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どうしてこうなった道中記-サブスキルで面倒ごとだらけ-  作者: すずめさん
-第一章-スプリングフィールド王国編-
74/606

-第一章七十三節 森の中の廃墟と教祖と戻って来た司祭-



人キメラの集団から逃げ切る事に成功し、息を整え再度森の中を歩み始めたマサツグ達…不思議と森の中はあの竜巻の影響は無いのかと言った具合に風が無く、順調に前へと進み続けて居ると、その道中リーナが先程の陽動作戦に興味を持ったのか説明をするようモツに求め、断る理由も無いモツが歩きながらにリーナの問い掛けに答えて居ると、森の奥からは更に不穏な空気が漂い始める!…その際マサツグの提灯アンコウも考え直されたのか頭から釣り竿が外されてマサツグとモツ…それぞれ防具の腰紐にリンデの実を括り付け、浄化の範囲を広げて歩いていた。


__ザッ…ザッ…ザッ…ザッ…


「……で、後はその隙に安全にスタコラサッサってね…」


「なるほど…じゃああの時放ったあの大技は?…」


「最初からあいつ等を吹き飛ばす為じゃなくて

周りに居る奴らを誘き寄せる為の陽動だ。

大方…逃げるのなら周りに居る奴らを一纏めにして

逃げた方が良いって言う…

マサツグらしい奇策中の奇策じゃないか?…

…だってさ?…

敵に囲まれてるのにあんな大博打を打つんだぞ?…

下手するとあのミノタウロスみたいなのが

出て来るかもしれないのに…」


「ッ!?…た、確かに!…」


歩きながら奇策の説明をしてはマサツグの奇策にモツも戸惑ったと話して、その説明にリーナが驚き改めてマサツグが普通では無いと考えさせられると、先頭を歩くマサツグに視線を向ける。この時…リンデの実はマサツグとモツが持って居る事から先頭にマサツグ・後方にモツ・真ん中にリーナと前後で瘴気を浄化し索敵すると言った隊列の様子を見せていた。そのせいもあってか最初の提灯アンコウの時より安定した隊列に範囲の向上と、色々良い所が出て来ては余計に最初の提灯アンコウが不満とマサツグが考え、一人感知(サーチ)を使いながら森の奥…教祖が居る場所を目指して居るとブツブツと愚痴を零していた。


「……最初の段階で何故これを思い付かない!…

俺は提灯アンコウにされて笑われてたってのに!…」


「ッ!…悪かったって!…

俺も急いでいたから直ぐに良い案が思い付かなくて…」


「だからって!あの格好は!……ッ!…」


「ッ!…如何したマサツグ?…」


マサツグが愚痴を零して居る事にモツが気付き、改めて悪かったと謝罪するのだが散々笑われて来たマサツグは納得が行かないのか、更に文句を口にしようとする。間に挟まれるよう歩いているリーナは若干二人の様子に戸惑った反応を見せるのだが、それも直ぐに別の心配に変わった様子で…マサツグが文句を口にしようとするがその前にある物を見つけると足を止めて黙ってしまい、その様子に気が付いた後の二人も若干驚いた様子で足を止めるとモツがマサツグに質問をする。そしてその質問を受けたマサツグがモツ達の方に振り返ると、その見つけた物を指差しては逆に質問し始める。


「……あれ…何に見える?…」


「え?……」×2


__ゴゴゴゴゴゴゴ!……


「…教…会?……」


マサツグが困惑の表情でモツ達に見せるよう指を差し、モツとリーナが戸惑った様子でそのマサツグが指差す物を確認すると、そこにはもう誰も使ってはいないであろう廃墟と化した教会が一軒…ボロボロの様子でポツンと立っていた。更にその教会からは異様な気配を放っているよう…瘴気が滲み出るよう壁の割れ目や割れた窓から漏れ出してまるで不穏なオーラを出して居る様に見え、そんな雰囲気に本当に教会なのか?とリーナが戸惑った様子で声を漏らすと、三人が警戒し始める。


「……あれ…すっげぇ不気味に見えるの俺だけ?…」


「…残念ながらマサツグだけでは無さそうだぞ?…

私も…モツも…普通には見えていない様だからな?…」


「……と言うかあからさま過ぎて逆に怪しいんだよな?…

今の所襲われたのって一回だけだし…

確かに敵の居ないルートを歩いて来たつもりだけどさ?…」



ここまでの道中…そんな建物らしい建物を見た事が無く…更に敵に襲われたのもあの囲まれた一件限りでそれ以降接敵は無し…何なら三人ともあの囲まれた状態から逃げる際…元の道が分からず迷子とほぼ詰みを感じており、如何やって探したものかと悩んで居た先にこの廃墟である。幾ら感知(サーチ)を駆使してここまで来たにしても出来過ぎている様に感じ、まるでここに来るよう導かれたのでは?…と言う不安感が募ると思う様に踏み出せない!…これもマサツグの[超幸運]が働いてさっさと教祖の居る所まで来れたと考えられれば問題無いのだが…今までの経験上…そんな例は無いとマサツグが考えると余計に不気味さが勝ってしまう!…


「……見た感じアレ…

あからさまにここが拠点ですよぉ~…

…って、言っているみたいに見えるんだが…」


「と言うかここまで本当に大した事無く

辿り着いてる事自体おかしいような?…

確か俺達一応…道に迷った筈だが?…」


__うぅ~ん……


森の中にある教会(廃墟)に瘴気が駄々洩れ…如何にも感あるオーラに順調過ぎる道のりと…色々出来過ぎて居る事からマサツグとモツが慎重になり…これは罠なのでは?…と動かず考える一方で、リーナはこう言った事を考えるのが苦手なのか…一人唸っては考える時間も勿体無いとばかりに吹っ切り、その教会の方へとリーナ一人歩き出す!…


「……ッ~~~!!!あぁ~もう!!…

考えていても仕方が無い!!…

あの廃墟に行ってみるぞ!…さぁ、急ぐぞ!!」


__ザッ…ザッ…ザッ…ザッ…


「ッ!?…ううぇ!?ちょ!…ちょっと!?…」


「…あの姫様本当にアグレッシブルだな……」


リーナは自身にリンデの実が無い事を理解していない様子で歩き出してはその様子に慌ててマサツグが追い掛け、その様子にモツが呆れた様子で言葉を漏らし二人の後を追い掛けると、その異様な雰囲気の漂う教会へと歩いて行く!…その際マサツグとモツは辺りを警戒した様子で進み先を行くリーナの後を追い掛けるのだが、目の前で突如リーナがピタッと歩いて行くポーズで足を止めると、その様子に二人が戸惑いを覚える。


__ザッ…ザッ…ザッ…ザッ…ッ!?…ピタッ!…


「ッ!……え?…リーナ?…

お~い!…急に如何したん…」


「ッ!!…こっちに来るな!!!」


「え?…」


突如足を止めたリーナに二人が戸惑い…マサツグがリーナに話し掛けては急ぎ範囲内の中心にリーナを置こうと歩き追い付こうとするのだが、二人が近づいて来る事にリーナが気付くと来るな!と慌てた様子で声を荒げ、その言葉にマサツグとモツは戸惑いを覚えると思わず足を止めてしまう。その際リーナは一切こちらに振り向く事は無くただ何かに抗うよう小刻みに体を動かし、その異様な様子にマサツグとモツが違和感を感じるとハッ!とした表情を見せては嫌な予感を感じ始める!…


「……これってもしかせんでも?…」


「引いちゃった感じ?…」


「フフフフフ!……」


__…ッ!?…ゴゴゴゴゴゴ!!!…ドゴオォォ!!!…


リーナの様子から察するに如何やら罠に掛かったらしく、リーナの体を良く見ると蜘蛛の糸らしき物が腕や足…体に巻き付いてリーナの動きを拘束し、更にリーナが動けなくなった周りを見渡すと、そこには蜘蛛の巣が張り巡らされている様に糸が仕掛けられている光景が見て取れる!…その糸も良く見ないと分からない位に細く!…日の光に当てて反射させないと分かり難い位で、その光景を目にしたマサツグとモツが戸惑った様子で言葉を漏らして居ると、突如何処からとも無く笑い声が聞こえては動けないでいるリーナの足元から無数の岩の棘が生え始める!…それはまるでリーナを助ける事を妨害する様に…マサツグ達の居る外向きに生えては更にマサツグとモツを驚かせる!…


「な!?…何だ!?…」


「ッ!?…ロックスパイク!?…」


「フフフフフ!…掛かりましたね?…

我が主の怨敵!!…」


「何!?…」


突如足元から生えて来た岩の棘に驚きマサツグとモツがバックステップを取ると、その岩の棘を出現させた本人であろう人物がリーナの頭上に現れる!…その人物は如何にも教祖と言った様子の煌びやかに装飾された白いフード付きのローブを身に纏い、顔を隠したいのか奇妙な仮面を付けていた。更にその手には緑色の…直径約15cm位の巨大なエメラルドの様な宝石が握られており、その球は黒い…暗い紫色にも見える不気味なオーラが纏い付き、じわりじわりと溢れていた。明らかにカルト教団の平…司祭達のローブと同じ作りのローブを着ている事から二人はコイツが教祖と確信を得るのだが、その教祖はリーナを捕まえた事で忙しいのか二人を無視した様子でリーナに話し掛ける。


「さて…こうもまさか見え見えの罠に掛かるとは…

如何やら勇者の血も墜ちたようですね?…」


「何!?…」


「知ってましたか?…

貴方は実はその勇者の血を

色濃く受け継いでいる事を!…

吹き荒れる風の中…

周りの者達は被害を受けて居るのに

自分は被害を受けていない!…

そんな経験は無いですか?…」


「ッ!?…」


「それだけではない!…

同じ様に吹き荒れる風の中!…

何故か貴方の声だけが良く聞こえる!…

そう言った経験は!?…」


教祖と思わしき者は三人を見下ろしながらリーナを馬鹿にし始め、その馬鹿にされているリーナが文句有り気に教祖らしき人物を睨んで居ると、突如教祖らしき人物は気になる事を言い出す…それはリーナがかつての伝承に出て来る勇者の血を色濃く受けて居ると言うもので、何か関係が有るのだろう一例を口にしてはリーナにその事を尋ね始め、その一例に覚えが有るのかリーナが驚いた反応を見せると、更に教祖らしき人物はリーナにもう一例尋ねる。その回りくどい…如何にもRPGらしい勇者とBOSSとのやり取りにマサツグとモツが完全に置いてけぼり状態になって居ると、更に話は続くのか教祖らしき人物は話を続ける。


「……フン!…貴様達勇者…いや?…

()()()()()()の力は王家の者達に継承されて来た!…

何時いかなる時も、それは今に来るまで

代々受け継がれ!!…

そして私の君主であるバルデウス様の!!…

おっと失礼!…つい興奮を…

だがそれもここで終わりだ!!…

今ここで貴様を討てば私の悲願も成就する!…

あの方を復活させてもまた貴様達に

倒されては元も子もないからな!?…」


「ちょ!…ちょっと待て!?…

風避けの巫女?…それは一体?…」


「……フン!…そうだな…貴様の最後だ…

それ位は語ってやろう…

この地はかつて風の大陸と呼ばれていた!…

ある時はそよ風…ある時は突風!…

またある時は大嵐!!…

天候と言うよりは風が支配するこの大陸に

住まう者達は何時も風を警戒していた!…

平穏に過ごす事の出来ないこの土地に

何か方法は無いのか?…

この土地に住まう者達は色々な事をしては

風に立ち向かったのだが全てが失敗に終わり!…

そうして徐々に抵抗する事も諦め!…

住まう者達は衰退…そんな一途を辿ろうとして

居た時に現れたのが風避けの巫女であった!!…

風避けの巫女は突如現れてはいとも容易く

この大陸の風を収めてしまい麗らかで陽気な

土地に作り変えた!!…それはまさに女神の如く!!…

その時の巫女はまさに美しくこの世の者とは

思えない!!…


数十分後……


豊かになった土地はまるで彼女の内面を

写している様に!!…

そうしてこの土地に住まう者達は

そんな美しい彼女を神として奉り!!…」


__……カチンッ!……スゥ~~!……ッ!…スッ…


教祖らしき人物は余程この時を待って居たと言った様子で興奮し出してはリーナの事を怨敵と言ったり風除けの巫女と言ったり…とにかくリーナを始末出来る事に喜んだ様子で話し出す。その際また初めて聞く単語にリーナが困惑すると自身の状況を顧みず戸惑いながらも質問し始め、その問い掛けに教祖はスッとリーナを見下ろしたまま数秒考え、冥土の土産にと言った様子で話し出すとこれがまぁ…長いのなんの!…しかも語り口調と来たものだからマサツグとモツがイライラし出し、教祖が説明している途中でマサツグが息を吸い始めると隣でモツが察した様子で耳を塞ぎ、マサツグが息を吸い終えると教祖らしき人物に向かって大声で話し掛ける!


「…ッ!!…ちょっと良いかなぁ~~~!!!!」


「ッ!?…な、何だ!?…ッ!!…

貴様ぁ!!…良い所で邪魔を!!…」


「話長げぇんだよ!!…オッサン!!…

こちとら急いでんだよ!!…

いつまでのテメェの初恋ラブストーリーなんざ

聞いて居られるかっての!?」


「ッ!?…私の初恋!!…

もとい崇高なる演説を無駄だと!?…

彼女の素晴らしい所はまだまだあるのだぞ!?…

その女神の様な黄金色の髪…潤んだ瞳!!…」


マサツグが大声で無理やり話を止めさせるとその声は余程大きかったのか、森に棲んで居る鳥達が一斉に飛び立っては瘴気の中へと消えて行き、その大声に教祖が驚いてはマサツグの方を振り向く!…するとそこには完全に飽きたと言った表情を見せるマサツグの姿と、耳から手を放し呆れた表情を見せるモツの姿が有り、マサツグが文句を言う様に教祖の話が長いとイチャモンを付けてはまるで恋バナと馬鹿にし、興味が無いと言ってのけるのだがそれでも教祖は語る事を止めないのか、イチャモンを無視して話を断行しようとする。そんな教祖の様子にマサツグが更に呆れては馬鹿にし足りない言った様子で口調が変わり始めるのだが…


「ッ!?…oh,No!!信じらんねぇ!!

コイツまだポエム交じりの演説を続けるつもりかぁ~!?

その歯の浮く様なセリフに俺の歯がガタガタ言うぜ!!…」


「…ッ!……ブッ!!…

お、おい?…マサツグさん?…

何でそんな急に?…クククッ!…

そんな喋り方じゃあなかっただろ?…」


「んもぉ~~!!!有り得ねぇ!!!

如何やらかな~り頭の方が

逝っちゃってるみたいだなぁ!?

ノックしてもしもぉ~~~し?…」


「ッ!?…ッ~~~~!!!…

き、貴様ぁぁぁぁ!!!…

さっきから聞いていれば!!……ッ!!…

私の崇高なる目的に!!…」


何故かマサツグの口調が何処かのファミレスでトンプソン機関銃をぶっ放しそうな波○使いの喋り方になり、それに気が付いたモツが噴出すとマサツグは教祖を馬鹿にするよう煽り始める。その際いちいち取る動作もやはり馬鹿にして居るのかノックする様子や人差し指を立ててはクルクルと回し…パっと開いて見せては物凄く嫌味な笑みを浮かべ、そんなマサツグの態度に教祖も頭に来たのか怒りを感じ始めると、耳障り!と言った様子で突っ掛かり始める!しかしその言葉を聞いたマサツグは更にエンジンが掛かった様子で耳に手を当て疑問の表情を浮かべると、まだ口調はそのままの様子で更に畳み掛ける!


「あぁん?崇高な目的ぃ~?…じゃあ聞くけどよぉ~?…

何でリーナをまだ()()()()で放置してんだよ?…」


「ッ!?…何ィ!?…」


「さっきから見てればリーナは

マジで動けねぇようだし?…

お前はリーナの事を怨敵だの!…勇者だの!…

訳の分からねぇ事くっちゃべっては

一向に始末しようとしてねぇじゃあねえか!?

もし本当に始末する気ならとっくに

始末してるだろうし?…

何なら最初罠に掛けた時点で今頃リーナは

お陀仏の筈だぁ!…」


「ッ!?…」


マサツグは教祖がまだリーナに何もしていない事を挙げてはおかしいと口にし出し、その言葉を聞いたモツとリーナ…教祖までもが戸惑った様子を見せると、今度は自分がおかしいと思った点を上げ始める!…完全に動けない相手を態々生かしたまま自分達から遠ざけ、リーナの事を敵だのなんなのと言ってはまだの危害も加えて居ない!…自分の他にモツも居る為邪魔されない内に…罠に掛かっている内に始末をする筈と言っては、まるで教祖がリーナを拘束した理由には別の目的が有る様な事を言い出す。そしてその事を言われた教祖がまるで図星とばかりにたじろいでは見るからにモジモジと様子がおかしくなり出し、その反応を見てマサツグがハッ!と確信を持った様子で察すると教祖を追い込む様に更に話を続ける!


「本当はよぉ~?…

リーナの事惚れてんじゃあねぇのか?…

だったら止めといた方が良いぜ?…」


__ッ!?……


「何せ敵に囲まれて?…

動けなくなったから抱えて逃げれば締め上げられるし!…

いきなり人が寝ている所に押し掛けて来たと思えば?…

人のベッドに潜り込んでは何食わぬ顔で寝て?…

起きたら右ストレート!……この姫さんと付き合う

つもりなら相当な体力を使う事になるぜぇ?…」


「ッ!?…な!!…い、今何と!?…

き、貴様貴様貴様ぁぁぁぁ!!!…

聞き捨てならんぞ!!…今、抱き抱えて!…

と、隣で寝ている…」


マサツグが口にし始めたのはまさかのリーナの暴露話!…しかも全部自分が体験した奴と言った様子で話し出してはその話をし出したマサツグに教祖とリーナがショックを受ける!…教祖はリーナからそんな事をされる・した事を嫉む様にショックを受け、リーナは暴露された事に…事実である分否定出来ないと顔を赤くし、教祖がマサツグの話を信じた様子で食って掛かろうとするのだが、次の瞬間動けない筈のリーナが突如動き出したかと思えばマサツグの方へ振り向き様に技を放つ!!


「エルレイドフルーレェェェェェ!!!!」


__ゴシュウゥゥ!!!


「うわっぶね!?…」


「ッ!?…ば、馬鹿な!?…

私のグレイブズニードルを打破しただと!?…

…ッ!?…そ、それに糸は!?……ッ!?…」


大きく振り被りながらの振り向きによりいつも以上の威力が出たとばかりにお得意の突き技が繰り出されると、リーナの周りに生えていた岩の棘はその突き技によって破壊されて一本の道の様にクレーターを作り上げる!…しかもその技はマサツグに向けて放たれたので当然マサツグが慌てて回避し、突如動ける様になったリーナの様子に教祖が驚いて居ると、何故動ける様になったのかを慌てて探り始める!…その際真っ先に確認したのはやはり拘束に使った糸であろう…教祖が張り巡らせた糸を見て見るとそこには誰かに斬られた様子が有り、誰が斬ったのかとその糸の先を確認するよう追って行くとモツの姿が有った。


「き、貴様ぁ!!!」


「ッ!…おっとバレちまったか…」


「ググググ!!…貴様よくも!!…」


モツの姿を見つけると教祖が邪魔された事に怒り、モツは見つかったら見つかったで不敵に笑みを零す。まるでマサツグの挑発は最初から注意力を削ぐ為のブラフ…そう理解しモツとの連係プレイに教祖がしくじった!…と言った様子の悔しさを滲ませる唸り声を上げて居ると、その一方でこれまた昼ドラの様な言葉を口にしはマサツグに斬り掛かろうとするリーナの姿と、そのリーナから逃げるマサツグの姿が有った。


「貴様を殺して私も死ぬぅ!!!」


「わッ!!!ちょ!!!待った待った!!!」


リーナは顔を真っ赤にし若干泣きが入っている怒りの表情でマサツグに剣を振り上げ、マサツグはまるで某一狩り行こうぜのゲームに出て来るキャラの様に、大型モンスターから逃げる時のアクションさながら走り回る!そんな何とも緊張感の無い様子にモツが思わず呆れてしまって居ると、教祖はリーナが動ける様になった事を分が悪いと感じたのか、舌打ちしては後退を考え始める。


「チッ!…私とした事が!!……まぁいい!…

まだ慌てる様な時間ではない!…

あと少しであのお方の復活は完了する!…

それまでの時間稼ぎをすれば良いだけの話!…

いささか不安は残るが仕方が無い!……アデリア!!」


__ヴァサ!!…ヴァサ!!…


「ッ!?…やっぱ生き残ってたか!!…」


宙に浮いたままブツブツと言っては徐々に冷静さを取り戻し、当初の目的を思い出したのかリーナの捕獲を後回しにすると、時間稼ぎの司祭級人キメラを呼び出し始める!…その際聞き覚えの有る名前を口にしては何かが飛んで来る羽根音が聞こえ出し、その音にモツが警戒して居ると目の前にその司祭級の人キメラが飛来する!その人キメラの大きさはゆうに2~3mは有り…腕はカマキリの様な鎌の形をしているがより鋭くした凶悪な鎌を持ち、背中には何の蝶の羽か分からない透明の羽が生えていた。その容姿は間違いなく見覚えの有る姿なのだが体の半分位が焼け焦げた様に黒く変色しており、モツが思い出した様子で目の前に現れた人キメラに困惑して居ると、教祖がその人キメラに指示を出す!


「この愚か者達の相手をお願いします!!…

私は最後の儀式を!!…」


「承知いたしました!…」


「チッ!!…ここに来て面倒なのが!!…」


「……あの時は不覚を取りましたが

今度はそうは行きませんよ!…

今回は瘴気とあの雲のお陰で日の光は遮られ!…

ここには届きません!!…よくも!…

この様な姿にしてくれた事!…

あの時の事を後悔させる位に!!…

貴方達はここで教祖様の生贄になるのです!!」


教祖がアデリアと言う司祭級アラクネ人キメラに指示を出すと自身の身に瘴気を纏い始め、その指示を聞いたアデリアが教祖に傅き返事をすると、教祖は纏った瘴気と共に姿を消す。そして残ったアデリアを見ては若干の焦りを感じた様子でモツが呟き、アデリアがゆっくりモツの方に振り返るとあの尖塔での出来事を恨む様な事を言っては身構え始める!…この時さすがの二人も事態の様子に気が付いたのか追いかけっこを中断するとモツの方へと駆け出し、合流すると直ぐに武器を抜いては構え始める!


__ダッダッダッダッダッダ!!…チャキッ!!…


「ぜぇ!…ぜぇ!…スマン!!遅れた!!」


「ッ!?…遅れたじゃねぇんだよ!!

こんな時まではしゃぐんじゃねぇ!!」


「マサツグがいけないのだぞ!?…

あんな事を暴露されて!!…

もうお嫁にいけない!!…」


「そんな問題になる様な事かっての!!…」


マサツグが息を切らした様子で合流すると若干反省した表情でモツに謝り出し、その謝罪を聞いたモツがチャンスを逃したと怒るとマサツグとリーナに注意をする!本当ならあのまま畳み掛けて居れば終わっていたかもしれない!と感情を込めて怒るモツの様子に、リーナが不服そうな表情を見せるとマサツグに原因が有ると文句を言い出し!…最後に気になる言葉を言うとその文句にマサツグがツッコミを入れ!…もはやその光景を見る限り反省している様には見えず、モツが呆れた表情を見せて居るとアデリアが動き出す!…


__ヴァサ!!…ヴァサ!!…ヴァサ!!…ヴァサ!!…


「フフフフ!…お可哀そうに!!…」


__ゴオオオオォォォ!!…


「自分が死んだ事も分からないまま

死んで行きなさい!!…」


モツの様子に笑って同情するとアデリアがその場で羽ばたき始め、その巨体を宙に浮かせると一度マサツグ達の周りを旋回する様に勢いを付け出す!やはり司祭級なだけあって加速するのも速く、勢いが付き始めると黒く焦げたせいも有ってか巨大な鉄球が旋回している様にしか見えず、その様子にマサツグ達が戸惑いを覚えて居るとアデリアが遂にマサツグ達に向かって突進する!


__ゴオオオオォォォ!!…ギラン!!…


「ッ!?…

不気味さに拍車が掛かってるじゃあねぇか!!」


「それよりあれは何だ!?…あの鎌!!…

前より鋭さが増している様に見えるんだが!?」


アデリアがマサツグ達に向かって突進する際、両腕の鎌を左右に広げて構えるとその鎌の刃がギラリと光り前よりパワーアップした様子を見せ、マサツグとモツが驚いた表情を見せる!明らかに前より鋭利になったであろう鎌の刃には潤滑油の様な物が付いているのか、鎌から腕に掛けて滴り落ちてはよく切れると物語っている様に見え、その様子にリーナが戸惑った反応を見せつつアデリアの動きに集中する!


「チッ!!…面倒なのが出て来たと思えば!!…

とことん訳の分からん事が次から次へとぉ!!…」


__チャキッ!…ッ!?……ッ!!…


{お、おいおい!…アレを受け止める気で居るのか!?…

その剣で受け止めるには心許無さすぎるぞ!?…}


{…とは言え止める様に言ってもあの表情は見るからに

止める気は無いって感じだ!…

…となると助ける方法は一つ!…

だがこの後にまだ教祖を相手する事を考えると…

…クッ!!…}


マサツグとモツ同様リーナも戸惑った反応を見せては向かって来るアデリアに苛立ちを覚え、上手く行かない事を口にしては広げて見せるアデリアの鎌に目を向ける!…まるで止める気で居るのかその真剣な表情にマサツグとモツが戸惑いを覚え、この後の事も考え向かって来るアデリアに対し刹那を使うかどうかで悩むのだが、このままだとリーナが危ない!と考えると、二人は自ずと同じ答えを口にしていた!


「「ッ~~~!!…ッ!!!…刹那!!!」」×2


__ヴウン!!……コクリッ!!…バッ!!…


「…文句は後で聞く!!」


__ガッシ!!…バッ!!!…ドサァ!!

ゴロゴロゴロゴロ!…


「ッ!!…な、何が!?…」


マサツグとモツが刹那を同時発動するとアデリアの動きがスローモーションの様に見え、互いに発動した事を理解したのか頷き合って見せると、それぞれが状況打開の為に動き出し始める!モツはアデリアに向かって行くと鎌の間をすり向けては相手の背中に回り込み、マサツグは刹那が使えないリーナを抱えては被害が及ばないであろう方向へと投げ飛ばす!…その際謝罪の言葉を口にしてからリーナを投げ飛ばすのだが、突然の出来事にリーナが反応する事が出来ず、マサツグの謝罪の言葉も聞こえないまま地面に転がされると何が起きたのかと戸惑う。そうしてアデリアも目の前でモツとリーナが消えて、残るのはマサツグだけになると驚いた反応を見せるのだが、構わずその両方の鎌をマサツグに向けて振り下ろし始める!


「ッ!?…ふ、二人が消えて!?…

い、一体何が!?…構うものか!!

貴方だけでも!!!…」


__フォン!!…ッ!!…ザクン!!!…


「ッ!?…また消えた!?……ッ!!…

ぬ、抜けない!?…」


アデリアがマサツグに目掛けて両腕の鎌を振り下ろすも刹那中のマサツグを捉える事が出来ず、モツ同様マサツグが鎌の間をすり抜け回避して見せると、無情にも空を切って振り下ろした鎌はそのままマサツグ達が居た筈の地面に突き刺さる!突如自身の目の前から人が三人も消えて更に驚きを露にするアデリアなのだが、それと同時にやはり鋭利なだけあってか振り下ろした鎌が地面に深々と刺さって簡単には抜け無くなり、必死に鎌を抜こうと藻掻いているアデリアの後ろでは…マサツグとモツが互いに武器を握り直し、アデリアの背中に乗って剣を突き付けようとしていた!…



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