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ボク、女の子になって過去にタイムリープしたみたいです。最推しアイドルのマネージャーになったので、彼女が売れるために何でもします!  作者: 奇蹟あい
第四章 定期公演 ~ Monthly Party 2024 ~ #1(Pre)編

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第43話 バースデーイベント4~メイメイ

「カ~エ~くん! 私がきたっ!」


 既視感! え、何? みんなの中でそれ流行ってるの?


「はい、メイメイさん1名様、いらっしゃいませー」


「あれ~? 私が来たのにうれしそうじゃない……しゅん」


 メイメイが口を尖らせて、露骨に機嫌を損ねた様子で視線を外してくる。

 しまった! ここはちょっとハイテンションで迎えるべきだったか。いつも一緒にいるメイメイだから油断したー。


「うれしいうれしい! やっぱりメイメイが一番だよね! 癒されるー。ホッとしすぎて気が抜けちゃっただけだよー」


 立ち上がって拍手で迎える。テイク2!

 まあ、これは本音。

 テンション爆上がりっていうよりも、そばにいたいって気持ちが強いからね。


「そうですか~? 私が一番ですか~? ん~、でもカエくんなんだかそわそわしてますよね~。気のせいですか~?」


 メイメイがボクの顔を覗き込んでくる。

 ち、近い……。

 無意識に視線を外してしまう。


「あ~やっぱり! 目を反らすってことはやましいことがあるんだ~」


 テーブルに両手をつき、さらに顔を近づけて責めるような目でこちらを窺ってくる。


「いや、ないってないって! 急に顔を近づけるからちょっとびっくりして!」


 だって良い匂いするし、ノーメイクなのに肌がきれいで真っ白だし、2秒も見つめられたら目に吸い込まれちゃいそう……。やっぱりメイメイは特別なんだよ……。


「ふ~ん? でも私、知ってるんですよ~?」


「な、なにを?」


 何もやましいことなんてないけど、何を言われるんだろう……。不安。


「カエくん、ナギサちゃんとデートの約束したでしょ~?」


 なんだ、そんなことか……。


「うん、まあ、したけど」


「私だって飲茶好きなのに誘ってくれなかった~!」


 テーブルをバンバン叩きながら抗議をする。

 あー、うん。それは……知ってるけど……。


「私も小籠包食べ放題したいです~!」


 うん……。


「あのお店目をつけてたんです~!」


 それはうん、知ってたけどさ……。でもさ……。


「メイメイと外食に行くと、やたらと周りから注目されるから苦手なんだもん……」


 ビル内の食堂やラウンジならまだいいけどさー、敷地内とは言っても駅ビルは外だからなあ。事務所関連じゃない人もいっぱいいるし。


「食事は楽しくおいしくですよ~! 人からどう見られたって良いじゃないですか~」


 それはそうなんだけど、ものには限度があるのです……。


「んー、でもなあ。食べ放題はメイメイと行かないって神様に誓っているので……」


 ボクはひっそりと生きていきたいのです。


「やだ~! 私も飲茶ついていく~!」


 それは……遠慮したいのです……。


「だって、メイメイ連れていくと、たぶん1人で小籠包100個とか食べるじゃん……。お店の人も周りの人も驚くじゃん」


「ちゃんと残さずおいしく食べてますよ~」


「だからだよ……。わんこそばじゃないんだからさ……。あー想像できちゃうなあ。積みあがった空の蒸し器。ニコニコしながら食べるメイメイ。そりゃかわいいけどさ、周りの人がめっちゃ注目するじゃん……」


 ボクまでフードファイターの仲間だと思われるじゃん……。


「小籠包はまさに神の食べ物ですよ~。小籠包の神様だって小籠包だけは私と一緒に食べに行きなさいって言うに決まってますよ~」


 小籠包の神様って!

 そりゃそんな神様がいたら言うかもしれないけどさ……。


「じゃあちょっと小籠包の神様に電話してみるので、私も連れていくべきか聞いてみましょう~」


「えっ、電話? 小籠包の神様の電話番号知ってるの?」


「知ってますよ~。ほら」


 メイメイが端末の画面を見せてくる。


【小籠包の神様 0X0-1P3F-1O6O】


 ほ、ホントだ! 小籠包の神様の電話番号がアドレス帳に登録されてる⁉


「うそぉ! 実在するの⁉」


「は~い、じゃあ電話かけてみますね。不正がないようにスピーカーフォンで~」


 呼び出し音が3回鳴ったところで、通話が開始される。


「もしもし~? 小籠包の神様ですか~?」


『いかにも。ワシが小籠包の神様じゃポン』


 うぉ、なんかホントに神様っぽい……でも語尾がポン? 小籠包なら、ポゥじゃないのか。


「ね~神様~。カエくんが、私を飲茶食べ放題に連れて行ってくれないんですよ~。困ってます~」


『それは由々しき事態じゃポン。カエデ、メイメイにお腹いっぱい小籠包を食べさせるのじゃポン。そうしないと、2年以内に世界は滅びるであろうポン』


「えっ! 小籠包って世界滅びるほどの重大な問題なの⁉ だけど2年って微妙に長いな……」


『早く小籠包を食べさせてあげるのじゃポン』


「ほら~。世界の危機ですよ~! 早く飲茶食べ放題行きましょうよ~」


 めっちゃドヤ顔のメイメイ。

 そんなこと言われても……2年も猶予はあるし……。


『駅前の店を今日の15時に4名で予約しておいたのじゃポン。世界を救うのじゃポン』


「え~、神様、そんな勝手に⁉」


 小籠包の神様、ちょっと強引過ぎない? しかも4名って? もしかして神様来るの⁉


『さらばじゃポン。良い小籠包ライフをポン』


 ああっ、一方的に切られた……。


「ありがと~神様! お店の予約をしてくれるなんて気が利きますね~。このあとはみんなで小籠包パーティーですよ~!」


 こぶしを突き上げてテンション上がっているところ悪いんだけど、4名って誰?


「ボクとメイメイと……ナギチと?」


「神様ですよ~」


 あ、ホントに神様来るんだ……。小籠包の神様が小籠包食べるのって共食いなんじゃ?


「まあ、せっかく小籠包の神様が予約してくれたんだし行くけどさあ」


 微妙にしっくりはきてない。

 いや……だいぶ乗り気じゃない。


 だってメンバー濃すぎない?

 

 メイメイ1人でフードファイター並みの注目を集めるのに、歩いてるだけで高確率で振り返って見られるナギチがいて……しかも謎の小籠包の神様まで……。


 あ、これ、やばいやつじゃん。


「おそろいのチャイナ服を用意しましょうね~」


 さらにやばくない?


「お店が撮影OKか聞かないといけませんね~」


 いや、やっぱりボク、行くのやめたいんですけど!


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