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ボク、女の子になって過去にタイムリープしたみたいです。最推しアイドルのマネージャーになったので、彼女が売れるために何でもします!  作者: 奇蹟あい
第四章 定期公演 ~ Monthly Party 2024 ~ #1(Pre)編

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第59話 謎解きスタンプラリー9~グランドフィナーレ(終)

「答えは5614だ! やったー! 宝箱が空いたニャーン!」


 めっちゃうれしい!

 歓喜のニャンニャンダンス♡


 開いた宝箱を持ってクルクル回りながら喜びのダンスを披露する。

 やった、やった、開いちゃった♪


「ボクって天才猫ニャン!」


 イエーイ、視聴者の人見てるー⁉ もうこれってボクの優勝で間違いなしだよね⁉

 ほかの2人はまだ来てないし!


「あ、そうだ。宝箱の中身は―っと。なんだこれ、今度こそ鍵? と手紙?」


 宝箱に入っていたのは小さな鍵。わりと普通の玄関で使いそうなサムターンキーだ。


「手紙の内容は……『鍵を使って奥の部屋にお入りください』か。鍵っていうのは今手に入れた鍵のことだよね。んー、もともと持ってるこっちの鍵は何だろ?」


 まあでも今考えても仕方ないか。とりあえず宝箱も含めてすべての戦利品を持って、奥の扉へと進もう。


「鍵、開くかな?」


 手に入れたばかりの鍵を差し込んで回してみると、ガチャリと重い音がして鍵が開いた。


「おお、開いた。この部屋に入ればいいのかな……。失礼しまーす」


 これまた重い鉄扉を開いて中に入ると、誰もいない無人の部屋。小さな丸テーブルとイスが3つおいてあるだけだ。

 

「おー、あったかい部屋!」


 事前に暖房がいれてあったみたい。助かるね。


 とりあえず扉から一番離れたイスに座ってみる。カーテン越しに外の様子が見えるが、もうだいぶ日も傾いて夕方から夜に近づいているのがわかる。


「ふー、疲れたなあ。だいぶ歩き回ったよね……。だけどこれで終わり……ではないよね。まだ最後の『こたえ』のところが解けてないし。あー、テーブルの上に紙が置いてある……」


 裏返しになっているコピー用紙をひっくり返してみる。


「えっと『3人で力を合わせて最後の謎を解け』だってさ。ん、つまり1人じゃ進めないってことなのかな……」


 ここからは協力プレイってこと?

 最後の謎って何だろ。辺りを見回してみるも、とくに最後の謎っぽいものは何も見当たらない。


 と、入り口の扉が開く。


「ん、誰かきた……スタッフさんか。まぎらわしいなあ。え、お飲み物をどうぞって、ああっ、チェックポイント2のところにいたお兄さんだ! じゃあホットティーで。え? トールサイズホットのオーツミルクラテキャラメルフレーバーシロップ追加フォームミルク多めチョコレートソース追加ライトホットを用意してくれたんですか⁉ わざわざありがとうございます!」


 タンブラーに入ったオーツミルクラテカスタムを受け取る。

 わざわざ買ってきてくれたんだー! えーうそー、めっちゃうれしい! ここのスタッフさんってば、やさしいなあ。


「あー温かくておいしい……」


 これって2人を待つだけですかね? なんか話したほうが良い? ああ、ここはカメラ回さずにホントに休憩でいいんですね。

 遠慮なくだらだらーーーー。



* * *


「って2人ともぜんぜん戻ってこないじゃん! もうすっかり飲み物もなくなっちゃいましたけど! ボクがついてからどれくらい経った⁉ もう1時間も⁉」


 さすがに時間かかりすぎ……。

 すっかり日が暮れちゃってるじゃん……。


 ああ、見かねてハンターがヒントを? マジウケるー。マキもハルルもだらしないなあ。戻ってきたら思う存分笑ってやろーっと。



* * *


「おまたせ~! チィタマ待った~⁉」


 んあ⁉

 ちょっと寝てた!

 マキの大声で体がビクンってなった!


「あ、ああ……ああもう遅いニャン! ちょっとうたた寝してたニャン! あんな簡単なクイズも解けなかったニャン……ってそのかっこうどうしたニャン⁉」


 ま、マキの姿が大変なことに⁉


「これ……罰ゲームでちょっとね……」


 ああ、目の光が失われていく。

 ぜんぜんちょっとじゃない罰ゲームを受けたことだけはすぐにわかった。


 だってさ、足元スリッパなのはさっき見たけど、体中泥だらけ……。しかもなんで背中に二宮金次郎像を背負ってるの?


「いったい何が起きたのさ……」


「『場所』がわからなくて立ち尽くしてた時、3回捕まったんだけど、『もう答え教えるからこれを背負ってさっさとバーに行ってください』って言われて……」


 ああ、謎がぜんぜん解けなかったのね……。

 でもなんで二宮金次郎……あ、もしかして、もっと勉強しろって意味……か? 気の毒過ぎて……これ以上イジれない……。


「つらかったね……。とりあえず座りなよ。ハルルもまだ来てないし」


 二宮金次郎像を床に下ろさせて、半泣きのマキをイスに座らせる。

 

 待って……答えを教えてもらったマキが到着してて、ハルルがまだ到着してない……。

 まさか何かトラブルが⁉


「あの、ハル、ナズナは無事ですかニャン?」


 マキと一緒に入ってきたスタッフさんに尋ねると、インカムでどこかに連絡をしてくれた。しばらくしてから、ボクに向かって小さくうなずいた。

 無事ではあるみたい?

 

 それなら遅すぎないかな……。

 あ、今来るんですね。良かった。


 そうこう言っている間に、扉がゆっくりと開き、ハルルが顔をのぞかせる。


「ナズナー。おかえりニャーン!」


 両手を広げてお出迎え。

 さぞかし疲れていることでしょうよ。


「うぅぅぅ……うぁぁぁぁぁぁ~~~~~~~」


 ボクの顔を見るなりハルルが号泣して扉の前でへたり込んでしまう。


「え、えっ⁉ 大丈夫⁉」


 駆け寄って様子を確認。


「こ、これは⁉」


 二宮金次郎像を背負わされて、足元はスリッパで、さらに両手両足におもりが!


「拷問がえぐい!」


 これはひどいお仕置きだ!


「チェックポイント以外ぜんぜんわからなくて……ハンターの人がどんどんいじめてくるし……」


 ハルルはマジ泣きだった。

 両手両足のおもりはフェイクで発泡スチロール製だったけど、それでもつらかったんだろうね。


「大変、だったね……」


 ハルルの背中からも二宮金次郎像を下ろさせて、イスまで手を引いて連れていく。


 いや、ここのスタッフなんで二宮金次郎像を2つも用意してるのさ⁉ これ、けっこうな重量あるし!


「あ、でもなんかここからは協力して一緒に進めるみたいだから安心して? チィタマに任せて2人は休んでてニャン」


 ダメだ。無反応。

 もう2人とも演技どころか返事をする気力すら失ってる。


「さ、さーて、最後の謎は何かニャーン? このチィタマ様に全部任せるニャン! カメラはこっちかニャン?  このチィタマ様に全部任せるニャン!」


 もう1人でやるしか!

 テンションマックスでがんばるぞ!


 扉が開き、スタッフの人が大きな宝箱と手紙を持って現れた。


「お、こいつが最後の敵だニャン? 負けないニャン! ん、まずは手紙を読むニャン?」


 シュッシュッとシャドウボクシングをして威嚇すると、スタッフさんは1通の白い封筒を渡してきた。封筒を受け取って、中の紙を取り出す。


「どれどれー。『3人の力を合わせ、元の世界に戻るための合言葉を手に入れろ』ニャン。ニャニャ⁉ 元の世界に帰る! 最後の合言葉を手に入れるニャン!」


 うーん? ヒントはこれだけかあ。


 とりあえず一緒に運ばれてきた大きな宝箱を調べてみよう。


 ははーん、なるほどね。複雑な形の鍵穴が3つ。ここで最後のアイテム、この謎の鍵を使うってことか!


 ボクは首に掛けていた鍵を高々と掲げた!


「ヒマリ、ナズナ、協力するニャン! この3つの穴に鍵を差し込んで、元の世界に帰るための合言葉を手に入れるニャン!」


 ダメだ……2人ともぐったりしていて立ち上がろうとしない。

 

 マキ……鍵はポケットの中か。ほら、これ手に持ってこっちきて。

 ハルル……は首にかけてるね。はい、こっちきて!


 2人を強引に宝箱の前に立たせる。


「せーので、鍵を差し込むニャン! 行くニャン! せーの!」


 ガチャ。

 鈍い音がして大きな宝箱が開いていく。

 中から白い煙がもわもわと立ち上り、辺りが真っ白な世界に包まれる。


「うぉー! 開いたニャン! これで元の世界に帰れるニャン!」


 煙を抜けると元の世界……ということもなく、普通に煙が消えていく。

 宝箱の中には3通の封筒が残されていた。


「合言葉をゲットニャン? お? 朝日ヒマリ様、夕焼ナズナ様、猫のチィタマ。封筒に宛名が書いてあるニャン。って、なんでチィタマだけ呼び捨てニャン! 様をつけろよデコ助野郎ニャン!」


 猫だと思ってー、失礼しちゃうニャン。


 マキ、ハルルに封筒を握らせる。それくらい自分で開けてよね?


「さて、中には何が書いてあるかなーニャン」


 チィタマの封筒を開けると中に書かれていたのは――。


「チィタマのキーワードは『ひ』ニャン」


 おお、やはりこれが『こたえ』のところに入るやつ!

 それぞれ1文字ずつで3文字の合言葉が完成するんだね!


「ヒマリ、ナズナ! キーワードを確認するニャン!」


 2人がのそのそと封筒を開けて、ボクに中身の紙を見せてくる。


「ヒマリが『あ』でナズナが『さ』だニャン!」


 それで『こたえ』の枠の色は何だろ……。


 うーん? あれ? この一番右の黄色い枠の左上と右下についてる線って、印刷ミスじゃなくて虎猫柄なのでは⁉ つまりチィタマ!


 ということは!


「一番右の枠はボク、チィタマの枠ニャン! だから『ひ』が入るニャン!」


 残りの2つは……。あ、これは制服の色だ!


「一番右がヒマリの制服の赤色で『あ』! 真ん中がナズナの白で『さ』!」


 つまり、こたえは――。


◆挿絵

挿絵(By みてみん)


「元の世界に帰るための合言葉は『あさひ』ニャン!」


 ボクが胸を張ってそう宣言した瞬間――。


 外で大きな爆発音が鳴る。


「な、何が起きたニャン⁉」


 スタッフさんが急いで窓の鍵を開ける。

 2人を連れて窓から避難……じゃなかった。


「花火ニャン……」


 お祝いだー。


 謎解きスタンプラリークリアをお祝いする花火が上がっていた。


「きれい……大きな花火がたくさんね……」


 ハルルの目に生気が戻っていた。


「わたしたちやったわね。これで元の世界に帰れるわ」


 マキがボクの肩を叩く。

 

 めっちゃかっこいい感じに言ってますけど……クリアしたのはボクだけなんですよね……。とは言わない。また泣いちゃったら困るからね。


「3人で帰るニャン」


 ああ、いろいろあったけど、なかなか楽しい謎解きスタンプラリーだったなあ。と思ってるのはボクだけかな、たぶん。


 最後まで花火を見終わると、スタッフさんがボクにもう1通の封筒を渡してきた。中を開けて見ろって?


「ん、これをカメラの前で読む?……はいわかりましたニャン。えっとー『映像特典を最後までご視聴いただきありがとうございましたニャン。初回限定版DVDまたはBlu-rayに同封のハガキに、3人が見つけた元の世界に帰るためのキーワードを書いて応募すると、豪華な非売品グッズが抽選で当たりますニャン。奮ってご応募くださいませニャン』って宣伝だー!」


 最後に何を読ませてるニャン!

 そういうのはテロップでちょろっと後からインサートすれば良いニャン!


「それではみなさん、映画『朝日は西から昇る』&映像特典『勝つのは誰だ~⁉ ヨニウニランド貸し切り☆謎解きスタンプラリー対決~!』をご覧いただきありがとうございましたニャン。またどこかで会える日を楽しみにしてるニャン。バイニャーン!」


 カット!


 はあ、こんな感じで良かったですかね……。

 え、ああ、大丈夫でしたか。それは良かったです……。


 でもちょっとね……今回の謎解き、難易度高かったみたいですよ。

 とくにハンターの要素はやり過ぎだったと思うんですよ。

 スタッフさんたち、十分に反省会しておいてくださいね。


 じゃあ、ボクたちは帰りますニャン。

 お疲れニャン……。


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