【第四話】お供を”連れずに”鬼退治?
四話目です。いつもありがとうございます。
野宿をしているとうしろで岩が落ちてきたような大きい音が連続で聞こえた。
その音はどんどん大きくなってくる。空が曇り始め風が吹き、炎が消える。俺はさむさと、恐怖で動くことができなかった。その間も、音はどんどん大きくなったが、急に音が聞こえなくなった。おそるおそる、音のしていた方を見ると、赤や青い肌の、4メートルほどの大男がたっていた。
これが、おじいさんとおばあさんが言っていた[鬼のような生き物]か…
確かに、角もあるし牙も鋭い。でも、はいているのは、虎の毛皮ではなく、ふんどしだった。まぁこの時代に日本にトラはいなかったけど。
「○■、◎▼●△◇◉□」
は?
なんか赤い鬼が青い鬼に話しかけているっぽい。
なんて言っているのかわからない。
そう思ったとき
『スキル脇役の種間伝達を使いますか?種間伝達は、異なる種の生き物の言葉を理解したり、意思を伝えることができるようになります。』
おじいさんとおばあさんの家で聞いた声と同じだ。
シュカンデンタツ?まぁいいや
いま、鬼は俺のことを食おうとしているのかもしれない、おそってくるかもしれない
ここで鬼たちの言葉を聞いておくと、危険を回避できるかも知れない
使います
そう言ったとき、低く圧のある声が聞こえた。
「どうやって食う」
やっぱり、食うき満々じゃねえか!
いそいで、逃げなきゃ
俺は、鬼たちが話しているすきに、静かに荷物を持って鬼と反対の方に逃げたが…
結果は
100メートルほど突き放したが、気づいた鬼に追いかけられ10秒も待たずに捕まった。
そして、俺は袋に入れられて気絶した。
ここはどこだ?
鬼たちに捕まってから記憶がない。
あたりを見回すが、暗くてよく見えない。
周りを見ようと頑張っていたときに、またあの声がした。
『スキル脇役の多種力交換を使いますか?他種力交換は、他種の力を自分の力に還元して、他種の姿や能力を使えるようになります。』
変身ってことかな?わかんないけど
でも、これでネコになれば周りも見えるようになる。
使います ネコに変身
そう念じたときに、体の感覚が一瞬なくなり、経験したことない感覚が芽生えた。
だんだん、周りが見えるようになってきた。
ここは、牢獄のような部屋になっている事がわかった。
幸い、荷物も全部持っている。
突然、遠くで何かが動くのがわかった。ネコになったから耳も良くなったのだ。
しかし、もう音のすることはなく朝になったのだ。
部屋が明るくになり、もう一度あたりを見回す。
・鉄でできた扉が1つ
もちろんあかない
・鉄格子の窓が3つ
そのうちの1つが外と繋がっており、明かりが差し込んでくる。
あとの2つは隣の部屋に繋がっていた。
それより、壁や床に血痕がいくつか見えることがおどろいた。
俺は犬になって匂いを嗅いだが人間のものだ。
でも、血以外のにおいもする。ドブのような臭い匂い…多分鬼のものだろう
ならここは、鬼が人間を一時的に置いとくところ?
早くここから逃げなければ…
光が差し込んでいる窓から外を見ようとしたが、鉄格子が邪魔でよく見えない。
隣の部屋に繋がっている窓を見てみた。
誰かいる
「大丈夫ですか」
声をかけると
「また、一人増えた…」
という声がした。
俺以外にも人間が捕まっているのか…しかも、それなりにいるのであろう
どうしよう…
最悪、トンボにでもなって逃げようと思ったが、他にも人間がいるとは…
鬼と戦う?いや、勝てない
そう思ったとき、あの声を思い出した。
『スキル脇役』
勝てなくてもいい、全員を助け出せばいい。
見捨てるのはかわいそうだ。
その後は、どこかのお偉いさんに言えばなんとかなるだろう。
そして、隣の部屋の人から色々な情報を聞いて作戦を考えるのだった。
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