまあ、色気に年齢は関係ないなー。ボクたちの学年の誰よりも年下のウタのほうが色気があるし……あー、ちょっとは色気ほしいなー! チーズチーズ!


 って、そんなことよりもだ。都さんや、何ですか、その箱は?

 シオもさー、知ってるならそろそろ教えてよ。

 うーん、相変わらずニヤニヤしたままだ。教えてくれそうにない。


 レイは何か聞いてる?


(いいえ、何も聞いていません)


 ふーむ。

 じゃあなんだろう。


「ミャコさんありがとう! さあ、みなさんこちらの箱をご覧ください。大・中・小と3種類の箱をご用意いたしました~」


「ハルちゃん、それは何の箱ですか~?」


 メイメイ、ナイス質問!

 配信ではそういう発言、大事だよー。


 ナギチ、無言で立ち上がって鼻を近づけるんじゃない。お行儀が悪いでしょ!


「食べ物かしら……強いニオイはなさそう」


 ナギチは少し不満そうに首をかしげながら席へと戻る。

 食べ物だったら何だっていうのさ……。


「ゲームが始まるまで、おさわりは厳禁ですよ~。ナギサ、これからルール説明をしますから、よ~く聞いてくださいね」


「は~い。おとなしく座ってま~す」


 最初からずっと座ってなさい!


「今回のゲームは~、題して『3つのヒントから真実の愛にたどり着け!~箱の中身はなんじゃろな~?』ゲーム!」


 イエーイ、ドンドンドンドン!

 箱に開いた穴から手を突っ込んでリアクションするバラエティー番組によくあるやつかな?


“箱の中身はなんじゃろな♪”

“箱の中身はなんじゃろな♪”

“なつかしいw”

“アイドルの定番になりつつある”

“リアクション芸!”

“こんにゃくを触るか、中に入ったキモイスタッフにペロリと手を舐められるかw”

“ザリガニに鼻をね”

“それはアイドルがやらんでよろしいw”


 そうそう、それそれ。

 でも箱の横には手を入れるための穴が開いてないな?


「あれあれ~? みんなリアクションが薄いぞ~? 楽しんでるか~い⁉」


「い、いえ~い……」


「いえ~い、ですわ……」


 サクにゃんとウーミーが迷いつつもこぶしを突き上げる。

 #海桜コンビ、やさしいな……。


 それに引き換えメイナギの仕事のしなさといったらもう……。仕事中やぞ!


「ちょっとナギサ~? 今日はあなたが主役の配信なのよ? 大丈夫? そんな腑抜けた表情して~。ちゃんと箱の中身当てられるの?」


「え、私⁉」


 急に話を振られて、ナギチが驚きの声を上げる。


「あなたの生誕祭なんだから、主役に決まってるでしょう! ちゃんとルール説明聞きなさいよ!」


「は、はい、リーダー!」


 ナギチが反射的に立ち上がって最敬礼。

 ホント大丈夫かね?


「よろしい。それではゲームの内容を説明していきますよ~」


 ハルルの説明を要約するとこんな感じだ。


 このゲームの回答者はナギチ1人。

 ただし、ほかの4人も間接的に参加をする形式らしい。

 どんな参加方法かというと、4人にはシャッフルされた『ヒントカード』というものが1人1枚ずつ配られる。

 各自に1枚ずつ配られるヒントカードには、「大・中・小」それぞれの箱の中身のヒントが書かれているとか。1枚のカードの中に3つそれぞれのヒントって意味ね。


「でも~、正しいヒントが書かれているカードを持っているのはたった1人だけなのです! ちなみに私も箱の中身は知りませんのでご安心を!」


 ルール説明をしているけれど、ハルルもヒントカードの参加者というわけだ。


「誰が正解のヒントカードを持っているかは誰にもわかりません。自分のヒントカードはナギサに見せずに、ヒントから想像する箱の中身の予想と、なぜそう思ったのかの理由を話し、ナギサに自分のことを選ぶようにアピール、そして説得をしてください」


「アピール? 説得?」


「自分こそが正しいヒントを持っている。だから選んでほしい、ってね」


「ナギサちゃんに選ばれるとどうなるんですか~?」


「良い質問ね、サツキ!」


 ハルルがにっこり笑ってメイメイを指さす。

 人のことを指ささない! 先端恐怖症の人がいたら困るでしょ!


「ナギサには最終的に誰が正解のヒントを言っているかを予想し、人を選んでもらいます。その後で、どの箱がほしいか「大・中・小」の箱の中から選ぶ。ナギサは選んだ箱の中身がもらえるというゲームなのよ」


「それで~?」


「ナギサを説得してヒントが選ばれた人は、ナギサが選ばなかった残った箱のうちどちらかを選んでもらうことができます!」


「じゃあ~、たとえばナギサちゃんが一番大きな箱を選んだとしたら~、私は中か小の箱のどっちかをもらえるってことですか~?」


「そういうことよ!」


 だから人に向かって指をさすんじゃありません。


「残り物は嫌ですよ~」


「今日はナギサの生誕祭なんだから贅沢言わないの!」


「そうよ、今日は私が主役なんだからね♪」


 ナギチ、うれしそうですなー。『今日の主役』のたすきでもかけてあげましょうか?


「ちなみに、4人がアピールするための持ち時間はそれぞれ1分間です!」


 ルールはなんとなくわかった、かな?

 みんな把握できたかなあ。


 まあでも、ヒントカードとやらに何が書いてあるかわからないとこれ以上はどうしようもないか。早速ゲームを始めよう!


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