-第六章九十六節閑話 刀の修繕と知らない鉄と古代の遺物?…-
この話は第六章本編では綴られなかった
空白のお話である。
と言うのもこの話の主人公はマサツグではなく!…
その他モツ達でも無く!…
ドワーフファミリアに居るドレッグが
今回のキーパーソン!…
時期としてはマサツグ達が
霊峰五合目位に居る頃の話である!…
その際オリハに頼まれた武器を作成し終え!…
そしてマサツグにも前から頼まれて、
ボロボロの刀の修復に着手しようとするのだが!…
「…うぅ~ん…
やはり何度見ても見事なまでにボロボロ!…
辛うじてまだ峰が生きておるから持っている様なものの…
これを直すとなると中々に骨が折れそうじゃな!…」
__ジャリッ!……ッ…
ドレッグは刀の修理に着手する前に…
改めてその状態を確認し出すと、
まずは鞘から抜いた状態で机の上に置き!…
と、そこには何も状態が改善されていない刀がそのまま…
まぁ改善されて居る訳が無いのだが!…
それでもその状態を見て自分でも直せるのか?と…
思わず疑問を持ってしまう程に困惑すると、
次にその刀を手に取る…
そして不思議な感覚を感じて行く!…
それは別に人を斬りたい!と言った
衝動に襲われるとかそう言うのでは無いのだが、
頭の中でその刀の本来の姿かイメージが思い浮かび!…
「しかしやはり何か妙なモノを感じるのもまた事実!…
これはこの刀がまだ生きようとしている表れなのか?…
何かワシの中でイメージが
描かれている様な気もする!…」
__ザッ…ザッ…ザッ…ザッ…
と、ドレッグとしてもそんなイメージが
湧いて来る感覚と言うのは初めてらしく…
思わずその頭の中のイメージに
子供の頃に戻った様なワクワク感を!…
狂気ではなく好奇心に揺り動かされる様な
そんな感覚を覚えて行くと、
まずは刀を炉に!…
火に入れてからの反応を見ようと試みる!…
そして徐に刀を持って炉の前にスッと移動をすると、
その風化し錆び付いた刀を
窯に入れようとして行くのだが!…
「…ふむ、ではまずは窯に入れてみるか!…
それこそこの状態では他の鋼と掛け合わせても
結びつくとは到底思えん!…
いっそ溶かすつもりでしっかり火を入れて!…」
__……コオオォ!!…ボッ!!…!?…
それこそドレッグはもう一度材料に還元する勢いで
その刀を炉の中へ!…
しかしその刀はろへ入る前に異変を起こし!…
ドレッグの目の前でその刀身に突如炎を纏って見せると、
勿論ドレッグを驚かせて行く!…
その際モツやオリハのドラッケンナイト鉱石の
武器とは違って!…
然程激しく燃えて見せたりはしないのだが、
それでもそんな反応を見せた事にドレッグは勿論驚き!…
{な、何じゃ!?…こ、このオンボロに火が!?…
……ん?…火が付いた?……ッ!?!?…
…この世にこうして火に翳すだけで
火が付く鉱石は一つしかない!!…
と言う事はよもや!!…
…だとするとなるとこれはトンデモナイ珍品!!…
そしてワシ自身もこんな物を今までに見た事が無い!…
…これは!…
本格的にワシの手に負えるかどうかが
怪しくなって来たな!!…}
となるとやはり何か引っ掛かりがある様子で
思い当たる事が!…
そしてそれを口に出さずに心の中で!…
炎を纏った刀を見詰めジッと考える様に
思考を働かせると、改めてその刀を珍品!と…
トンデモナイ掘り出し物である事を悟って行く!…
その際マサツグから修理を任されている事も含めて、
手に負えるか?が疑問になるが!…
それよりも未知なる物への好奇心が勝っている様子で、
未だその炎を纏う刀をジッと見詰め!…
__ゴオオォォ!!……ッ…
{…ふむ!…やはりドラッケンナイトを
使っている節が見て取れる!…
…しかしこれは如何言う事じゃ?…
よぉく見てみるとこの刀…
オリハルコンの材質も使われて居る様に感じられる!…
まぁ見つかった場所が場所だけに
特段可笑しい事は無いのじゃが…
…だとしてもじゃ!!…この二つの他にまだ数種類!…
合わせて使ったモノとなると…
トンデモナイ事を意味するぞ!?…
…言うなればまさに神話に出て来る様な武器!!…
#失われし古代技術の結晶__・__#が
今ここにあると言う事を物語っておる!!…}
驚きが覚めて好奇心に変わり!…
この時自分の目から見てまだ分かる範囲で
色々と刀の情報を把握し出すと、
更にその違和感を感じて行く!…
と言うのもこの一本の刀を作るに当たって!…
複数種類の鉱石が使われている事が分かって行くと、
中には自分が知らない鉱石も有るのかその正体に悩み!…
何ならそれら全てを使ってきめ細やかで滑らかな鋼を!…
一体如何やって作り出したのか!?と疑問を持ち…
自分の知らない技術が今目の前にある事で!…
更にドレッグが好奇心をムクムクと芽吹かせる様に
興味を持つと、興奮で震えが止まらない!…
解明したい!と言った欲求に駆られて行く!…
そして未だ燃え続ける炎もドレッグを誘惑する様に!…
ユラユラと揺らめいて見せるのだが、
次にはドレッグがハッと正気を取り戻し!…
__ゴオオォォ!!……ッ!?…フルフル!!…ッ…
{…だとするならワシは知りたい!!…
この刀に秘められしその力!…その構造を!!…
…フフフフ!!!…
久々に血が滾る仕事に昂って来たわい!…}
「いいじゃろう!!…
ワシが用いる技術全てを使って!!…
全身全霊の!!…
完璧なる完全復活を遂げさせて見せようぞ!!!…
…まずはしっかり溶かして一度還元をせねばな!!…
不純物を取り除く作業から!!…」
一度意識をハッキリさせる様に首を振り!…
しかしそれでも好奇心までは払えなかった様子で
そのままやる気を見せると、ドレッグはその刀を炉に!…
一度素材に還元する事を選択する!…
そしてそこから改めて一本の刀にする事を心に誓うと、
根気よくその窯の様子を見ながら作業に掛かり!…
その際未知の技術が使われている物品故、
今まで以上に気を張る!…
細心の注意を払いながらその炉の様子を見守っていると、
そこでも不思議な現象が!…
__ゴオオオオオォォォォ!!!……ユラァ!…ッ!?…
「ほ、炎の色が黄色から白に!?…
こ、これは不味い!!…
これ以上直視して居ったら失明する!!…
ッ~~!!…ッ!…
た、確かここに光を押さえる眼鏡なる物が!!…
ッ!…あ、あった!!…」
と言うのもその刀を入れた炉の炎に変化が!…
入れる前の炉の中の炎は色として黄色く燃えており、
温度としては3500度を超え!…
が、刀を入れた後だとその色は白に!…
白に変わるとその温度も跳ね上がり約6500度!…
それこそ太陽の表面温度と変わらないレベルで
発光すると、途端にドレッグも驚き慌てる!…
となるとその熱も相当なモノで
かなり熱い物となるのだが、
それよりも眩しい!とドレッグは慌て!…
その際炉の心配は全然全く気にして居らず!…
さも慣れた様子でそのまま放置…
それよりもこれでは炉の様子が見れない!と…
一旦その場を離れて何か探し物をし始めると、
直ぐに見つけた様子でそれを手に!…
自身の目にソレを掛ける!…因みにソレと言うのは!…
__…カチャッ!!…ッ!…
「おぉ~!!…これは良いな!…
これで炉の中が良く見れる!…
にしてもここまで発熱するモノを入れたのは
いつ振り位だろうか?…
窓を全開にせねば!…あぁヨイショッと!…」
__ガションッ!!…ゴゴゴゴゴゴ!!!…
ギュウウウゥゥゥゥンンン!!!…
まるでメガネの様なモノでレンズは黒く、
もっと簡単に言うとサングラスで!…
何なら今まで使った事が無いのか
ドレッグは掛けるなり驚きを露わに!…
それはとてもノリが軽く!…
現在進行形で炉の中が白く発光をしているのを見ても
さも楽しそうに反応をすると、
次にはその熱気を気にし始める!…
それは勿論炉の中で収まる事無く
外にも漏れ出るよう熱気を放つと、
その熱さからか引火しそうな感じで
燃えるモノは燻ぶり!…
が、それでもドレッグは慌てる事無く
カラクリを動かし!…一気に換気を!…
それこそ一気に酸素が流れ込み!…
今にも大爆発を起こしそうなそんな様子が見られると、
ドレッグは更にカラクリを!…
まるで読んで居た!とばかりに動かして行く!…
「ほい!…」
__ガションッ!!…ッ!!!…
ドッゴオオオオォォォォォォンンンン!!!!…
「ッ!?!?…な、何じゃこれはぁ!?!?…
まさかこの世の終わり!!!…」
「……ッ!?…お、おい!!…アレを見てみろ!!!…」
…当然これが現実の出来事ならば、
今頃ドワーフファミリアは吹き飛んでいる!…
しかしそこはご都合主義!…
ドレッグはカラクリで炉に蓋をしてしまい!…
その行き場のない圧力が炉の煙突を登って噴火!…
辺り一帯に衝撃波!…
及び轟音を立てる事になって行くと、
勿論そんな轟音に町の人達は
気絶してしまいそうな程に驚き!…
その轟音の聞こえて来た方をバッと振り向く!…
するとそこにはドレッグの工房の煙突より、
白い炎が立ち昇っているのが煌々と見られ!…
「ッ!?…な、何じゃあの白い炎は!?…
それにあの煙突!!…ッ!!…ドレッグの奴か!!…」
「…と言う事は何かまた
トンデモナイ物を作ろうとして居る!?…
……そう言えばこうしてあの白炎を見るの
はいつ振りじゃろうかぁ…」
「んな事を言って居る場合か!!!…
ワシャ文句を言いに行くぞぉ!!…
やるならやるで!!…
一声掛けてからにせいと言うたのに!!!…」
それを見て町の者達も何故か不思議と
納得をしてしまい!…
何ならあの光景を見るのはいつ振りか?と…
初犯で無い事を思い出し!…
ドレッグがまたトンデモナイ物を
作ろうとして居る事を悟って行くと、
各々怒りを燃やしたり興味を持ったり!…
とにかく野次馬と化して行く!…
そしてその様子を見ようと空いている窓から
その中の様子を見て行くと、
そこには全く悪びれる様子を見せる事無く
作業をするドレッグの姿があり!…
「…ふいぃ~!…
相変わらずおっそろしいもんじゃのぉ~!!…
…あぁ~…外に被害が出て居なければいいがぁ~…
…さてとにかく!…これで作業を続けられる!…
…それにそろそろ還元も出来て居るじゃろうて!…
久々に溶岩竜の作業着を着て!…って、ンン?…
なんじゃ?…ワシに何か用か?」
この時ドレッグも先程のは
それなりにビビって居た様子で、
しかしその畏怖の念も直ぐに消えてなくなり!…
となると続きが出来る!と次には喜びを露わにし出し!…
炉の様子が落ち着いて居る事を確認!…
確認した上で何やら専用の作業着に
着替えようとその場を後にしようとすると、
そこで野次馬達の姿も確認!…
まるでツッコミを入れる様に声を掛ける!…
するとそんな呑気を見せて居るドレッグに対して!…
先程の文句があるドワーフがカッとなると、
当然の如くドレッグに対して文句を!…
「ッ!!!…用が有るもクソも有るか!!!…
お主と来たらまた久々に
トンデモナイ轟音を立ておって!!…
町の外壁に凹みが出来たぞ!!…
如何するつもりじゃ!!!」
「ッ!…あぁ~ん?…
凹みくらい今更どおって事は無いじゃろうが!!…
…それよりもワシは今から忙しいんじゃ!!…
小言なら後にしてくれ!!…」
それは古くからドレッグを知っている様子で
文句を口に!…
その際先程の轟音に驚いた!と…
何なら確認をしたのかあの真鍮で
出来て居る外壁の柱に!…
凹みが出来てしまった事も続けて話すが、
ドレッグは真面に取り合わない!…
それよりも忙しい!と言って流してしまう!…
それはまるで目の前のモノに
没頭したい!と言った具合に!…
憎まれ口を叩いて見せると、
その言葉にそのドワーフも更に怒りを覚え!…
「ッ!?…な、何じゃとぉ~~!?…
ゆうに事欠いて小言じゃと!?…
ワシはなぁ!!…
お主に迷惑じゃと言うておるのじゃぞ!!!…
大体昔から!!!…」
「それを小言じゃと言うておるんじゃ!!!…
いいか!?…
こっちは今トンデモナイ珍品を扱っておるんじゃ!!!…
…それこそ《《その世の鍛冶の常識を変える》》!!…
《《そんな世紀の遺物をな》》!!…」
__どよぉ!?…ザワザワ!…ザワザワ!…
勿論治まる事無く更に文句を口に!…
それこそドレッグに迷惑!とはっきり言葉を続け!…
何なら昔の事まで掘り起こそうとして行くと、
ドレッグがその言葉に対して更に反論を!…
時間が無い!とばかりにあしらって見せる!…
その際自分が今何をしているか?についても話し出すと、
今やって居る事を世紀の発見!と言って
逆にそのドワーフを邪魔扱いし!…
となるとそのドレッグの言葉に
他の野次馬達も興味津々!…
しかし見えるのは白く発光する炉の様子だけで!…
他に何かしている様子が全く見られず
各々が戸惑った反応を見せると、
一方でドレッグと喧嘩をしている
ドワーフが更に文句を!…
絶対に折れない姿勢を露わにする!…
「だからと言って他人に迷惑を掛けて良い筈が無いじゃろうが!!!…
…やるにしても迷惑を掛けるな!!!…
他人を巻き込む様な事をするでないわあぁ!!!!…」
「あぁ~あぁ~分かった分かった!!!…
今度からは気を付ける!!…
…これでいいか?…
何度も言うがワシは忙しいんじゃ!!!…
…これはなぁ!…どんな事をしてでも!!…
どうしても仕上げねばいけない仕事なんじゃ!!!…
…#友の為にな__・__#!!…」
と言うのも勿論こっちのドワーフが言う事も
尤もであり!…
さも自身が皆の意見代表とばかりに
更に吠えて文句を言うと、
ドレッグももう相手にするのに疲れた様子!…
やはりあしらう様に適当な返事を口にする!…
何なら子供さながらに開き直る態度まで露わにすると、
こっちもこっちで絶対に折れず!…
その際最後に決意の言葉を!…
マサツグの事を言っているのだろうか
友人の為!と口にすると、
その言葉を聞いたドワーフは途端にハッ!と…
何か察した反応を露わにする!…
「ッ!!…フン!!!…
相変わらずの減らず口をぉ!!!…
いいか!?…
次やりおったらただじゃおかんからなぁ!?…
フン!!!…」
__ザッ…ザッ…ザッ…ザッ…
どよぉ!?…ザワザワ!…ザワザワ!…
それはやはりドレッグの事を知っている様子で
最後の最後まで文句で〆ると、
言いたい事は言った様子でスッとその場を後に!…
一方でドレッグはそんなドワーフの事など
如何でも良く!…
時間を無駄にした!とばかりに作業着を見つけると、
急いで着替えを終えて行く!…
さて着替え終えてからもドレッグは
休む事無く炉の方へ!…
そこでもはや刀の原形を留めていない
謎の灼熱の液体金属を見つけ!…
{……ッ!…うぅ~む…
やはり、[混合合金]で出来て居ったのか!…
そしてこの感じはオリハルコンにドラッケンナイト…
あと少量のミスリルも入っているか!…
…しかしこれは一体?…
この鋼鉄だけはワシも今までに見た事が無いぞ!?…
何ならこれらそれぞれの鋼鉄を合わせる上で!…
一番の要となって居る鉄の様にも見える!…
その正体がこれ…うぅ~む…
…いや、とにかくこれだけでも
分かっただけ良しとするか!…
そして幸いな事にこれなら
何とかワシでも打ち直す事が出来そうじゃ!!…
…若干鋼が足りん様に感じるから…
ここはアダマンタイトを足して…}
この時固い石で出来た撹拌棒を手に!…
炉の底に溜まったそのドロドロの液体金属を
掻き回しながら様子を見ると、
次にはその内容物を改めて確認!…
するとそこにはオリハルコンの他に
やはりドラッケンナイトが!…
ミスリルも少量ながら含まれている事が
分かって行き、その上でもう一つ!…
ドレッグ自身も分からない未知の金属が
使われている事が判明すると、
やはりドレッグは困惑!…と、同時に勿論興味を持つ!…
その際それら鋼鉄を一つにしているのは
その知らない鉄で間違い無い様で、
マジマジ見詰めてはまるで水あめを作る様に
練って行き!…
と、ここまで分かった所で何とか出来る!と…
だが元の刀に戻すには鉄が足りず!…
その際マサツグのオリハルコンと
アダマンタイトの両方をその足りない分だけ!…
同じ量で入れて行くと、
更に奇妙な光景を目にする事に!…
__ガラガラッ!!…スッ…ゴオオォォ!!!…
{ッ!?…さすがにこの高温となると
あのアダマンタイトでもすぐに溶けるか!…
まるで氷の様に!…ッ!?…}
幾ら耐熱耐火性のある作業着とは言え、
それでも熱いものは熱いので!…
これまた石で出来たペンチの様なモノで
鉱石を掴んで投入!…
その足りない分の鉄を足して
一つの鋼鉄を作ろうとすると、
そこで熱を受けて溶ける!…
まるで氷の様に素早く溶けて行く鉱石の様子を
目にして行く!…
何ならあのアダマンタイトでさえ
完全に溶かし切るには、
そこそこの時間を要するのだが!…
しかし瞬く間に溶けてなくなり!…
と、それを見てドレッグも思わず驚きを露わに!…
炉の中の温度に思わず若干の恐怖を感じると、
更にそこでもまた恐ろしい!…
奇妙な光景を目にして行く!…
__ジンワアァ~~~!!!…
…ボコボコボコボコ!!!…
{す、直ぐに順応した!?…
や、やはりこの鉱石は一体!?…
いやそれよりもまるで捕食して
我が物として居る様な!?…
…ワシは…ワシはもしかしなくても…
今トンデモナイ物を本当に相手にしているのでは?…}
それは先程入れた鉱石が溶けて
底に溜まる液体金属と合わさって行くのだが、
その順応速度が異様なまでに速く!…
と言うのも物によっては合う合わないと言うのが
勿論あり!…それらを確かめる!…
或いは合わせるに当たって
その特殊な条件を見つけたりするのがある筈なのだが、
その肯定をすっぽかす様にしてスッと一体化し!…
それはまるで生きて居るかの様に感じられ!…
先程入れた鉱石がまるで餌!…
思わずそんな風に感じてしまう程の
順応振りを目にすると、
やはり改めて驚いてしまう!…
さてそうして一応順応はしているのだが、
念の為撹拌棒で掻き回しながら様子を見!…
そして幾ら掻き回し熱を入れても
それ以上の変化はなく!…
一度それを取り出す様にしてインゴットの型に!…
流し込み二本のインゴットに変えて行くと、
今日だけで何度目となるか分からない驚きを!…
ドレッグは一人露わにする!…
__…インゴットの型に移して12時間後…
「…本来ならまる二日三日は
掛かると思って居ったんじゃが…
ここまで来ると何と言うか…」
__……スッ…ガゴン!!…コッコッコッ…ゴトンッ!!…
「…見事に冷えて固まって居る…
…一体何なんじゃこれは?…
太陽の様に熱を放ったかと思えば…
今度は夜の砂漠の様に急に冷える!…
…こんな鋼鉄見た事が無い!…そしてその硬度は…」
約6500度のアッツアツのモノを自然冷却するとなると、
当然の事ながらかなりの時間を要する!…筈なのだが?…
時間にして約12時間後!…
ドレッグがふとインゴットからの
熱を感じなくなってその様子を確かめると、
インゴットは触れられる程に冷えて居り…
仕舞にはその型より外せる位に固まってしまう!…
となるとその異様な熱の伝わり方に
ドレッグももはや可笑しい!と感じ出すと、
更にはある事を確認し出し!…
__……スッ…ッ!!…ガイイィィン!!!…
「ッ!?…グオオオォォォ!?!?…ッ~~~!!!…
う、腕が!!!…ッ~~~…
…ぜぇ!!…ま、間違い無い!…
強度で言えばアダマンタイト以上!!…
性質はそのままオリハルコンのそれを言った所!…
…そして!…」
と言うのもドレッグは徐にハンマーを手に!…
そしてそのインゴットを見据えて
思いっきりハンマーを振り上げると、
そのインゴットを叩いてしまう!…
するとその叩いた反動と言うのは
ビリビリと反射する様に!…
ドレッグの腕を伝って行くと、
堪らずドレッグも後退りをして怯み!…
何なら握っていたハンマーを落とす始末!…
しかしこれでドレッグは分かった!と…
ちゃんとオリハルコンとアダマンタイトの性質を
引き継いでいる事を理解すると、
更にもう一つある事も確認し!…
__…スゥ…コオオオォォ!…ボオォ!!!…
「ッ!?…やはりドラッケンナイトの
[属性付与]も生きて居る!…
…となるとあのミスリルは
[魔力伝導率]を上げる為の物?…
…とにかくこんな化け物鋼鉄!!…
今までに見た事が無い!!…」
それは腕の痺れが治まって来た所で行動を開始!…
と言ってもそのインゴットを手に取り!…
徐に先程まで使用していた炉の前へと移動をすると、
その炉の中の炎にインゴットを翳す!…
すると案の定インゴットは突如ボッ!と発火し出す!…
それこそ錆び付いていた時よりも
轟々と炎を立ち昇らせると、
ドレッグも改めてその様子に驚きを露わに!…
と言っても火が付いた事に対してではなく
その性質が残っている事に!…
今の所全て問題無く継承しており…
一つとして欠けているのが無い事に
有り得ない!と漏らして行くと、
ふとミスリルが混入していた事にも推察を!…
そして化け物鋼鉄と言ってその存在を疑い始める!…
それこそ白昼夢を見ているのか?とばかりに疑うのだが、
そのインゴットから感じる熱は本物で!…
__ゴオオォォォ!!!……ジュウウウゥゥゥ!!!!…
「何て恐ろしいモノを!!…
…いや、ワシも復活させてしまったんじゃ!!…
…これは世に出して言い物なのじゃろうか?…」
__…頼んだぜ!!…ジッチャン!!!……ッ!!…ッ…
と、いつまでも炎を纏わせる訳にも当然行かず!…
一旦水桶の中に入れて炎を鎮火…
それからカウンターの上に置いて改めて!…
トンデモナイ物を拾って来た!とばかりに
マサツグの豪運に驚いて見せると、
次には自身もそれを復活させてしまった事に戸惑い!…
となるとそんなインゴットだけで
もはや兵器の様なモノ!…
世間に出して良いのか!?と思わず本来の目的を
忘れそうになって行くと、
次にはフッと頭の中でマサツグの声が!…
それは最後にここを後にする際仕事を頼んだ
マサツグの声で、
ドレッグもそれを思い出した事でハッと我に返り!…
「…いや!…完成させねばならんのじゃ!!!…
これはあの者の為に!…
そしてワシのプライドがそうさせる様に!!…
…よし!!…覚悟は決まった!!…
これが最後の仕事になろうとも!!…
ワシは一切の悔いを残さん!!!…
生涯最後となるやもしれないこの仕事を!!!…
完璧にこなしてそして!!…
後世にその技術を残してくれ!!!…」
__パアアアアァァァァ!!!…
それはまた使命感に燃え出すとマサツグの為にも!と、
そして自身の職人としてのプライドがそうさせる!と
続けて漏らし!…
すると次にはギュッと拳を握って天井を仰ぎ!…
決意を新たに最後までこの仕事を完遂する事を
心に決めると、更にもう一つある覚悟を!…
悔いは残さない!と更に決める!…
それは自身が廃業するかもしれない事を示唆するのだが、
それでも構わない!とばかりに
そのインゴットの置いてある方へ振り向き!…
するとそこには七色に若干光を放つインゴットが二つ!…
それはまるで早く元の姿に戻してくれ!とばかりに
輝き!…
ドレッグもそんなインゴットの意を察した様子で
ハッとすると、思わず笑みを!…
「ッ!…フフフ!…本当に…世にも奇妙な金属よ!…
…さぁそうとなれば作業再開!!…
ここからは気の遠くなる作業になりそうじゃわい!!…
あぁっはっはっはっは!!!…」
不思議とそんな意を感じられた事でもはや笑いが!…
となるともうこれ以上驚く事も無くなって行き!…
とにかく今からやる作業も不思議と
楽しみになって来ると、
言葉数が徐々に増えてくる!…
それは誰かと会話をして居る様な気分になる!…
その際勿論その場に居るのはドレッグだけで
他に誰も居らず!…
と、この時未だ窓の外には野次馬の影が!…
当然その光るインゴットが気になる様子で
凝視しており!…
同時にドレッグの独り言が増えた事にも
気が付いて行くと、耄碌したのか?と…
思わず心配になるのであった!…
尚この刀が完成するのはもう少し先の事で有り!…
この頃マサツグ達はと言うと、
七合目に挑戦しては幻覚を見る等して居り!…
とまぁそんな事は如何でも良く!…
その際ドレッグの言った言葉と言うのは
ドワーフファミリア全体に激震を走らせ!…
ドレッグを慕う者は失敗しろ!と…
ある者はそのインゴットを盗もうと
画策する事になるのであった!…
因みにドレッグと喧嘩をしていた
ドワーフの正体はと言うと、
かつてのドレッグのライバルで有り!…
今はもう引退して自身の息子に
工房を引き継がせた者で!…
「…チッ!!…相変わらずいけ好かない奴め!!…
なぁにが世紀の遺物じゃ!!!…
…にしても…あ奴が友の為とは!…
あんな口を聞いたのはいつ振り位じゃろうか?…
…まぁそれだけ奴にとっても本気と言う事か…
…あ奴アレを本当に作り終えたら
死ぬんじゃないじゃろうな?…」
__ザッ…ザッ…ザッ…ザッ…
…ガチャッキイィィィ…バタン!…
「…やれやれ…確かにあ奴は気に食わんが…
あの謎に光る鋼鉄が何なのかはワシも気になった!…
…ふむ…どぉれ?…
久々にあ奴にちょっかいを出して見るか!…
ふっふっふ!…
…となるとアレは何処にしまったかのぉ?…
引退してからもう触って居らんからなぁ?…
まだ使えると良いんじゃが?…
…ッ!…おぉ~い!!…ばあさんや!!…
ワシのアレ!!…何処にしまったかのぉ~?」
何だかんだ言いながらも気に掛けている様子!…
ドレッグが[友の為!]と言った事を気にしており!…
それはドレッグがあの言葉を使った意味を
知って居る様で!…
その際気合の入れようが違った事も察しており…
久しぶりにドレッグが本気になった姿を見て
何か不安を感じて行くと、とにかく自身の家に戻る!…
そしてそのドワーフも
静かにある準備をするのであった!…




