第9話「開発計画プレゼンのはずが、商店街の魅力紹介リターンズ!」
「田辺くん、もはや ‘商店街広報担当’ みたいになってない?」
登場人物
田辺:大和都市開発の新人社員。商店街を壊すのではなく「活性化」させるべきではと考え始める。
杉浦:現場担当の先輩。クールだが、最近商店街の側に寄りすぎている。
山科課長:のんびりした上司。いつもコーヒーを飲んでいるが、何かを企んでいる気配。
大和社長:大和都市開発の社長。穏やかだが、田辺たちの提案にどんな反応をするのか読めない。
役員たち:都市開発計画のプレゼンを聞く重役たち。
オープニング映像(OP)
※いつものOP。今回は、田辺が商店街の人々と話しているシーンが追加。
社長が微妙な表情でそれを見ているカットが挿入される。
本編
SCENE 1:大和都市開発 社内・朝
(オフィスの会議室前、田辺が資料を抱えて緊張している)
SE:時計の秒針音、かすかなざわめき
(杉浦が隣で腕を組みながら見ている)
杉浦「また緊張してるの?」
田辺「そりゃそうですよ! 今回のプレゼンは ‘再開発計画’ の最終決定に関わるんです!」
(山科課長がのんびりと近づく)
山科課長「おっ、準備できた?」
田辺「課長…本当に ‘この資料’ でいいんですか?」
(田辺が持っている資料の表紙:「商店街再開発計画(ただし活性化プラン寄り)」)
杉浦「まさか、また ‘商店街の魅力紹介’ になるとはね。」(クスクス笑う)
田辺「笑い事じゃないですよ!!」
SCENE 2:会議室・プレゼン開始
(大きな会議室。スーツ姿の役員たちが座り、大和社長が中央にいる)
SE:資料をめくる音、椅子が軋む音
(田辺、深呼吸して前に立つ)
田辺「それでは、空中商店街の ‘再開発計画’ についてプレゼンを始めます。」
(プロジェクターが映し出すスライド)
スライドのタイトル:「商店街の未来を考える」
(役員たちがざわざわし始める)
役員A「 ‘再開発’ の話じゃなかったのか?」
(田辺、緊張しながらも話し始める)
田辺「本来、再開発は ‘地域の活性化’ を目的とするものです。しかし、今回の調査で見えてきたのは ‘空中商店街はすでに活性化している’ という事実です。」
(スライド:商店街のにぎわい、グルメ、イベントの写真)
役員B「これは…?」
(田辺、さらに説明を続ける)
田辺「この商店街には ‘地域のつながり’ があり ‘人々が集まる魅力’ がある。再開発を進めるのではなく ‘既存の商店街を強化する’ ことが最適解なのではないでしょうか?」
(役員たち、ざわざわ)
大和社長「……ふむ。」
(田辺、ドキドキしながら社長の反応を待つ)
SCENE 3:会議室の緊張感
(しばし沈黙が流れる)
(田辺、汗をかきながら社長の反応を待つ)
田辺(心の声)「やばい…やりすぎたかも……」
(すると、大和社長が静かに口を開く)
大和社長「……面白い。」
(田辺、驚く)
役員たち「社長?」
大和社長「 ‘再開発ありき’ ではなく ‘現状の活性化を優先する’ …なるほど。」
(社長、考え込むように資料をめくる)
田辺(心の声)「よ、よかった…! 怒られるかと思ったけど、興味は持ってくれた…!」
(だが次の瞬間、社長が田辺をじっと見つめる)
大和社長「だが、田辺くん。」
田辺「は、はい!」
大和社長「 ‘活性化プラン’ を進めるにしても、具体的に ‘どういう形’ で進めるか、まだ課題が多いと思わないか?」
(田辺、ハッとする)
田辺(心の声)「確かに… ‘商店街を守る’ って言っても ‘何をするべきか’ までは考えきれてない…!」
大和社長「 ‘再開発をしない’ のではなく ‘商店街の未来をどう作るか’ …君にそれを考えてもらいたい。」
(田辺、息をのむ)
田辺「……っ!」
(杉浦、ニヤリと笑う)
杉浦「また ‘宿題’ が増えたね。」
山科課長「ま、次のステップに進んだってことだね~。」(のんびりコーヒーを飲む)
(田辺、複雑な表情で資料を握りしめる)
田辺(心の声)「 ‘商店街をどうするか’ …今度こそ、ちゃんと考えなきゃ…!」
(窓の外、商店街のネオンが今日も輝いている)
(つづく)
次回予告
ナレーション(沢田おばあちゃんの声)
「次回、商店街の運営会議に田辺くんが突撃!? でも、いきなり ‘商店街の未来’ を考えろって言われても難しいよねぇ…。でも、みんなの意見を ‘聞くこと’ から始めるのが大事さね。」
次回「商店街の未来を決めるのは誰?」
お楽しみに!