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ボク、女の子になって過去にタイムリープしたみたいです。最推しアイドルのマネージャーになったので、彼女が売れるために何でもします!  作者: 奇蹟あい
第五章 定期公演 ~ Monthly Party 2024 ~ #1~#2編

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第17話 ハッピーバレンタインだよ生配信 その1~ウーミー突然の告白

 定期公演#1のオンライン配信を3日後に控えた2月14日。

 ボクたちの心境は非常に微妙な状態ではあるけれど、アイドルとしては絶対に外せないイベントがやってきた。


「ハッピーバレンタイン!≪The Beginning of Summer≫です!」


 いつも通り、ハルルが元気よく挨拶をして生配信が始まる。

 

 ほかのメンバーもおとなしく席に着いて、笑顔で手を振っている。

 配信の時にはこの席順。

 前列に左からハルルとサクにゃん。後列にナギチ、ウーミー、メイメイだ。


「みんな~、ハッピーバレンタイン♡ チョコもらってるか~い!」


 ナギチの先制パンチ。

 いや、みんなその先制パンチ重すぎるって……。全員致命傷受けて死ぬから……やめて差し上げて……。


“チョコって何ですか? 知らない子ですね”

“ああ、あの血汚冷吐”

“牛の血を固めて作った恐ろしい菓子な”

“もらった!……母親から!”

“妹からもらったオレの勝ちだな”

“渚くれよ怒怒怒”

“なんで今日チョコのお渡し会がないんだよ!”

“リア充爆発しろ!”

“チロルチョコでいいんだ……誰か……1億払うから……”


 ああ、案の定だよ。現実逃避やら怒りやら懇願やら……阿鼻叫喚のコメント欄。

 決して他人事とは思えない……。男にとってバレンタインにチョコがもらえるかどうかは、人か人ならざる者かというほどの大きな隔たりがあるのだよ……。

 誰か、義理でいいから世界中の男子にチョコを配ってあげて……そんな人は来世できっと聖女になれるから……。


「わ~い。今日もたくさんの人が見てくれてますね~! みんな~メイメイですよ~メイメイッ!」


 こらー、勝手に自己紹介しないの!

 っていうか、視聴者がめちゃくちゃ多い! いつものノリの人たちとは別に、「はじめまして」や「初見です」といったコメントが非常に多く混じっている。

 そうかあ。そりゃそうだよね。5人集まっての公式な場での活動は、あの事件の後初めてだったんだ。


 コメント欄にも「大丈夫?」「心配」「定期公演の配信楽しみにしてます」など、事件絡みのメッセージが多数寄せられている。


 ああ、でも、よく見る名前の古参たちが来てくれていてホッとする。

 どうかいなくならないで。ボクたちは変わってなんていないよ。≪初夏≫がどんなに大きくなったとしても、ボクたちは、最初から応援してくれているキミたちのことを決して忘れたりしない。あの時、あの場所で、ペンライトを振ってくれたキミたちのおかげで、ボクたちは今もここにいられるのだから。


『ハルル、コメントをガン見してなくて良いから進行して!』


 ホワイトボードに急いで指示を書きなぐる。


「え~っと、たくさんの方が配信に集まってくださってうれしいですね! 今日はバレンタインデーということで、飾りつけもハートの風船やチョコ風の紙テープになっていますよ! 見てください!」


「スタッフさんたち、いつもありがとうございます! サクラ、精一杯バレンタインしますね!」


 サクにゃんが気合いを入れて、握りこぶしを作る。

 でも精一杯バレンタインするってなんだ……。ああっ! 白ネコミミにハートのリボンがついてる⁉ かわいい!


「みなさん、ハッピーバレンタインですわ~! えっと、さっちゃん! 突然ですけれどわたくし、さっちゃんのためにチョコを作ってみたんですの。よろしければ受け取っていただけますかしら……」


 ウーミーがいつの間にか、真っ赤な小さな箱を手にしていた。

 ちょっと、ウーミー⁉ 突然ですけどじゃないよ! いきなり打ち合わせにないことしないで⁉


「えっ、えっ⁉」


 サクにゃんが慌てて立ち上がり、ウーミーのほうを振り向く。

 ちょっとー、完全にカメラに背中向けないの! 素人じゃないんだから!


“なんか始まった⁉”

“#海桜”

“告白ターイム!”

“ウーミー愛してるぞー!”

“ハッピーバレンタインですわ~!”

“サクラの驚き方がリアルw”

“続けて続けて?”

“ウーミーかわいいよ~!”

“わっふるわっふる”



「わたくし、この日のために一生懸命練習してきましたのよ。受け取っていただけますか?」


「うっしっしっし~。『渚のお菓子作り講座』に毎日通ってがんばってたのよね~。ウーミーちゃんえらい!」


 顔を真っ赤にしたウーミー。その横で楽しそうに笑うナギチ。

 仕掛け人はお前かーい! ってまあ、なんかコメント欄も盛り上がってそうだからいいかな?


「あ、ありがとうございます! でもサクラ、何も用意してなくて……」


 サクにゃんが急にモジモジしだす。

 そりゃまあ普通、生配信にチョコは持ってこないよね。そっちのほうが正しいから大丈夫だよ……。


「わたくしだと思って受け取ってくださいまし」


「あ、ありがとうございます!」


 顔が真っ赤なウーミーから顔が真っ赤なサクにゃんに、これまた真っ赤な小箱を贈る。


 いや、もう見てるこっちが恥ずかしいわっ! 直視できないわっ!


“結婚おめでとう!”

“おめでとう!”

“ウーミー愛してるよー!”

“ちーちゃん愛してる!”

“ハッピーバレンタイン!”

“2人は爆発しなくていい!!!”

“おめでとう!”

“末永く幸せに!”



 祝福のコメントがものすごい速さで流れていく。

 え、なんか鐘のBGMとか鳴らしたほうが良い? あ、鳴らします?


 リンゴーン、リンゴーン、リンゴーン。


 クラッカーもいっとくか! なんかもう段取りとかよくわかんないけど、やったれー!

 マネージャー陣全員で、クラッカーを連発で鳴らしていく。


「え~、ウミ、サクラおめでとう!」


「おめでとうございます~!」


「おめでとう!」


 なんだかよくわからないけれど、みんなで祝福する流れで正解?

 バレンタインってこういうものだったっけ?

 盛り上がってるし、これで平気⁉


 いや、でもこの後の進行どうすんのさ……。


 あ、進行変えるのね⁉


 ものすごい速さでシオが変更台本をタイピングしている。

 あー、うん。じゃあ変更台本ができるまでなんとかつなごう……。

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