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ボク、女の子になって過去にタイムリープしたみたいです。最推しアイドルのマネージャーになったので、彼女が売れるために何でもします!  作者: 奇蹟あい
第五章 定期公演 ~ Monthly Party 2024 ~ #1~#2編

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第54話 定期公演#2 その3~ドキドキ♡いたずらする?される?映像を見ても平常心を保て!~負けたら1日はずかしメイド対決~!(1)

「2人とも着替えは済んでるわね? 曲終わりに春さんと楓はすぐに舞台に上がってちょうだい」


 都の指示が飛ぶ。

 演出のシオが音響室にいない時間は実質的にここが指令室になるわけだ。


 今はサクにゃんとシオの『Dreamy Games』のラスサビまで進んでいるところ。いよいよボクも出番が近い!


 まあ、ボクはアイマスクをされているので音しか聞こえませんけどね。


「着替え終わりました!」


 後ろからハルルの声が聞こえる。

 着替え終わった? それなら早めにこのアイマスクを取ってほしいな。


「かえでくん、はるさん、がんばってくださいね。ナレーションはみやこさん、会場での心拍数計測器の取り付けなど、わたしがアシスタントをします」


 おお、レイも一緒に舞台に上がってくれるのね。それは心強いけど、MCコーナー明けはソロユニット曲なんじゃ? あ、もしかして、このあと舞台に上がるからまだ着物に着替えてなかったの?


「形式を変更した関係で、動画はお互いに1本勝負です」


 3本ずつはさすがに時間的に無理か。提出した動画の1つだけが使われるってことね。緊張するなあ。


 ふとハルルのほうを見ると、ハルルもまたボクのほうを見ていた。


「なによ? 今回は私が勝つわよ?」


「ふーん。何か秘策でもあるのかな? エチュードの時は勝負に勝って試合に負けたけど、今日は両方勝たせてもらうからね!」


 ボクたちはバチバチに視線をぶつけあってお互いに威嚇し合う。ハルルは感情の起伏が激しいから、どう考えても僕のほうが有利さ。


「2人とも、GOよ!」


 よっしゃー。勝つぞー!

 まずは先手を取るのじゃー! 先に舞台に上がるのじゃー!



『ドキドキ♡いたずらする?される?映像を見ても平常心を保て!~負けたら1日はずかしメイド対決~!』


 ボクたちがステージに上がると同時に、都によるタイトルコール!


『ここからは私、マネージャーの市川都が司会進行を務めさせていただきます。声のみの出演で失礼します』


 会場から割れんばかりの拍手。

 ステージに上がるとその迫力は段違いだ。


 容赦なく注がれるスポットライトが熱い……。


『まずはメンバー紹介です。赤コーナー、ゲームセンターのパンチングマシーンでは欠伸しながら130kgを計測~。新垣~~は~~~る~~~!』


 え、その情報初耳! 130kgって男性でもけっこうな力自慢じゃないと出ないんじゃ⁉ マジゴリラじゃん!


「いえ~い! 今日は右ストレートでカエデちゃんをノックアウトしちゃうぞ♡ シュッシュッ!」


 ハルルがシャドウボクシングでカメラアピールする。赤いメイド服なのに、シャープな動き! どこかかっこよさを感じてしまう。

 合わせて会場が赤いペンライト一色に染まる。こら、弟・妹たち! 黄色を振ってボクのことを応援しなさい!


『続いて黄色コーナー、着ている服はぜ~んぶ仙川零コーディネート~、七瀬~~かえ~~~で~~~!』


「ちょっ、ボクの情報だけおかしくない⁉ いや、その……はい。いつもレイにはお世話になってますけど……」


 会場から笑いが巻き起こる。

 マイクをつけていないレイは、大きなジェスチャーで深々と頭を下げる。

 それに合わせて紫のペンライトが多数振られて……レイを賞賛する雰囲気に。


 なぜだ! もうボクだけダメージを負ってるじゃないか!


『それではこのコーナーのルール説明をいたします。これから先攻後攻を決めるじゃんけんをした後、それぞれが事前に提出済みの1分間の映像を会場・配信ともに流します。映像を見て、心拍数がどれくらい上がるかを計測し、平常時の心拍数との振れ幅の大きさで対決をしてもらいます。映像上映中の最大振れ幅が小さいほうが勝ちですからね~』


 ボクとハルルは巨大モニターの前にイスを用意して座る。あ、黒子のお兄さん、イスを運んでくれてどうもありがとう。

 レイがボクたちそれぞれの左手首に心拍数計測装置をとりつけていく。


『はい、このようにスクリーンの右下にリアルタイムで2人の心拍数が表示されます。配信の方も見えていますか~?』


 現在の心拍数。

 ボク :98

 ハルル:105


『おやおや~? 2人とも心拍数高いですね~。もしかして緊張してますか?』


「そりゃしてるよ……」


「武者震いです!」


『一旦深呼吸しましょうか。平常時の心拍数を決めないといけませんからね』


 すーはー。すーはー。


『はい。それではこの数値を平常時として対決をしたいと思います』


 平常時の心拍数が記録され、リアルタイムの心拍数とは別に画面下に固定表示される。

 ボク :89

 ハルル:92


『これから1分間ずつの映像を流すわけですが、勝ったほうにはご褒美、負けたほうには罰ゲームが待っていますからね。張り切って平常心を保ってください』


 罰ゲーム、の言葉に会場が盛り上がりを見せる。

 張り切って平常心って何だよ……。


『そうだ、忘れてました。2人とも一度立ってもらって、みなさんにそのかわい~~~~い衣装を見せてくださいね♡』


 都の指示に従って立ち上がる。メイド服を広げながらドローンカメラに向かってアピール。ハルルはくるりと回ってスカートをはためかせていた。


『ドキドキ♡いたずらする?される?映像を見ても平常心を保て!~負けたら1日はずかしメイド対決~!』


 再びタイトルコール。


『そうです。罰ゲームは、タイトルにもあるように、勝ったほうが負けたほうを1日だけ“はずかしメイド”として自由にすることができます! ただし、春さん。くれぐれもエッチな命令は禁止ですからね?』


「なんで私⁉ し、しないわよ!」


 会場失笑。

 ハルルは顔を真っ赤にしてボクのほうをチラ見してくる。

 

「まあ、ボクが勝つからハルルにエッチな命令をされることなんてないですけどね。むしろボクがエッチな命令をしてやんよっ!」


 どう考えてもボクに分がある対決だもん。


「今に見てなさいよ~! ぜったい私が勝つんだから!」


『いいですね~。ボクシングの試合前の記者会見みたいで燃えますね! それではそのままの勢いに、先攻後攻を決めるじゃんけんをしてもらいましょうか。いいですか? 最初はグー。じゃんけんぽん!』


 ボクがグー。

 ハルルがチョキ。


 よしよし。幸先が良いね。


『それでは楓が先攻で。楓の選んだ映像を流していきますよ。春さん、準備は良いですか?』


「ドンときなさい! なんなら心拍数下げてやるわ!」


 ハルルの鼻息が荒い。

 右下に映っているハルルの現在の心拍数は108。すでに+16なんですけど大丈夫ですか?


『それでは映像を流します。ここからは私も静かに見守りたいと思います。映像とともに、2人のリアクションにも注目してお楽しみください』


 負けないぞ!

 先制パンチだ!


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