-第一章八十一節 伝令と熊&荷車と思わぬ援軍?-
さて…ここでまた話は大平原の方に戻って王国軍&冒険者達…マサツグ達が魔王と戦闘を始めて間も無い頃、王国軍&冒険者達は将軍を加えての戦線を築くも前線は押されて遂に王国ゲート前まで押されていた!…やはり苦戦する理由に敵の無限湧きに疲労感と色々な要因が出て来るのだが、一番の原因は今だ人キメラの数が増えに増え続けて多勢に無勢の状態が続いた事による…冒険者達の萎え落ちが一番の要因であった!…一向に終わりの見えない人キメラの波に徐々に積もる疲労感…本当に終わりが有るのか分からない戦線に冒険者達が揃って気力を失い諦め…絶望しては敵前逃亡し、残ったのが参加したばかりの者…歴戦の勇や廃人達とコア所だけが残ってはいよいよ危機的状況に陥って来ていた!…
__ワアアアァァァァァァ!!!…
「で…伝令!!…
左右に展開していた大盾部隊の防衛陣に乱れあり!!
止まる事ない化物の波に徐々に兵が疲弊し
防衛力が低下!!
このままでは突破されるのも時間の問題かと!!…」
「…本格的に不味いですわね…
このままだとあの子達が元凶を倒す前にこちらが……
…まさかあの子達、やられ……」
「大丈夫だ!!
あの子は君が育てたこの国一番の騎士!!
そう簡単にやられる筈は無い!!
……とにかく今は耐えるしかない!…
我々にはもう後退する事は出来ないのだからな!!……」
王国軍の方でも幾らNPCとは言え疲労感が溜まれば隊列に乱れが生じ、徐々に士気が下がりその隊列が乱れる報告を受けてアムネスが焦りを感じると、大森林の方を見詰めてリーナ達の心配をする…その際大森林の方にある黒い瘴気の竜巻は更に大きくなったよう大荒れに大荒れで、不気味さを放ってはまるで不安を煽るよう分厚い暗雲を量産し、空一杯に広がっては飲み込む勢いで空を蹂躙する!…そんな光景に不安が募る中…アムネスの言葉にスティングが大丈夫と叱咤しては信じ耐える様に軍の指揮を執り続け、その一方で自身の部下を引き連れ人キメラの波に遊撃…斬り掛かるラインハルトはと言うと、自身を含めラインハルトの部下も疲弊して思う様に…人キメラの数を減らせずに苦戦を強いられていた!…
__ア゛ア゛ア゛ァァァァ!!!…
「うおおぁぁぁぁ!!!」
__ズダンッ!!…ア゛ァ!?……ドサァ…
「…ふぅ~……全く!…本当に数が多い!…
一体何をすればこれだけの数を!?…
防衛の方もかなり不味い状況だ!…
このままでは本当に王都が陥落してしまう!!!…
…ッ……ここが踏ん張りどころと言った所か!……
頼む事しか出来ないのが心苦しいが!…
リーナ!!…冒険者殿!!!…
早く元凶の撃破を!!!……」
将軍も馬で駆け人キメラを相手にするがその数の多さから嫌気が差して来る!…他の冒険者達同様終わりの見えない戦いに焦りを覚えつつ…徐々に崩壊する自軍を見詰めてはラインハルトの中で有る覚悟が芽生え始め、ただ祈る事しか出来ないこの状況に苛立ちを感じ、リーナとマサツグ達を心配した様子で大森林の方を見詰めては願掛けをして居ると、突如妙な伝令がラインハルトの元に飛び込んで来る!…
__パカラッ!…パカラッ!…
「で!…伝令!!…」
「ッ!?…伝令!?……ッ!?…
まさか!?…話せ!…」
「く、熊が現れました!!!…
…こ、ここより東!!…
クランベルズの方より巨大な熊が
こちらに向かい走って来ているとの事!!…
し、しかも何故か空の荷車を引いて荷車を
引きながら物凄い勢いで化物を轢いて
回っているとの事!!…その熊の進路は!!…
ッ!!!…本陣に向かわれているかと!!!…」
伝令兵は酷く慌てた様子でラインハルトの元に来ると、その慌てた様子にラインハルトが戸惑い嫌な予感を感じ始める!…まさか王が討たれた!?…あるいはリイシア!?…そんな嫌な予感を感じつつラインハルトが伝令兵に何の伝令かについて尋ねると、伝令兵は酷く慌てた様子で熊が現れたと言い出し…熊の様子にやって居る事…その熊が向かっているであろう進路を戸惑いながらも口にし始める!…当然何の報告か分からない…何ならふざけて居るとしか思えない伝令にラインハルトが怒りの表情を見せようとするのだが…
「ッ!?…な!…何ィ!?…熊だと!?…
それも本陣!?…しかも荷車!?…
…一体何の伝令だ!?…ふざけて!?…」
__バビュウゥゥン!!!!……ッ!?!?!?…
「……い、今のがその伝令に
有ったモノではないかと!!…」
その伝令を聞いたラインハルトが伝令兵を叱りつけようとした瞬間!…突如物凄い勢いで何かが駆け抜けて行ったと思えば空から人キメラがぶっ飛ばされた様子で落下し始め、辺りに散々たる状態が広がるとその光景にラインハルトと伝令兵が困惑する!…時間にしてたった数秒…とにかく伝令兵が駆け抜けて行ったモノを確認するようその姿を確かめると、その姿は伝令通り木製の装備で身を固めた熊が人キメラの大群に向かい一直線に突っ込んで行く!…そんな光景が見て取れ、戸惑いながらも伝令兵がラインハルトに今さっきの報告をすると、その報告を受けたラインハルトは呆気に取られた表情を見せるも、直ぐに怒りの表情を見せては慌てた様子で部隊に号令を出し本陣に向かい走り出す!…
「ッ~~~~!!!!…
今すぐ本陣に戻るぞ!!!
一人たりとも遅れるな!!!!」
__ハ…ハッ!!!…
{今のは一体何なのだ!?…
一瞬過ぎて付いて行けんかったが…
まさかあの姿!!…いやまさか!!…}
その熊は一体何者なのか?…はたまた化物の援軍で味方を巻き込んでいるのか?…色々な憶測がラインハルトの頭の中で飛び交い混乱するも、とにかく急いで戻り出しては熊の後を追い駆け出す!…さて、その先程の熊はと言うと以前王国軍の本陣目掛けて二足歩行で荷車を引いては人キメラを薙ぎ倒し駆け抜け、熊もその荷車の中から聞き覚えの有る声を聞いてはただひたすらに全力疾走を続けていた!
「さぁ!!ガンガン行くのね!!熊五郎!!
私達の盟友マサツグのピンチなのね!!」
「任せんしゃい!!!…
ウオオオォォォォリャアアアアアアアアア!!!!!」
「……クッ!…何と言う速さ!!…
馬が追い付かん!!…」
__ダダダダダダダダダダ!!!…
その勢いは凄まじく!…後ろから将軍達が馬で追い掛けるが全然追い付かない上に人キメラ達を以前として跳ね飛ばし、もはや戦車の弾が意思を持って走っているかの様にいとも容易く人キメラの大群に穴を開け、一切止まる気配を見せない熊の猛進に後ろから追いかけるラインハルトはただ焦り覚える!…今だ熊の進路は王国軍の本陣に向かい走っており、その手には今だ謎の荷車が握られている!…何故熊が荷車を?…それも誰かが乗っている荷物を載せているのならまだしも?…思わずそんな疑問を持ってしまうのだが熊は遂に本陣の包囲を超えて、前線に立つスティングの方に向かい走って行くとそれを見たラインハルトがスティングに向かい叫ぶ!…
「ッ!?…スティング!!!…危ない!!!!」
「ッ!……ッ!?…なっ!?…」
「ッ!?…貴方!?…」
__ッ!!…ガッ!!…
ラインハルトの怒声に気が付き!…スティングがラインハルトの方を振り向くとそこには全力疾走の熊が一頭!…それを見たスティングもさすがに慌てた表情を見せると逃げようと動き出すのだが、時既にお寿司と言った様子で熊は視界にスティングを捉える!…このままだと正面衝突!…スティングも覚悟した表情を見せ、アムネスも驚きと戸惑いの様子を見せてはスティングの安否に気を掛ける!…ラインハルトも最悪の事態になった!…酷く焦りの様子を見せては剣を投げるかどうかで考え始めるのだが!…熊は突如スティングの前で全力の急ブレーキを掛け始めるとスティングを包囲しようとしていた人キメラを一掃して見せる!…
「…失敬!!」
__グッ!!…ザザザザアァァァァァァ!!!…
「え?…」
__ドゴドゴドゴドゴ!!!………バタンッ!!……
荷車をハンマーの様に!…全力疾走の勢い+急ブレーキ=慣性の力…スティングの前で人キメラを蹴散らしてブレーキ代わりに使い、猛ダッシュから止まって見せると荷車も音を立てて停止する!…そして奇妙な沈黙が訪れ…目の前の熊が助けてくれた?…とスティングが動けないまま困惑して居ると、アムネスもその突然目の前に現れた熊に動揺する!…何処かで見た事ある様な?…そんなデジャヴも感じるのだがとにかく熊が現れた事に戸惑い、ラインハルトもようやく追いつき合流すると慌てた様子でスティングの前に割って入っては構え始める!…まだ敵かどうかも分からない!…そんな緊張感を露にするのだが、スティングは既に熊に対して心を許した様子を見せると熊に向かって声を掛け始める。
「……えぇ~っと君は?…」
__……クルッ……ッ!…ジャキッ!?…
「待った将軍!…」
「ッ!?…しかし!…」
スティングが恐る恐る荷車を引いて来た熊に話し掛けるとその熊はスティングの方に振り返り、それに反応するようラインハルトが大剣を構え始めると、目の前に居る熊にハッ!と何かに気付いた表情を見せる!…そして熊もラインハルトの表情を見ては何かを思い出した様子でハッ!とし出し、ラインハルトが構えて居る事にスティングが慌てて止めに入ると、ラインハルトは戸惑った反応を見せる!…ラインハルトに熊…何方も互いに因縁がある様相を見せては若干睨み合うも、熊の方が口を開き出すとスティングにこう尋ね始める…
「……すいやせん…つかぬ事をお伺いしやすが…
ここにマサツグと言う御仁はいやせんか?」
「ッ!…え?…」
「あっしらはその御仁のピンチに気が付いて助太刀に
来たモンなんですがぁ…これが如何にも…
見当たらなくて手当たり次第に駆け回って
居たモンでしてぇ…
…いつの間にか大平原には見た事の無いバケモンが
うろついているわ…
自分達の森同様瘴気を放つ森があるわで如何にも!…」
熊の口から出て来た言葉はまさかのマサツグが今何処に居るのか?と言う…人の居場所を尋ねるものであり、その想像していた言葉と声の渋みにスティングやアムネスが呆気に取られて居ると、その熊は続けて詳しい説明をし始める。ここに来たのはマサツグがピンチだと言う事を察知して来たと言う事!…その際ここまで来る道中先程通り引いて回りマサツグを探していたと言う事!…それは色々と周りの状況に困惑した様子で話してはスティング達を驚かせるのだが、一際気になる言葉を聞いてスティングが反応すると熊に質問をし始める。
「……ッ!…今マサツグ君と言ったね?…
それに君達の森にも?…」
「ッ!…へぇ!!マサツグ殿をご存知で!?…
あっしらの住む森も瘴気に包まれやしたが
マサツグ殿のご助力も有って!…
何とかこうして助けに来れるよう…」
「……私こんな立派に喋る熊を見たのは
初めてかもしれ…いや…
やっぱりどこかで見覚えが?…」
スティングは熊にマサツグと面識があるのかを尋ねるよう言葉にすると、ついでに熊の居る森の事についても口にし、その言葉に反応した熊が嬉々としてスティングの方に振り向くと、そのマサツグと面識を持った所と助けて貰った経緯について話し出す!…その後仲良くなってこうしてマサツグのピンチに駆け付けようとやって来た事を改めて説明し出すと、その様子を珍しそうにアムネスが見詰めてはやはり何処かで見覚えが有ると困惑し出し、熊もマサツグの事について語り…熱くなり始めて居ると、突如荷車の方から文句を言う…と言うよりは痛がっている様な声が聞こえ始める。
「ッ~~~~!!!……くぉら熊五郎!!!…
痛いじゃ無いのね!?…
荷車はハンマーじゃ無いのね!!!」
「あたたたたた!…頭を打ちました…グスッ!…」
「ッ!?…こりゃ失敬!!…
だ、大丈夫でありやすか!?…」
「ッ!?……これは…妖精?…なのか?…」
荷車から突如羽の生えた小人の様な…女の子が出て来ると熊の事を熊五郎と呼んでは文句を言い始める!…まるで先程まで荷車に乗っていたと言わんばかりの様子で熊五郎の方に飛んでは耳元で文句を言い出すのだが、その声や姿は如何やらアムネスや他の兵士達の目にも耳にも止まる様子を見せず、ただ熊五郎が慌てた様子で一人荷車の方に頭を下げて謝って居る様子が目に付くと、その場が困惑の雰囲気に包まれる…しかしただ一人だけ…スティングだけはその妖精の姿が見えているのか、馬に跨ったまま荷車を見下ろしてはその台の中に沢山の妖精が乗っている姿を見つけ、それを確かめるよう言葉を口にしては妖精達を驚かせる。
「ッ!…うん?…あれ…
おじさん…私が見えているのね?」
「ッ!?…え!?…嘘!?…
私達が見える人間さん!?…」
「どれどれ!?どの人どの人!?…」
__ワラワラワラワラ!…ふよふよ…ふよふよ…
「あっ!…ホントだ!!…目で追ってる!…
見えてる見えてる!!…」
熊五郎の耳元で文句を言っていた妖精がまずスティングに反応しては見られている事を自覚し、見える人間が居る事をその妖精が口にした途端!…荷車の中の妖精達が一斉に出て来てはスティングの周りを浮遊し始める!…かなり興味を持った様子でワラワラ出て来てはスティングを戸惑わせ、その反応を見て妖精達が喜んでいるとチョウチョの羽を持った妖精が戸惑った様子で話し掛け始める。
「あの~…お取り込み中すいません…
マサツグさんは何処にいらっしゃるのですか?
私達はマサツグさんがピンチだとわかったので
救援に来たのですが…」
「え?…あ、あぁ…それなら…」
「ポ…ポリン!…出てきちゃ駄目なのね!!
ここは私が外で鍛えた外交術?で何とかするのね!!」
チョウチョの妖精は本来の目的を忘れている様な?と言った戸惑った様子で改めてマサツグの居場所について尋ね出し、その質問にスティングが戸惑いながらも答えようとすると、最初に飛び出して来た妖精がそのチョウチョの妖精に隠れて居るよう慌てた様子で声を掛ける。その際ネゴシエイト力に自信が有るのか無いのか…自身の胸を叩いては自信満々の様子を見せるも、その交渉術と口にする際は何故か疑問形になり…何よりまるでチョウチョの妖精が最終兵器と言わんばかりの言い様にスティングが戸惑った表情を見せるのだが、そんな事を言っている場合では無いとばかりに人キメラが襲って来る!…
__ア゛ア゛ア゛ア゛ァァァァァ!!!
「ッ!…危ない!!」
「ッ!?…お話の最中なのね!!…
邪魔しないでなのね!!!」
__シャラン!!…キリリ!!…
空気の読めない人キメラ達はまたもや徒党を組んでスティングやアムネス…ラインハルトに熊五郎と…更には妖精達も見えているのか襲い掛かり始め、その様子にスティングが慌てて注意の言葉を掛け始めるのだが、最初の妖精が言われて反応すると何処からとも無く弓を取り出しては魔法で矢を番えて見せる!…人キメラのサイズに対して妖精が構えた弓矢の大きさはミニチュアサイズ!…明らかにまともなダメージが入るとは思えないのだがその弓を構える妖精は構わず矢を引き絞ると、人キメラに向かい矢を放つ!
__バシュンッ!…キィィン!!…ズドンッ!…
「ッ!?…」
__オオォォ……ドサァッ!……
「……フッ!…
またツマラナイ物を射抜いてしまったのね!…」
最初の妖精が放った矢は襲い掛かって来た人キメラの数だけバッと増えると、そのまま向かって来た人キメラの頭を貫き一掃する!…そんなトンデモ光景を目にしたスティングは戸惑い!…襲い掛かって来た人キメラが突如独りでに倒れ始めた事に…アムネスやラインハルトが慌てて武器を構えた状態で固まり驚いて居ると、その矢を放った妖精は余裕とばかりに格好付け始める!…まさかあんな小さい体で人キメラの群れを瞬殺!…するとは思っていなかった様子でスティングが戸惑いその場に固まって居ると、その妖精はハッと改めて気が付いた様子でスティングの方に振り向くと、再度マサツグの居場所について尋ね始める!…
「……ッ!…しまったのね!?…
こんな事をしている場合では無いのね!?…
人間さん!!…マサツグは何処なのね!?…
このままだと本当に不味いのね!!!!」
「え?…あ、あぁ…
彼らならこの騒動の元凶を倒すべく大森林の方に…」
「ッ!!…わかったのね!!ありがとなのね!!!……
みんなぁ~!!!マサツグの居場所が分かったのね!!!
熊五郎も急ぐのね!!!」
「ッ!?…へ、へぇ!!…少々お待ちを!!……ッ…」
その最初の妖精の弓術と慌てた様子のギャップに戸惑いつつ…スティングが妖精の質問に答えるとその妖精は他の妖精に号令を掛け始める!…そして熊五郎にも指示を出し先を急ぐ様に準備を促すのだが、その際熊五郎は何故かラインハルトとやはり因縁が有ると言った様子で睨み合ってはせっせと荷車の様子を確かめていた。過去に何が有ったか知らないが二人は警戒した様子で睨み合い!…それと同時に互いを好敵手として認め合った様子にも見える!…しかしそんな様子など御構い無しに先程から号令を出して居る妖精が急かす様に声を荒げて居ると、もう一つとある出来事が起き始めていた!
「……カチュア~!…私ここに残って良い~?…」
「ッ!?…え!?…」
「あっ!…じゃあ私も!!」
__私も!!…私もぉ~…私もぉ~!!!…
「ッ!?…え!?…皆急に如何して!?…」
一人の妖精が突如この戦場に残ると言い出し、それに便乗するよう次々に他の妖精達が残ると言い出す!…マサツグを助けに行くと言っていた妖精達の内の半数が突如この前線に残ると言い出し、その様子にカチュアが戸惑って居るとその理由について尋ね始めるのだが、その帰って来た答えはある意味至極当然な物であった。
「えぇ~!!…
だってまたさっきみたいに止まられたら
頭にたん瘤出来ちゃうもん!…」
「それにこの人間さんの事が気になるし…
何よりここの人間さん達とっても疲れてる!…
こんなに疲れてるのってこの化け物達と
戦ってるせいだよね!?…」
「だったら私達も戦わないと!…
同じ平穏を望む者同士!!……
ティターニア様が望んでいた世界の為に!!!…」
__ティターニア様が望んでいた世界の為に!!!…
妖精達から帰って来た答えは熊五郎の荷車テクニックについて…止まる為とは言えハンマーの様に扱い歓声の法則で引っ張られる!…当然中に乗っている妖精達は荷台の中でよぉくシェイキングされており、それが嫌と言い出しては荷車に乗りたくないと答えたのである!…それを聞いた最初の妖精…もとい、カチュアは熊五郎を流し目で見詰めては圧を掛けて行くのだが、その他にも理由が有ると言い出してはこの戦いが起きた理由について考えた様子で…人間達との共存の道を目指すと言った者…或いはティターニアの願いを叶える為の第一歩と考えた者…それぞれが答えを出した様子で残ると言い出してはミニチュアサイズの弓や杖を構え出し、ある者は輪になって歌い踊り始めると辺りに不思議な空間を作り出し始める…
__ラン♪…ランララ♪…ランランラン♪…
ラン♪…ランラララン♪…
「ッ!…な、何だ?…体が急に軽く!…
癒されて行く様な!?…」
「い…一体如何なって!?…」
「…ッ!?…
何が何だか分からんがこれでまだ戦える!!!…
耐えろぉぉぉぉ!!!…
ここを守り切って見せるのだぁぁぁぁ!!!!」
__オオオオオォォォ!!!!…
突如妖精達が兵士達の頭上を舞う様に飛んでは歌を歌い踊り出し…明らかに場違いな雰囲気を作り出すのだが、妖精達が踊り始めて数秒後…兵士達だけでなく冒険者達にもの異変が起き始めると途端に士気が盛り上がって来た調子で躍起付き始める!…それまでは終わりの見えない戦いに疲れ果てた様子を見せて居たのだが、急に復活し始めた兵士達の光景を見てスティングやアムネス…ラインハルトが驚いた表情を見せて居ると杖や弓を構えた妖精達が兵士達の援護に入り始める!…
__シャラン!!…キリリ!!…バシュンッ!…
「「「《束ねる風が敵を押し返さん!!…
あらゆる物を吹き飛ばし無に返せ!!!…
サイクロン!!!》」」」
__ゴアアアアァァァァァ!!!!…
「な!?…何だ!?…急に倒れて!?…ッ!?…
突然竜巻が!?…
それもあの化け物達が襲われている様な!?…」
弓矢を構える妖精達は兵士達の頭上を浮遊し横一列に並ぶと、一斉射撃!…杖を握る妖精達は単体の力では弱いと協力して詠唱し始めると、さすがにあの黒い瘴気とまでは行かなくとも竜巻を召喚しては人キメラを蹂躙する!…その光景は見えない者達からすると怪奇現象でしか無く戸惑いの表情を見せるのだが、人キメラだけが襲われている事に気が付くと更に士気が高まり出す!…まるで神が我々に味方して下さっている!!…そんな誤解を覚えつつ再度戦い始める兵士達にスティング達が呆気に取られ戸惑いの表情を浮かべて居ると、荷車の点検が終わった熊五郎は再度付いて行く妖精とカチュアを乗せて大森林に走り出す体勢を整える!…
__ガタンッ!!…ガッ!!…
「へぇ!!…お待たせいたしやしたお嬢さん方!!…
早速大森林の方に向かいやしょう!!!」
「ッ!!…遅いのね!!…とにかく!!…
それは自分達で決めた事なら何も言わないのね!!…
後でちゃんと迎えに来るからあまり遠くに
行かないよう気を付けるのね!!…
あ、あと誘拐もね!!」
__はぁ~~い!!!
「よし!!…熊五郎、発進なのね!!」
いつでも走り出せる体勢で身構えてはカチュア達に声を掛け、カチュアは焦った様子で熊五郎に文句を言うと残りの妖精達と一緒に荷台に乗り込み始める!…そして戦場に残る妖精達に対して気を付ける点を幾つか言い残すと熊五郎に出発の号令を出し、熊五郎がその号令を聞いて走り出すと最初からトップスピードなのか人キメラの波を真ん中から突っ切り風穴を開ける!…もはや戦車!…それも中世コロッセオで見る馬が引くタイプの戦車に見えて、走り去って行く熊五郎の様子に一同は戸惑いを覚える。
__ゴッ!!…ドドドドドドド!!!……
「……あの熊は一体何だったのかしら?…
それにあの荷車は?…」
__ウオオオオォォォォォォォ!!!!…
「ッ!!…あ奴が何故ここに来たのかが良く分からんが…
とにかくこれは好機!!…全軍!!…
何としても耐え抜くのだ!!!…
ここを抜かれれば王都は陥落する!…
この隙に陣を組み直すのだ!!
…リーナが!!…
姫と冒険者達が教祖を倒しさえすれば
この戦いに勝てる筈!!…皆奮起せよ!!!」
__ウオオオオオオオオォォォォォォォォォォ!!!!…
人キメラの壁…ど真ん中に風穴を掛けては大森林に向かい走って行く熊五郎…その様子に最初から最後まで戸惑う事しか出来なかったアムネスは困惑の表情を浮かべては熊五郎が去って行った後を見詰め、兵士達が活気付いている様子にラインハルトがすかさず激励の言葉を掛け号令を出し始めると、ラインハルトの激励に答えるよう兵士達が返事をしては人キメラに立ち向かって行く!…人間と妖精の共同戦線!…見えて居る者はスティングの他に少なからず居るのだろうが、今は気付かず…ただ目の前の敵の身に集中しては防衛の任に当たるのであった!……そして大森林に向かい始める熊五郎一行はその様子を見てはマサツグ以外の人間を初めて見たと言った様子で話していた。
__ドドドドドドドドド!!!…
「…人間さん一杯居たねぇ!?…初めて見た!…」
「カチュアはあんな大きい人達に
紛れて生活してたんでしょ!?…
如何やって生活してたの!?…
怖くなかった!?…」
「えへへへへ♪…
いやぁ~大した事は…無かったのねぇ~?」
「…はあぁ~……」
徐々に遠ざかる人と化け物の戦いを見詰める中…話題はカチュアが森の外に助けを呼びに行った時の話になる。荷車の荷台に乗る妖精達は一斉にカチュアの方を向いてはあれやこれやと聞き出し、その質問を受けるカチュアは何故か自慢げと言わんばかりにドヤ顔を決めては質問に答えていた!…その様子を呆れた様子でチョウチョの妖精…ポリンが見詰めては溜息を吐いて居ると、熊五郎が大森林の様子に気が付いてはカチュア達に質問をし始める。
「……お話し中のところすいやせんが…
これからあっしらはあの森に行く訳でやすね?…
このままだとあの瘴気にやられるのでは?…
助けると言った手前…
先にあっし達が倒れたんじゃあ意味が無いと…」
「あっ!…それなら大丈夫なのね!
ティターニア様からもしもの時ように…
……あっ…あった!…これを貰っておいたのね!」
「ッ!…それは…ティターニア様の羽?…」
熊五郎は大森林から瘴気が漂っている事をカチュア達に伝えては危険と言い出し、本当に向かうかどうかについて質問し始めると、カチュアが大丈夫と答えては何やら荷車に積んだ荷物を漁り始める。それを不思議そうに他の妖精達が何を探して居るのか?と見詰める中、カチュアがある物を取り出すとそこには透明のアレクサンドラトリバネアゲハの羽が握られていた。それを見たポリンが目を顰めながらもカチュアに確認の質問をすると、カチュアはその羽根を持って来た経緯について質問に答え始める。
「なのね!…ティターニア様が言うには…
この羽根を持って居れば多少の瘴気は
何とかなるって!…」
「……いや…それ大丈夫何でやしょうか?…」
「……え?…」
「いや…あの迷いの森よりかなりヤバそうな
色の瘴気が漏れ出してやす…
あっしはまだ何とか耐性が有りやすが…
もし女王様が言っていた瘴気の濃度が
迷いの森だとすると不味いのでは?…」
「………熊五郎ステイ!!!…
待った!!…待ったなのねぇ~~!!!!」
カチュアはティターニアより羽根を預かった事を口にしてはこれで瘴気は大丈夫と安心し切った表情を見せ、その様子に他の妖精達も安堵の様子を見せてはのんびり構え始める。しかしそれに待ったを掛けるよう熊五郎が見た限り迷いの森の比じゃないと色の濃さについて話してはカチュア達を戸惑わせ、改めてティターニアが言っていた防げる濃度について疑問視した事を言い出すと、カチュアを含む妖精達は一斉に慌て始める!…しかし止まれと言った所で今度はブレーキになりそうな物が近くに無く、急には止まれないと言った様子で森の中へと突っ込んで行き始めては突如ティターニアの羽が輝き出し、無事瘴気の影響を受けない状態に出来た事に再度カチュア達はホッと安堵し始めると、そのまま森の中へとマサツグの姿を探しに向かうのであった。




