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ボク、女の子になって過去にタイムリープしたみたいです。最推しアイドルのマネージャーになったので、彼女が売れるために何でもします!  作者: 奇蹟あい
第四章 定期公演 ~ Monthly Party 2024 ~ #1(Pre)編

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第51話 謎解きスタンプラリー1~オープニング

 さっきの場外乱闘はなかったことにして、さっそくロケがスタートする。


「あー、いきなり始まっちゃったー。どうしよう。まずはご挨拶かな。みなさんこんにちはニャン。こんな格好してますけど、猫のチィタマニャン。ロケの日が真冬なのでビキニは許してほしいニャン……」


 というわけでボクは山の中に1人ぼっち。実際には後ろにカメラマンの人がついているけれど、それはいないものとして扱うのがTVショーだよね?


 えっと、渡された持ち物はー。

 ハンディカムのビデオカメラ。謎解きスタンプラリー用の地図。回答用紙っぽい紙。「最初に読んでください」と書かれた封筒。それとなんだかよくわからないアイテムが1つ。


----------------

 今回からしばらく続く謎解きスタンプラリーのお話は、ビジュアルがないとわかりづらい部分があるため、挿絵のようなものを作りました。

 近況ノートにアップしますので、適宜ご確認ください。毎話リンクは入れておく予定です。


地図

挿絵(By みてみん)


回答用紙

挿絵(By みてみん)

----------------


「まずは持ち物を確認しようかな……。地図と回答用紙と封筒と、すっごい気になるこれはなんだろうね? 複雑な形をしているけれど、鍵、なのかな?」


 金属でできた手のひら大の何か。

 立体的な構造で、長さの違う細い突起がいっぱいついている。持ち手の部分がついていて、鍵に見えなくもない、かな。

 白い紐がついているので、とりあえず首にぶら下げておく。


「んー、まずは地図を見てみよう。☆♡◇♧♤、数字が1~19、地図上にバラバラに書いてある。意味深ですなあ。『CK1』っていうのは、チェックポイントって意味かな。なるほどー、チェックポイントが3つあるのかあ」


 スタート地点も矢印で示してあるのでここから現在地もわかる。助かるね。


「回答用紙っぽいほうを見てみよう。たぶん、チェックポイントに対応した①②③と書かれた数字の横それぞれに、□がたくさん並んでるよ。これだけだと意味がわからないから、おそらく各チェックポイントにこれに対する問題が置いてあるのかな」


『場所』『ナンバー』『こたえ』と書かれているところも基本同じ。色がついていたりするけれど、□を埋める形式っぽい、まだ詳細はわからないけど。


 とまあ、一応持ち物を全部映したところで――。


「『最初に読んでください』って書いてある封筒を開けてみます。あえて読まずにスタートするって手もあるけど、それはきっとマキあたりがやってそうだから、ボクはオーソドックスにいこうと思いまーす」


 さてさて、ボクはさっさと謎解きしておもしろみもなく優勝してしまうとしますかね。


「おや、中から1枚の紙が出てきましたね。普通の白いコピー用紙、かな。文章が書いてあります」


【あなたたちは異世界に紛れ込んでしまいました】

【ライバルを出し抜き、時には協力し、いくつかの謎を解いて、元の世界に帰らなければいけません】

 

「なんだってー⁉ ここは異世界だった! なんだかちょっと朝西っぽくなってきましたね! うーん、寒いし早く帰りたい! 温かい部屋で丸くなってドーナツとカフェオレでもいただきたいニャン」


【わたしはチィタマのミカタです。(右手を上げた招き猫のイラスト)】

【わたしの指示に従っていれば必ずや元の世界に変えることができるでしょう】


「おお、ガイドしてくれる招き猫がいるみたいニャン。頼もしいニャン!」


【それではチィタマに最初の指示を与えます】

【北を目指して歩きなさい】

【そうすれば第1のヒントを得られるでしょう】


「文章はこれで終わり、かな。裏には何も書いてなさそう。北かあ」


 地図を開いてみる。

 今いる場所が地図上だと左端でー。地図上に書かれた方位によると北は――。


「チェックポイントっぽいマークとはぜんぜん違う方向だなあ。北に進んでも何のマークもなさそうなんだけど……どうしようかな」


 招き猫の指示に従って北に進んでみるか、それともチェックポイントっぽい記号のところに進んでみるか。迷うところだけど――。


「まじめなボクは指示通りに進むニャン」


 わからない時は変な動きをしない。自分の勘ほど頼りにならないものはないからね。


「ヒマリとナズナの2人も動き出してるかなあ。どこかでばったり出会うこともあるかな?」


 辺りの景色を映しながら、アスファルトの細い道路を進んでいく。両側にはすっかり葉っぱの落ちた広葉樹の木々が立ち並ぶ。道の脇にも落ち葉がけっこうたまってるね。

 うーん、映像地味! ハンディカムカメラをくるりと回して自分の顔を映してみちゃったりして―。はずかしっ! 何このアイドルロケみたいなやつ!


「ざっくり北に進めって指示だけど、どれくらい歩けばいいんだろう。北に何メートルみたいなわかりやすい指示にしてほしいニャン」


 けっこう上り坂がきつい。

 うしろのカメラの人、大丈夫? 息上がってない?



* * *


「あ、あれ! あの大きな木の下、見えますか! 招き猫がいますニャン! 赤い招き猫ニャン!」


 おお、ちゃんとヒントっぽい場所にたどり着けたみたいだぞー!

 

 テンションが上がって、カメラマンを置いてダッシュしてしまった。

 失敗失敗。


 到着を待ってから再開しよう。


「赤い招き猫いましたねー。かわいいー♪ アップで映してみよう。近くに寄るとけっこうでかいな。なんだろ。他に何もないから、とりあえず持ち上げてみる? わ、軽い!」


 陶器でできた赤い招き猫を持ち上げてみたけれど、とくに何か指示らしきものは書かれていない。次のヒントの手紙でも持っているのかなと思ったけど……うーん?


「この招き猫をどうしたらいいんだろ。鍵? でも挿すところはなさそう……あ! 裏側に記号が書いてある! 『◇』と『2』と『16』って小さく書いてあった!」


 地図にも同じ記号があったはず。


「あったあった。地図にも『◇』と『2』『16』がある。でも今いる場所からぜんぜん違うところだなあ。『◇』と『2』と『16』はバラバラの場所にある……。ちょっと左側に偏っているようには見える?」


 何を表しているんだろう。

 謎解きめっちゃ難しいな。


「とりあえずメモだけ取っておこう。ここに『◇』と『2』と『16』があったよ、と」


◆挿絵

挿絵(By みてみん)


 赤い招き猫。

 色とか大きさにも意味があるのかな。まだわからない。


「次はどこに行けばいいんだろ。ノーヒント? 適当に歩くしかないのかな?」


 辺りを見回す。

 元来た道から続いて、さらに伸びている道。そしてちょうど招き猫がいる木の辺りから直角に伸びている道の2つがある。


 うーん? 分かれ道を二択なのかなあ。

 あれ? これがヒントかも⁉


「もしかして、招き猫を元の位置に戻して……あ、やっぱりだ! 招き猫の手の向き! こっちの道を指してるように見えない⁉ ね、見えるよね⁉」


 招き猫が置かれた位置から道が2つに分かれている。

 このまままっすぐ北に進むルートと、東のほうに進むルートと考えると、招き猫が指さしている方向は東だ。


「招き猫が指しているっぽい東の方向に進んでみることにするよ!」


 他に何もヒントがないからきっとこれがヒントなんだと思う!

 ちょっとおもしろくなってきたぞー。


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