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ボク、女の子になって過去にタイムリープしたみたいです。最推しアイドルのマネージャーになったので、彼女が売れるために何でもします!  作者: 奇蹟あい
第五章 定期公演 ~ Monthly Party 2024 ~ #1~#2編

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第26話 定期公演#1が始まる!

 カメラリハーサルも終わり、いよいよ定期公演#1が始まる――。


 舞台の準備OK。

 メンバーのスタンバイOK。

 ボクと都の着替えとメイクもOK。


『ボンバーマン見つけるワンDX(正式採用版)』も『ボンバーイレイサーにゃんだふる(正式採用版)』も、敷地内を全網羅するように配置についた。稼働も順調で今のところ不審者・不審物の情報なしだ。


 外の警備員さんたちとの連携は花さんがすべてやってくれている。

 ボクたちはライブに集中するだけだ。


 今度こそ順調。オールグリーンだ!


 さあ、ハルルさんいつものやっちゃって!



 ハルルを囲んでマネージャー陣も含む全員で円陣を組む。


「みんな、準備は完璧かしら? 良い表情ね。延期になっていた私たちの定期公演がいよいよ始まるわ」


 ハルルが円陣の中でしゃがみこむ。しゃがんだままその場でゆっくりと回り、1人ずつ、全員と目を合わせていく。

 ハルルと目が合った時、いつも以上に気持ちの高ぶりを感じたのは、自分が舞台に上がるからだろうか。それとも代々森体育館が大きなステージだからだろうか。


「全員準備良いわね。じゃあサツキ。今日はここからあなたが仕切ってちょうだい」


 ハルルがメイメイの手を引き、円陣の中へと引き込んだ。

 事前の掛け声から、今日の主役であるメインMCのメイメイに席を譲っていくつもりのようだ。メインMCが円陣に入るのは定期公演の恒例になりそうだね。


「がんばりますよ~。おほん!」


 ハルルに代わってメイメイが円陣の中心にしゃがんだ。

 あ、ダメだこれ。泣いちゃう……。こんな日が来るなんて……。


「いよいよ待ちに待った日が来たわ~。定期公演#1よ~。初めての単独フルライブ。私たちのこれまでをすべてを込めて~。私たちの最高を見てもらいましょう~」


 メイメイが淀みなく言葉を重ねていく。

 笑顔で、楽しそうに。


 ん、でも待って? ものすごい既視感……。どこかで聞いたことがあるような……?


「コールエンチャント~!」


 いやいやいや! やっぱりだ! それはハルルのやつだからね⁉


「ちょちょちょ、メイメイ! ちょっと待って? ノッてるところすごく悪いんだけどさ……。ハルルのマネじゃなくてさ、自分の言葉でお願いできるかな?」


 差し出がましいとは思いつつも、マネージャーとして言わないわけにはいかないじゃん……。って、シリアスなのは僕だけで、みんなちょっと笑っちゃってるじゃん……。ライブ前なんだから、ちょっとは緊張感を持って? みんなちゃんとしよう?


「ぶ~。私もコールエンチャントしたかったのに~」


 メイメイがほっぺたを膨らませて抗議の声を上げる。

 その気持ちはわかるけれども。ホントはボクだってコールエンチャントやってみたいんだよ? なんかかっこいいし。英語だし。


「でもそれは……ハルルが良いなら?」


 チラリとハルルを見てみる。


「いいわよ。今日は特別。サツキに貸してあげるわ」


 ハルルが苦笑する。

 うん、良かったね。

 

「わ~い。特別なコールエンチャントしますよ~」


 ちょっとメイメイ! 円陣の中は狭いんだから喜びのダンスで暴れないで。

 でもなぜだかとっても良い雰囲気。ちょっと緩すぎる気もするけれど、それは仕切りがハルルからメイメイに代わったせいだろうか?


 メイメイが大きく息を吸った後、人が変わったように一気にしゃべりだした。

 

「みんな~注目! 私はっ! 東京公会堂が好き~! あのボロボロの舞台が好き~! でもこの代々森体育館も好き~! 私たちはここに帰ってきた! 今日はお客さんがいなくてとっても淋しいけど~、画面の向こうで私たちのことをたくさんのファンの人たちが応援してくれてる! だから! テロには屈しない! 絶対に屈しない!」


 ああ、そうだ。

 応援してくれている人がいる。

 テロになんて負けたくない……。


「コールエンチャント! 私たちは負けない! 絶対に負けない! 何があってもファンのみんなのために最高のパフォーマンスを!」


 右手にはブイサイン。今日はシオもウタもそろって、初めて10人で星形を作る。真のダブルスターマーク。ボクたちは絶対に負けない!


「アーユーレディ? 笑顔で最高のパフォーマンスを! 私たちのすべてをステージに!」


『We are ≪The Beginning of Summer≫!!』



 みんながそれぞれの配置へと散っていく。


 ああ、メイメイ。立派になって……。始まる前から泣いちゃダメなのに……。


「かえでくん。舞台用のメイクですから、目をこすってはいけませんよ」


 レイがティッシュを取り出し、目元にそっと押しつけるようにしてボクの涙をぬぐってくれた。


 ごめんね。

 よし、気持ちを切り替える。


 さあ、定期公演#1の始まりだ!


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