第54話 謎解きスタンプラリー4~観覧車から見えた先には⁉
観覧車イベント発生中。
まあ1人なので何もドキドキな展開とかないんですけどね。女性のカメラマンさんとは一緒だけど、まったく言葉を発しないし、いないものとして扱ってくれ的な?
しかたない。
1人で盛り上がった感じをがんばって出していきますかね。
「おお、だんだん上っていくと景色が見えて……こないんですけど⁉ 今日晴れたはずなのに、上にきたら思ったよりも雲が多くて遠くがぜんぜん見えない!」
景色のリポートでもしようと思ったのに、これは大誤算! 出鼻をくじかれたよ……。
園内は見渡せるけれど、山の向こうとか、晴れてたら海が見えたりするんじゃないの?
「困ったなあ。……あ、あれ⁉ カメラさん、あそこ映してください! あれって、ヒマリじゃないですか⁉」
園内入り口そばの売店付近をダッシュで動いているのは、制服の色的にたぶんマキだ!
「めっちゃ走ってるー! ウケるー! カメラマンの人置いてけぼりだよ。何あのダッシュ……って、後ろにハンターだ! ヒマリがハンターに追いかけられてる⁉ うっそ、その設定忘れてたぁ!」
そうだったー! この謎解き、一定時間ごとにハンターが放出されるんだった!
「やばい! ヒマリ逃げてー! ああっ! つかまっちゃった……うわー、この後お仕置きされちゃうんだ……。えー、どんなお仕置きなんだろ……」
もうきれいなマキには会えないかもしれない。
ハンターこわいよぉ。
「今何人くらいハンターが放出されてるんだろ。30分ごとに1人だっけ? えーと、開始してから1時間ちょっとか。まだハンター2人。なんとかなるかなあ」
これからはハンターにも警戒しつつ進まないといけないだ……。
でも山の上のほうって基本一本道なんですけど。どうやって逃げたら良いの?
* * *
暗い気持ちのまま観覧車が地上に降りてくる。
ハンターにつかまりたくないなあ。お仕置きやだなあ。
観覧車を下りると、エロカメラマンの人が笑顔で出迎えてくれた。
「ああ、カメラマンさん。またお会いしましたね……。やばいですよ。上から見たらハンターいましたよ。ヒマリつかまってましたよ……。ここからはマジでダッシュしないといけないかもしれないんで、死なないでくださいね……」
がんばって生きて生還しないと。
なんかお助けアイテムとかないのかなあ。持ち物……この鍵……では何にもできなそう。
「とりあえず早くゴールを目指します……」
招き猫の指示に従って南へと進もう。
観覧車の周りをぐるりと回るコースのようだ。次の招き猫もすぐに発見できた。
「おーし、観覧車周りは順調ですね。緑の招き猫に『♤』と『4』と『15』。はいはい、次は東ね。観覧車を下から眺めつつー、ダッシュ!」
◆挿絵
急がないとねー。
今がヒントのちょうど半分くらい? 11個回収か。ずっと山の上のほうを歩いてきたから、たぶんこの先は下のほうにあるかな。アトラクション施設がいっぱいあるほうにいくんだなあ。うーん、ハンターいそう……。
* * *
「お、白い招き猫!」
いつの間にかヨニウニランドの東の端っこまでやってきたみたい。
これでクネクネしながらだけど、園を横断したかっこうかな。
「『♡』と『1』『17』ね。なるほど。♡は白で統一されていて、◇が赤か。じゃあたぶん他も記号のほうは色が確定かな?」
◆挿絵
♡が白。◇が赤。♧が黄。☆が青。♤が緑。
「あとはそれぞれの色に数字がくっついてる感じかなー。残り9個の数字がわかれば……何かわかるのかな。今のところどういう意味で色と数字が分かれているのか、ぜんぜんわかってない!」
さて、とりあえずは南へ進みましょう。
警戒しつつね。
「右手に見えますのはー、お化け屋敷ー、お化け屋敷でございまーす」
その奥にはメリーゴーランドやコーヒーカップなどの定番のアトラクションが見える。普段は大人気スポットなんだろうね。今日は貸し切りになってるけど、誰も乗らないので電源が入っていない。
ちょっと淋しいね。
「レストランの前に青い招き猫がいた! 隣はウェスタン風のバー? へぇー、ヨニウニランドってこんなものまであるんだ?」
子供向けの遊園地でお酒が飲める場所があるとはね。
最近はそういうものなのかー。ちょっと意外……と思ったけど、ボクが知らないだけで、遊園地でお酒が飲めないっていうのは、もしかしてネズニーランドだけ?
「さて、ここは『☆』『9』『13』だね。次の方向は……うわー、そうだよね、西方面にいかないといけない」
◆挿絵
ということは、遊園地の中心部を目指すわけで……さっきマキがハンターにつかまっていた辺りを目指して歩くのかあ。
「ハンターいそう……。ここはチィタマの本気ダッシュを見せてやるニャン!」
絶対捕まらないぞー!
* * *
周囲を警戒しながら、遊園地の中心部に向かって進む。
「左手はゴーカートエリアですね。幼児用のエリアと、ちょっと大きな子用のエリアが分かれてるみたい。これみよがしに1台ずつ置かれているのは、乗って遊べってこと? あ、乗ってもみろ? い・や・だ! 絶対乗らないよっ!」
こんなところでゴーカート乗ってたら絶対ハンターに捕まるでしょ。わざわざそんなことするやついる?
「絶対乗りませんー。早く次の招き猫のところにいかなきゃ。あ、ほら、噴水のところ!」
噴水の下に緑の招き猫が見える。
いっそげー!
「えーと、『♤』『6』『19』ね。よしよし、次は南方面か。……たぶん次のヒントがラスト? 17個の数字を回収できてるから、たぶんだけど最後は『♧』『5』『7』かな。チェックポイント3への通り道だから確認していくけどね」
◆挿絵
さて、すぐに次の招き猫を目指して南へ。
一応周囲を警戒しつつ――。
「あ、あれ! ハンターじゃない⁉ 北側!」
ちょうどアトラクションエリアのほうから大きくカーブするようにして道を進んでくるサングラスにスーツの男がいる!
「ハンターだ! やばい、ここは隠れるところがない! 逃げる⁉ 噴水の陰ならバレない⁉ どっちだ⁉」
ハンターを発見した心労でSANチェック!
1D100を振る。
80以下なら成功で0減少。81以上なら失敗で1D3減少する。




