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健人と彩(わたし)
「彩、何食べたい?」
「わかんない」
付き合い始めて4ヶ月の2人は今、うどん屋さん
「じゃあ、彩、俺と同じのでいい?」
「いいけど、健人変なの頼まないでねー」
「わかってるって」
1つ年上の健人のおごりで、よく食べにいく
ここ、「まるべぇ」
ここのうどんは超太くて、つやつやでかなり美味しい
「すみませーん」
健人が店員さんを呼んだ
「はい」
さわやか青年風の高校生くらいの人が近づいてきた
「えっと…さぬきうどん2つ」
「はい、かしこまりました、少々お待ち下さいね」って言って今度はなんか厨房みたいなとこに入って行った
「さぬきかよー」
「いやだった?」
「別にいいけどね?」
「だろ?」
「まぁね」
それから7分くらいしたら
「おまたせ致しました、さぬきうどん2つでございます」
って同じ人が持ってきた
ゆっくり、しずかにどんぶりを机に置くと
「ごゆっくりどうぞ」とその人は私を見つめた
私はあまりにも純粋な瞳に、思わず目を反らした
「ほら、早く食べなっ?」
「あっ、うん」
いつも通りの味だった
安心するような温かさと
つるっと体に入っていく感じが
何とも言えないくらい、快感だった