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どうしてこうなった道中記-サブスキルで面倒ごとだらけ-  作者: すずめさん
-第一章-スプリングフィールド王国編-
90/602

-第一章八十九節 再会の約束と朝の将軍と祭りの屋台-



アムネスとスティングがマサツグの冒険に興味を持った様子で問い掛け、その二人の反応にマサツグが戸惑って居ると二人はマサツグの事など御構い無しに更にズズイ!と詰め寄って来る!…まるで自分達の昔の事を思い出しては再燃!…触発されウズウズしているかの様に!…元冒険者と言うだけあってか他人の冒険話だと言うのに花を咲かされていると、マサツグはそんな二人の様子に戸惑いながらも次に考えて居る事を二人に相談するよう話し出す。


「……えぇ~っと…今考えているのは…

とにかく装備品の調達…ですかね?…

決戦前に貰った軽装は吹き飛んじゃいましたし…

刀もこの通り…」


__スラァ…チャキッ!…


「ッ!……」


マサツグが今考えて居る事は装備の調達…と二人の圧に押されながらも話し出し、その際スティングから貰った刀も壊れたと言って見せるよう鞘から抜くと、その刀の有様にスティングとアムネスが驚いた表情を見せる…春風刀の刀身全体にヒビが入っては刃毀れも酷く!…目釘もガタガタと揺れ動くと柄と刀がしっかり固定出来ていない!…もはや武器として扱うのは無理と言った具合に…その損傷の仕方にスティング達が思わず何と戦った!?…と疑問の表情を浮かべて居ると、マサツグも刀を直したいと言った様子でボロボロの刀を見詰める。


「…かなり摩耗したので修理とかしたいですし……

そう言うのに強い地域と言いますか…とにかく…」


「…うぅ~ん……

だとすれば一番近い大陸で

サマーオーシャン連合国だね?…

もう一つは確かな腕だと

スノーウィンター連邦が…

あるのはあるのだけど…今情勢が…ねぇ?…

それにまだマサツグ君の練度を考えると…

難しいと思うし…」


「何よりサマーオーシャン連合国は年中常夏の

気候で観光地で有名な所ですわ!…

それにあそこは確か武器屋や防具屋の隠れた激戦区!…

意外な掘り出し物が合って!…

私も幾度と無くお世話になりましたし…

少しのバカンスと思い行ってみると良いと思いますわ!…

だって、国を救って下さった英雄様なんですもの…

休息も必要ですわ!」


「サマーオーシャン…連合国…ですか?…」


マサツグが刀を直したいと言い、その話を聞いたスティング達が軽く考え出すと直ぐに結論が出たのか、マサツグが行けそうな大陸について話を続け出す。場所はサマーオーシャン連合国!…アムネスが言うには年中常夏気候の観光地で、武器屋や防具屋が軒を連ねる隠れた激戦区との事らしい!…そしてもう一つの候補地の名前もここで出て来るのだが如何やらオススメでは無いらしく…色々と問題が有ると言った様子でスティングが出し渋って居るとアムネスが会話に横やりを入れ出し、事件も解決したのだから骨休めもして来たらとマサツグにサマーオーシャン連合国を勧め出すと、その言葉を聞いたマサツグが考え始める!…とまぁ言った所で他に行く当ても無いのでほぼほぼ考えが定まり…助言を丸々聞いたとばかりにマサツグが次の目的地を決めると二人に返事をする。


「…よし!…じゃあそうしてみます!!…

次の目的地はサマーオーシャン連合国!…

そこで色々装備やレベル上げを!!…」


__ギイィィ…


「ッ!…ん?…」


マサツグが次の目的地をサマーオーシャン連合国と定め、そこでの目的を更に考え口にして居ると、その様子を微笑ましく思うようスティングとアムネスが見詰める。まるで本当に昔の自分達を見ているかの様に…マサツグの様子を見ては楽しかった思い出に浸るよう笑みを浮かべて居ると、突如として会議室の扉が独りでに開き…その扉の開く音に反応し四人が振り返るとそこには扉の影から出て来たと言った様子で、何故か落胆する表情を見せるリーナの姿が有った。リーナはマサツグの部屋を飛び出した後…ちゃんと自分の部屋に戻ったのか身支度を整えた様子でその場に立ち尽くしており、その様子にマサツグ達が如何した?と言った表情を浮かべてリーナの事を見詰めて居ると、リーナは表情そのままにポツリと言葉を呟き出す…


「……この国を出て行くのか?…」


__ッ!!……ニヤニヤ!……ッ?…


リーナは俯いたままマサツグに言葉を掛けるのだが、その声はまるで絶望に突き落とされる一歩手前の様相を見せており…そんなリーナの様子にマサツグが戸惑って居ると、スティングが驚いた表情を見せアムネスは逆にニヤニヤと笑みを浮かべる!…さすが親と言った所かリーナの気持ちを把握した様に見え、そんな二人の様子を見たシロが不思議そうな表情で首を傾げて居ると、マサツグはリーナの問い掛けに対して戸惑いながらも返事をする。


「ッ!……そりゃな?…俺冒険者だし?…

いつかは出て行くさね…」


__ウンウン!!……ッ??……


「……もう来ないのか?…

二度と会う事は無いのか?…」


「いやそんな大げさな!…

今生の別れじゃないんだから……

それに二度と来ない訳じゃないし?…

ただいつ戻って来るか分からないだけさ!…

また来るに決まってるだろ?…」


__ッ!!…ガバァッ!?…ッ!?…


冒険者だから旅に出る!…まるでちょっとした失恋曲の歌詞の様な言い回しをするマサツグに、アムネスがその状況を楽しむよう腕を組み頷き出すと、更にそのアムネスの様子にシロが不思議がる…そんなマサツグの後ろの様子など目に入って居ない様子でリーナが最後に確認の言葉をマサツグに投げ掛けると、その切羽詰まった様な言い方をするリーナの問い掛けにマサツグが更に戸惑い…苦笑いしながらリーナにツッコミを入れては最後では無いと誇張すると、突如リーナが顔を挙げてはマサツグに詰め寄り!…先程の言葉に対して言質を取るよう確認の言葉を求め始める!


「…本当か?…本当に本当か!?…

また遊びに来るか!?!?…

この城に…私に会いに来るか!?!?!?…」


「ッ!?…そ、そんな詰め寄らんでも!!…

てか!…そんな友達の家に遊びに行く感覚で

王城へは来れないだろ!?…

…それにリーナに会いにって…まるで!!…」


「ッ~~~~!!!…」


若干の希望を持った様子でマサツグに詰め寄るリーナ!…それに対して突然の出来事に対応し切れずマサツグが困惑して居ると、あっと言う間に逃げ場を失ってはリーナに捕まってしまう!…その際リーナはマサツグの背中に両手を回すと締め上げる様に抱き抱え、その様子にマサツグが困惑の渦に飲まれつつも抵抗と言った様子でとにかくリーナの言った言葉にツッコミを入れる!…確かに友達であろうとも相手は一国のお姫様でこっちはただの冒険者…色々無理が有ると言った様子でツッコミを入れるのだがリーナは関係無いと言った様子でマサツグの顔を覗き込むと、某金融会社のCMに出て来るチワワの様な視線で目をウルウルとさせる!…そこには一番最初に出会った時の様な威厳は何処にも無く!…ただ目の前に居るのはまるでテーマパークのマスコットキャラを持って帰る!…と我儘を言っている様な女の子しか居らず!…そのリーナの表情にマサツグが戸惑い反応に困って居ると、マサツグが折れた様子でリーナに約束をし始める。


「……はぁ~…分かった!…分かりましたよ!…

また必ずここに戻って来たら!…

リーナに会いに来るよ!…約束する!…」


「ッ!?…本当か?…本当に本当か!?」


「ほ…本当だって……色々近い!!…」


__ッ!!…ギュッ!!…


マサツグがリーナの様子に戸惑い呆れた反応を見せて約束の言葉を口にすると、リーナはパッと目を見開いてマサツグににじり寄り!…再度確認の言葉を聞こうと期待の眼差しで顔を近づけ、目をキラキラと輝かせてまるで新しい玩具に興奮する子供の様な視線を向けて来る!…そして何度も何度もマサツグに確認の言葉を求めるとその圧に負けた様子でマサツグが返事をし…色々やわっこい物が当たっている事にマサツグが動揺して居ると、シロが若干ムッとした表情を見せてはマサツグの脚にしがみ付く!…その様子を外野から見ていたアムネスはただただ楽しむ様にその様子を見詰め続け、スティングはリーナを見詰めては悲しそうな表情を見せる…親として喜ばしい…だが悲しい…そんな複雑な表情を見せてはその場に立ち尽くし、シロとリーナに板挟みにされているマサツグはと言うと、ただ如何してこうなった!?…と困惑してはリーナに呼び掛けていた。


「ちょ!!…転ける転ける!!…

いい加減離れてくれ!!…」


__ッ!?…バッ!!!………


「や!…約束したからな!?…

無効は効かないからな!!…

絶対だからな!!……ッ~~~!!!…」


__バァン!!!…ダダダダダダダ!!…


マサツグの慌てた様子の呼び掛けにリーナがハッ!と我に返り、慌てて離れて見せるとマサツグに対して背中を向ける。その際リーナの後ろ姿を見ると恥ずかしいのかそれとも別の何かか?…耳と微かに見える頬を真っ赤にしては先程の約束について、念押しをするようツンデレ口調で四度約束を口にし、まるで捨て台詞の様に言い残しては扉を勢い良く開けると、その場から逃げる様に会議室を後にする!…マサツグはマサツグでリーナが離れた事により漸く態勢を整える事が出来ると、ホッと一安心した様子で一息吐いては体勢を立て直す。


「……はぁ~…」


「………。」


__ヨジッ!…ヨジッ!…ヨジッ!…ヨジッ!…

…ムフゥ~…


「え?…シ、シロさん?…」


慌しくリーナが出て行きマサツグが体勢を立て直すと、シロが徐にマサツグの体を登り始める…無言かつ若干ムスッとした顔!…その様子にマサツグが気付くと戸惑いながらも声を掛けるがシロからの返事は無い!…まるで焼きもちを焼いて居る様に頬を膨らませてただマサツグの体を攀じ登り、子狼の時より登り易いと言った様子で定位置に辿り着くと、マサツグの肩に足を掛けては肩車をして貰う。マサツグの頭にしがみ付くようくっ付いては表情そのままで、マサツグがシロの様子に何が有った?と戸惑って居ると、その光景をアムネスとスティングが微笑ましそうに見詰める。


「え?…?えぇ…」


「ッ!…うふふふ♪…

これから大変そうね?…彼?…」


「あぁ…そうだね?…」


まるで二人も覚えが有ると言った様子でマサツグにくっ付くシロを見ては微笑み…マサツグはただシロの頬を突っついたりして機嫌を伺うが無反応…ただアムネスとスティングの二人は今のシロの機嫌が分かる様子で、今後悪戦苦闘しそうなマサツグの事を考えてはただ笑う事しか出来ないのであった。そうしてスティング・アムネス・暴走リーナと挨拶を済ませるとマサツグは会議室を後にし、再び王城の外を目指して歩き出してまた道に………と思う筈が!?…奇跡的に王城玄関口まで辿り着くと王城を後にする!…


__ガタンッ!!…ギイイィィ!!…


「ッ!?…出れた!…」


「ご主人様?…如何ですか?」


「スゲェ!!…

シロが居ればもう何処でも迷わない気がする!!」


ここでネタ晴らしをすると王城の出口まで導いたのはシロのお陰である!…例によってマサツグの方向音痴が炸裂し…玄関口とは別の方に進もうとするとシロに止められ…シロの案内の下、肩車しながら歩いて行くと無事脱出する事に成功したのであった!…その際驚くはシロの学習能力!…一回だけしか通って居ないにも関わらず見事に城内を把握し、マサツグを迷わせる事無く出口に導く!…この能力にマサツグも歓喜した様子でシロを褒めながら頭を撫でると、シロは先程の不機嫌も忘れた様子で喜び、マサツグの頭にじゃれ付く!…


「ッ!…くぅ~ん♪…んふふふ♪…」


「…さて、無事外にも出れた事だし!…まずは服屋に…」


「貴様らぁ!!!…

しっかり素振りをしておけぇ!!!

昨日の勝利に驕るなぁぁ!!!!」


「ッ!?…この声は!…」


こうしてシロの助力も有って王城を出たマサツグ達は改めて城下に向かい歩き出そうとすると、突如修練場の方から野太い怒声に似た声が聞こえ出し!…その声に驚きマサツグとシロが怒声の聞こえた修練場の方に目を向けると、そこにはラインハルトと兵士達が訓練をしている姿があった。昨日戦争が有ったと言っても良い位の出来事が有ったと言うのに…休まず訓練をしているラインハルトと兵士達の姿にマサツグが驚きながらもその光景を見詰めて居ると、ハッとした様子でラインハルトに声を掛け出し手を振り出す。


「……ッ!…そうだちゃんと挨拶しないと!…

お~い、将軍!!」


「…ん?おぉ!…冒険者殿!…

ッ!…と、イカンイカン!…

皆、少し休憩を設ける!!…

今の内にしっかり休め!」


__ホッ!……バッ!!…


「ッ!…あははは…」


マサツグが若干声を張るようラインハルトに声を掛けると向こうも気付いた様子で振り返り、手を振っている事に気が付くと同じ様にラインハルトも手を振り返す!…そうして気付いて貰えた所でマサツグがラインハルトの方へ駆け出し、ラインハルトも用が有るのか?と言った様子でマサツグの方に移動しようとするのだが、ここで兵士達の事を思い出すと全員につかの間の休憩を言い渡す。恐らくは少し話す事になるだろうから今の内に…そう考えたラインハルトなりの配慮なのだが、兵士達はマサツグが助けてくれた!…と明らかに誤解した様子で笑みを零すと、マサツグに対して敬礼をしてはお礼を態度で示す!…そんな兵士達の様子を見たマサツグはやはり兵士達自身しんどいのか…と思わず感じてしまい、兵士達の様子に思わず苦笑いをして居るとラインハルトがシロを見るなり驚いた表情をする。


「いやぁ~…スマンスマン!…わざわざ挨拶を……

…ん?…冒険者殿?…その幼子はもしかして?…」


「ッ!…そうなんです!…紹介…」


「冒険者殿の隠し子か?…」


「ッ!?…んな訳ないでしょうが!?」


ラインハルトがマサツグの頭の上に乗るシロを見るなり若干戸惑った様子で質問し始めると、マサツグがそのラインハルトの疑問に答えるようシロについて話し出そうとする。シロの頭に手をやり撫でながら説明をしようとするのだが、マサツグが答えるより先にハッと気づいた反応を見せてはラインハルトがマサツグに対し冗談を口にする。当然その言葉を聞いたマサツグは戸惑うと撫でようとしていた手を中断してはガッ!と握り拳を作り、慌てた様子でツッコミを入れ出すのだがラインハルトは全く動じる様子を見せず!…ただマサツグの反応に笑って見せると軽い感じで謝り出す。


「いや!はっはっはっはっはっは!!…

冗談だ冒険者殿!…スマンスマン!…

……してその幼子はやはり…あの子狼?」


__バッ!!…


「シロです!!」


「ッ!……ほぅ?…やはり世界は広いな?…

今まで確かに人型に化ける魔物は

幾多と見て来ては居たが…

まさかあのフェンリルまでもが…

…本当に色々な事が有るモノだな?…」


ラインハルトが大笑いしながら右手で後頭部を掻き出し、マサツグに謝り始めると改めてシロの事をマジマジと観察する。その際アムネス同様シロをあの子狼と看破した様子で話し出しては驚いた表情をシロに向け、シロはシロで自身が注目を受けて居ると感じてはスティング・アムネスの時同様、ラインハルトに自信満々の笑みを浮かべて手を挙げて返事をすると尻尾を振って見せる!そんな自己紹介をするシロにラインハルトは若干戸惑うも納得した様子でシロを見詰め、フッ!…と笑みを浮かべ返事をするようシロの頭に手を伸ばすと、ワシワシと遠慮無しに撫で回し始める。


__スッ…ガッシ!!…ワッシャワッシャ!!…


「うにゅ…うにゅ…うにゅ♪…」


{…将軍…シロを撫でるのは結構なんですが…

俺にまで影響が!?…何なら耐えるのがしんどい!!…}


「はっはっは!!…

いつの時代も子供は元気でないとな?…

…シロとやら!…冒険者殿から離れる出ないぞ?…

そして!…主がピンチに陥ったら助けるのも

従者の務め!!…努々忘れるな?…」


ラインハルトの若干乱暴な撫で回しにシロの首がカクンカクンと揺れるのだが本人は満更でも無く…ウニュウニュと言葉を漏らしては尻尾を振って見せると、笑みを浮かべて喜ぶ!そしてそのシロを撫でる際のショックはシロの首だけでなくマサツグの方にも来ているのか、マサツグが必死に揺れる頭に耐えながら支えて居ると、心の中でラインハルトに苦言を呟き…ラインハルトも一通り満足した様子で撫でるのを止めシロの顔を覗き込むと、最後に笑顔で激励の言葉を掛け始める。従者としての務め!…まだシロには早い話か?と思いつつラインハルトがシロに助言の様な激励の言葉を口にするのだが、シロもここでまさかの事を思い出すとラインハルトの言葉に返事をする!…


「…ッ!…はいです!!…シロ!…

頑張ってご主人様にご奉仕するのです!!!」


「ッ!?…ご、ご奉仕!?…」


「ッ!?…シロさぁ~~~~~~ん!?!?!?…」


ラインハルトの言葉にシロは最初ポカンとした表情を見せるも直ぐに理解した様子でハッ!とし…ここでアムネスの言葉の意味も理解した様子である言葉を


思い出すと、ラインハルトに自信満々の表情を見せては元気良く!…更に隠す事無く堂々とご奉仕する!と宣言して見せる!当然その言葉を聞いたラインハルトは途端に驚き戸惑った表情を見せてはシロを見詰めたまま固まり、マサツグも忘れる様に言った筈の言葉が出て来た事に驚くと、戸惑い叫ぶ様にシロの名前を口にする!…この時シロはマサツグとラインハルトの反応を見ては何がいけなかったのか?と不思議そうな表情を見せては首を傾げ…二人が揃って戸惑い固まって居るのだが直ぐにラインハルトだけがハッ!と気付いた反応を見せると、徐に溜息を吐き出す…


「…ッ!……はあぁ~…

この様な事を教えるとするならアイツしか居らんか…

リイシアめ!…幼子に何を教えているのやら?…

全く嘆かわしい!…」


「ッ!…ふぅ~……誤解されずにすん……?…

あれ?…将軍って?…

王妃様の事を呼ぶ時…冒険者の方で?…」


「…ん?…あぁ…簡単な話だ…

かつてワシとリイシアがまだ冒険者であった頃…

ワシとリイシアは同じパーティを組んでおった!……

故に今だあ奴の事を王妃の名前ではなく冒険者の

頃の名前で呼んでしまう癖が付いておってな?…

気付かん内に呼んで居る事がしばしば…

如何にも成長している様に見えんからかも

しれんがな?…」


「ほぇ~……」


別にイヤらしい意味で言った訳では無いのだが?…シロが「ご奉仕」と言う言葉を口にするきっかけ…元凶を特定した様子でラインハルトが飽きれ出すと、マサツグは誤解を受けなかった事にホッと一安心し、同時にある事へ疑問を持ち出すと思わずその事を口にする!…それはラインハルトのアムネスに対する呼び方で、王城勤務の面々…何なら王様のスティングはちゃんと王妃の事を[アムネス]と呼んでいるにも関わらず、ラインハルトだけは[リイシア]と…冒険者時代の方の名前で呼んでいる事が時たま有る。そこに何故か引っ掛かりを覚えたマサツグがポロっと口にし疑問を感じて居ると、ラインハルトが隠す事無くその理由をただ単なる癖と説明し…ついでにラインハルトとアムネスがパーティを組んで居た事を明かすと、マサツグが気の抜けた返事をしてはそのパーティの様子を想像し出す。


{……『ハアアァァァ!!…デヤアアアァァァ!!!…』

……美女と野獣?…}


「…まぁとにかく昔の事だ!…

ワシがこの国の将軍になる前!…

まだ『黒鉄の破壊神』と呼ばれていた時のな?…」


「ッ!…因みにその二つ名の由来は?…」


「ん?…なぁに!…

とある戦で大立ち回りをして居たら周りにある

物全てを壊し…その様子が余りにも危ないと

言った様子で付いた二つ名がそれだっただけよ!…

…まぁ家一軒どころか屋敷一つを全壊させたのは

さすがにやり過ぎたと思ったが…」


_ッ!?………ッ…


昔のアムネスとラインハルトの姿を想像して勝手に頭の中で失礼な事を考え…そんなマサツグの様子を知ってか知らずか良い思い出と言った様子でラインハルトが話を終わらせようとすると、二つ名の事を口にする。その際毎回ラインハルトの話に出て来る二つ名に興味を持った様子でマサツグが徐に質問をすると、ラインハルトはその二つ名が付いた由来について話し出し…そのラインハルトがやった逸話にマサツグが驚きながらもこの人ならやりかねない!…と思わず納得して居ると、ラインハルトが軽く笑みをながらマサツグの背中を叩き出す。


__フッ……スッ…パァン!!……ガッシッ!?…


「いつッ!?……え!?…」


「…冒険者殿もこうして精進して居れば

いつかは二つ名を付けられる日が来るだろう!…

それまで、しっかりと励まれよ!!…

ワシは期待しているのだぞ!?」


ラインハルトに背中を叩かれマサツグがよろめいて居ると、頭の上のシロが吃驚した様子でマサツグの頭にしがみ付く!…その際小さな手がマサツグの視界を遮ると突如暗転した事にマサツグが若干戸惑い、ただ何が起きたのか?と下手に動かず困惑して居ると、暗闇の中からラインハルトの声が聞こえて来る。恐らくマサツグは二つ名がある事を羨んで居ると勘違いした様子で激励の意味を込めて背中を叩いたらしく!…マサツグに期待して居ると笑いながら声を掛けるとその台詞にマサツグが戸惑い、ただ前が見えない状況に戸惑いつつラインハルトの言葉に反論するも、そのマサツグの向いて居る先にラインハルトは居ない!…


「ええぇぇぇ!?…そんな勝手に期待されても!?…」


「……ぷッ!…クククッ!…

あっはっはっはっはっは!!!!」


__ザッ…ザッ…ザッ…ザッ…


「…ッ!…こっち!?…

って、これシロの手か?……ッ!?…」


明後日の方を向いては戸惑いの声を漏らすマサツグにラインハルトが笑うと修練場の方へと戻って行き…戻って行く足音に反応し振り返ると漸くここで視界を遮っているのがシロの手と気付く。シロの手をずらしては視界を取り戻しラインハルトの方を見詰めると、ラインハルトは兵士達に訓練へ戻るよう声を掛け…マサツグに負けないよう改めて訓練を再開し始めると兵士達は一気に絶望の表情を見せ出す!…


「…訓練を再開する!!…

今から王都の警備を兼ねた

マラソンを設ける!!!…

全員!!…王都三十周!!!」


__どよッ!?……


「……容赦ねぇなぁ…南無三!…」


__…ペコッ……ザッ…ザッ…ザッ…ザッ…


その様子は遠目からでも良く分かる程でマサツグがその光景に戸惑い…シロにガッチリ頭をホールドされたままラインハルト達に向けて別れの一礼すると、マサツグ達は王城を後にし始める。その際王城を出ると直ぐに城下の様子が見えるのだが城下町は既にお祭りムードで、遠くからでも賑わう声があちらこちらから聞こえては城下へ近付く毎にその声が大きく響き渡る!…


「さぁ!…寄ってらっしゃい見てらっしゃい!!…

今日だけ特別なお菓子が有るよぉ~!!!」


「昨日のハイドリヒ様見た!?…

まさか女性だったなんて!?…」


「おばあちゃん!!…パレードまだ!?…」


「おぉ!…祭りとは言って居たが賑わいが!…

悪質勧誘の無いクランベルズみたいだ…」


王都は色とりどりの花で装飾され、表通りはここぞとばかりに出店が立ち並ぶ!…食べ物や土産物!…色々な物が売られてはあのクランベルズに負けない位の賑わいを見せており、町行く人達はその出店を見て回りながら祭りの雰囲気に酔っている様子を見せて居た。そんな町の人達の中にはハイドリヒの噂をする者…パレードを今か今か待ち望む者と十人十色の様子を見せており、その中でもマサツグの頭の上に乗っているシロも何やらある匂いに釣られた様子で鼻をヒクヒクとさせて居ると、ある一軒の屋台に目を向ける!…


__コッ…コッ…コッ…コッ…

…ッ!…スンスン!…


「ッ!…シロ?…如何かし…ッ!?…」


「じゅるり!…はぁ~♪…

何か良い匂いがするのれふ!…」


「どわあぁぁっとぉ!?……食い物屋?…

……そうだな!…そんなに急いでは…

…いるけど…寄り道位は…行ってみるか?…」


シロが興味を持った様子でその出店を見詰め、マサツグも自身の視界に何やら水滴の様な物が見え出しシロの異変に気付くと、シロが涎を垂らして居る事を確認する!…この時シロは見事なまでにその出店の商品に心を奪われ、目をキラキラとさせながらジッと見詰めて涎を垂らし!…食べてみたいと言った表情をマサツグの頭の上で見せていた!一方マサツグはと言うとシロが涎を垂らして居る事に気が付いて慌ててポケットからハンカチを取り出し、シロの口元を拭いた後シロの視線の先にある物を確認すると同じ様に興味を持つ。本当はと言うと早く服屋に行って原始時代から抜け出したい!と言った所なのだが、シロが卵から生まれてまだ何も食べて居ない事や、興味を持っている様子から行ってみようか?とシロに尋ねると、シロは耳をピンと立ててその言葉に反応してはマサツグに返事をする!


「ッ!?…い、いいのですか!?…

じゃ、じゃあ!…あのいいにほひほ(あの良い匂いの)ふるほみへへ(するお店へ)!!…」


「…分かったから涎を何とかしてくれぇ~……」


__ッ!…グイグイッ!…じゅるりっ!…

キラキラキラキラ!…


「……一杯一杯みたいだな?…」


シロは自分の我儘を聞いてくれるマサツグの言葉に戸惑いながらも、口一杯に涎を溢れさせては言葉もままならない様子で行きたい!と答え…そんなシロの様子にマサツグが涎だけは勘弁!と若干慌ててシロに訴えると、シロは涎を拭って見せて飲み込み始める!…そんなシロを大興奮させた出店の正体はと言うと、店先でデカい肉を縦に回転させながら焼くと削ぐ様に数枚斬って、特製のソースを掛けて提供すると言ったケバブ屋である!その豪快な光景を目の前にしてシロが目を輝かせっぱなしで居ると、シロの様子にマサツグが戸惑いつつも出店へと向かい…ケバブを求めて出店の店主に声を掛ける。


「…すいませ~ん!!」


「ッ!…あいよ!!…ご注文は!…

…って、何やらアンタの頭の上に居る子が

涎を垂らしているけど…まあいいか?…

一皿450Gだよ!…買うかい?」


「じゃあ二皿お願いします。」


「あ…あいよ!!…ちょっと待っててくれ?…

直ぐに用意するからよ!!」


マサツグがケバブ屋の店主に声を掛けると店主は気さくに返事をしては振り返り、振り返って早々マサツグの頭の上で涎を垂らしているシロを見つけると、途端に戸惑いの表情を見せる!…この時シロの目線の先は狼らしく[肉]に向けられており、店主が持って行かれる!?…と若干警戒した様子でマサツグに注文を確認し始めると、マサツグは自分の分とシロの分のケバブを注文する。すると店主は戸惑いながらも威勢良く返事をすると慣れた手つきで長い刃物を扱い出し、大きなブロック肉を一枚一枚削ぎ落としては一皿に厚さ5mmの肉を7枚乗せる。そして特製のソースを掛けてまずは一皿と言った様子で作って見せるのだが、次に作り出した一皿は何か様子が違う…先程とは違い枚数が3枚多い10枚の皿を作るとそれをマサツグに手渡し出す。


「……あいよ、お待ちどうさん!!…

二皿で900Gだよ!!」


「え?…いや…良いんですか?…何か一皿だけ…」


「あぁ!…ソイツはオマケだ!!…

その嬢ちゃん腹空かしてるみたいだしな!!!

遠慮は要らねぇ!!…食ってくれ!!!」


「ッ!!…ありがとうございますおじさん!!!」


マサツグがケバブを受け取ると当然その量が多い事に気が付き、戸惑った様子で店主に確かめると店主は二カッと笑ってサービスと言う!…如何やらシロがお腹を空かせている様子を見て不憫に思ったのかその分のオマケをしたらしく…店主が遠慮は要らないと言っては腕を組んで見せ、その店主の言葉にシロが目をパァっ!と見開き歓喜の表情を見せると、オマケをしてくれた店主に対してお礼の言葉を口にする!そうしてマサツグがケバブの代金を支払って店主にお礼の一礼をすると、近くに有ったイートインコーナーを見つけてそっちに移動し…空いている席にシロを座らせ肉が多い方の皿を渡すと、シロはケバブを目の前にしては目をキラキラとさせてジッと見つめる!……だが……


「………。」


「………?」


「………あれ?」


シロはケバブを見詰めるだけで一向に食べようとはせず、その様子にオマケをしてくれた店主も戸惑った反応を見せては不安そうな眼差しを送る。この時…シロは涎を我慢しながらケバブを一心に見詰めて食欲が無くなったと言った様子は見せて居ないのだが、マサツグもアレだけ大興奮していたにも関わらず食べない様子を見ては戸惑い…何が原因なのかと色々考え始める中ふとある言葉がマサツグの頭の中で過ると、徐にその言葉を口にする。


「……ッ!…よし、食べてよし!!」


__ッ!!…バッ!!…がぶぅぅ!!!…


「ッ!?…」


「…まさかとは思ったが…ここまでとは!……ッ!…」


マサツグがシロに対して食べて良いと合図を出すと、シロは待っていました!と言わんばかりに物凄い勢いでケバブにカブリ付き、幸せそうな笑みを浮かべるとまるで三日ぶりのご飯と言った様子でガッツき始める!…それを見てケバブ屋の店主が更に戸惑うもシロがケバブを食べ始めた事で同時にホッと胸を撫で下ろし…マサツグはマサツグでシロの忠犬ぶりに戸惑いを覚えて居たが、シロの食べ方に違う戸惑いを覚え始める!…何故ならシロの食べ方は犬食いであり、ワイルド極まりない作法でケバブを食べてはもう手は特製ソースで汚れてクタクタ…慌ててシロの手をハンカチで拭いたり口元を拭いたりすると、マサツグはシロに食器を使った食べ物の食べ方を教え出す。


「あぁ~…コラコラ!…フォークを使いなさい!…

こうやって刺して!…ほら!…

これなら手が汚れないだろ?…」


「ふぁい!…むぐむぐ…」


「…あと、今度から合図?…

指示を待たなくて良いからな?…

自分の意志で食べなさい!…」


「んっん!!…あい!!」


マサツグがシロの手元にあるフォークを手にケバブを刺して見せるとそのケバブをシロの口元に運び、シロがそのケバブに齧り付きマサツグの教えに返事をし学習すると、マサツグの教えに従いケバブをフォークで食べ出す。一応教えたら出来ると言う事を確認しマサツグがホッと一安心すると、次に今度から合図無しで食べても良いとシロに許可を出し…その許可にシロが口の中のケバブを飲み込んでから手を挙げて返事をすると、その返事にマサツグが笑顔で頷き良しとする。こうしてシロが人型になったり…色々と誤解されたりとまた波乱万丈が押し寄せて来るも、マサツグ達なりに祭りをエンジョイしては最初の目的である服屋を目指すのであった。



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