-第一章七十六節 リーナの激昂と教祖の素顔と本気の教祖-
「エルレイド!!!…フルーレ!!!!」
__ボウッ!!!…コオオォォォォ!!…シュンッ!…
「ッ!?…」
__ッ!!…チャキッ!!…
教祖に対して今まで以上の怒り様を見せるリーナが放った突き技は最初の時同様…教祖の体を貫いたにも関わらずまるですり抜けるよう通過すると、背後の巨大な風穴を抜けて廃墟の外へ飛んで行く…勿論教祖にダメージが入って居る様には見えず…その二度目の光景にマサツグとモツが驚き戸惑いを覚えて居ると、リーナは最初の言葉の通りに三度目の突き技を放つ体勢に入り出し、モツがそれを見て一度落ち着く様にリーナの前に立つと声を掛け出す。
「ッ!…ま、待てリーナ!!…無暗に乱発するな!!」
「ッ!?…退けモツ!!!…
私はまだ放つ事が出来る!!!…
余計なお世話だ!!!…
我が愛する民をあのような化け物に!!!…
あいつだけは絶対にこの手で倒さなくては!!!!」
「気持ちは分かるが肝心のダメージが
入って居なければ相手の思う壺だ!!!…
現にアイツは動く様子を見せて居ない!!…
アレは完全にこっちが自滅するのを
待っている様子だ!!…
今馬鹿みたいに攻撃してもただ疲れるだけで!……
肝心な時に攻撃が出来なくなってしまうぞ!?…」
完全に頭に血が上っているリーナはモツに退くよう命令すると剣を握る事を止めようとはしない!…必ず倒すと意気込んではやはり国民を化け物へと変えられた事に対して怒り心頭の言葉を発し、モツごと突き技を放つ気迫で剣を構えるがそれでもモツは退こうとはしない。ただ闇雲に暴れても相手の思う壺!…相手は自分達が疲労し弱体化した所を狙って来る!と必死にリーナへ説得するも、リーナはその言葉を聞いた所で落ち着きを見せれる状態では無いのかモツに対して逆上する様な態度を取り出すと半狂乱に陥りそうになる!…
「ッ!!…じゃあ如何すれば良いと言うのだ!?…
このまま奴を野放しにしろと言うのか!?…
冗談では無いぞ!?」
「ッ!?…完全に血が上ってんな!?…
分からなくも無いが!!…
クソッ!!…如何すれば!?…」
「………。」
{…カルト教団の教祖だから何かしら有るだろうと
思っていたけど…まさか霊体とは…
…さて如何したものか?…
確か最初のスキル選択画面で[霊体]なんてスキルは
無かったし?…
そんなスキルを使っている奴なんて見た事が無い!…
何かしらカラクリは有ると思うんだが?…}
もはや怒りで我を忘れている様子にモツが困惑し、如何やってあの教祖に攻撃を…リーナを落ち着かせる事が出来るかと考え始めて居ると、二人の様子を余所にマサツグが今日その様子を見ては思考を働かせていた。このゲームを始めてまだ間も無いが今までの経験上そんなスキルを見た事が無い…所持している・発動して居る奴を見た事が無いとリーナに似た苛立ちを覚えながらも冷静に考え、辺りを見渡しそれらしい仕掛けが無いかを探すが特にこれと言って何も見当たらない。
「…フフフフフ!…大人しく投降すれば良いものを…
今ならまだ、貴方達の罪は問われません…
この奇跡は救世主様のお力…
今なら貴方達もこの様に奇跡の力を与えましょう…
我々の輝かしい…」
「うっせぇ!黙ってろい!!
こちとら宗教お断りなんでぃ!!」
{…とは言ったものマジで霊体持ちなのか!?
だとすると本当にどうしたら良いんだ!?…
今まで幽霊と戦った事なんて一度も無いぞ!!…}
幾ら辺りを見渡した所でそれらしい物は何処にも無く、余裕とばかりに教祖が説法を解くよう上から目線でマサツグ達の勧誘をし始めると、その勧誘にマサツグがキレながら断り文句を口にする!…しかし幾ら文句を言った所で霊体に対しての対策・特効は思い付かず…現状を打開する方法が無い事にマサツグが戸惑うとただ焦る気持ちだけが先走り、徐々に冷静さを失い始める!…幸い仕掛けを探すその間…人キメラは全滅させたので襲われる心配は無いのだが、教祖はマサツグ達…仲間同士で争う姿を見ては愉悦と言った様子で笑みを浮かべていた。
「フフフフ!!…やれやれ……
この状況でもそんな事を言うとは……
貴方は筋金入りの馬鹿なのか阿呆なのですね?……」
「ッ!?…野郎!!…こうなりゃ一か八か!!…
感知!!!」
__ピピピッ!…ヴウン!……ビィ!…
{…駄目だーー!!!やっぱり、他の反応は無い!!…
やはり攻撃出来ないのか!?…
確か霊体持ちの対処法は魔術師系でないと
倒せないだったか?…
クソ!!…マジで打つ手無しか!?…}
マサツグの断り文句に教祖は最後のチャンスを棒に振ったと憐れみ、馬鹿にする様な事を言い出してはその言葉にマサツグがカチンッ!と来る!…一度辺りを見回す事を中断し顔を上げるとそこには不敵な笑みを浮かべる教祖の姿が有り、それを見てマサツグが更に怒りを覚えると一か八かの感知を使い始めるのだが、やはり反応は何も無い…ただ反応が出るのは祭壇前に立って居る教祖の敵正反応のみ…マサツグがその結果に苦虫を噛んだ様な表情を見せては改めて霊体に対する攻略方法を思い出すのだが、その攻略方法も現状この場に居ないJOBであると理解すると、打つ手無しのこの状態に軽い絶望を覚え始める…しかし!…
__ピ~ン!!…ッ!…
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「感知のレベルがLv.3になりました。」
「索敵範囲の向上」及び「敵性反応」以外の検知、
「仕掛け装置」の検知可能になりました。
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「……?…え?…今この通知来る?…って、え?…
「仕掛け装置」?…」
「…さて、そろそろ貴方達の様子を見るのも
飽きて来ましたし…
さっさと終わらさせて貰いましょうか?…
本当なら?…私に叶わない事を十分に
理解して貰った所で死んで貰おうと思っていたのですが…
何分私も多忙な身でしてねぇ?…
これ以上の時間は割けないのです…」
「ッ!?…迷ってる暇は無いってか!?…」
突如マサツグの目の前に感知のレベルが上がった通知が来ると、その突然の通知にマサツグが驚く!…まるで空気を読まない様な明るい効果音が鳴り出し、目の前に感知のレベルアップに伴う能力向上の文が表示されてはその文章に戸惑いを覚えて数秒間固まる。その際文章の中から気になる文字を見つけては若干困惑した様子で言葉にし、教祖が飽きたと言っては杖を突いて動き出しモツやリーナを狙い始めると、動き出した教祖の見たマサツグが時間が無い!と自覚させられ、その効果を早速試すよう再度感知を発動する!
「感知!!!」
__ピピピ!…ヴウン!…
「ッ!?…黄色い反応が!?…これは…祭壇?…
でもその後ろに若干重なるよう…
ッ!?…アレかぁ!!!」
__ッ!!…
「何を訳の分からない事を言っているので…」
マサツグが再度感知を発動すると今度はミニマップ上に黄色の反応が出て来る!…恐らくは能力の向上に書いてあった仕掛け装置に対する反応なのだろうが、その反応は黄色く祭壇を指すよう点滅してはその後ろにもう一つ…若干重なるよう間を開けて点滅するとそこに何かが有るとマサツグに教える!…その反応を見たマサツグが急ぎ慌てた様子で反応の有った場所を確認すると、そこには何故先程まで気づかなかったのか不自然なまでに目に付く十字架らしき物が浮遊しており、ただ浮遊して居るのではなく逆さ状態で浮遊しては黒い邪気の様なものも放っていた!それを見たマサツグがやっと見つけた!と言った様子で声を挙げて居るとその声にモツが反応し、教祖も完全に油断しているのかマサツグの声に呆れた様子を見せて居ると、マサツグがすぐさま指示を出す!
「モツ!!…
あの浮いてる十字架みたいなのに攻撃!!…
それでその馬鹿の透明化が消える!!!…
…多分!!!」
「ッ!?…な!?…」
「ッ!!…了解!!…雷撃刃!!!」
__バシュン!!コオオオォォォ!…バジュン!!…
マサツグが宙に浮く禍々しい逆さ十字架を指差してはモツに攻撃の指示を出し、逆さ十字架がバレた事に教祖が驚いた反応を見せて居ると、指示を聞いたモツがリーナから手を放し…待ってましたとばかりに剣をすぐさま抜いては返事と同時に雷撃刃を放つ!…その雷撃刃は真っ直ぐ誰にも邪魔される事無く逆さ十字架に向かって飛んでは逆さ十字架を粉々に破壊し、突然の事で止める事が出来なかった教祖もただ茫然と十字架が破壊されるところを見ては戸惑いの反応を見せる!…
「ッ!?…しまっ!?…」
__スウウゥゥ!!…
「ッ!?…不味い!!…しょ、召喚!!…」
__ゴゴゴゴゴ!……ア゛ア゛ア゛アアァァァァ…
教祖が戸惑いの反応を見せて居るとマサツグの予想は当たっていたのか、若干薄かった様な教祖の体から何かが抜けて行く様なエフェクトが見て取れると、教祖の体が実体化し始める!…それと同時に影も消えていたのか教祖の足元に影が現れると途端に教祖が慌て出し、地面に杖を突いて魔法陣を作り出すとその魔法陣から人キメラを召喚し始める!…そして召喚した人キメラの後ろに隠れるよう自分の身の守りを固めると、教祖は守る様に人キメラで壁を作り始める!…
「わ!…私を守れ!!…壁になれええぇぇぇ!!!!」
「チッ!!…何処までも屑野郎だな!!…
…だけどよ?…
そんなちっぽけな壁で良いのか?…」
「なッ!?…何ィ!?…ッ!?…」
「うちの姫さんは今!!…
スラストレーション溜りまくりだぜ?…」
狼型にアラクネ型…爆弾牛に見た事の無い異形の型と色々呼んではマサツグ達の前に分厚い肉の壁を作り、その先程までの余裕から一転…見事なまでの三下ぶりを見せて居るとその様子にマサツグとモツが項垂れ呆れ返ってしまう。さっさと終わりにしたいマサツグが面倒臭いと言った様子で呟いては改めてその人キメラの壁に目を向け、隙間等の荒を見つけてはその出来の悪さを馬鹿にすると、皮肉を言う様に教祖の身を心配をする…当然その言葉を聞いて教祖は若干苛立ちを覚えた様子で戸惑ってはマサツグ達の方に視線を向けるのだが、そこにはやっと解放された…と言った様子を見せるリーナがガンガンに殺気立っては教祖を睨み付ける姿が有り!…剣を構えては今までの鬱憤を晴らすよう力を込めている様子が教祖の目に映る!…そしてそれを説明するようモツが教祖に話し掛けてはもう止めないと言った様子で両手を上に挙げてやれやれ…とやって見せ、リーナが力を籠め終えたのかハァ~…とゆっくり息を吹き出すと、その様子に教祖が慌てる!…
「ふうぅぅぅぅ~~~……」
「あ!…あぁ!!…あああぁぁぁ!?……」
「今度は逃げられないぞ?…
覚悟は出来ているかああああぁぁぁぁぁぁぁぁ!?」
「ッ!?…ま、不味い不味い不味い不味い!!!…」
発射完了の状態でリーナが吠えるとその様子に教祖は慌てる!…それもその筈幾ら霊体化して居たとは言え二度その高威力の技を体感しており、それを諸に受けると如何なるか位は容易に想像が付くからである!…過去にこの攻撃を弾いて空を飛んだ者も居たが、今回はその時とは格段に違ってヤバいものだと教祖の中の本能が危険信号を示し、即席の壁では防げないと自覚し慌てて居るとリーナが動き出す!…
「ハアアアァァァァァ!!!…」
「待て!!…待って!!!…話し合おう!!!…
まだ分かり合える筈だ!?…
何故私があの方を復活させようとして居るのか!?…
今から分かり易く!!!!…」
「…うちは宗教関係お断りしているので!!!」
「ッ!?!?…」
まるで弓を引く様にゆっくりと剣を後ろに引きながら構え、気合を入れる様に声を出して狙いを定め始めると、慌てて教祖が停戦…いや、勧誘と言う名の待ったを掛けようとする!…この期に及んでまだ勧誘をしようと言うのか?…とマサツグとモツが呆れた表情を見せると教祖の提案を強く否定し、その否定に教祖がショックを受けた様な反応を見せて居ると、リーナが遂に溜まりに溜まったスラストレーションを教祖に向けて放って見せる!
「エルレイド!!!…
フルゥレェェェェェェェェェェ!!!!!!!」
__ドゴウッ!!!!…ザシュウッ!!!…
「ッ!?……
…へへへ!…な、何ですか?…この程度!…」
__ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ!!!…
ドガアァァン!!!…
気合の入ったエルレイドフルーレは間違い無く!…今まで以上の高火力を誇っては真っ直ぐ人キメラの壁に向かい、直撃すると大きく揺らしては壁を後ろに!…後ろにへと押し始める!そんな様子を見たマサツグとモツが驚いた様子でその光景を見詰め、壁の内側に隠れている教祖は思いのほか何ともないと思ったのか軽口を叩こうとするのだが、次の瞬間人キメラの壁が突き押し崩されては驚き戸惑いの反応を露にする!…そしてまだ留まる事を知らない斬撃は真っ直ぐに教祖に向かって飛翔し、遂にあの舐め腐った教祖にダメージを入れる事が出来る!とマサツグとモツが確信し、ガッツポーズを取って見せるのだがまだ終わらないとばかりに次の事件が起きる!…
「サセヌワ!!!」
__…ドゴオオォォ!!!…
「ッ!?…ミ、ミノタウロス!?…」
__バシュウウゥゥゥ!!!!…
ゴゴゴゴゴ!!!…ミリ!…ミリ!…
人キメラの壁がエルレイドフルーレで吹き飛んではただの肉片になり、この戦いもあと少しで終わるとマサツグとモツが安堵し考えていた矢先…何処からともなく突如人キメラの濁声が聞こえたと思えば次の瞬間!…ラインハルトと戦闘して居た筈のミノタウロス司祭が建物の壁を突き破っては、即座に教祖を守るよう突き技の前に割って入って来る!…突然の化け物牛の登場に二人が戸惑い呆気に取られて居るとミノタウロス司祭は自身の身を犠牲に教祖をエルレイドフルーレから守り、体の半分を持って行かれるも教祖を守り切って見せると息を切らし教祖の無事を確かめる。
__グググググ!!!…ブチイィィ!!!…
バシュウウゥゥ!!!…
「グッ!?!?!?……ガハァ!!…
…キョ、教祖ヨ!…無事カ?…」
「グッ!!…え、えぇ…左肩をやられました……が?…
…ッ!?!?!?!?!?…」
ミノタウロス司祭の右肩から腹部に掛けて抉れる様に部位を欠損し、守られた教祖もさすがに完全無傷とは行かなかったのか被弾した様子を見せては右肩を左手で押さえ、教祖の仮面も被弾した際に剥がれたのか素顔が晒されると苦痛の表情を見せる。そしてその時に気が付いたのか教祖が自身の顔に仮面が付いていないと手を当てて確認し出し、そんな教祖の様子などミノタウロス司祭は意に返して居ないのか体を直すよう訴えるのだが!…
「教祖ヨ!…
我ノ体ヲ治癒シ、マタ戦場ニ送リ出シテクレ!!…
奴ニ……奴ニヤラレタママデハ我ガ誇リガ許サン!!
我ハマダ!……戦エル!!!!」
「あぁ…あああ!!……ああああああああ!!!!」
「ッ!?…キョ、教祖!?…ッ!!…ッ~~~!!!…
ハ!…早ク我ガ体ヲ!!……」
「はぁ!…はぁ!……ッ!……」
ミノタウロス司祭の言葉は教祖の耳に届いていないのか、酷く動揺した反応を見せては徐々に教祖の様子がおかしくなり始める!…自身の顔を手で覆い隠すと発狂せん勢いで悶え出し、その様子にさすがのミノタウロス司祭も動揺を覚えた様子を見せると一旦教祖から離れるよう二~三歩後退りするのだが、自身の体がもう限界だと言う事を察するとフラフラとした足取りで再度教祖に近付き出す。そして教祖に体を治すよう懇願し始める一方でリーナも突き技を三発放った事に満足したのか、漸く落ち着きを取り戻した様子で教祖達に目を向けると、次の瞬間教祖の態度が急変する!…
「うるさい!!!」
「エ?…」
__ズバアアァァァ!!!…
「ッ!?…」
教祖はミノタウロス司祭の言葉が耳障りと言った様子で左腕を横薙ぎに振り払い、その薙いだ腕が近づいて来るミノタウロス司祭の首元に当たった瞬間、何やら見覚えの有る腐敗液が突如として噴き出しては同時にミノタウロス司祭の頭が宙を舞う!…その宙を舞うミノタウロス司祭の頭は完全に絶命した表情を浮かべてはマサツグ達の居る方へと飛んで行き、地面に落下し一回弾んではマサツグの足元に転がって来ると灰になって消える。助けてくれた筈のミノタウロス司祭を殺した事にマサツグ達が驚き!…教祖の方に視線を向けて居るとその頭の無い遺体の向こうでは…仮面で覆い隠されていた教祖の顔が露になっていた。
「……見ましたね?…」
「ッ!?…」
そこにはまるで悪魔の様な長い耳に長い鼻…顎も鋭角で歯は鋭利に尖っており、さながら本物の悪魔の様な顔で怒りの表情を見せる教祖の姿が有った。そんな教祖の表情に驚きマサツグ達が固まって居ると、顔を見られた事に教祖が機敏に反応しては言葉を漏らし、その言葉に反応しマサツグ達がハッ!と我に返ると慌てて武器を構え始める!…明らかに先程とは打って変わって敵意を向けて来る教祖に緊張感を覚え、三人が睨み付ける様に構えては教祖の出方を伺って居ると、教祖はイライラが溜まった様子で発狂してはマサツグ達に文句を言うよう発狂し続ける!…
「あぁ!!…あぁぁ!!…
ああああぁぁぁぁぁぁもう!!!!…
今日はなんて日なんだ!?…
絶体絶命の状態に追い込まれては
馬鹿な部下のせいで顔は晒す!!!…
こんな屈辱的な一日はそうそう無いですよ!!!!」
「……如何やらあの顔にコンプレックスを
持って居るみたいだな?…」
__……コクリッ…×2
「もう!…如何でも良い!!!!…
風除けの巫女など勇者など!!!…
私の顔を見たからには何が如何あれ
死んで貰いましょう!!!!…
完膚なきまでに!!!!…
我が最高傑作を持ってして貴様達を葬る!!!!
いでよ!!!!」
あそこまで発狂する程に顔を見られたくない理由が有ったのか、教祖の発狂具合にマサツグが戸惑いながらも呟くと、その台詞に同意するようモツとリーナが静かに頷く。今までに無いキャラに三人は完全に困惑した表情で見詰めては警戒した様子で武器を構え、教祖は教祖で静かに自身の両隣りに魔法陣を作り出すと何かを召喚し始めようとする!…その際まだ文句を言い足りないのかそれとも自棄になったのか…今だ発狂した様子でマサツグ達に必ず殺す!と宣告しては最高傑作を呼ぶと言い出し、両隣の魔法陣が光り出すとそれに備えてマサツグ達も身構えるのだが!……
__パアアアアァァァ!!……パスンッ!……
「……え?…」
「え?…」
「お、可笑しい!!…もう一度!!…」
教祖が何かを召喚しようと魔法陣を発光させるも何も召喚されない…何の反応も無いまま魔法陣が消えて教祖が戸惑うと釣られてマサツグ達も戸惑い…何が召喚される筈だったんだ?…と言った疑問だけが浮遊すると先程までの緊張感もぶち壊しの困惑ムードになり始める。そんな雰囲気に教祖も不味いと感じたのか再度魔法陣を作り出すと改めて何かを召喚しようとし始めるのだが…
「いでよ!!!!我が最高傑作達!!!!
目の前の愚か者達に地獄を見せてやりなさい!!!!!」
__パアアアアァァァ!!…………パスンッ!……
「………。」
「………。」
二度目の召喚を試みるもやはり魔法陣が発光しただけで塵一つ何も出て来ない…ただ仰々しく叫んだ教祖の言葉だけが辺りに若干響き、痛々しさを感じさせると徐々に沈黙が辺りを支配し始める…そんな教祖の有様にマサツグ達は完全に困惑した様子を見せては固まってしまい、如何したものかと悩んで居ると教祖も思って居た者が出て来ないとばかりに沈黙しては固まってしまう…この空気如何すんだよ!…思わずマサツグが教祖に対してツッコミを入れたくなってしまうのだが、先に教祖が錯乱した様子で可笑しいと言い出しては何を召喚しようとしていたのかを口に出し始める。
「……可笑しい!!…何故!?…
何故、あの二人が召喚出来ないのです!?…」
「…ッ?…あの二人?…」
「…言った所で分からないでしょうが
教えてあげましょう!!…
私はあのエイブレントとライモンドと
言う者達を従者に!!!……?…」
__ッ!……ニヤァ!!…
教祖は召喚出来ない事に狼狽えてはあの二人と言い出し、その言葉に引っ掛かりを覚えたモツが教祖に警戒した様子で尋ねると、教祖はモツの方を振り向いては戸惑いの表情を見せる!…しかし教祖は召喚しようと思っていた者でマサツグ達に威圧を掛けようと思ったのか、突如自信満々の表情を見せてはその正体をエイブレントとライモンドと話し出し、その事を自慢するよう両手を広げて見せては話を続けようとするのだが、マサツグとモツの持っている武器に目が行くと黙ってしまう…そしてその話を聞いたマサツグとモツも事態を把握した様子で悪い笑みを浮かべると、教祖に二人の武器を突き付けるよう見せては意地悪な質問をする。
「…なぁ?…教祖さんよ?…
…この剣に見覚えは?…」×2
「……はぁ?…何を言って…
…ッ!?…き…貴様等!!…
何故!!…何故それを持っている!?…」
マサツグとモツが揃って教祖に剣を突き付けては見覚えが有るかどうかを尋ね、教祖もジッと二人の武器を見ては恍けようとするのだが…次には何かに気が付いた様子でハッ!と目を見開き反応をすると、途端に驚き戸惑った表情を見せてはマサツグとモツに文句を言うよう質問をし始める!…何故なら今自分が呼ぼうとしていた人キメラの武器を二人が所持して居たからであり、リーナもエイブレントとライモンドの話を聞いて驚き戸惑った表情を見せて居たのだが、マサツグとモツがその武器を持って居ると聞くと途端に二人を交互に見ては更に戸惑いの表情を見せる!…
「え?…えぇ!?…」
「なぁに…ちっとばかし…」
「その二人に縁が有ったものでね?…」
「クククク!!!…
おのれおのれおのれおのれえええぇぇぇぇ!!!!…」
教祖の話にリーナの反応……あの二人は相当な有名人だったんだな?と改めてエイブレントとライモンドの事についてマサツグとモツが再認識し、武器を手に入れた経緯について教祖を馬鹿にするよう誤魔化し説明すると、目の前で教祖が歯を食い縛って悔しがる!…言わずもがな…その武器を持って居ると言う事は既に教祖が言う最高傑作とやらはこの世に居ないと言う事であり、幾ら呼んだ所で出て来る訳が無い…先程までやって居た召喚魔法はほぼ宴会芸に近い魔力の無駄遣いと言う事に気付かされ、教祖がマサツグとモツを睨み付けると更に怒り狂う!
「よくも!!…
よくもよくもよくもよくもよくも!!!!!!…
よくも私の最高傑作をぉぉぉぉぉぉ!!!!!」
「よくそれだけ舌が回るもんだな?…全く!…
まぁ…とにかく!…
これでもう小細工は無いって所みたいだが…
まだ抵抗するのか?…
いっそ大人しくやられてくれた方がこちらとしても
助かるんだが…」
「ッ!?…貴様らああぁぁぁぁ!!!!
馬鹿にするなぁぁぁぁ!!!!…
フゥ!!…フゥ!!…良いだろう!!…
では私自ら貴様達の相手をしてやろう!!!…
この私を怒らせた事をあの世で後悔すると
良いぃぃぃぃぃ!!!!!」
マサツグが呆れた様子で舌噛まないか?…と思わずツッコミ、教祖がこれ以上人キメラを呼ぶ様な事はしないと自己解釈すると、これ以上の戦闘?…は無意味とばかりに面倒臭そうにサッサと斬られる様に降伏するよう呼び掛け始める。しかし教祖は全く降伏する気は無いのか、激昂した様子で声を荒げては余りの興奮具合に何もして居ないにも関わらず息を切らし、自身の手で決着を付けると言ってはその身に黒い瘴気を纏い始める!…それはまるでアデリアにその場を任せて逃げたあの時の様子に見えるのだが、瘴気の中からは何やら呪文を唱えている様な囁きが聞こえて来ると、その教祖を包む瘴気が徐々に大きくなり始める!…
「ッ………ッ………ッ………」
__ゴゴゴゴゴゴゴ!!!…
「……やっぱこうなる訳ね?…」
「…そらそうだろ?…
何もしていないのに降伏して終わりって……
こんな大掛かりのイベントの最後がそんなんだと
面白くないだろ?…」
「……そう言えばコレ…ゲームだったな?…」
まるで球体状の雷雲の様に瘴気を纏った教祖は宙に浮かび始め、何やら瘴気の中で稲光を発し出すと辺りに不気味さが漂い始める!…そんな展開にマサツグが諦めた様子で呟いては静かに武器を構え直し、マサツグの言葉にモツも諦めた様子を見せては改めてこれがゲームでイベント中である事を話し出す。今までの流れがまるで日常の様に感じてしまうこのゲームのリアルさに、マサツグが改めて気付かされると戸惑いの言葉を漏らし…そんな戸惑いの言葉にモツが思わず苦笑いをして居ると、宙に浮いた瘴気の塊は更に大きくなる!…
__ゴゴゴゴゴゴゴ!!!…
「…ここからが本番みたいだから気ぃ入れろよ!?…
ここまで来て負けましたとか…
聞くに堪えないからな!?…」
「それはこっちの台詞だ!!!
何としてでも勝って!…
この負の連鎖を断ち切るぞ!!!」
「はあぁ~…何でこうも面倒事に?…
本当に退屈しないわ…このゲーム…」
宙に浮かぶ瘴気が大きくなるにつれ緊張感も元の状態に戻り出し、その雰囲気にマサツグが注意するよう呼び掛けると、リーナがやる気を見せて威勢良く答える!…その一方でモツは何故ここまで来てしまったのかと困惑を覚えた様子で呟いては武器を構え出し、三人が教祖の出方を伺って居ると教祖の方も準備が出来たのか、瘴気を纏ったまま地面に降り始める!…その仰々しい様子を三人は睨み付けていつでも動けるよう身構え、落下して来た瘴気の中から教祖だったものが姿を現し始めると、いよいよ本当の戦いが始まるのであった。




