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第24話 限界チャレンジ2~実食編

「はい……諸事情により、イチゴ、メロン、レモン、アンズ、ブルーハワイの5種類の中から正解だと思う味を選んでもらいます!」


“諸事情w”

“なんででしょうねえw”

“あれはあかんw全員正解してしまう”

“結局何味なんだよwww”

“諸事情ならしかたないな”


 みんなノリが良くて助かる。

 さて、始めていこうか!



「じゃあみんな目隠ししてー。目隠しの準備ができたらカメラに向かって合図してね」


 ボクの指示でみんなが目隠しをし始める。

 ハルワンコ、サクラニャンコ、ナギサピョン、ウミカエル、メイメイメーメーと5匹の動物たちが登場する。


 さっそく準備のできたウミカエルが……悪役令嬢のポーズ⁉


 他のみんなも思い思いのポーズで準備できたことを知らせてくる。

 でも動物のアイマスクのせいで、どうみてもコミカル集団なんだよね。


「みんな準備ができたみたいだね。念のため、こっちは見えてないよね。今ボクが指先に出している数字は何かわかる?」


 カメラの前で人差し指を立てる。そう、ボクの好きなあのマンガのワンシーンだ。


“まさかの念w”

“かえで念使いwww”

“画面がすでにギャグなのにさらにマネージャーがおもしろいこと言うなw”

“もう普通に出演しろってw”

“3だな……俺でなきゃ見逃しちゃうね”


 お、伝わった。まあまあ受けたな。よしよし。


「はーい。みんな見えていないみたいだから、これからシロップかけていきまーす。レイ、どれにしようか?」


「わたしは、これがいいと思います」


 そう言ってレイが指さしたのはブルーハワイだった。


「OK。じゃあこれをみんなの氷にたっぷりかけていきますよ。まずは匂いでわかるかなー?」


 1人ずつ席を回り、プレーンのかき氷に青いシロップをかけていく。

 シロップの甘い香りが辺りに広がっていく。

 

 うーん、やはり青色が一番配信映えするね。

 それに舌が真っ青に染まったほうが食べてる途中もわかりやすいし。


「はい、準備ができたので、みんなには試食……あ、待って。見えないよね。スプーンと器を手渡すから一旦そのまま待ってて」


 手探りで器を倒したりしたら大変だ。

 ボクとレイは1人ずつスプーンと器を握らせていく。

 ふう、危なかった。


「これでよし、と。はい、みんな準備は良いかな? 大丈夫そう。いざ、試食タイム開始! 時間は2分間!」


 カーーーーーン!

 

 急いでカメラ横のパソコンからゴングのSEを挿入する。

 ふう、これでよしと。



「は~い。マネージャー様のお許しが出たので、かき氷を食べていきま~す」


 さっそくハルルが食レポを始める。

 元気な宣言とは裏腹に、恐る恐るといった雰囲気でスプーンに乗ったかき氷の匂いを嗅いだ。安全を確認してからゆっくりと口を開けて舌先に乗せていく。


「つめたっ! え、うそ、ぜんぜん味がわからないわ!」


 リアクションが大きくてよろしい。

 あとワンコかわいい。


「すごく甘くておいしいかき氷です~」


「これは……かき氷の味がしますね」


「実はわたくし……かき氷というものを初めて食べましたわ」


「カエちゃん見えないから1人で食べられな~い。あ~ん♡」


 それぞれ、思い思いのリアクションを取っている。

 約1名はスルーしておくとして、え、待って! ウーミーは初かき氷なの⁉ それでどうやって当てるのさ。


“わちゃわちゃしてんなーw”

“順番にしゃべれw”

“ブルーハワイの匂いってどんなのだよ”

“うわ舌真っ青w”

“メイメイ早くも完食してんじゃんw頭痛くないのかwww”

“ウーミーマジのお嬢様か”

“ナギサ安定の放置プレイwwwww”

“新キャラちょっと好きになってきたわw”


「みんなどのシロップがかかっているか、わかってきたかな? 残り30秒ですよー」


 すでに食べ終わっているメイメイを除いて、みんな首をかしげながらかき氷を舌先に乗せて、何味なのか思案しているようだった。

 ちょっと難しかったかな?


「私はもうわかっちゃいましたよ~。みんながんばって~」


 メイメイだけ余裕のお答え。

 そしてホントにわかってそうなところがすごい。


「ええ、わかったの? サツキ~、私にも教えて~」


 ハルルも完食したが、答えはわかっていない様子。


「う~サクラは……あれに決めました!」


「あーし……私は~、もちろんわかったわ!」


 それぞれわかったりわからなかったり、勘を働かせたり、いろいろな反応を見せている。

 みんな目隠ししたままなのがやっぱりおもしろい。


「かき氷というのは冷たくておいしい食べ物ですわね」


 そうかそうか、それは良かったね。ウーミー、今度おいしいかき氷屋さんに連れて行ってあげるね。


(みんなで行きましょう)


 はい。



「タイムアップ! はい、終了です! スプーンを止めてください。目隠しはしたままで! 今から回答用のフリップとペンを渡して回ります」


 再びボクとレイはそれぞれの席を回り、かき氷の器とスプーンを回収。代わりにフリップとペンを握らせる。


「みんな答えは決まったかな? それでは張り切ってフリップに答えをどうぞ! 30秒で記入してください! 合図をしたら目隠しを取って一斉に発表してもらいます!」


 ボクの宣言とともに、みんながフリップに文字を書きだす。

 さあ、正解者は出るのでしょうか⁉

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