-第一章七十二節 同業者の遺体とコンビプレイとお姫様抱っこ-
「鑑定!!…」
__ピピピ!…ヴウン!…
スプリング大森林…マサツグ達の進む道中で恐らくは既に亡くなっているであろう仰向けに倒れる冒険者を見つけると、否応無しにマサツグ達は警戒をする。人の形をした人キメラ…ラインハルトが言っていた、まだマサツグ達が見た事の無い…その手の類なのではと考えると、モツがその道すがらに倒れる冒険者の遺体向かって鑑定を発動する。もし人キメラだった場合は近くに人キメラが50~100は居る!……そんな例の害虫に例えてマサツグとモツが警戒して居ると、モツの鑑定結果が目の前に表記される!…
《……返事が無い…ただのしかばねの様だ…》
__ガクゥッ!!…ッ!?…
「……こんな所で小ネタ挟まれても困るが…
とにかく違うみたいだな…」
「……調べて見るか…」
モツが倒れている遺体を鑑定し無害である事を確認する際、何処かで聞き覚えの有るフレーズが出て来てはマサツグとモツがガックリと肩を落とす…突如ガックリと肩を落とす二人にリーナが戸惑った反応を見せ、緊張していた分の反動が帰って来たかの様な脱力感に襲われながらも遺体が無害である事を確認すると、3人はその遺体の転がって居る方へと歩き出す…そして詳しく遺体を調べ始めるのだがそこで異様な事を確認する。
「……あれ?…」
「ッ!…如何した?…」
「いや…コイツ……
あの時ギルドでギルマスの話を詳しく
聞かなかった連中の一人に似てるなって?…」
「え?……ッ!!…
…如何やら…似てるじゃなくて本人っぽいぞ?…」
マサツグが気付いた様子で声を漏らしてはその声にモツが反応し、不思議そうな表情でマサツグに質問し始めると、マサツグはその倒れて居る者に面識があるのか戸惑いの言葉を口にする。それは作戦説明時…最期まで話を聞かずにギルドから出て行った者達の内の一人に似ていると言う物であり、モツがそれを聞いて戸惑った反応を見せるとその倒れる者の素顔を確認し、本人である事を伝えるとマサツグが戸惑いの表情を見せ、会話を聞いたリーナが遺体に若干の嫌悪感と悲しみを抱いた様子で二人に話し掛ける。
「……この者はマサツグ達の知り合いか?…
何故この様な所で?…」
「……いや、ただの同業者だよ…
恐らくは手柄が欲しくて単独行動…
その後的と戦闘になって討ち死に
って言うのが道筋かな?…
それも後ろからバッサリやられたって感じ……」
やはりまだ遺体に慣れていないのか、リーナはマサツグの後ろに若干隠れるよう下がりマサツグとモツに質問をすると、その質問にモツが遺体の状態を確認しながら答え始める。その冒険者の遺体は損傷が酷く背中から襲われたのか着ていた鎧は背中からボロボロ…顔は辛うじて先程のようギルドに居た者と判別出来る位に原形を留めているが、引き摺り回されたのかズタズタに切れては見るも無残…さすがに狩人狩りの森同様…上半身と下半身がブッピガンする前の状態では無いとは言え、ここに転がって居る事にマサツグが疑問を覚え、若干困惑した様子で疑問を口にする。
「だとしたら如何やってここまで?…
俺達みたいに来たんならあの牛が
邪魔していたと思うが?…」
「さすがにそこまでは分からないけど…
…大したモンだと思うぞ?…
リンデの実を持たないでここまで進んで来たんだから?…
ゴリ押したにしてもかなり無茶が有ったと思うし…」
「……何とも惨い!…真相は分からなくとも……
だとしてもやはり人の死とは良い物では無いな…
この様な死に方ではさぞ無念だったろうに…」
__……スゥ…チャキッ!………
マサツグがここまで来るのに遭った事を思い出すよう疑問を口にすると、その疑問にモツは困惑の表情で分からないと答える。ただリンデの実も無くここまで来たこの冒険者に対して称賛する様な言葉を言い、リーナはただその冒険者の姿に悲しみの表情を浮かべると、距離を取りつつも遺体を見詰めていた。そうしてその余りにも悍ましくも痛々しい状態に3人が心を痛めて居ると、3人は自然と黙祷を捧げていた。マサツグとモツは仏教式に両手を合わせ、リーナは哀悼の意味を込めてか自分の腰の剣を抜くと、目を閉じ自身の顔の前で構える…騎士式の黙祷のその両隣に仏教式…違和感を覚える構図ではあるものの先を急ぐ様に黙祷を解除すると話し出す。
「……そろそろ行かないと!…
これ以上の犠牲は良しとしないんだろ?…」
「さっさと教祖を叩っ斬りに行くぞ!…」
「ッ!……あぁ!…分かっている!!…」
先に黙祷を終えた二人がリーナに声を掛け、リーナも呼ばれて自身の剣を鞘に仕舞うとマサツグ達の後を追い掛け始める。本来ならその冒険者の遺体を埋めて弔うのだろうが、今は急いでいると言う事から遺体をそのままにして先を急ぎ、あの冒険者がプレイヤーである事を確認しまた何処かで会えるだろうとモツが考えていると、リーナは先を急ぎながらも何度も遺体の方を振り返る…まるでちゃんと弔ってやりたい!…そんな思いが伺える一方で、今まさに起き上がっては後ろから襲って来ないか心配している様にも見え、本当にリーナが遺体に対して免疫が無い事を二人が再認識して居ると、リーナの事を思ってかマサツグが感知を使って索敵を始める。
「……感知!…」
__パパパパパパ!…
「ッ!…うひゃあ…
やっぱり敵がウヨウヨ居るねぇ…」
「…敵の位置は?…
後規模とかも分かれば有り難いけど…」
歩きながらマサツグが辺りを警戒しつつ感知を発動するとマサツグのミニマップ上に敵の反応が表示され、その反応と敵の数にマサツグが引き攣った反応を見せて居ると、モツがマサツグの方を振り向いては索敵の結果を質問をする。敵の数に…位置…それらを聞いて出来るだけ戦闘を避けようと安全ルートを探る様に辺りを警戒した様子でマサツグに尋ねるのだが、その問い掛けにマサツグは難しいと言った表情を見せては結果を答える。
「…えぇ~っと…ほぼ全方向……
何なら囲まれてるって言っても間違って無い気がする…
それに数も尋常じゃない数だぞ?…
見た感じ…一個小隊が居るって感じかねぇ?…」
「ッ!?…一個小隊!?…って事は大体7~14か!……
面倒だな…敵はこちらに気付いて…」
「いや、多分無い!…
寧ろこっちを避けている様に見えるけど…」
「…リンデの実のお陰か?…
とにかく今はやり過ごした方が吉か…」
マサツグが全方向に敵が居ると言った瞬間、モツとリーナが慌てて戸惑った表情を見せる。それも当然…自分達が包囲されて居ると言われたも同然で更にマサツグから続けてその数を聞くと、途端にモツとリーナは静かに!…かつ機敏に自身の武器に手を回すのだが、モツが辺りを警戒した様子で更に気配について尋ねると、マサツグは寧ろ避けて居ると戸惑いながらも答える。その答えを聞いてモツとリーナがホッ…と安堵した表情を見せては若干警戒を弱め、その避けている理由にリンデの実を上げられ、モツが悩んだ様子で一度足を止めやり過ごす事を考えるのだが、そんなマサツグとモツのやり取りを見てかリーナが二人の事をジッと見ては話し掛け始める。
「……マサツグにモツ…
お前達二人は本当に良いコンビだな?…」
「……え?…」
「何でまたそんな藪からスティックに?…」
マサツグとモツがやり過ごす事を考え悩んで居ると、リーナが若干羨ましそうな表情で二人の事を見ては話し出し、その問い掛けにモツが戸惑いマサツグがル〇語で返答すると、リーナは逆に戸惑った表情で二人を見詰める。まさか自分が思った事を口にしていたとは…そんな言葉が見えて来そうな表情をしてはアワアワと慌て出すのだが、直ぐに持ち直すと何故そんな事を口にしたのかその理由について二人に話し始める。
「え?…あぁいや…
…ただ…私の見て来た冒険者達は如何にも…依頼上…
任務上の関係でこんな風に信頼関係みたいな……
あぁ~っと、何と言えば良いのか?…」
「……親友?…」
リーナが言うには如何にもマサツグとモツの様な積極的に連携を取る様子は珍しいらしく、他の冒険者達と比べて連携が取れて居ると言っては、先程から戸惑いながら慌てて居る事を誤魔化す様に微笑む。そして二人の様子を羨ましそうに見ては結論の言葉に詰まり、マサツグがその詰まりを解消するよう若干困惑気味にリーナへ言葉を掛けると、その言葉はリーナの中でピタッ!と当て嵌まるものだったのかパァ!…と笑みを浮かべて肯定する。
「ッ!…そう!…そう言う感じだ!!…
親友同士みたいな絆が感じられなくて……
…私は生まれてこのかた王城から
外に出る事はあまり無いから友人と
呼べる者は居ないし…
…先程の様に仲が良い姿を見ると若干羨ましくて!…
私もそんな仲になれる者が居ればなぁ!!…
と思っていたのだが……って?…如何した?…」
「……いや…別に……」×2
リーナが先程の返答に対する絆の話をしては二人の様子が羨ましいとばかりに話し出し、その話を聞いてマサツグとモツが妙に居た堪れない気持ちになると、二人揃って恥ずかしいのか照れ臭いのか顔を赤くする。その間リーナは羨ましいと言った気持ちをもはや隠す気は無いのか美しい!…と言い出さんばかりの優しい笑みで話し出し、二人のやり取りが素直に羨ましいと言い出すと、二人の顔から火が出そうになる。そうして一通り話し終えたのかリーナがパッと二人の顔に目をやると二人は互いにそっぽを向いては顔を赤くし、そんな二人の様子にリーナが質問をすると、二人は小声で何でもないと話す…そうして二人が顔を赤くしては互いに顔を見る事が出来ない状況が続く中、マサツグが咳払いをすると空気を換えようとリーナの話をし始める。
「…ン゛ッン゛!!…
…ってか、俺達もそんな感じだろ?…」
「え?…」
「互いに出会いこそアレだったけど…
今はこうして一緒に行動している…
別にギスギスし合ってる訳じゃ無いし、
寧ろ信頼し合ってる!…
…これってお前の言う信頼関係じゃないのか?…
少なくとも俺はお前の事友達の様に思って居るけど?…」
「ッ!?…」
マサツグが咳払いをするとリーナも親友と言った様子で顔を赤くしながら話し出し、その言葉にリーナが戸惑った反応を見せてはマサツグの方を振り向く。突如自分の話になった事にリーナが困惑の表情を見せるも、マサツグは最初の出会いがアレだったと話しては今の状態について話し出し、改めてリーナを仲間として見ている事を恥ずかしいと更に照れた様子で伝えると、その言葉を聞いたリーナは王城のバルコニーで見せたあの何方とも取れる奇妙な表情を見せる。仲間と呼ばれて嬉しいのか…はたまた逆なのか?…嬉しい様な悲しい様な半々の表情を見せてはリーナがマサツグの言葉に感動して居ると、モツがそのリーナの表情を見てハッ!と空気を読んだかの様にある事を口にする。
「ッ!……
でもその友達って言ってる奴の頭は
今提灯アンコウになってるけどな?…」
「ッ!!…ブフゥ!!…クククク!!…」
「……まぁ…頭から釣竿を出している奴が
何かちょっと良い事言おうとしてるけど…
出来ればそう言う事はそんな恰好でない時に
言うべきなんじゃ?…」
「ッ!?…誰のせいでこうなったと思っている!?」
モツがリーナの表情からある事を察するとすかさずマサツグの状態についてツッコミを入れ出し、そのツッコミを聞いてリーナが改めてマサツグの状態を確認すると、一秒とも耐えられない様子でマサツグに噴き出す!…そのリーナが噴出した様子にマサツグがショックを受ける中、更にモツが追撃のツッコミを口にしてはリーナの気持ちを守る様に擁護するのだが、当然そのツッコミを受けてマサツグがモツにツッコミ返すと、思わず声を荒げてしまう!…結果、やり過ごす筈の人キメラの一個小隊達に居場所がバレると連鎖する様にその一個小隊達が集まり出し、マサツグ達は瞬く間に囲まれ始める!
__ッ!!…ア゛ア゛ア゛ア゛アアアァァァァァ!!!…
「ッ!?…あぁ~あ…マサツグが吠えるから…」
「ッ!?…悪いの俺かよ!?…
煽って来たのはモツの方だろ!?」
「そんな事を言っている場合か!!…
来るぞ!!…」
人キメラ一個小隊の数は九つ…頭数にして約120超…低い唸り声を上げて集まって来た人キメラの様子に、モツがマサツグが吠えたからと呆れた様子で文句を言ってはマサツグがツッコミを入れる!…モツが余計な事を言うからと先程の様子から一転、慌しくなるとリーナが慌てて二人の仲裁に入り武器を構え始める!そのリーナの仲裁を素直に聞き入れた二人は一旦は不服そうな表情を見せるも、スッと真剣な表情に変わっては直ぐに武器を構え出し、三人が互いに背中を預けるよう陣を組んで見せると、ジリジリ寄って来る人キメラ達の動向に注意を促す!
__ア゛ア゛ァァ……ア゛ア゛ァァ…
「チッ!…本当に不気味な連中だ!!…」
「狼型にアラクネ型…
あの牛型と人型が居ない事が幸運って言った所か?…」
「リーナ!!…無理すんなよ!?…
こう言うの慣れてないんだろ!?…」
「ッ!?…誰に言っている!…
私はリーナ・ハイデルグ・スプリングフィールド!!!…
栄えあるスプリングフィールド騎士団長で有り!!…
未来を託された王女だぞ!?
この程度!!…乗り切って見せる!!!」
詰め寄って来る人キメラ達にリーナが相変わらずの不気味さを覚えつつ、モツが冷静に種類を確認するとマサツグがハッと気づいた様子でリーナに労りの声を掛ける。この時…マサツグとモツは旧大聖堂でリーナが人キメラの死骸を見て抵抗を覚えて居たのを思い出し、心配する様子で二人がリーナをチラッと確認するのだが、リーナは二人の心配を拭うよう騎士団長である!と答えては人キメラに対して堂々と姿勢を正し向き合う!そんなリーナからは怯えると言った感情は見られず、リーナの様子に二人が安心すると人キメラの方に視線を戻すのだが…人キメラ達は何と!…狩人狩りの森の人キメラ達とは違うとばかりにリンデの実の光に怯む事無く、ジリジリと更にマサツグ達に詰め寄って来ていた!
__ア゛ア゛ァァ……ア゛ア゛ァァ…
「ッ!?…こいつ等!…光に怯えていない!?…」
「狩人狩りの森より根性が入ってるって事か!?…
だとしたら!!…無理矢理にでも道を作るか!!…
モツ!!」
「ッ!?…」
「プランB!!!…合わせてくれ!!!」
狩人狩りの森の時とは明らかに違う人キメラの様子にモツが戸惑いを覚え、マサツグがランクアップしたのか!?と若干の困惑の表情を見せるが、直ぐに立て直した様子で武器を構える!そして道を切り開くとやる気を見せてはモツの名前を呼び、その声に反応してモツがマサツグの方に振り向くとそこには何時ぞやの赤いオーラを身に纏うマサツグの姿を見つける。その様子にモツがハッ!とした表情を見せては何かを察した様子で身構え出し、マサツグは予め何かを決めていたのか…プランB!と言ってはモツに動きを合わせるよう言い出す!その突然の出来事にただモツは戸惑うもマサツグの動きに合わせるよう動き始めると、二人は揃って同じ技を繰り出す準備を整え、人キメラに向かって技を繰り出す!
__ザッ!……バッ!!!…
「ッ!?…マサツグ!?…モツ!?…」
__チャキッ!!…コオオオォォォ!!…
バシュン!!!…
「雷鳴!!…十文字撃!!!」
マサツグとモツが大きく踏み込んでリーナを浄化範囲内から出さない様にバックステップをすると、互いに武器を後ろに回すよう大きく振り被る!…マサツグは縦に…モツは横に薙ぎ払うよう構え出し、その際モツもマサツグ同様赤いオーラを身に纏い、その二人の突然の様子にリーナが戸惑った反応を見せるのだが、二人は構わず目の前に居る人キメラの一個小隊に向かい同時に雷撃刃を放つと、その雷撃刃はまるで十字を描く様に合わさり一つの連携技へと昇華し始める!巨大な雷撃の十文字斬り!…まるで高電圧が流れている様な音を立ててはその前方に居る人キメラの一個小隊に襲い掛かるよう降って来ると、直撃と同時に轟音を立てる!
__ゴオオォォォォ!!…バチュン!!
ズゴアアアアァァァァ!!!……
「ッ~~~!?……ッ!?……
な!…何だこの技は!?…電撃!?…
いやそんな事より!!……馬鹿者共!!…」
「え?…」
「こんな所でそんな派手な技を使えば!!…」
直撃したであろう人キメラの一個小隊が丸々死骸も残らない位に消滅すると、辺りには焼け焦げた跡しか残らず…その強力無慈悲な攻撃にリーナが驚き戸惑って居ると、二人は無事に着地を決める。その際本人達も予想以上に威力が出たと言った具合に驚き、爆心地を見詰めては無言で戸惑うのだがそんな事よりと慌てた様子でリーナが切り返すと、マサツグとモツに文句を言い始める!それは技の規模の問題であり、こんな派手な技を繰り出せば当然他の人キメラ達が感づいて集まって来るのでは!?…とリーナが慌てた様子で言葉を口にしようとするのだが、時既にお寿司とばかりに先程の技がきっかけで人キメラ達がゾロゾロと集まって来る!…
__ア゛ア゛ァァ……ア゛ア゛ァァ…
「ッ!?…クッ!!…
やっぱり集まって来たではないか!!……
…数はザっと見た限り300!…圧倒的に不利!!…
如何するつもりだ!?…このままでは本当に!!…」
「あははははは!集まったなぁ!…
でも安心しろ!!リーナ!!!
これで良い!!!…
今すっごく順調に進んで居るから!!」
「ッ!?…え?…如何言う?…」
「…見た感じここら辺に居る奴
全部を集結させたかな?…
うし!!…後はこれで!!…
ッ!…あった!…」
森の奥からゾロゾロ…やり過ごした筈の人キメラもゾロゾロ…リーナがザッと数えただけでも300超!…下手するとトリプルスコアな数にリーナが文句を口にし、二人に如何するのかと尋ねるのだがマサツグとモツは慌てる様子を見せる所か何故か笑い飛ばし始める。別に気が狂ったとかそう言う訳では無く…ただ作戦が順調に進んで居るとばかりにマサツグが話しては武器を仕舞って笑い続け、その様子にリーナが武器を手にただ困惑して居るとモツも武器を鞘に仕舞い出す…そうして準備が整ったとばかりにマサツグが自身のアイテムポーチから筒状の缶にピンが付いたアイテムを取り出すと、ピンを引き抜きリーナに注意を促す!
__……ピン!!…
「リーナ!!…伏せろ!!!」
「え?…何を…ッ!?…」
__バシュン!!!…キイィィィン!……
マサツグがピンを抜いた缶を手にリーナへ忠告しては人キメラ達に囲まれている大体の中心部に向かいその缶を投げ、突然の忠告に反応出来ずリーナが戸惑って居ると次の瞬間!…辺りに強烈な眩い光と共に音が無くなったかの様なキイィンと言う耳鳴りが聞こえ始める。この時…マサツグが投げた缶は当然閃光弾であり、作戦を考え実行する側のマサツグとモツは慣れた様子で目を閉じ耳を塞ぐと閃光弾の影響を受けない様にするのだが、リーナはこの作戦の事を事前に知らされていない上に咄嗟の出来事なので防ぐ事が出来ず、諸に影響を受けた様子を見せるとその場でフラフラとし始める。
__フラァ~…フラフラァ~…
「え!?…な!…何だこれは!?…
目がチカチカ?…フラフラすりゅ?…」
「あぁ~…やっぱ駄目だったか…」
「まぁ、突発的だからな!!…捕まってろ!!」
閃光弾の炸裂後…マサツグとモツが静かに目を開けるとそこには初めて喰らったと言った様子でフラフラと呂律も回っていない様子のリーナが立っており、その様子にモツが苦笑いをしてはやっぱり…と言った様子で話して居ると、マサツグが慌てた表情で先を急ぎ始める!その際マサツグ達の周りを囲んで居た人キメラ達はマサツグとモツの策略通り閃光弾で見事に怯んでは動けなくなっており、その隙を狙って先を急ごうと動けないリーナをマサツグがお姫様抱っこで回収すると、最初の攻撃で開けた退路を全力で走り出す!
__ガッシ!!…バッ!!!…
「ふぇ?…ふぇええぇぇぇ!?…」
「マサツグこっちだ!!」
「おう!!!」
この時…リーナは目が見えないながらもマサツグにお姫様抱っこをされている事には気付けたのか、顔を赤くし戸惑いの声を漏らすとこれと言った反応をする事が出来ないまま、この状況に困惑と戸惑いを覚えていた。急に強烈な光が視界を襲い…次に動けないで居るとお姫様抱っこ…ただ戸惑った様子で目が慣れるのを待っては恐らくはマサツグの顔があるであろう方をジッと見詰めたまま頬を染め、まるで初めてお姫様抱っこされたと言った様子で慌てて居ると、モツがマサツグを先導しマサツグがリーナを抱えたまま走り続けて居ると、無事あの人キメラの包囲網を切り抜ける!
__ザッ!…ザッ!…ザッ!…ザッ!……
「ぜぇ!…ぜぇ!…こ、ここまでくれば大丈夫か?…」
「はぁ!…はぁ!…
…あぁ…追っても来ていない!…
上手く行ったみたいだ!…」
「ぜぇ!…ぜぇ!…はあぁ~…
さすがに人一人担いで走るのは堪えるぅ~…」
__ズルズル…ドサッ!…ッ!?……
あの包囲網から逃げ切る事が出来たのかマサツグが息を切らしながらモツに巻いたかどうかを尋ねると、モツは走って来た方を振り向き追手が来ていない事を確認すると、息を切らしながらも安堵した様子で返事をする。そのモツの台詞を聞いてマサツグが安堵すると、リーナを降ろす事も忘れた様子で近くに有った樹にもたれ掛かり、リーナがビクッと驚いた反応を見せるとモジモジと見えないながらもマサツグを見詰める。とにかくあの包囲網を切り抜けるのが最優先だった為、自分達が今何処に居るのか分からないものの、とにかく切り抜ける事が出来た事に二人が安堵し息を整えて居ると、リーナの目がハッキリと見える様になり始める。
__ジイィィィン……
「ッ!…あっ…元に戻って…
…ッ!?!?!?!?…」
__ガバァ!!…バタバタバタバタ!!…
「うおあぁ!?…な、何だ!?…ッ!!…
あ、暴れるな!!危ないだろ!?…
分かった!!…今降ろすから落ち着け!!…」
リーナが自身の視界が戻って来た事に反応して声を漏らしていると、目の前に汗だくのマサツグの姿が映り始める。自分を抱えて走ってくれたと一目で分かるその様子を最初はボォ~とした感じで見詰めて居るのだが、徐々に自分がお姫様抱っこされていた事を思い出すと途端に恥ずかしくなり始め、完全に見える様になった頃には顔を赤くし慌てた様子でマサツグの抱っこから逃れようと無言で暴れ出す!…そんなリーナの様子にマサツグが戸惑い、一度落ち着く様に言うとリーナを降ろすのだが、降ろしたら降ろしたでリーナはマサツグの方に振り向くと、顔を真っ赤にしては震える指でマサツグを指差し、文句を口にする!…
__スッ……プルプルプルプルプル!…
「き、貴様ぁ!!…いきなり何をするのだ!!!…
あんな策に打って出るのなら先に言え!!…
ビックリしたではないか!?…」
「い、いや…急いでたし…」
「そ!…それに!!…わ、私を!…お、おひ!…
お姫様抱っこ等と!…お陰で心臓が!!…
ッ~~~!!!!…貴様責任を取れ!!!…
今ここで!!!」
「ッ!?…ちょ!!…まッ!!……ッ!!!…」
余程お姫様抱っこが恥ずかしかったのか目に涙を溜めては顔を真っ赤にし、思う様に声が出なくともマサツグに猛抗議をするのだが、マサツグはリーナの怒っているのか理由が分からないと戸惑った様子で返事をする。その様子にモツがせっかく逃げて来たのに!と慌てた様子を見せると、静かにするよう口元に人差し指を当ててジェスチャーをするのだが、リーナは完全に混乱状態に陥っているのかモツの事など御構い無しにマサツグへの抗議を続ける!…その際マサツグの胸倉を掴んでは締め上げる様に力を入れ出し、マサツグが締め上げられて戸惑うと止めるよう声を掛けるが一向に収まる気配を見せず、その様子にモツもヤバいと感じてはもはや隠密など御構い無しに止めに入る!
「ちょ!!…ストップ!!ストップ!!!…
マサツグが落ちる!!…落ちるからストップ!!!…」
「ッ!?…し、しまった!!…
マ!…マサツグ大丈夫か!?…」
「ガッハ!!…ゲッヘ!!…ゴッホ!!……あぁ~……
だ、大丈夫だ……一瞬お花畑が見えた位で別に問題は…」
「いや、その言葉を聞いて安心は出来ないだろ?…」
モツが必死にリーナを羽交い絞めにして止めに入ると漸くリーナが我に返り、マサツグが口から泡を吹き出した所を見て慌てて手を放すと、マサツグはその場に崩れて咳き込み始める。リーナが自分でやった事とは言えその様子を目にすると慌ててマサツグの心配をし、マサツグが臨死し掛けた事を口にしつつ大丈夫と答えると、そのマサツグの言葉にモツがツッコミを入れる。そうして森の道中で一回目の瀕死になり掛け、マサツグが息を整えて居るとリーナが徐に不思議そうにしてはマサツグへ話し掛け出すのだが、そのリーナの態度はと言うと何処か申し訳なさそうな様子をしていた…
「……と、所で聞きたいのだが…」
「ぜぇ!…え?…」
「あの状況で良くあんな事を思いついたものだな?…
アレは事前に…」
「いや?…ぶっつけ本番…
モツはそれを読んで動いただけ…
なんせ俺達の旅ってあんな状況
当たり前だから…」
リーナの問い掛けに対してマサツグが息を整えながら返事をすると、リーナは先程のマサツグとモツの連係プレイに興味を持った様子で話し出しては予め決めていたの?と尋ねようとするのだが、マサツグは直ぐに違うと首を振って、行き当たりばったりと真顔で答える。その答えを聞いてリーナが戸惑った表情を見せて居ると、マサツグは敵に囲まれる事は冒険者として日常茶飯事と慣れた様子で答え始めるのだが、モツが直ぐに違うとマサツグの言葉を否定すると呆れた表情でマサツグだけと話し出す。
「…いや、あれはヤブだけの常識だと思うぞ?…
俺だって何とか理解出来たから良かったものの…
最悪全滅も有ったんだからな?…」
「ッ!?…」
「いやぁ~…
でも今まで同じ様な事確かに合っただろ?…
だから今回もこうして…」
「…俺の場合マサツグとパーティを
組んでから遭遇し始めたけど?…」
「ッ!?…あはははは…」
モツの否定の言葉にリーナが戸惑った反応を見せるとマサツグが苦笑いをし、今までにも有った筈とモツに同意を求めるのだが、モツはマサツグと合流してからとツッコム様に呆れつつ返事をする。その返事を聞いたマサツグはもはや苦笑いをするしか無くなってしまい、ただ誤魔化そうと笑い続けて居るとリーナにまで心配をされ始める。
「……一体マサツグ達は
どんな冒険をしているのだ?…」
「………。」
「…はあぁ~…答えられねぇのかよ!…」
リーナが質問をする際…先程までの事も忘れた様子でマサツグに困惑の表情を向けながら質問をすると、マサツグはその場で腕を組んでは今までの自分の冒険を思い出し始める。確かに普通の冒険者と比べて波乱万丈な出来事が多い事を思い浮かべると如何返事をしたものかとリーナの返答に悩んでしまい、そんなマサツグの様子にモツが溜息を吐くとマサツグの今の様子に対して呆れたツッコミを入れるのであった。




