-第一章七十節 将軍への説得とロイヤル惚気とグダグダの本番!-
アムネスとラインハルトの喧嘩も一時中断しリーナを戦場に出す出さないで今だラインハルトが戸惑いを見せて居る中、マサツグはこの時心の中でスティング・リイシア・ラインハルトの冒険者時代について色々考えていた。冒険者時代と言っても今では一人は一国の王…もう一人はその妻で王妃…更にもう一人は将軍と…一体何を如何やったらその様な関係を築けるのか?…この三人の間に何が有ったのか?…と一人興味を持って居ると、当然の様にアムネスがマサツグの心を読んだ様子で突如話し始める。
__…うぅ~ん…
「…元々私とラインはパーティを組んで居て…
色々な冒険をしていたのだけど…
ある日私達の元に身分を隠したスティングがやって来て…
私達のパーティに入れてくれって!…
それがきっかけで私達はパーティを組んだのだけど…
…あの時のあの人!……フフフ♪…
それはもう見た目に反してヤンチャで♪…」
アムネスが如何やって知り合ったのかを思い出す様にマサツグへ話し出すのだが、そのきっかけを話す際何故か頬を赤く染めると若干の惚気話寄りの思い出話を口にし始める。その当時のスティングの姿を思い出して居るのか妙にモジモジとした動きを見せ、マサツグがそのアムネスの様子に如何反応したものかと戸惑い悩んで居ると、その話はして欲しく無いのかスティングが止める様に咳払いをする。
「ン゛ン゛!!…
今は昔話に浸っている暇は無いと思うけど?…」
「ッ!…はぁ~い!…ア・ナ・タ♥」
「あははは……
…と言うかさも当然の様に人の心を読まんで下さいよ!…
一体如何やって心を読んでるんだ!?…」
「フフフ♪…」
今はそれ所では無いと恥ずかしそうに頬を染めつつアムネスに注意を促し、その言葉にアムネスが素直に従いつつまだ惚れて居るとばかりにスティングに寄り掛かって行くと、イチャイチャと返事をする。そんな二人の様子にマサツグはお腹いっぱいと言った様子で苦笑いをするのだが、ハッ!と直ぐに原因が自身の心を読まれた事だ思い出すと、サラッと心を読んで来たアムネスにツッコミを入れる。その際アムネスは不敵な笑みを浮かべてはマサツグの方をチラッと見るのだが、その様子にモツが関わっちゃいけないと感じたのかマサツグの肩を叩いて制止を呼び掛ける。
__ポンポン!…ッ!…
「ヤブ?…あの人に深く関わっちゃダメな気がする!…
迂闊な事は考えるな!…あの人は多分…
エンドコンテンツだと思う!!…」
「ッ!?…そこまで言うのかよ!?…
…と、言っても…俺も何と無くそんな気がして来た…」
__ウンウン!…ウンウン!…
モツがアムネスに警戒した様子でこれ以上の関わりは止めておけと注意をする際、いつもはマサツグの事を普通に「マサツグ」と読んで居た筈が、この時だけは「ヤブ」とあだ名の方で呼んでは警戒を強め、まるで人の事を「悟り」か何かの化け物の様に言っては首を軽く左右に振る。そのモツの警戒具合にマサツグが戸惑い思わずツッコミを入れるも、徐々に冷静になっては謎の説得感を感じ始め、思わずモツの言葉にマサツグが同意しようとして居ると、何故か娘のリーナがモツの言葉に同調するよう頷いていた。そうして話は戻ってリーナを戦場に出すか出さないかの選択に迫られるのだが、再度スティングがラインハルトにリーナの出撃の許可を出すとその言葉にラインハルトが戸惑う。
「ラインハルト!…この子なら大丈夫だ!…
ここまで君の厳しい訓練に付いて来れたんだ!!…
…やれる筈だよ?…」
「ッ!?…し、しかし!……
…こう言うのも何だが…自分の娘なのだぞ?…
もしもの事を考えたりは?…」
「あら?…
その言い様だとまるで手を抜いて教育して来たみたいに
聞こえるのだけど?…それとも…ライン?…
貴方の教育はその程度のものなの?…」
「ッ!!…リイシア!!…お前!!…」
ラインハルトはスティングの言葉に戸惑いつつも反論するよう心配の言葉を口にし、その言葉を聞いたアムネスが不敵な笑みを浮かべてはラインハルトを見詰めると挑発し始める。教育方針方法…手を抜いた…その程度…長年の友だからこそラインハルトが挑発に乗りそうな言葉を選んでは子馬鹿にするよう言って見せ、その言葉を聞いたラインハルトが見事にその挑発に乗るようアムネスを睨んで文句を口にしようとすると、アムネスはスッと笑顔を見せてはラインハルトに話し掛ける。
「大丈夫よ!…何せ私の可愛い娘だもの!…
この子ならこの騒動の元凶を倒す位朝飯前よ!…」
「ッ!?…リ、リイシア!……ッ~~~!!!…」
{……その可愛い娘を戦場に放り出そうとするのですね?
分かります…
…それなら普通は反対しそうなもんだがな?…}
自信満々の笑顔をラインハルトに向けてリーナならきっとやって見せる!と自慢する様に言い出し、その言葉に聞いたラインハルトが戸惑いの表情を見せるとを頭に手をやり悩み始める。コロコロとまるで全てが計算されてる様に変わる表情の前ではさすがのラインハルトも翻弄されっぱなしの様子で、そのアムネスとラインハルトのやり取り一部始終を見ていたマサツグが戸惑った表情を見せながらも、心の中でアムネスに対しツッコミを入れて居るとモツがマサツグのツッコミを感じ取ったのか戸惑いを覚える!…
「ッ!…ヤブ!?…」
「え?…何?…ッ!?…」
「フフフ♪…」
「え?…何でこっちを見…」
モツが戸惑いを覚えた理由…それは先程から余計な事を考えない様に!と釘を刺したにも関わらず!…何も考えず呼吸をする様にアムネスの前で心の声を呟いたからである!…当然その心のツッコミに気付いたようアムネスがマサツグの方を振り向くと笑みを浮かべており、モツの声に反応しマサツグがアムネスの方に視線を向けると、そこにはニッコニコの笑顔を見せるアムネスの表情!…その表情にモツがあっ…と時既にお寿司の表情で戸惑い、マサツグはマサツグで何でアムネスが笑顔をこちらに向けているのか分からないと言った様子で固まって居ると、アムネスはマサツグとモツの居る方に手を指示しては改めてリーナの護衛の件を話し始める。
「フフフ♪…そ・れ・に♪…
この冒険者達なら護衛を任せられる!…
あの御前試合を見て実力は分かって居るでしょ?
ラインハルト!…
どんな逆境に居ても逆転の手を考える奇策師!…
状況打開の術はどんなに磨こうと思っても
磨けるものじゃない!!…
彼らはその術を持っている!!
護衛に適任じゃない!…」
「ッ!?…」
「…と、言うよりは…
…もう護衛の任務を受けて貰っていますものね?…」
__ピラッ!…
「え?…えぇ~っと……ッ!?!?!?!?……」
アムネスはマサツグとモツの実力を認めて居る風に話しては護衛に最適と話し、その実力を思い出させるよう御前試合での出来事を口にすると、ラインハルトは渋い表情を見せながらも無言で頷く。その際モツの活躍も思い出すよう旧大聖堂でのマサツグとの連係プレイを思い出し、若干ラインハルトの判断の天秤が許可の方に傾いた様に見えて居ると、更にアムネスの追撃は続く!アムネスは何処から出したか一枚の紙を取り出すとマサツグとモツ…ラインハルトに見えるよう広げて見せ、その内容を確認させる始めるとその内容にマサツグとモツは戸惑いを覚える!
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護衛依頼契約書
この戦いにおいて我々ギルドからはマサツグ・モツ…
この両名を護衛の任に就かせその同意を得た事を
ここに表記すると同時に…
リーナ・ハイデルグ・スプリングフィールド第一王女を
命に代えても護衛する事をここに誓います!…
執筆記入…ギルドマスター・フリード・バスクード
同意者…マサツグ
モツ
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「ちょ!?…ちょっと待て!!!…
こんなの俺同意してない!!!…」
「てかこの紙は何!?…見た事も無いんだが!?…」
「……これは!……はあぁ~~…
冒険者殿…これはもう言い訳が出来ませんぞ?…
もうこの調子だとリイシアは梃子でも
意見を変えんだろう…それにしっかりと名前が…」
「「だから名前を書いた覚えが
無いって言ってんの!!!…」」×2
三人の前に出されたのはまさかの契約書!…それも自分達がサインした覚えの無い契約書で、そこにはしっかりとリーナを命に代えても護衛すると明記された嘘偽りの無いギルド公式の契約書が目の前に出されていた。当然サイン等した覚えの無い二人は驚き戸惑い!…同意していないと困惑を露わにしては見た事が無いとただ契約書を疑う!…別に護衛するのが嫌と言う訳では無く…ただ見覚えの無いサインが出て来た事に二人が驚愕し慌てて居ると、ラインハルトがマジマジ観察しては本物と判断したのかアムネスの意思も含めて諦めたと話す。実質ラインハルトが折れて遂にリーナの参戦が決まった訳なのだが、ラインハルトがマサツグとモツに迂闊なサインはしないよう注意をしようとすると、二人は様相そのままにしていない!!と声を揃えてツッコミを入れる!…こうしてマサツグとモツはリーナを護衛しつつカルト教団教祖を探し倒す事が目的となった訳なのだが、今は如何やってその契約書が出て来たのかが気になって仕方が無いマサツグとモツはギルドを疑い始める!
「ッ!?…まさか!!…ギルマス!?…」
「ッ!?…て事は王族チート!?…
ここまでするのか!?…」
「嘘だろおい!…」
一番に考えられる結論を導き出しては最初この話をして来た時のフリードの様子を思い出し、更に遡って恐らく手配したであろうアムネスの思惑を思い浮かべてはアムネスから受け取った契約書を手に二人は困惑し続ける!…その一方でラインハルトが漸く折れた事にリーナが感激して居るとただ出るだけでは駄目とばかりにアムネスがリーナに忠告をしていた!
「ッ!!…母上!!…」
「ただし!!…
やるからにはしっかり使命を全うする事!!…
どんな事が有っても逃げない!…
曲げない!…諦めない!…
必ず生きて帰って来る事!!…
これは貴方が何処まで出来るかを見定める為の
良い機会でも有るんだから…
リーナの成長を!…見せて頂戴ね?…」
「ッ!!…はい!!!
精一杯務めさせて頂きます!!!
父上!!!…母上!!!…」
「……はあぁ~…相変わらずだな?…リイシア…
お前は一度こうと決めると本当に曲げん!!…
頑固な奴め!…」
アムネスがリーナに忠告をする際、中途半端は駄目と言って聞かせるよう厳しい口調で話してはその忠告をリーナが素直に聞き入れ、その様子を見てアムネスが安堵した様子で笑みを浮かべるとリーナの頬にそっと手を差し伸べる。そして娘の無事を祈る言葉を口にしては優しく撫でて見せ、アムネスの様子にリーナが思わず目をハッと若干見開かせては涙ぐむと、慌てて涙を拭ってスティングとアムネスに威勢良く返事をする。そんな様子に将軍も覚悟を決めたのか溜息を吐いては苦笑いをし、アムネスに話し掛ると武器を手に取る!…まるで今から単騎で三人の道を切り開こうとして居るのか、馬に乗り直し意気込み始めるとそんな将軍に対してアムネスが反論する。
「あら?…彼方も相変らずよラインハルト?…
その大きな図体の割りに慎重過ぎて
一向に話が進まなくて…
その癖戦いになるとまるで白熊が剣を持って
暴れるような戦いぶり!…
もっと大胆に動いてくれると頼りになるのだけど?…」
「ムッ!…
そう言うお前はいつも後先考えずに突貫して行く!…
そのせいで毎回被害を被ったのは誰だと!!…」
「まぁ!…まぁ!…良いじゃないか!…
それはそれで楽しい思い出みたいなものだし…
その話は全てが終わった後で!……それより…」
__ガキイィィン!!!…
オオオオオオオオォォォォォォ!!!!…
「今はこの子達の為に道を斬り開かないと!…
…向こうもそろそろ本気で攻めて来ている
みたいだしね?…」
アムネスの反論でまた火が付いたのか痴話喧嘩が再開されようとすると、今度はスティングが止めに入る。二人の間に割って入って苦笑いしながら両手で二人を宥め始め、その様子にマサツグとモツがかつての三人の面影が見えた様な気がして居ると、状況が変わり始めたのか辺りの剣戟音が更に激しさを増し始める!それに反応するよう王様もその剣戟音が聞こえる方を見ては状況打開を先にと言った様子で話し出し、自分達の方もそろそろ本腰を入れて戦おうと言い出すと、その言葉にアムネスとラインハルトの表情がスっと変わる!…
「…フフフッ!…
…それもそうですわね!…さぁて!…
私もまだまだやれる所を見せないとね?…」
「フッ!…あんまり気張り過ぎてあの時の様に
へばるんじゃないぞ?…
あの時回収が大変だったんだからな?…」
「あははは!……よし!…
じゃあ!…国の為に!…民の為に!…
はたまた娘達の為に!…
今こそ道を切り開こうじゃないか!…
あの時みたいに…三人で!!」
「えぇ!!(おう!!)」
そうして二人も剣戟音が激しく聞こえる最前線の方を見ては、まるでこの状況を楽しむ様に笑って見せるのだが、その時の三人の目は真剣そのものまるで一点たりとも油断は無いと言った…覚悟に満ちた真っ直ぐな眼差しをしていた。そんな覚悟を決めた三人の姿を初めて見たと驚きの表情で見詰めるリーナに、各々は思った事を口にすると武器を手に戦場へと歩き出し、用意された軍馬に乗り出すといよいよ本格的に戦いの狼煙が上がろうとする!…
__ワアアアアァァァァァァァ!!!!…
「クソ!!…本当に何匹出て来やがるんだ!!!…」
「もう軽く百は倒しれるのに!!…
止むどころか激しくなって来てる!!…」
「フン!!!…ハァ!…ハァ!…
王国軍の援軍も期待出来そうに無いな!…
…仕方が無い!…前線を下げるんだ!!…
一旦体力の回復を!!…」
__……全軍に告げる!!!!!…ッ!?!?…
前線で戦う冒険者達の体力もそろそろ限界と言った状況…幾ら熟練から廃人レベルの者達が集まっていようとも結局の処は人の子であり、疲れを感じては徐々に勢いを失いジリ貧になり始める。もはや無限に敵が出て来ている様な…そんな感覚さえ感じる最中、王国軍も防衛の方が忙しいのか前に出て来る気配は無く、ただ守りを固めている様子に冒険者達が出過ぎたかと感じて居ると、突如その防衛の陣を敷いている王国軍の方からスティングの声で大号令が掛けられる!…その大号令に思わず敵味方が一時的にピタッと止まった様な反応を見せると、スティングの声で更に号令は続く!…
「これより!…我々は精鋭部隊を編成し!…
あの森の中へと侵攻を開始する!!
全部隊を三班に分け!…
これより本格的な大掃討戦を仕掛ける!!!」
「ッ!?…」
「第一の班は防衛を!!…
ゲート前の陣を二陣に縮小し密度を高め!!…
近付く全ての人キメラを殲滅!!!
第二の班には遊撃!!…
冒険者達と連携を取り負担を軽減!!!…
仇なす者を端から全て排除し!!!…
王都への侵入を許すな!!!
そして第三の班!!…これは少数精鋭!!…
将軍ラインハルトを先頭に森への突破口を作る!!!…
尚精鋭を森に送り込んだ後将軍及びその三班は
遊撃に回る事!!!…
騎兵蹂躙の型で敵を一掃せよ!!!…これは!…
守るべき物を背にした絶対に負ける事の許されぬ
戦いだ!!…皆奮起せよ!!!」
__オオオオオオオオオオォォォォォォォォォ!!!!!
突然の大号令に人キメラや冒険者達が固まる一方で、スティングは自身の剣を掲げて声を張り上げ指示を飛ばす!…その突然の号令に冒険者達が戸惑いの様子を見せる一方でスティングは隊列の再編成し、三つの班を作るとそれぞれに目的命令を下しては直ぐに動くよう命令を下す!その命令に兵士や騎士…その他の者達が慌てた様子を見せるも、慣れた様子でラインハルトが従うよう細かな指示を出すと部隊はあっと言う間に三班に分けられ、王国軍全部隊…数にして約30万は一班約10万の大部隊へと編成され直す。第一班は防衛…第二班は指示通り前線を広げようとして居る冒険者達の援護…最後の第三班がリーナwithゆかいな仲間たちを森に連れて行く為の切り込み部隊…編成が終わり最後にスティングが全部隊に向けて激励の言葉を口にし剣を掲げて見せると、それに答えるよう兵士達も剣を手に掲げて声を挙げる!…そうしてスティングが戦場の方を振り向き!…剣を振り下ろして敵を指し示し兵士達に指示を出すと、その指示に従うよう一気に兵士達が動き出す!
__スゥ…シャキン!…
「行けえええぇぇぇぇぇぇ!!!!」
__オオオオオオオオオオォォォォォォォォォ!!!!!
「ッ!?…こいつはありがてぇ!!…」
スティングの指示に従い兵士が攻め行く様子はまるで津波!…まるで某弾幕ゲームの様に防衛陣から飛び出しては兵士達が散開し、冒険者達と共闘する様に人キメラへと斬り掛かり出すと、一気に冒険者達の窮地を救い始める!…これで回復する時間を得た冒険者達は王国軍のこの動きに感謝しつつ、ポーションを浴びる様に飲んだりとTPが限界か一旦下がったりと動き出し、戦場に少しばかりのゆとりが出来始めるとその様子にスティングが頷いてはマサツグとモツ…そしてリーナに準備をするよう促し始める。
「……よし!…
これで何とか互いに時間が取れる!…
長期戦になっても何とか持ちこたえられる
状態にはなった!…
…だがそれでも早期に決着を付けるに越した事は無い!…
三人とも!!…準備が出来たら言ってくれ!!…
直ぐに仕掛けよう!…
この無益な戦いを終わらせる為に!!…」
「ッ!……」
「はあぁ~♥…やっぱり貴方素敵♥…格好良かったわ♥…」
__ッ!?…ズデェ!!…
直ぐにでも次の行動を!とスティングが若干焦った様子でマサツグとモツとリーナに準備を促し、そのスティングの言葉に三人がいよいよか!と真剣な表情をし始めて居ると、その空気をぶち壊す様にアムネスがスティングの事を惚気始める。先程の様子が余程良かったのか頬をほんのり赤く染めてはモジモジとし、その言葉にスティングも照れた表情を見せて後頭部に手を回し、そんな様子を見せられている三人が思わず何処かの新喜劇の様にスベりそうになっていると、雰囲気がぶち壊しとばかりに苦笑いし始める。
「あははは…」
「アムネ…リイシア?…惚気ている場合じゃ!!…
と言うより段々とややこしくなって来たな?…
いっそ元の名前で呼んで良いか?…」
「……本当にこんな調子で大丈夫なのかな?…」
そんな三人の代わりにラインハルトがアムネスの惚気を注意しようとするのだが、先程からアムネスだったり…リイシアだったり…ややこしい!となって来ると、呼び慣れている方の名前で呼んで良いかと言い出す始末。そんな重役三人の様子に不安を覚えつつ…三人が最後に装備やアイテムの確認をし終え準備が出来て居る!と頷くと、その旨をリーナがスティングに話しに行く!…これで後には引けない!…そんな事を考えつつマサツグがリーナの後ろ姿を見詰めて居ると、モツがその様子を察してかマサツグにちょっかいを入れる。
「……ッ!…何だ?何か有るのかマサツグ?…
さっきから王女様の後ろ姿を見詰めて?…惚れたか?…」
「……いや、別に…ただ…」
「ただ?……」
「……オウモツ!…後で覚えてろよ?…」
「あはははは…悪かったって!…」
モツがちょっかいを入れ始めるとマサツグはそのモツの問い掛けに戸惑いつつも違うと答え、別の理由を話そうとするのだがモツは言い訳を話す気で居る!と勘ぐっているのかニヤニヤと笑みを浮かべる。そんなモツの表情を見てマサツグがリーナに連行された時の事も思い出してか顔をムッとさせると牽制し、そのマサツグの牽制にモツがやり過ぎたと苦笑いするとドウドウと両手を盾にする様に構える。そうしてリーナの方でも話が通ったのかスティングが真剣な表情で頷いてはラインハルトに何か指示を出し、その指示に従う一礼し兵士に何かを命令すると、その兵士達は何処からか二頭の馬を連れて来る。
__ザッ…ザッ…ザッ…ザッ…
「……?…馬?…」
「馬なんか何に?……え?…こっちに来る?…」
馬二頭を連れて来た様子にマサツグとモツは何に使うのか?と疑問に駆られるのだが、兵士達はその二頭の馬をマサツグ達の方に持って来るとある事を言い出す。それは至極当然の事で何も違和感が無いのだが、マサツグとモツはその言葉を聞くや否や戸惑った表情を見せては悩み出す!…何故なら…
「それではお二方!…この馬に乗って下さい!…」
「……へ?…」
「え?…いや…
あの大森林まで馬で早駆けをして貰う為ですが?…」
「あっ!……」
事を急いでいるのだから当然早く移動しなくてはならない!…その為の馬なのだが…当然日常生活で馬に乗る様なトンチキな生活を送っている訳も無く、更に乗馬教室に行っている様な事も無く…突如馬と言う名の移動手段が二人の前に出て来ると二人は困惑し始める!馬に乗った事所か関わった事すらないので、いざ馬で移動しろ!と言われて出来る筈の無い二人は目の前の兵士に聞こえない位の声で会話し始める。
「なぁ…ヤブ?…俺今回が初めての馬なんだが?…
如何したら良いんだろうか?…」
「………。」
「ヤブもついこの前始めたばかりだから馬に
乗った事なんて無いだろうし…
ここまで来て馬に乗れないなんて事になったら……
……将軍とリーナの背中に掴まっての移動か?…」
馬が乗れないのは互いに知って居る為、会話が不安な物に!…モツが不安の言葉を口にしてはマサツグは俯き聞こえない位の声で何かを呟く。その言葉にモツが一応疑問を持つが気にする事無く打開策を考えては馬に乗れる者の背中にしがみ付くと言う最終手段を口にし、自分で言って置いて情けないと言った表情を見せて居ると、マサツグが頭を上げるなりモツにこう話し始める!
「…その前に俺の装備ってこれで良いのかな!?……」
「ッ!?……はぁ?…」
「いやさっき確認した時は別に気にしてなかったけど…
俺今だにトライアルメイルなんだよな?…
この装備で言ったら最悪ワンパンなんじゃと…」
モツは馬の事で悩んで居ると言うのにマサツグは全く違う事を考えて居た様子で、突如自身が身に着けている防具の心配をし始める。そんな何の脈絡も無い会話にモツが呆れた様子で言葉を口にしてはマサツグに戸惑いの視線を向けるのだが、マサツグは先程までの話を聞いていなかったと言った具合にモツの様子に戸惑っては今だトライアルメイルである事を話し、その話を聞いて更にモツが呆れた反応を見せて居ると、その様子に気が付いたリーナがマサツグ達の方へと歩いて来る。
__ザッ…ザッ…ザッ…ザッ…
「おい!如何したの言うのだ?…早く馬に!…」
「ッ!…えぇ~っと…ハイドリヒ?…」
「ッ!……リーナで構わん…」
リーナが馬を前にまごまごしている二人を見ては若干焦った様子で早く騎乗する様に言うのだが、その際マサツグは用件が有るとばかりにリーナの事を呼ぶと何故か疑問形になる。それは今までリーナの事をハイドリヒと呼んで来たからにあって、今は「リーナ」と呼んだ方が良いのか?…それとも今まで通り「ハイドリヒ」と呼んだ方が良いのかと悩んで居る事から今の様に戸惑い、恐る恐る尋ねる様に名前を呼んではその様子にリーナが若干呆れた表情で苦笑いをし、本当の名前の方で呼ぶ様にマサツグへ言い聞かせる。そしてその話を聞いてマサツグが納得すると改める様に切り替えし、リーナに申し訳なさそうな表情を見せてはある事をお願いし始める。
「じゃあリーナさん?…
スマンが適当な防具をくれないか?…
このままだと色々不味い様な気がするから…」
「ッ!?…今か!?…と言っても時間が…
えぇ~っと…ッ!…下級兵士のでも良いか!?…」
「ッ!…それで良い!!…頼む!!」
「いやそうじゃなくて!!…馬の方!!…」
マサツグが突如防具を要求して来た事にリーナが戸惑うも、辺りを見渡し丁度誰も使っていない防具を見つけてはマサツグにそれで良いかと困惑しながらも尋ね始める。そして直ぐに防具が見つかった事にマサツグがパッと顔を明るくしては申し訳なさそうにしながらもそれで良いと同意し、もはや急ぐ事しか考えていないのかマサツグの要求に対してツッコむ事は無く、ただマサツグの同意を聞いてリーナが慌てた様子でその防具を取りに行くとモツが二人にツッコミを入れる!論点は馬に乗る・乗れないに有り一向に馬へ乗らない二人にリーナも気になって尋ねに来た筈が、いつの間にやら防具の話に変わり…モツも慌てた様子で話す中、マサツグは何故か余裕の笑みを浮かべてはモツにこう話し出す。
「だいじょ~ぶ!!安心しろ!!」
「ッ!?…え?…如何言う事だよ!?…
…ッ!!…もしかしてまさかの経験が!?…」
「ンなモン有る訳が無い!!!
俺も初めてだから!!手探り状態だ!!
あっ!…サンキュー!」
「ッ!?…
…じゃあ何でそんな自信満々に
大丈夫って言ってるんだよ!?」
モツは馬の事で悩んで居ると言うのにマサツグは何故か大丈夫と言う…何故そんな言葉を口に出来るのか…そんな表情を出来るのかとモツが困惑し疑問を持つのだが、ハッ!とした表情を見せてはまさかの経験があるのかと思い、若干期待した様子でその事を本人に尋ねるも本人は何故か自信満々に無い!と言ってリーナから防具を受け取る。そうして目の前で防具を装着し始めるマサツグの様子にモツが戸惑う中…マサツグが自信満々に大丈夫と答えた事に対してモツが渾身のツッコミを入れて居ると、時間が無いと二人はレクチャーも無いまま馬に乗せられ、突貫の準備をさせられるのであった。




