【第八話】”竜宮城”に来てみては目にも留まらぬ美しさ
僕は、カメさんの家に行くことになった。
多種力交換 ツチクジラ
ツチクジラは日本にも生息し深海まで潜ることができる。
実は、おれは生物部で生き物に詳しいのだ。
隣を見るとカメさんが人魚になっていた。
「準備はいいかしら?」
「ピューイ、ピッピー」
あ、しまった。くじらの声になっていた。
種間伝達
「大丈夫です」
「ちゃんとついてきてね」
それから、俺はカメさんと魚を見ながら進んで行った。
進み始めて一時間半ほどして深海である200m程度のところで、カメさんが足を止めた。あ、ヒレを止めた。
「あそこにみえるものよ」
そう言われても、見えるはずがない。ここは深海だ。カメさんは、超音波によるエコロケーションを使って見ていた。
そう思いながらも、カメさんに言われた方向を見た。
「え?光ってる…」
思わず声が出てしまった。
「あそこは、私の家がある街よ。昔、水中でも生活できるスキルを持つ、1人の王と、20人の臣下が陸上の争いを避けるために、海中に街を作ったの。その20人の子孫もスキル持ちだから、街が栄えているのよ。スキルを使って、空気を海中に持ってきて住んでいるの」
そう話してくれたが
「………」
話が大きすぎて言葉が出ない。
「行きましょ」
そう言われたとき、街の方から大きいサメが二匹向かってきた。
「ホオジロザメだ。カメさん逃げるよ」
俺は慌ててカメさんに言った。
「待って!サメの目を見て!」
そう言われ、サメの目を見るときれいな青色をしていた。確かサメの目は黒だった。
なら、このサメはスキル持ちの人が変身している!?
サメが近くに来たとき、サメがたくましい人魚に変わった。
「お前は誰だ?スキル持ちだな!侵入者か?」
そう言われ、違いますと言おうとしたとき
「待って、その人は私の恩人よ」
カメさんがそう言ったとき、警備担当であろう人魚の態度が変わった。
「カ、カメ様ですか?御恩人だと知らずに…無礼をお許しください。王が心配しております。早く街へ」
カメさんってもしかして…
そう思ったとき
「御恩人様、お名前は?」
「あ、太郎です」
「太郎様もようこそお越しいただきました」
こうして、無事に街に入ることができた。
「太郎様、申し訳ありませんがカメ様にことの流れを説明してもらうので、街を見たり部屋でくつろいだりしていてください」
そう言われたので街を見ることにした。
街は空気があり、昼間のように明るかった。
この街の中央にはお城があった。竜宮城みたいだ。かわいい乙姫はいるのかな?
そんなことを考えながら道を歩いていた。街は人が多く活気で溢れていた。
1時間ほど、街を歩いているとさっきの警備員さんが呼びにきた。
どうやら、真ん中の城に行くらしい。
そういえば、カメさんは…
「カメさんって…」
「カメ様は、お城にいらっしゃいます」
やっぱり、警備員さんの態度が違う。
警備員さんと話しているうちにお城についた。
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