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あの夏に咲いた君の笑顔に  作者: 凪野 祐介
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プロローグ

初めての投稿です!

反応をいただけるなら光栄です!

面白くなくても完結させることが目標です。

本当に少しずつ書いてくつもりです。

 自分が、何も持っていない人間だと気づいたのは、22歳の冬だった。寒風が、ガタガタと窓ガラスを小刻みに揺らしている。少し暗めに設定しているLED照明の下で、ベッドに寝転びながら、私の心は1年の開花活動を終えた植物たちとともに、死んでゆくのだった。

 私は、この年の初冬で22歳になった。職業は一浪の地方の工業大学生であり、バイトは4月に辞め、特技はなく、未来もなく、唯一過去だけは少しだけ語る余地があるのかもしれないが、私はこのように、平坦というにしては、傷が多すぎる大学生なのである。

 この世のすべては腐って見えて、何度も死にたいと思ったが、死ぬ勇気なんてものは今まで、生きていることから察するとおりに無く、今でものうのうと道化にも慣れずに、生きているのだ。

 ああ、道化になってしまいたい。私の体から倫理を取り去って、おどけながら厭世家を気取り、この世のすべてを舐め腐りたい。家も恋も過去も未来も、すべてを捨て去り、決して綺麗とはいえないステージの上で踊りたい。

 なんて風に振り切ってしまえたら、人生がもう少し楽しくなるのだろうが、意地かプライドなのか一歩を踏み出そうとしないし、そもそも踏み込む気すらない。

 こうして、しがみつくならば過去しかない、それ以外は何も持っていない人間が一人、ここに存在するのだ。


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