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ボク、女の子になって過去にタイムリープしたみたいです。最推しアイドルのマネージャーになったので、彼女が売れるために何でもします!  作者: 奇蹟あい
第五章 定期公演 ~ Monthly Party 2024 ~ #1~#2編

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第2話 朝弱いのは誰? 朝強いのは誰?

「カエくん! おはようございますっ!」


「お、おはよう、メイメイ。ずいぶん気合入ってるね」


「はい! 今日は私がメインMCですから! ふんす!」


 メイメイの鼻息が荒い。

 集合時間からこの調子で気を張り詰めていて、果たして本番まで持つのだろうか。心配だ……。


「MCのコーナー以外にも歌、あるからね? 大丈夫?」


 気合いが空回りして転んだりしないでしょね……。


「ふんす! ふんす!」


 困ったなあ。


「コーチー。そんな時は……この『2秒ですやすやおやすみさんDX~バレンタインver』を試してみてください……むにゃむにゃ」


 サクにゃん、それはボクじゃなくてレイだよ。

 サクにゃんがすやすやしてるじゃんか……。今自分で使ってるの?


「さくらさん、ここで寝ると遅刻してしまいますから、バスの中ですやすやおやすみさんしてください。段差上がれますか?」


 レイがサクにゃんを抱きかかえるようにバスに乗せていく。毎度朝弱い組のお決まりのような光景だ。


「朝弱いといえば……ナギチとウタが来ないなあ。シオ、起こしてきた? まだサクにゃんしかきてないよ?」


 大学病院ビルのメンバーはシオと都がみんなを興して回るのが恒例になっている。


「ちゃんと起こしたんやで? ウタちゃんは『はい、2分で支度します』って言って棺桶型のベッドに戻っていったしな」


「戻ってんじゃん! また寝ちゃってるじゃん! で、棺桶型のベッドって何⁉」


 あの人そこまで徹底してるの⁉ まさかホントに吸血鬼だから太陽の光に弱い……朝日が苦手なのか……?


「もういいや。シオは棺桶引きずってきて! それでナギチはどこ⁉」


 シオが「ドラクエやないやで?」とブツブツ言いながら大学病院ビルのほうへ消えていく。


「ナギサはお風呂に入ってから行くって言ってたわよ」


 と、都。


「それ何時の話よ……。集合時間にお風呂入ってたらみんな遅刻するじゃんか」


「2時間前だけど」


「それはさすがにもう出てるか……。いったいどこ行ったんだ」


 ダンスができな過ぎて鬱になって、ナギチ失踪⁉ まさか!


「みんなごめ~ん♡ 朝のランニングしてたら、なんかどこまで走れるかなって楽しくなっちゃって、遅くなっちゃった~♡」


 ナギチが手を振りながら走ってくる。

 ランニングウェア姿だ。


「そういうのは暇な休日にやって! もう出発時間なんですけど!」


「え~もう集合なの? 急いでお風呂入ってくるね♡」


 おい待て。ボクの話聞いてたか?


「集合じゃなくて出発! もうそのままのかっこうでいい! 都、ナギチのステージ衣装は?」


「全員分トランクに入れてあるわよ。だいたい今から制服着てるのは、楓と零だけよ。2人とも早過ぎよ」


 都が苦笑する。


「ボクたちは良いの。裏方だし、別にわざわざ現地で着替える必要もないでしょ」


 新衣装がかわいいから早く着たかったわけじゃないんだからねっ!


「まあそれもそうね。渚さん。衣装はあるからもうそのままバスに乗ってちょうだい」


「え~。でも汗臭いとカエちゃんに嫌われちゃう~」


 こっちをチラチラ見るんじゃない。


「別にボクは気にしないよ。バスの対角線の位置に座ってくれれば何の問題もないよ」


「うわ~ん! カエちゃんがスメハラしてくる~!」


 いや、スメハラしようとしてるのはナギチのほう……。


「渚さん。こちらをお使いくださいですわ」


 ウーミーがタオルと何かキラキラした小瓶をナギチに手渡す。


「ウーミーちゃん、これは何?」


「香水ですわ」


「な~るほど! この香水でカエちゃんを誘惑しろってことね♡」


「ぜんぜん違う。臭いを消せってことだよ……」


 もう貸して。ボクが吹きかけてあげる。シュッシュッシュッ!


「うわ、かけ過ぎた! 逆にすごい香水臭い!」


 タオルで拭き取ろう! うわ、タオル汗でびちゃびちゃ! もうダメだ! ナギチはここに埋めて出発しよう!


「渚さん。そんな時はあれです。むにゃむにゃ。『ニオイ消えるくんハイパーウルトラサンダーバズーカー緑茶の香りMIX』を使うのです。むにゃむにゃ」


 サクにゃんがうつらうつらしながら、バスのステップまで降りてきた。


「ナイス、サクにゃん! その手があったね……えっと、どこに入れたかな……あったわ!」


 ナギチが財布から取り出したのは、どこからどう見てもただの10円玉だった。


「これを肌に10秒間くっつけるだけで……ほら臭い消えた~♪ どう、私におわな~い!」


 えー、ホントにござるかー?

 そんな10円玉を肌に貼り付けただけでー?


 スンスン。


「ほ、ホントだ! 汗の臭いだけじゃなくて香水のニオイまで消えてる!」


 これはめちゃめちゃ需要がある商品なのでは⁉


「これ、売ってるの?」


「非売品なのよ~。商品化直前まで行ったんだけど、ちょっとあの業界が待ったをかけてきてね……。既得権のあれこれで、売れなくなっちゃう商品が多いとかなんとか。大変よね~」


 ああ、それは深く踏み込んではいけない話だなあ。

 こうして新発明も闇に葬られることがあるんだなあ。


「残念なこともあるものだね……。とりあえずさ、ナギチはその10円玉を肌に埋め込んでおいたら?」


「ひどい! 私そんなに臭くないもん! 宇宙一かわいいアイドルの汗のニオイだから小瓶に詰めたら売れるもん!」


 ちょっとした冗談だよ……マジ涙目になって反論しないでよ。


「はいはい、ナギチは宇宙一かわいいね」


「なぎささん。なぎささんは宇宙で二番目です。宇宙一はかえでくんです」


 レイ、ややこしくなるからその理論やめて!


「ええい! そんなことより棺桶はまだか⁉」


 出発時間、すでに30分も押してるぞ!


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