表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ボク、女の子になって過去にタイムリープしたみたいです。最推しアイドルのマネージャーになったので、彼女が売れるために何でもします!  作者: 奇蹟あい
第四章 定期公演 ~ Monthly Party 2024 ~ #1(Pre)編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

225/445

第49話 映画のDVDとBlu-rayに収録される映像特典って?

「え? 映画のDVDとBlu-rayに収録される映像特典の撮影ですか?」


 ハルルとボクは、朝から花さんに呼び出されていた。


「ずいぶん急なオファーに感じますけど、映画の撮影っていつもこんな感じなんですか?」


 そもそも朝西の撮影に呼ばれた時もわりと急だったね。まあ、あれはキャストの穴埋め的な意味もあっただろうからそういうものかなーって納得していたけれど、映像特典ならわりとちゃんとスケジュール決まってそうな気がするけど?


「そういえば舞台挨拶の日程もマキが適当に決めてたし、この映画大丈夫なんですかね?」


 一番偉いはずのプロデューサーとか1回もお会いしたことないんですけど、そもそも誰さんでしたっけ?


「そうね……。うちの親会社がかなり出資しているのと関係があるとかないとか……だいぶ洋子ちゃん……秋岡監督に頼ってしまっているきらいがあるわね」


 花さんも若干おかしいなーとは思っている、という雰囲気は出している。

 だけど花さん自身も昔から洋子ちゃんにはお世話になっているわけだし、洋子ちゃんに頼んでおけば最終的には大丈夫かも、と思っているのかもしれないけどね。


「それでー、映像特典って具体的にはどんな撮影なんですか? オーディオコメンタリーとか?」


 ありがちなのは副音声だよね。

 映画の解説やら苦労話やらを副音声として収録して楽しんでもらおうというやつ。


「あ、私、あれやりたい! ロケ地巡りの食べ歩きツアー!」


 ハルルのテンションが若干上がる。

 たしかに、そういう映像特典も見たことある! 聖地巡礼的なイメージで、地元の名産や歴史を紹介したりする。あとはグルメをいただいてリアクションするやつね。


「どちらも違うわ」


 と、花さん。

 ……なんでそんな微妙そうな顔しているんですか?


「『勝つのは誰だ~⁉ ヨニウニランド貸し切り☆謎解きスタンプラリー対決~!』だそうよ」


 花さんがバラエティー番組の司会者張りに、高らかにタイトルコールをした。

 に、似合わない……。


「なんです、それ? アイドル番組の企画物ですか?」


 巨大なテーマパークを貸し切りにしてまで、なんで映画の映像特典撮ろうとしてるのさ。もっとこう、お金をかけるところが違うのでは?


「プロデューサーたっての希望で……」


「いや、だからそいつ誰よ。撮影中一度も現場に足運んでないじゃん……」


「まあまあ、カエデちゃん。私はおもしろそうだと思うけどな~」


 なぜかホクホク顔のハルル。

 おもしろそうとかそうじゃないとかではなくてだね……プロデューサーが企画説明せいよって話なの!


「そうだ、公式サイト見ちゃお。プロデューサー……『謎のX』だと。マジふざけてるわ!」


 プロデューサーが名前出さないってどういうことよ⁉ 聞いたことないんですけど⁉


「楓。その謎のXさんは業界では有名な方なのよ。一度も表舞台には出てきていないんだけど、数々のヒット作を世に生み出す伝説級のプロデューサーで」


「だから言うこと聞いとけって? 一度も会ったことないのに?」


 花さんの表情を確認する。

 

 良いから黙ってやれ。


「はい、わかりましたよ……」


 上司の命令は絶対……。


「え~、どんな企画なんですか? 企画書あります?」


 なんでハルルはそんなに乗り気なの……。こんな時期に外を歩き回るロケとか寒いじゃん。


「ペライチだけど企画書あるわよ」


 花さんがそう言ってボクたちに1枚ずつA4の紙を渡してくる。

 どれどれ――。


「えー、なんでこんな映画の映像特典の企画にSCOOPが監修に入ってるの⁉ ガチじゃん。なんで⁉」


 謎解きと言えばSCOOP。そう言っても過言ではないほどのヒットメーカーだ。数々の企業や映像作品とのコラボも手掛けていて、そのどれもが大人気コンテンツになっているのだ。


「これって一般開放なしなんですよね? 普通にこの映像特典のためだけに企画してくれてるんだ! すごいわ!」


 ハルルのテンションがさらに上がる。

 いや、さすがにこれにはボクもちょっとテンション上がってるけど。


「ぜんぜんショボ企画じゃないなあ。この映画、ホントどこに向かっているんだろ……」


 なになに?

 朝日ヒマリ役・十文字真紀、夕焼ナズナ役・新垣春、猫のチィタマ役・七瀬楓の3人はそれぞれ別のスタート地点から謎解きを開始する。各自ハンディカムを持って周囲の撮影等を行う。


「マジか。独り言をつぶやきながら進めるアレなのかー」


 めっちゃむずかしいロケじゃん。自信なくなってきた……。最初から自信なんてないけどもっとなくなってきた……。


「全員がゴールするまでのタイムを競うってあるけど、これってクリアするまで終われないってこと?」


「なんでそんなにスパルタなの……」


「プロデューサーの意向で」


「マジそのプロデューサー1回シバキたい!」


 この映像で映画の宣伝になるの⁉

 いや、宣伝ではないのか、映像特典だから……。じゃあ誰向けなの⁉ DVDを買ってくれた人ってこれ見ておもしろいの⁉

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ