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どうしてこうなった道中記-サブスキルで面倒ごとだらけ-  作者: すずめさん
-第一章-スプリングフィールド王国編-
92/602

-第一章九十一節 シロの威嚇と颯爽登場と要らぬ噂-



自称マサツグを本物のマサツグが軽く蹴散らすとその様子を見た周りの者達は戸惑い出す!…身長差は然程無いにしても相手より細い人間が圧倒している様子にただただ困惑の表情を見せるしか無かった!…自称マサツグがその場で倒されると地面に突っ伏したまま目を回し、その相方である自称モツは相方がやられた事でマサツグに対し怒りを燃やし始めると、自身の持っている剣を構え出す!…こうなると完全に刃傷沙汰になりかねない状態に見物客や列に並んでいた者達が冷や冷やとした様子で二人の事を見詰め出し、その事件の行く末をただこの後何が起きるのか!?と言った戸惑いの様子で見守っていた。


「ッ!!…テ、テメェ!!…

良くもやりやがったな!?…」


「……はあぁ~…三下乙…

…ってかさっきの女の子じゃねぇけど…

大の大人が子供相手に武器を

振り上げて脅し立てるとか…

情けなさすぎるだろ!…

それもその子供が何かしらの

凶器を持っているのならまだしも…

何も持っていない!…

ただ正論言われただけとか……

惨めにも程が有るってモンだぜ?…」


「ッ!!!…こ、この舐めやがってぇぇぇ!!!!」


__フォン!!…

きゃああああああぁぁぁぁぁ!!!!!


自称モツは相方がやられた事に逆上しては剣を構えてマサツグに文句を言い出し、その文句にマサツグが呆れた様子で両手を挙げて首を左右に振り馬鹿にし始めると、懇々と諭す様に説教を口にする。その際女の子が正しかった事を改めて突き付け、武器を構えた事に大人げないと話しては反省を促しながらも馬鹿にした口調で話すのだが…そのマサツグの言葉で更に逆上したのか自称モツが剣を振り上げマサツグに斬り掛かろうとすると、辺りから悲鳴が響き始める!…マサツグが向かって来る自称モツに対して迎撃する構えを瞬時に取っては自称マサツグの様に白刃取りであしらおうとするのだが、その思惑は外れて次の瞬間目の前でトンデモナイ事が起きる!…


__スゥ……バッ!!…


「ッ!?…え?…」


__ガッ!!…クルンッ!…ふわッ…


「やああぁぁぁ!!!!」


自称モツの剣がマサツグに向かって振り下ろされようとした瞬間!…突如マサツグの視界にシロが飛び出すよう姿を現すと、その突然のシロ登場の様子にマサツグが戸惑う!…何故シロが!?…シロはあの何処の誰か分からない人に預けて来た筈!…とただ咄嗟の出来事にマサツグがシロを見詰めながら戸惑って居ると、シロはその自称モツの振り下ろして来た腕に組み付いてはクルンと宙で円を描くよう回って見せ…そして巻き込む様にして自称モツのバランスを崩し一瞬だけ宙に浮かせると、そのままマサツグが居る方向とは別の…明後日の方向に向かって声を挙げては投げ付ける!…


__ブォン!!…


「どわあああぁぁぁ!!!…」


__ヒュウウゥゥ!!…ドガシャアァァン!!!…


「……え?…」


自称モツは悲鳴を上げながらシロに投げ飛ばされると誰も座っていないイートインコーナーを薙ぎ倒し!…そのまま近くに有った植え込みに頭から突っ込み一時的に動けなくなると、膝から折れる様にしてマサツグ達に対して尻を向ける。何とも醜い姿で晒され自称モツ自身何が起きたのか理解出来ないでいると、マサツグも何が起きたのか分からない様子で戸惑いの声を漏らし…ただ尻を向けている自称モツの様子に困惑の表情を見せて居ると、シロは華麗に着地を決めてはマサツグを心配した様子で声を掛け始める!…


「…ふぅ!…ご主人様!!…大丈夫ですか!!!」


「…え?…あれ?…シロちゃん?……」


__チラッ……チラッ…チラッ…


シロが一仕事終えた様子で息を漏らし心配の表情を見せるとマサツグに無事かどうかの問い掛けをし、そんなシロにマサツグは困惑の様子でただシロを見詰めると戸惑いの言葉を漏らす!…そしてシロを置いて来た筈の場所をチラッと確認してはやはりシロが居ない事を確認し…その際預けた筈の人も困惑した表情でマサツグ達の方を見詰めてはマサツグに対して何かを必死に訴える挙動を見せる!…そうした様子を見つつマサツグが改めてシロが移動して来たであろう距離を測るよう場所を交互に見ると、その距離は約6~7mある事に気付き!…この距離を一瞬で!?…一体如何やって!?…そんな疑問を覚えつつマサツグが困惑気味にシロの方を振り向くと、戸惑いながらも質問をする。


「……あぁ~っと…シロちゃん?…

一体如何やってここに来たのかな?…」


「……ッ?…はい!…走って来ました!!

で、ご主人様が襲われそうだったので

シロが投げちゃいました!…」


「いやいや!…投げちゃいましたって!…

えぇ~?…」


__……ポンッ!…なでなで…なでなで…ッ~~♪…


マサツグが如何やってあの距離を移動して来たか?と戸惑いながらも尋ねると、シロは不思議そうに首を傾げながらもマサツグに元気良く手を挙げては質問に答え始め、その時マサツグが危ないと思って自称モツを投げ飛ばした事を正直に笑顔で話すと、その返答にマサツグは苦笑いをしては更に戸惑う!…種族的な物?…それにしたって体格差が…それをもカバーする程の実力が?…満面の笑顔で「投げちゃいました!…」と言われた日にはもう笑うしかない!…そんな奇妙な光景に戸惑いつつもシロを褒める様に頭を撫で始めるとシロは喜び、尻尾をパタパタと振ってご機嫌の様子を見せて居ると当然周りの人達はその出来事を目の前にしては更に戸惑う!…植え込みに突っ込んだ自称モツも漸く動ける様になった様子で植木から抜け出すと、戸惑いの表情を見せる!…


__がさごそ…がさごそ…ガサァ!!…


「いぃ~たたたたた!…今さっき何が起き…

…ッ!?…こ、子供?…いや関係無い!!…

このまま舐められっぱなしで終われるか!!…」


__チャキッ!!…ッ!…


「まだやるのかよ…オッサン?…」


何処かで聞き覚えの有るフレーズで痛がり植え込みから出ると、まず目にして驚いたのは先程まで居なかった筈の獣人の女の子が居る事!…それもパッと見た限りでも分かる位にかなり上玉のモノが居る事に思わず目を奪われるのだが、今はそれ所では無いと首を左右に振って見せては慌てて武器を拾い直す!…そしてマサツグに向かい歩き出してはさっきの様に吹き飛ばされないよう警戒した様子を見せ、それに気が付いたマサツグが呆れた様子で自称モツに声を掛けると、自称モツは怒りで顔を真っ赤にしては激昂し出す!


「当たり前だ!!!

これ程馬鹿にされて引き下がれるかってんだ!!!

テメェだけは絶対に許さねぇ!!…」


「…逆恨みも良い所だ!……」


「黙れ!!!…今度は容赦しねぇぞ!!…

この野朗!!!」


__バッ!!…


もはや引き下がれないのかプライドがそうさせているのか…とにかくマサツグをぶちのめさないと気が済まない!…と言った様子で自称モツが向かって来ると、マサツグに対して文句を吐き出し!…その様子にもはや言う事は無いとばかりにマサツグが呆れ…止めを刺す体勢を静かに取り出すと、自称モツはマサツグを自身の間合いに入れたのか剣を振り被っては駆け抜けて斬り掛かろうとする!………だが!?…


__ピクッ!!…バッ!!…

ヴゥ~ヴヴヴヴヴヴヴヴヴ!!!!…


「ッ!?…な、何だ!?…」


「ッ!?…おっほほう!?…こいつは!?…」


剣を構えて駆け出して来た自称モツに反応するよう…シロが瞬時に身構え歯を剥き出しにして威嚇し出すと、改めてシロがフェンリルである事を認識させられる!…その構えはまさに狼であり、両手を地面に着いては右手を左手より前に出し若干腕を伸ばすよう構えて見せ、頭を低くお尻を後ろの方へ突き出し中腰位の高さでキープすると、まるで敵に突撃する前の伏せをして居る様に見せる!…そしてそれ以上近付いたら噛み殺す!…そんな気迫すら感じられる殺気を幼子でありながらガンガンに飛ばし、自称モツに対して尻尾を試験官洗いの様に逆立て、自称モツだけにあらずマサツグ…その他に周りの見物客や列に並んでいた者達をも巻き込む勢いで睨みを利かし、殺気とビリビリ感じる謎の圧で拘束し出すとそのシロの様子に全員が驚き怯える!…


__ビクッ!?…ざわざわッ!!……バタンッ!!…


「ッ!?…お、おい!?…大丈夫か!?…

一体如何して!?…ッ!?…

し!…白目向いてる!?…」


そのシロの殺気は凄まじいもので中にはその殺気に中てられたのか、突如として倒れる者まで現れる始める!…周りの者達がその倒れた人を囲んで心配し始めると一体何が原因で!?…とそんな疑問の表情を浮かべ、その様子に戸惑いマサツグが何をそんなに警戒しているのかと困惑し始めると、シロの様子を改めて確認する!…


{…何でここまで敵意を剥き出しに!?…今まで!!…

…ってったまだそんな時間は経って居ないけど…

ここまで警戒した様子は今までに無かった!……

…そこまでにコイツを警戒?…

いやコイツはそんなに強くない!…

何ならシロの方が圧倒的!…じゃあ何でなんだ!?…

キングリザードに襲られた時だってここまで警戒した

様子は無かった!!…なのに今回に限って!?…}


__ざわざわッ!!…ざわざわッ!!…

…ガッシャ!…ガッシャ!…


「ッ!!…シロ!ストップ!!…

もういい!…やり過ぎ!!」


何故ここまでこの偽者に警戒しているのか?…キングリザードを真っ二つに斬った時はここまで警戒した様子は無かったのに!…色々な事を思い出しつつマサツグは考え!…その場で戸惑い固まって居ると、ザワ付く民衆の様子に交じってある物音が聞こえて来るのを感じ取る!…まるで鉄製の靴でも履いているのか微かにガッシャガッシャと言う音が聞こえ、その物音を聞いてマサツグがハッ!と我に返ると慌ててシロを止め出し!…シロはマサツグの呼ぶ声に反応して構えは解かずに振り返り、その理由を困惑した様子で尋ね出す!


「ッ!?…如何してなんですご主人様!!…

だって!!…この人まだご主人様に!!…」


「大丈夫だ、もう終わり!!…

それと無関係の人まで巻き込まない!!…

もっと殺気を押さえて!!…」


__スッ…ピクンッ!…なでぇ~…なでぇ~…


「ん…んん゛!…」


マサツグが止めに入った事にシロは困惑し、今だ自称モツがマサツグに敵意を向けて居る事を告げるが、マサツグは大丈夫と言ってはしゃがんでシロを落ち着かせる!…その際シロの頭から背中にかけてを流れる様に…まるで殺気を払う様に撫でるとシロはマサツグに撫でられて脱力し始め、それに伴って殺気も薄れ気絶していた人が意識を取り戻すと、何が起きたのか分からないと言った様子で辺りを見渡す!…


__………ハッ!…ッ!?…ッ!?…


「おぉ!?…起きた!?アンタ!…大丈夫か!?…」


「え?…あっ…え?…一体何が!?…」


「え?…」


倒れていた人が目を覚ました事で心配していた人達が安心して声を掛けるも、気絶から復帰した人は分からないと言った表情で返事をしては困惑する。互いに顔を見合わせてはただ何が起きたのかと混乱し…マサツグの方ではシロが落ち着きを取り戻しながらも敵が居るのに!と言った様子で困惑し続けていると、そんなシロの様子にマサツグは安心させるよう笑顔で勝ったとだけ答えては頭を撫で続ける。


「大丈夫!!!…怖くなぁい!…怖くなぁい!!…


それにこの喧嘩は俺達の()()だ!…」


「ん…ん…え?…」


「ッ!!…何が何だか知らねぇが!!…

訳の分からねぇ事をくっ喋りやがって!!…」


__ッ!?…なでなで……ッ~~…


「うおらぁ!!!」」


シロは頭を撫でられながらマサツグの返事を聞いて困惑の言葉を漏らし、その間にも自称モツは注目が解けた事で再度動ける様になると、剣を構え直してはマサツグに斬り掛かって行こうとする!…その際マサツグは一切身構える事無く呑気にシロの頭を撫で続け、シロはシロで危ない!と言った様子で慌てて構えようとするが、マサツグに撫でられているせいか力が出ない!…そうして自称モツがマサツグに対して剣を振り下ろそうと腕に力を入れ始めるのだが、ここでマサツグが勝ったと言った理由が颯爽と間に割って入るよう姿を現すと、激しい剣戟音が辺りに響く!…


__バッ!!…フォンッ!!…

キイィィン!!!……ッ!?…


「ッ!?…なっ!…馬鹿な!?…

何でアンタがここに!?…」


「…はあぁ~……今日は本当に忙しいのに……

騒ぎを聞き付け来て見れば?…

何でここにお前が居るんだ?…

これは如何言う事だ?…んん?…

…ったく!…本当に退屈しないな?…」


「…俺も好きで巻き込まれている訳じゃ無いんだよ?…

何と言うか…

向こうから勝手に寄って来るって言うか?…」


突如間に割って入るよう自称モツの剣を受け止める者が現れるとその正体はリーナであり、いつもの鎧甲冑では無く昨日のドレスアーマーともまた違う!…別のドレスアーマーを着ている事に自称モツだけでなくその場に居る全員!…マサツグとシロ以外が姫様が居る!?…と言った様子で驚き戸惑った表情を見せて居ると、リーナは呑気しているマサツグを見ては溜息を吐き出す…そしてマサツグに対してこの騒ぎの原因はお前か?…と尋ね出すのだが、まるで最初からマサツグが犯人で無い事を知っている様な様子で笑いながら…かつ呆れた表情を見せると、そのリーナの問い掛けに対してマサツグは違うと笑いながら返事をし!…その返事を聞いてリーナがやっぱりと軽く俯き出すと、自称モツの剣を弾いて見せる!


「フッ!!…」


__キイィィン!!…ガッ!!…


「ッ!?…グアァ!!…」


__…カランッ!…ッ!…

ダアァン!!!…ガッ!!…


「…誰かこの騒ぎの原因を知っている者は居ないか!?…

この王都で剣を無暗に抜くのはご法度!…

だが理由が有るのならその理由を聞きたいのだが?」


リーナに剣を弾かれた自称モツがフラ付きバランスを崩すと、リーナがすかさず相手の懐に飛び込んでは自称モツの腕を掴んで投げ飛ばす!…その際手首を絞めるよう掴んでその痛みで自称モツの剣を落とさせ、落ちた所で片手で…まるで合気道の様に投げ飛ばすとそのまま組み伏せ拘束する!…もはや手慣れた作業なのかその一連の動きに迷いや油断と言ったモノは無く、ただ自称モツを組み伏せると今度は周りに居る見物客達に声を掛け始め!…その声に反応するよう横入りされた若い男性と女の子が出て来ては状況を説明する。


「こ…こいつ等がここで並んでいる俺達を無視して

横から割り込んで来たから文句を言って!!…

そうしたら!!…」


「私達に剣を振りかざして脅して来たの!!…

このお兄さんが助けてくれなかったら

本当に危ないとこだった!!……」


__……チラッ…くる~り……


「……なるほど?…そう言う事か…」


若い男性がリーナに戸惑いながら地面に倒れる自称マサツグと組み伏せられている自称モツを指差し、事の発端を話し出すとその後起きた事を話す様に女の子が説明をする。その話を聞いてリーナは辺りを見渡すと嘘で無いかどうかの確認をし出し、見物客達から嘘の気を感じず納得した様子を見せると、組み伏せている自称モツを冷徹な視線で見下し始める!…そうしてリーナが自称モツを組み伏せていると遅れた様子でリーナを追い駆けて来た騎士団達が開けた場所へと駆け付け、リーナと交代するよう組み伏せていた自称モツを拘束したまま起き上がらせると、地面に倒れている自称マサツグも拘束し…聴取と言う名の尋問をその場で開始する!…


「……で、この様な騒ぎを起こして…

如何言うつもりなんだ?…」


「あっ!…あっ…い、いやぁ…

ち…違うんです……ほんの出来心で……」


「う…んん!……あれ?…何で捕まって…

うお!?…ハイドリヒ!?…」


この国一番と名高い騎士団長様兼姫様…及び屈強な騎士団達に囲まれる自称モツにマサツグ…当然心穏やかではない様子で自称モツが言い訳をし始めると、自称マサツグも漸く目を覚ましたのか自身が捕まって居る事…囲まれている事に疑問を持ち出す。そして目の前にリーナが居る事で更に目が冷めたのか途端に慌てた表情を見せ、思わずリーナを呼び捨てにしてしまうと、自称モツが慌てて自称マサツグにツッコみを入れ出す!…


「ッ!?…ば!…馬鹿!!…」


「……はあぁ~…一体何なのだ?…

この馬鹿者共は?…

何故こう言う日に限って馬鹿が出て来る?……」


__…スゥ…ピィ~~~~!!……


「ッ!…指笛?…」


自称英雄ブラザーズの小芝居を見せられているリーナは呆れた表情を見せると苦言を零し、両手でピースサインを作ると指の間を開けずにその両手を口に銜え、徐に指笛を吹き出す。その指笛を吹き出した事にマサツグが不思議に感じて居ると、指笛を吹いている間騎士団達が拘束している二人に対して睨みを利かし、待つ事数分と言った所でリーナの指笛に反応してか衛兵達が駆け付け始める。


__ダッダッダッダッダッダ!!…


「姫様!!…如何されました!?」


リーナの指笛を聞いて大慌てで来たのか団体様の足音が聞こえ出すと衛兵達が大量!…かつ汗だくで駆け付けては何事か!?と言った様子で到着するなりリーナに尋ね出し、その衛兵達の姿を見たマサツグが「まるでトレーナーの笛で集合して来た訓練犬かな?」等と考えていると、リーナが衛兵達に対して怒った様子で激しく注意をし始める!


「如何したもこうしたもあるか!!…

衛兵は何をしている!!!…

こいつ等が街中で好き勝手やって

民に迷惑を掛けていたらしいぞ!!!

しっかり目を光らせろ!!…

…こんな小さな子に剣を向ける不届き者!!…

こいつ等を牢屋にぶち込んでおけ!!…

私とし!…ッ!…将軍!!…

で、その根性を叩き直してやる!!!」


「ッ!?…も、申し訳ありません!!…

直ちに警備の強化を!!…」


「おぉ~!!……」×2


__わあああぁぁぁぁぁぁ!!!!


つい先程の事件…自称英雄ブラザーズを指差してはリーナが噛みながらも衛兵達を注意し、二人を牢屋に入れておくよう命令をするとその注意を受けた衛兵達が慌てて騎士団から自称英雄ブラザーズの拘束を引き継ぐ!…その際自称英雄ブラザーズはこの世の終わりの様な絶望の表情を浮かべて連行され、衛兵は衛兵で騎士団に謝罪をしている様子が見て取れて騎士団の方も衛兵達に同情した様子を見せる。厳しくも失敗が許されない警備の現場を仕切る!…そんなリーナの姿にマサツグが褒める様に囃し立てるとシロも一緒になって囃し立て、そして集まって来た人達が一斉にリーナの活躍に拍手を送り始めると、囃し立てられたリーナは最初の発端であるマサツグにツッコミを入れるよう顔を赤くしながら文句を口にする!


「ッ!!…五月蠅い囃し立てるな!!!…

大体!…如何してお前はこうも面倒事に巻き込まれる!!

ここからなら近くに衛兵の詰め所があっただろう!?…」


「あっはっはっはっは!!…リーナさん?…

俺がいちいち詰め所の位置を覚えていると思いで?…」


「ッ!!…笑いながら言うな!!!」


リーナは照れ隠しをしながらマサツグの巻き込まれ体質に文句を言っては詰め所が有っただろうと口にし、マサツグはマサツグで全く反省していない言った様子で笑って見せて覚えていないと豪語する!…当然この言葉にリーナが更に怒った様子で文句を口にし出すと、コック屋台の方では列が正常に動き出したのかまた平穏な様子で流れ始め、先程剣を突き付けられていた女の子が両手一杯にホイル焼きを抱えて持って来ると、お礼とばかりにホイル焼きを三つ差し出す。


__タッタッタッタッタ!!…スッ…


「え?…ッ!…あっ!…ありがとう!…ほらシロ!!」


「え?…あっ!…ありがとうです!!」


__クルッ!…タッタッタッタッタ!!…


恐らくコックの人達にマサツグ達の分と言って貰って来たのであろう…マサツグ・シロ・リーナの分を無言で俯き渡して来ると、マサツグがその女の子の様子に若干戸惑い…しかしある事に気が付くと女の子にお礼を言ってはシロに受け取るよう声を掛け、そのマサツグの言葉にシロが戸惑いながらも立ち上ると、女の子にお礼を言ってはホイル焼きを三つ受け取る。すると女の子はスッと振り返って慌てる様にして母親の元へと戻って行き…母親が座っているイートインコーナーの椅子に座るなりそのホイル焼きにガッツき始めると、その様子を見て母親がフッと笑う。しかし直ぐにハッと何かに気が付いた様子で母親がマサツグ達の方に振り向くと、席から立ち上がってはマサツグ達に一礼し…そんな様子にマサツグも一礼して返事をするとリーナが困惑気味に女の子の様子に気を掛ける。


「……何と言うか…愛想の無い子だったな…

まぁ…あんな事が有った後だから

仕方が無いのかもしれないが…

そのホイル焼きを持って来たのは

お礼のつもりだったのだろうか?…」


「…多分そうじゃねぇかな?…

ホイル焼きを渡してくれた時…

これでもか!!…って、位に顔を赤くしてたし!…

あれは多分普通にお礼を言い慣れていない

子の反応だぞ?…オマケがあのガッツきよう!…

完全に照れ隠しが入ってる!…

これはあの女の子なりの精一杯の

お礼なんだと思うぜ?…」


「ッ!…フフ!!…なるほどな…そうか!…」


「あぁ!…まるでお前みたいだな?…」


リーナは女の子の態度が気になった様子で一言二言口にするが、マサツグは分かった様子で女の子の名誉?…を護るつもりであの態度の原因について話し出すと、リーナはその話を聞きながら女の子の様子を観察し出す。その際女の子はマサツグの言う通り顔を真っ赤にしては一生懸命にホイル焼きを食しており、その様子が見て取れたリーナも納得した表情で笑みを零し出すと、その様子を慈しむ様に見詰め始める。そうしてリーナが納得した所でマサツグは何を思ったのか?…あの女の子とリーナが似ているとふざけた様子で言い出し、その言葉を聞いたリーナが顔を再度真っ赤にしては慌て始めると、マサツグに突っ掛かるよう文句を口にする!


「なっ!!…何だと!?…それは聞き捨て!!…」


__ざわざわ!…ざわざわ!……


「ッ!…」


__ざわざわ!!…ざわざわ!!…


さて……ここでもし貴方がこのゲームの王都民だったのなら?…今のマサツグ達の現状を見て如何思うだろうか?…一国の姫様が一人の男性と痴話喧嘩しながらイチャイチャしている!…一応昨日時点で英雄と呼ばれていた男達の悪目立ちして居た方なのだが、今だ顔は覚えられてはいない様子で…そんな彼らの事をそんな風に見えるだろうか?…少なくともここに居る者達はそう感じた様で、列に並びながらもマサツグ達の様子を見てはヒソヒソ!…ホイル焼きを食べながらもヒソヒソ!…その様子に気が付いたリーナもハッ!とした様子で辺りを見渡して戸惑い、ヒソヒソと要らぬ疑いを掛けられている事に気が付いて途端に慌て出す!…そしてその一因となっている男はと言うと全く気にしていないのかリーナの様子を見て疑問符を浮かべ、顔を真っ赤にしては居た堪れない様子を見せて居るリーナに質問をし始める!


「……ッ?…何だリーナ?…

そんなに顔を赤くして?…風でも引いたか?…」


「なっ!!…違!!…」


__ざわざわ!…ざわざわ!……


「ッ!!…ッ~~~~~!!!!!…」


ここまで来るともはや苛つきさえ覚えるマサツグの鈍感具合にリーナが声を荒げると、更に周りは何事か!?とざわつき出す!…もはや某賭博漫画を超えた勢いでザワザワしてはリーナが今にも噴火しそうな勢いで顔を赤くし、その場から今すぐにでも逃げ出したくなって来ると、マサツグがリーナの様子を見ては無言で心配し出す!…俯くリーナに顔を覗き込ませては様子を確かめ、シロもそれに釣られてリーナの顔を覗き込み始めると、リーナは恥ずかしさの余り正常に思考が出来ないのか、マサツグの手を取ると全速力でその場を後にし始める!


__ガッ!!…ッ?…バビュン!!!…


「ッ!?…ご、ご主人様!?……ッ!!…」


__どよッ!?……ッ!…スンスン!…ダッ!!…


リーナに突如手を握られた事にマサツグが戸惑うと次の瞬間物凄い勢いで引っ張られ、その場にシロや騎士団員達を置いてけぼりにすると、突然の出来事にシロや騎士団員達が戸惑い出す!…置いて行かれた事にシロは両手にホイル焼きを抱えたまま困惑するが、直ぐにマサツグの匂い気が付くと匂いを頼りに追い駆け出し!…騎士団は騎士団で一応リーナの後を追い掛けようと考え始めるのだが、思考が追い付かず困惑し始める!…


「だ!…団長が!?…

顔を真っ赤にしていたが一体!?…」


「そんな事より追い駆けねば!?…

このままだとキツイ訓練(扱き)が待っているぞ!?…」


「とは言っても何処に!?…」


「…とにかく手分けして探すぞ!!」


この広い王都の何処に向かってマサツグを連れて行ったのか?…リーナの考えに皆目見当が付かない騎士団員達は仕方なく人海戦術を取り出し、リーナの姿を見たかどうかを聞き回り始めるのだが、この後リーナの姿を見つける事は叶わないのであった。そうして匂いを頼りに走り出したシロはと言うとさすがフェンリル()と言った所か、両手にホイル焼きを抱えているにも関わらず人混みを全く気にする事無く突き進みあっと言う間にリーナに追い付いて見せると、連れ去られたマサツグに対して戸惑いの声を掛け出す!


__バッ!!…バッ!!…バヒュンッ!!…

タタタタタタ!!…


「ご主人様ぁ~!!!」


「あぁ~れぇ~!!!」


シロが必死に声を掛けるもマサツグは引き摺られるようリーナに連れて行かれ、まるで時代劇の町娘の様なセリフを口にして目を回している!…その一方でリーナはと言うと一応目的地はある様で、何故か表通りのパレードが通っている所へ出ては最後尾の山車に向かい走り続け!…シロも抱えているホイル焼き三つの内二つを咄嗟に口で銜えると、何とかマサツグに飛び付きしがみ付いてはそのままマサツグごと連れて行かれる!…その際シロがマサツグにくっ付いた事でリーナに負担が掛かり速度…或いは勢いが落ちそうなものなのだが、その両方が落ちる事は決してなく!…そのまま最後尾の山車まで連れて行かれると、何故かリーナはその山車に二人を乗せて自分も乗り込み始めるのであった!…



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