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ボク、女の子になって過去にタイムリープしたみたいです。最推しアイドルのマネージャーになったので、彼女が売れるために何でもします!  作者: 奇蹟あい
第五章 定期公演 ~ Monthly Party 2024 ~ #1~#2編

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第18話 ハッピーバレンタインだよ生配信 その2~菓子皇様との対決をした時

 えーと、台本できるまでつなぎつなぎー。


「かえでくん、一緒に漫才やりましょうか」


 レイさん……時間つなぎにしても漫才は一度も練習してないし、ちょっと……。


「それでは一緒に歌を歌いましょう」


 だからそうじゃないってば! なんでアイドルたちが配信してるのにボクたちが前に出て行って何かしようとしてるのさ! みんなに何かやってもらうんだよ……何か。そうだ!


『チョコレートの思い出を語って(バレンタインデーに誰かにチョコ上げた話は禁止)』


 バレンタインデーの思い出だと死者が出る可能性があるので……。そこはデリケートな男子たちにどうか配慮してほしい……。


「今日はバレンタインデーということで~、サツキ! チョコレートに関することで何か印象に残っているエピソードってない?」


 ハルルさん、振りが雑ですよ!

 カンペ読むだけじゃなくてもうちょっとうまい具合に頼むよー。

 アドリブって、訓練で強くなれるんですかね?


「え~、チョコレートですか~。そうですね~。ちっちゃい頃に、チョコレート溶かして型に入れて固めたりするやったことありませんか~?」


「うんうん、あるね。サツキもやった? もしかして、誰か男の子にあげたりとか?」


 おい、そっち方向はダメだって!

 それにメイメイ男の子にチョコあげたりするわけないでしょ! でしょ⁉


「え~、それはナイショです♡ えっと、おばあちゃんが業務用のおっきなチョコを買ってきてくれて~、それを湯煎してたんですけど。どうしてもチョコが食べたくなっちゃって~」


「溶かす前のチョコを食べちゃったの?」


「そうなんですよ~。ガリって! でも固いし甘くないし、ぜんぜんおいしくないの~。それで乳歯が欠けちゃって~」


「業務用のチョコってそんなに強敵なの⁉」


「強いですよ~。中ボスですよ~」


 中ボスなのか。

 大ボスはどこ行った⁉


「大ボスは中ボスを包丁で叩いて砕いちゃうおばあちゃんですよ~」


 たしかに!


「おばあちゃん最強ね!」


「おばあちゃんは強くてやさしいですよ~。欠けた歯もくっつけてくれましたよ~」


「えっ⁉ 歯ってくっつくの⁉」


 マジ⁉


「なんか欠けた歯を牛乳に漬けて、すぐに歯医者さんに連れていってくれたんですよ~。そしたらちゃんと元通りになりました~」


「おばあちゃんすごいわね! 牛乳もすごい!」


「うちは乳牛をいっぱい飼ってますからね~。最強ですよ~」


 おお、新鮮な牛乳だからしっかりくっついたのかな? 思ったよりもちゃんとしたエピソード出てきたな……。ゲリラ豪雨でトークを鍛えたメイメイは一味違う!


「チョコレートと最強おばあちゃんの話ありがとう! じゃあ、ナギサにも聞いちゃおうかしら?」


 あえて2人の世界に入っているあの人たちを外して、ナギチを選択。

 ハルル、ナイスチョイス!


「私? 私のおばあちゃんは~、世界旅行が趣味なんだけど~」


「ナギサ、その話もすご~く気になるんだけど、おばあちゃんの話じゃなくてチョコレートに関する話してくれる? バレンタインデーだから。敬老の日にそのエピソード聞くわね」


 敬老の日に配信するかは微妙だけどね。


「そう? おばあちゃんがとある国で国民栄誉賞をいただいた話はまた今度するね」


 いや、マジ何なのそのおばあちゃん。めっちゃ気になるじゃん!

 コメント欄もざわざわしちゃってるじゃんか!


「チョコレートっていえば、私がおばあちゃんに付いていってカカオ豆を収穫した時の話なんだけど~」


 やっぱりおばあちゃんの話じゃん!

 カカオ豆を収穫⁉ なんかみかん狩りしました的に軽く語ってるけど、どこでそんな体験できるの⁉


「ちょっと、ハルにゃんつっこんでよ! カカオ豆取りに行くわけないでしょ♡」


 知らんがな!

 わかりにくいボケすんな!


「え、国民栄誉賞のおばあちゃんだからホントに取りに行ったのかと思っちゃったわよ……」


「もう、おちゃめさん♡」


 ナギチがハルルのおでこをツンとつつく。

 いや、ハルル……配信中だから。ちょっとガチギレして青筋立てるのはやめて……。わかるけど。刃傷沙汰はやめてね? 殿中でござるよ!


「チョコレートっていえば、テンパリングするじゃない?」


「テンパリング⁉ あのお菓子屋さんでやってるやつかしら?」


「ん~、たぶんそうかな? 溶かしたチョコレートの温度調節なんだけど~、あれってホント難しいのよね。あれを習うためだけに製菓学校に通ったもの」


「ナギサはお菓子作りに関してホントに本格的よね! ナギサのお菓子は本当においしいから、いっつも食べ過ぎて太っちゃうのよね~」


 あ、今チラッと都のほうを……みんなで見るのはやめてあげて……。都の場合、お菓子の食べ過ぎってわけじゃないから……。


「ああ、都! 大丈夫だから! ぜんぜん太ってないって!」


 配信中に泣かないで。みんなそんなつもりはないってば。


「それでテンパリングをとうとうマスターしてね。菓子皇様(かしおうさま)との対決をした時~」


 ナギチに話がぶっ飛んで行ってる……。

 いやもう誰だよ。その菓子皇って。その話、絶対冗談のやつじゃん。またハルルがおでこツンツンされちゃう。


「ナギサ、あの菓子皇様対決したことあるの⁉」


 あの⁉ えっ、どの⁉ 菓子皇って実在の人物なの⁉


(かえでくん、菓子皇様を知らないのですか?)


 まったく知りませんけど⁉ 有名人なの⁉


(ええ、それはそれはおそろしいお方です。菓子皇様に戦いを挑んで負けると舌の苦みと甘みが逆転するように味覚を改造されます)


 なにそれこわい。


「というわけで~、私は菓子皇様に勝利してパティシエールの称号を手に入れたの~」


 レイと話してて大事なところを聞き逃したかもしれない!

 なんか激闘の末、ナギチはパティシエールになったってこと? お菓子作りってそんなに壮絶なものだったのか。知らなかった。


「というのは冗談で~」


 やっぱりウソか!


(だまされましたね)


 ああ、まただまされたよっ!

 くそぉぉ!

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