【第三話】桃から生まれた?”桃好き”太郎!!
3話目です。読んでいただきありがとうございます。
俺は、おかゆのようなものを食べ終わり、桃を口に運びながらおじいさんとおばあさんと話していた。
わかったことは
・おじいさんの名前 田上 与吉
・おばあさんの名前 みね
・室町幕府三代将軍足利義満がおさめている
・ここは備中の国
など
色々なことをおしえてくれた。
俺も、桃を口に運びながら名前や何をしていたかを話した。でも、未来から来たことは言わない。信じてくれないだろうし、そもそも、説明するのが難しかった。
ある程度、情報を教えあったときおばあさんが
「太郎は桃が好きなのかい?」
と言った。俺は
「はい、好きです」
と答えた。すると、おじいさんとおばあさんは顔を見合わせて笑った。そして、おじいさんとおばあさんは
「ついておいで」
っと言われたので、色々思うところはあったけどついていくことにした。俺が連れて行かれたのは、家の前の畑だ。そこには、立派な桃がたくさん実っていた。
「太郎は桃が好きなんだろ?収穫していいぞ!」
おじいさんにそう言われ、俺は、いくつか収穫した。
「この桃も、今年で終わりかな…」
俺が収穫しているとおじいさんが、さびしそうにつぶやいた。
「何かあったんですか?」
俺は事情を聞き、こしをぬかした。
内容はこうである。
まず、この世界には、高い知能を持つ生き物が数種類いるのだそうだ。そして、その中の1つが有名な[鬼]のような生き物である。そして、この鬼のような生物が、桃畑を荒らすのだそうだ。
あれ?これって桃太郎伝説?え…俺が鬼退治しなきゃいけないの?無理無理絶対無理
聞かなかったことにして、ここから離れよう 人間として最低だが、俺はこんなことしかできない
そもそも、俺には力がない
俺に力があったなら…
『了解しました、スキル脇役を獲得しました』
ん?なんか聞こえ?まぁいいか
ところで、そもそも行く宛がない…
とにかく人が多いところに行こう
もしかしたら、俺と同じようにタイムスリップした人がいるかも知れない
えっと…人が多いところは…都とか?京都かな?うん、京都に行こう
「与吉さん、みねさん、お世話になりました。ありがとうございました。これから京都に行きます。これ、表は色々書いていますが裏は白紙です。」
そう言って、宿題プリントを5枚わたした。たしか、この時代に上質な紙は貴重だった気がする。
おじいさんとおばあさんは目を丸くしていたが、
「この紙はすごい。じゃが、京都ってどこじゃ?」
あ…この時代は京都じゃなくて「丹波」「山城」などと呼ばれていた…
「え〜っと、丹波です」
「気をつけてね。特に鬼には気をつけるんだよ。」「そうだ、桃持ってけ」
そう言ったおじいさんとおばあさんに俺はもう一度お礼を言い家を出た。
幸いにも、地図帳を持っていた。
この時代と表記名が違うところもあるだろうけど、地形は変わってないと思う。
出発して5時間後
野宿をしていると後ろから、岩が落ちてくるような大きい音が連続して聞こえた。
ブックマークや、感想、アドバイスをいただけたら嬉しいです。