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ボク、女の子になって過去にタイムリープしたみたいです。最推しアイドルのマネージャーになったので、彼女が売れるために何でもします!  作者: 奇蹟あい
第一章 オーディション 編

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第28話 レイお姉ちゃんのおもてなし

 眠れなかった……。

 メイメイの言葉が何度も頭の中を行き来する。


『大切で、ずっと一緒にいたい』


 ボクの中でメイメイは、絶対に守りたい存在なのは揺るがない。


 でも、何から? ボクは何からメイメイを守ろうとしているんだっけか。


 メイメイは元気いっぱいだし、オーディションに向けて日々成長しているのが見て取れる。これ以上ないしあわせがここにある。

 だとしたら、ボクは何と戦おうとしているんだろう。最近なんだかよくわからなくなってきているかもしれない……。


 2年後にメイメイがいなくなる未来を変えたいのか?


 仮にボクが過去にタイムスリップした存在で、メイメイの未来を変えようと進んでいったとする。でも意識して行動したとして、未来なんて本当に変えられるものなのだろうか。いわゆるタイムパラドックスや揺り戻しが起きたりするのかもしれない?


 そもそももうすでに今のメイメイを取り巻く状況が、ボクの知っている過去の出来事とは違ってきているのではないか。このまま何もしなかったとしても、はたしてボクが知っている同じ未来を迎えることがあるのか、メイメイが2年後にいなくなってしまうのかなんて想像もつかない。


 それにもう1つ重要なことがある。

 

 ボクは誰なんだ。


 ボクの知っているボク、つまり七瀬楓は、もちろん2年前にメイメイのマネージャーをやっていた記憶なんてない。そもそも男だった。


 だとすると、この体の持ち主がメイメイの本当のマネージャーなのか。


 メイメイのことしか見ていなかったので、マネージャーがどんな人だったのかなんて思い出せない。そもそも≪初夏≫がアイドルとマネージャーのバディ制で活動していたという話は記憶にない。それに、レイたちみたいなかわいい子たちがマネージャーとしてメンバーについていたら、それはそれでファンの間で話題にならないなんてことあるかな? マネージャー推しのオタが現れることは想像に難くない。


 ここはボクの知らない過去なのか。まったく別の世界なのか。


 今のところ仮説と想像ばかりで、何の確信も得られない……。


 ボクは誰なんだ……。

 まずそれだけでも誰か教えてください……。



* * *


「えでくん、かえでくん、寝ちゃってるんですか?」


 んん……ああ、レイ、寝ちゃってた……んん?


「あの……レイさん? 何されてるんですか?」


 体に妙な重さを感じて目を開けると、ちょうどレイと目が合った。顔と顔が10センチくらいの距離で。

 ベッドから体が起こせない。あおむけに寝ているボクの腰辺りにレイが馬乗りになっているからだ。


「だいぶ汗をかいていたようなので、着替えさせてあげようかと思いまして」


 レイの視線を追ってちらりと下を見ると、ボクのパジャマのボタンが上から2つまで外されていた。レイは、3つ目のボタンの解除に手をかけている。


「レイさん、それ……馬乗りになってすることですか?」


「動くと危ないですよぅ」


「え、なにが⁉」


「んふふっ♪」


「それアカリさんのやつー」


 レイは答えず、アカリさんっぽく笑ったまま、パジャマのボタンを3つ目、4つ目とスムーズにはずしていく。


「ねえ、ちょっと! 自分で着替えられるから! 大丈夫だから!」


 ダメだ、びくともしない。

 下半身の上に体重をかけて乗られていて、両ひざでボクの腰骨はがっちり押さえられている……。なんて正しいマウントスタイルなの!


「何をいまさら恥ずかしがっているんですか? レイお姉ちゃんに任せてくださいよぅ」


「お姉ちゃんって……」


 手慣れた手つきで、パジャマのボタンは全部はずされてしまった。

 ふいに両脇を下から上に向かってフェザータッチで撫でられて、反射的に両腕が持ち上がってしまう。と、同時に、背中からパジャマの裾を一気にまくられて、一瞬で脱がされてしまった。その間わずか1秒。

 鮮やかすぎて万歳ポーズのまま固まってしまう。


「恥ずかしいものは恥ずかしいの……」


「は~い、汗をフキフキしましょうね」


 万歳ポーズのボクは、されるがまま。上半身をゆっくり、ひんやりと濡れたタオルで拭かれていく。


「はい、次は背中ですよぅ」


 ベッドのスプリングと膝の体重移動を利用して、ボクは器用に転がされ半回転する。うつぶせだ。

 背中に濡れタオル、あー冷たくて気持ち良い……。


 首のあたりからゆっくりと拭かれていき、腰のあたりまでタオルが到達したその瞬間、それまで腰のあたりに感じていたレイの重みがフッと消える。


「は~い、次は下半身ですよぅ」


 という声が足元のほうから聞こえるのと同時に、まるでテーブルクロス引きのような速さで、それまでボクの体を包んでいたパジャマのズボンが消滅した。


「キャッ」


 いきなり太ももに冷たいタオルを当てられて変な声出た。なんかもう……どうにでもして……。


 内ももを拭かれるとこそばゆい。足の指はもっとこそばゆい……。でもゆっくりとていねいに拭いてくれるので、とっても気持ちいい……。



「はい、終わりです。わたしはタオルなど片付けてきますから、この新しい下着をつけておいてくださいよぅ」


「あ、ありがとう……レイ……お姉ちゃん」


「んふふっ、どういたしまして♪」


 レイが振り返って一瞬微笑むと、タオルやボクのパジャマを持ってそのまま部屋から出ていった。

 だからそれアカリさんのやつー。


 ベッドから起き上がって、ゆっくりと背伸びをする。


 って、えー、ちょっと待ってよ……。いつの間にか、完全に裸なんですけど……。上も下も……下着いつ脱がされてたの……。


 それとこの用意されてるのは……藤色でフリルやリボンがやたらといっぱい付いたブラとショーツ……。いつもの下着はどこ……。


「レイ! 見てるんでしょ! こんなの着けないからね!」


 反応なし。

 むむむー。ブラを手に取ってみる。……きっちりサイズあってるのが腹立たしい。


 わざわざ用意してくれたし着けるか……。あれ、これどうなってるんだろ。このブラ、ホックがない? あれ?


『フロントホックですよぅ』


「やっぱり見てるじゃん!!」


 もう! レイのエッチ!


『とっても似合ってますよぅ』


 え? そう、かな♪

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