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ボク、女の子になって過去にタイムリープしたみたいです。最推しアイドルのマネージャーになったので、彼女が売れるために何でもします!  作者: 奇蹟あい
第六章 定期公演 ~ Monthly Party 2024 ~ #3編

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第22話 18年の時を経て、私は戻ってきた

 休憩を挟んで、オンライン個別トーク会の次の枠がスタートする。


「こんにちは~。はじめましてかな? ボンバー仮面V3さん! かっこいい名前ですね~」


 メイメイの再開1枠目は、はじめましての方みたい。

 うれしいことに、今回の3rdシングル発売記念で「初めて参加しました」って人はけっこういる! その場合、だいたいの人は「ニュースの映像に感動して~」か「モデルさんみたいにきれいで~」というどちらかの理由を述べてくれる。


『こんにちは、夏目早月さん』


 ん? ボイスチェンジャーを使っている?


「わ~、かっこいいです~。その仮面どこで買ったんですか~?」


 メイメイが、画面に映るボンバー仮面V3さん――頭からバイク用のフルフェイスヘルメットをかぶった人物を褒める。ヘルメットは全体につやを消してマッドブラック仕様。額の位置辺りに、真っ赤なペイントで『V3』と書かれている。まるで血文字を連想させる……。シールド部分も真っ黒なスモークになっていて、こちらから表情が伺えない。ちょっと気味が悪い……。


『私は不死鳥。何度葬られようとも、その度に地獄の底から蘇るよ』


 なんだこの人……。

 ボクの勘が危険だと告げている。


 ためらわずにインカムから緊急通報。


【今メイメイが繋いでる人、急いでチェックして】

 

 これはきっとやばい……。でもボクの勘違いであってくれ!

 


「え~、かっこいいですね~。不死鳥さん! 私が書く小説にも不死鳥が出てくるんですよ~。双剣が変身して炎の鳥になるんですよ~。わ~、って飛んでいってバシュッてモンスターを焼いちゃうんです~」


『夏目早月さん、私のプレゼントは喜んでもらえたかな?』


「プレゼント? なんだろ~? 私にプレゼント送ってくれたんですか~? ありがとう~! まだ受け取ってないから、もしかして事務所のほうに届いているのかも! あとで確かめるね~」


『18年の時を経て、私は戻ってきた。迎えに来たよ、ユエユエ』


 そこで30秒の枠が終わる。

 今のはいったい……。


「カエくん……」


「お疲れ、メイメイ。なんかちょっと変な人だったね! まあ、たまにはああいう人もいるよ!」


「あの人ユエユエって……」


 メイメイの表情が優れない。


「名前まで間違っちゃってねー。ほかのグループのトーク会と勘違いしてきちゃったのかもしれないね。ハハハ」


「ユエユエ……お母さんのことをファンの人たちがそう呼んでたって……」


 ああ、もちろん知ってるよ。

 ボクの聞き間違いであってほしかった。それに18年の時とは、おそらく秋月美月さんの引退の時から数えて、という意味だろう。


 メイメイと秋月美月さんの関係は一切公表されていない。

 2人の顔はそこまで瓜二つというわけでもなく、美人の系統は似てるかな、という程度だ。ネット上でもそういったことに言及した書き込みが見つかったという報告は聞いていないし。


「あ、ほら、インターバル終わるよ。次の人! えーと『マカロニサラダ』さん。最近ゲリラ豪雨でもよくコメントくれてた人だね。お、しかも5枠MAXの予約だ!」


「はい……」


「メイメイ、気持ち切り替えて! ファンサービス!」


 ボクはメイメイの目の前で両手を打ち鳴らし「パチン」と音を立てる。


「は、はい! がんばります~」


「がんばらなくてよろしい! いつものメイメイで。みんなそれを待ってるんだよ」


「わかりました~」


「はい、ご褒美」


 メイメイの口の中にハート型のチョコレートを放り込む。


「え、うわっ、まずっ! これトリュフキノコです~」


 顔がクシャッとゆがんだところでトーク会スタート。


「うえっ、うえっ、マカロニサラダさん、こ、こんにちは~」


『メイメイ⁉ どうしたの⁉』


 マカロニサラダさんが驚きの声を上げる。

 そりゃそうだよね。

 笑顔で入ってくると思ってた推しのアイドルが、顔をゆがめて涙目になっているところからスタートするなんて普通のトーク会ではありえない状況からね。


「カエくんが、カエくんがいじわるするんですよ~。変なチョコレート食べさせられた~」


『カエデこのやろ~! かわいいメイメイになんてことを! 事務所宛に抗議文100通送っちゃる!』


 マカロニサラダさん、どうかそれはやめてください。

 ボクがガチで怒られちゃうから……。


「トリュフチョコレートだぞって、トリュフキノコが入ったチョコレートを無理やり食べさせてくるんですよ~」


『それはひどい! トリュフ違いだよ! キノコのほうのトリュフは香りを楽しむためにスライスして使うものだよね~』


 いや、それに関してはむしろこっちが被害者やぞ!

 マカロニサラダさん、だまされるな!


≪楓。聞こえる?≫


【聞こえてる、どうぞ】


 ウタからインカムで連絡が入る。トーク会に声が入らないようにボクは小声で応答。


≪OK。そのままリアクションせずにこっちの話だけ聞いてちょうだい≫


 了解。と心の中でつぶやく。


≪残念ながら逆探知には失敗したわ。複数のサーバーを経由していて……10か所までは追えたんだけど、30秒ではそこが限界≫


 ちょっとふざけたファンの行動などではないということか。十分な準備をしたうえでのコンタクト。

 やはり悪いほうにボクの勘が当たってしまったみたいだ……。


≪動画を解析しているけれど、今のところ手がかりとなるような情報はなし。男か女かも、年齢も判らないわ≫


 フルフェイスのヘルメット。首を隠すネックウォーマー。そしてネックウォーマーから下はほとんど画面に映っていない。これで何かを見つけるのはきついな……。


≪引き続き解析を続けるわ。例の爆弾テロの犯人との関連性についても。こちらからは以上。早月さんのケアをお願い≫


 了解。


 爆弾テロの犯人との関連性か……。

 メイメイのお母さん、秋月美月さんとの関連性も。


 いったい何が起こっているんだ。


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