-第六章六十三節 ラグナスの変化と卒業試験と惹かれる師弟!-
さて早々にトーナメント準々決勝第一試合が終わり!…
観客達に歓声を浴びながらマサツグが
控え室へ戻ろう!と…
闘技場通路の道中を歩いて居ると、
その対面の方向からシルビィとラグナスが歩いて来る!…
と言うのも本来なら準々決勝第二試合は
オリハVSリーナとなって、
二人が歩いて来る筈だったのだが!…
リーナが思いの他傷を負って居るとの事により
棄権扱いになり…
となるとオリハが自動的に準決勝まで
進出扱いになって行き!…
そして続けてトーナメントは
シルビィVSラグナスの試合に!…
その二人が今こうして歩いて来ているのが
その試合前の光景として、
マサツグの目の前に映って行く!…
さてそうしてマサツグが構わずそのまま歩いて居ると、
向こうも双方共にマサツグが歩いて来ている事に
気が付いたのか…
「ッ!…旦那様!…準々決勝の方、お疲れ様でした…
やはりハティビィエール様との訓練後だと
少々物足りなかったのではないでしょうか?…」
シルビィはマサツグに気が付くなり
既にその結果を知って居るのか、
勝利を喜ぶ様に笑って見せては労わりの言葉を!…
やはりハティとの訓練がアップ代わりになった!と話し…
何なら相手闘士とハティを比べた様な言葉も口にすると、
そのシルビィの言葉にマサツグは戸惑い!…
否定出来ない様なそんな返事を口にする!…
そして言葉を濁しマサツグが苦笑いをしていると、
一方でその隣に一緒に居るラグナスの様子が気になり!…
「え?…あぁ…いやぁ…
って、それよりラグナスの方は大丈夫なのか?…
見た感じ全然休めていないって感じがして…
何なら今にも倒れそうなんだが?…」
「…正直な所を言うとかなりシンドイです……
それに今から戦う相手が隊長となると
もはや生きて帰れるかどうか…」
と言うのもラグナスのその様子と言うのは
ボロボロであり!…
まだ前の戦いのダメージを引き摺って居るのか?…
何か疲労困憊の様に見えてしまうと、
マサツグが心配をする様に声を掛け!…
すると案の定その問い掛けに対して
ラグナスがシンドイと返事を口に!…
それでも心配をさせまい!と苦笑いをして見せ!…
何とかスッとダメージを感じさせない様に
立ち振る舞おうとするのだが、
やはり若干フラ付く様な素振りを…
明らかに大丈夫でない様子を露わにする!…
何なら今から戦う相手は自身の師匠である
シルビィな訳で!…
その様子は宛ら断頭台に立つ囚人の様に見えてしまうと、
何か哀れみも感じてしまい!…
{…もはや生きる希望も無しと言った
絶望に満ちた目をしているなぁ…
…一応ライカンスロープ最強と言われているのに…
この有様をあの観客達に見せるのか?…
戦う前に完全に屈服してるぞこれ?…}
「…まるで私の事を鬼の様に言いますね?…
この馬鹿弟子………良いでしょう…
お望みどおり天国に連れて行ってあげましょう…」
「……地獄への間違いでは?…」
ラグナスの虚ろとした生気の無い目に!…
マサツグがもう試合をしなくても良いのでは?と
感じて居ると、そのラグナスの言葉が
気に入らなかったのか…
シルビィはラグナスの方を振り向いては
ニッコリと笑い!…
そこでラグナスに死刑を宣告するよう
天国へ連れて行く!と公言をすると、
その容赦の無さにマサツグも改めて戸惑い!…
シルビィの鬼具合にも驚いて見せる!…
するとその隣では堂々死刑宣告をされたせいか
絶望の表情のまま笑い出し、
スゥと静かに涙を流すラグナスの姿が…
その際最後の抵抗かツッコミを口に!…
するとそれを聞いてシルビィもピクッと反応をすると、
訂正の言葉を口にする!…
「おや?…そちらの方がお望みですか?…
では地獄に落としてあげましょう!…
…それでは旦那様?…失礼致します…」
__コッ…コッ…コッ…コッ…
まるでラグナスのツッコミを要望と聞いた具合に
返事をすると、
シルビィは表情をそのままにお望み通り!と…
やはり芯はブレない様子で堂々と死刑を宣告して行き!…
そしてマサツグに対して会釈をしながら!…
一人先を行く様に挨拶をしてその場を後にして行くと、
凛と澄ました様子を崩す事無く!…
更に堂々の王者の風格を放って見せる!…
するとそんなシルビィの様子に!…
マサツグとラグナスが戸惑った反応を取っていると、
ラグナスも覚悟を決めた具合に言葉を口に…
「……はあぁ~~……ではマサツグ殿…お達者で…」
__トッ…トッ…トッ…トッ…
「…はあぁ~……ったく!…
ラグナス!!…受け取れ!!」
大きく溜息を吐きながらトボトボ歩き!…
まるで最後の言葉とばかりに不穏な挨拶もして見せると、
本当に死にに行く様な様子を!…
となるこれにはマサツグも同情をしてしまい!…
次には自身のアイテムポーチからエリクサーを
一本取り出して見せると、
一度ラグナスを呼び止めに掛かる!…
そしてラグナスもそれに反応して
クルッと振り向いて行くと、
マサツグもそれを確認するなり投擲!…
__ッ!…クルッ?…ヒュッ!!…
「ッ!……マサツグ殿?…これは?…」
「とにかく飲んどけ?…
それを飲めば抵抗は出来るから!」
「ッ!…は、はぁ…」
振り返るなり得体の知れない小瓶がラグナスの手元に!…
となると当然ラグナスは戸惑って見せて行き!…
次にはその正体について投げて来た当の本人に
質問をすると、マサツグはとにかく飲め!と…
飲めば分かる!とさもアントニオみたいな事を
口にする!…
するとそんな返答にラグナス自身も
更に戸惑った様子で言葉を漏らすと、
一応は勧められた物と思い封を切り!…
するといつもの様にパキュッ!と
炭酸が弾ける音が鳴り!…
その未知なる音にやはり多少の躊躇いは感じつつ!…
それでも一口飲む物と思い含んで行くと、
何故かそのまますぅ~ッと飲めてしまう!…
そして次にはドクンッ!と体を跳ねさせる!…
__パキュッ!!…ゴクッ!…ゴクッ!…
…ッ!!!…ドクンッ!!!…
「ッパァ!!…な!…何ですかこれは!?…
さっきまでの疲労感が!?……ッ!!…
それだけじゃない!…前の戦いの傷も治ってる!?…」
凄く戸惑った様子でラグナスがエリクサーを
飲み切って息を漏らすと、
途端にその効力に驚きを示す!…
その時その反応振りと言うのは、
某・昔にあったイケメン俳優の
ビタミン飲料CMの様な変わり様で!…
陰鬱な雰囲気が一気に吹き飛び!…
気力体力共に全快した様子を見せて居た!…
そしてラグナス自身も今までに体験した事の無い
体感に驚き続けると、次には自身の体を見回し!…
先程まで痛かった痛みも無く!…
寧ろキズが完治している様子まで目にすると、
ただただ戸惑いの言葉を漏らす!…
さてそんなラグナスの様子にマサツグも
効いた!と言った具合に安堵すると、
今度は何故かシルビィに目一杯対抗するよう
指示を出し!…
「シルビィと戦う事は避けられなくても…
万全な状態に回復させる事位は出来るだろ?…
それ飲んで頑張って来い!…
んでもって目一杯足掻いて来い!!…
案外勝てないと思い込んでるだけで
勝てるかもしれないぞ?…」
「ッ!…い、いやいや!…何を言って?…
…勝てるかも…しれない?………ッ!!!…」
この時マサツグとしては自身の名誉を
守らせる的な意味で!…
シルビィを倒して来い!と言うのだが、
それを聞いたラグナスは当然驚いた様子で戸惑い!…
と、次にはその言葉の真意について質問を口に!…
だがそれを言い切る事はそのまま無く!…
途端にハッ!とした様なそんな表情を浮かべて見せると、
これまた何かを思い出した様なそんな反応も
露わにする!…
と言うのもこれは今のラグナスに
取って必要な記憶そのものであり!…
シルビィを慕う理由でもあり!…
{…いいか!!…
今から言う言葉は一度しか言わないから
良く胸に刻んで置く様に!!…
これから貴様達は女王様に仕える!…
立派な兵士として任務をこなして貰う事になるのだが…
その際、強敵と対峙する事があるやも知れない!!…
それは最初から勝てないと分かっていても!!…
戦わないといけない時と言うのは
兵士なら誰にでも来る!!…しかし!!…
だからと言って最初から負けると
悟って戦うのでは無く!!…
たった一筋の可能性からでも勝利を掴み取ろうとする!…
その心が大事なのである!!…
兵士諸君にはそれを胸に刻んで
今後の任務に当たるよう切に願う!!…
これは!!…教官としての私の最後の言葉である!!…
以上!!!…(ハッ!!!……)}
「………。」
その際ラグナスが思い出した記憶と言うのは、
まだ自身が訓練兵であった頃のモノであって!…
シルビィが自分や他の者達に宛てた言葉を
ふと不意に思い出してピタッと固まると、
次にはその表情はスッと真剣なモノに!…
それはまるで忘れていた記憶を
取り戻した様にも見えて行き!…
その言葉を思い出してラグナスが
突如俯きプルプルと震える!…
そんな反応を取って見せると、
マサツグも当然戸惑いを露わに!…
心配をした様子で声を掛ける!…
「…ッ?…ラ、ラグナス?…どうした?…」
{…最初から負けると悟って戦うのでは無く!!…
たった一筋の可能性からでも勝利を掴み取ろうとする!…
その心が大事なのである!!…}
__……ッ…ッ~~~!!!…ギュウゥゥ!!!…
「…お、おい?…やっぱエリクサーはヤバかった…」
思わずエリクサーが不味かったのか?と考えると、
女王の時みたいに不安を覚え!…
しかしその一方でラグナスは
改めてその言葉を心の中で復唱!…
強大な相手が立ち塞がろうとも
果敢に逃げる事無く戦う事を誓い!…
その事を忘れるな!と訓練生のラグナスに言った
シルビィの姿も思い出すと、
徐々に自分に恥ずかしさを覚える!…
そして自身にキツく当たって来て居た理由についても!…
まだ未熟であるからこそのモノだと理解をすると、
まるで悔しがる様にギュッと拳を握り!…
と、一方で何の返事も無い事にマサツグは
更に戸惑う始末!…
やはり何か有ったのか?と言った具合に
再度声を掛けようとして見せると、
次にはラグナスが決意!…
__…ッ!!…
アオオオオォォォォォォォォォオンンンン!!!!…
「ッ!?…な、何だ何だ!?…」
「ッ!?…」
__ッ!!!…どよどよ…どよどよ…
それは不甲斐ない自分に対して叱咤する様に!…
突如天を仰ぎまるで自身の恐怖心をも振り払う様に
吠えて見せると、そのラグナスの様子に更に困惑!…
マサツグは慌てに慌てて見せる!…
その際何が起きたのか分からずただラグナスの事を
見詰めて固まり!…
と、その一方でラグナスの遠吠えは闘技場全体に
響き渡り!…シルビィの耳にも!…
何なら観客達の耳にもスッとその遠吠えが
聞こえて行くと、勿論各々戸惑い始める!…
それは突然の遠吠えに対して何なのか?と…
緊急事態なのか!?と騒然とし!…
しかし同じ様に遠吠えを耳にしたシルビィは
慌てる様子を見せる事無く!…
寧ろフフッと笑って闘技エリアに立って見せると、
徐にやる気を滲ませる!…そして!…
暫くしてシルビィの反対側より
何者かの視線を感じて行くと、
今度は走って来る足音も聞こえ始め!…
__…ッ!……タッタッタッタッタッタ!!…
「…来ましたか…何やら突如覚悟を決めた様子…
さて、どの様な覚悟を決めたのか?…」
__チャキッ!!…
タッタッタッタッタ!!…シュボ!!…
その走って来る足音に確信を!…
と、同時に何かラグナスの心情を読み取った様子で…
更には何かを期待した具合に言葉を零すと、
徐にスッと槍を構える!…
それはもうこれ以上言葉は要らない!と言った具合に
殺気を放つと、その対面のゲートからも勢い良く
何者かが飛び出し!…
と言ってもその飛び出して来た者の正体と言うのは
ラグナスで!…
ラグナスもシルビィの前に立つと殺気を放ち!…
先程までの様子を微塵にも見せない具合に
睨んで見せると、一気に場の空気は緊張に!…
一触即発の状態になって行く!…
__…ザン!!……スッ…
「………。」
勿論そこに居るのは先程までボロボロだった
ラグナスの姿では無く、エリクサーを飲んだ事で
完全回復をして来たラグナスの姿で!…
宛らもその様子は某・竜玉集めの漫画の
復活シーンの様子で有り!…
シルビィもそんな様子に驚く事無く!…
ただラグナスを見詰め静かに槍を構えると、
ラグナスの出方を伺って見せる!…
しかしその一方でラグナスはその前に
何か話がある様子で口を開くと、
徐にシルビィの事を今の名前で呼び出し!…
「…隊長!!……いや、シルビィーナ!!!…」
「ッ!…」
「今まで私は貴方に半人前扱いを受け続けて来る度に!…
何が駄目なのかと思っていましたが…
今になって漸くその理解出来ました!!…
私は今まで貴方に対し!…
兵士としての姿を見せて居なかったからです!!…
あの霊峰の三合目で出会った時…
貴方はアレクシアと名乗って出てきました!!…
そしてそれを聞いた私は思わず!!…
警戒もしないままその姿を現し!!…受け入れた!!!…
それはシルビィーナとしての貴女にとっては!!…
好都合だったかもしれないが!…
自分の育てた兵士としては不合格で!!…
アレクシアとしては許せなかった!!!…
ましてやかつてのその弟子は元教官に勝てないと
最初から諦めた態度で服従し!!…付き従う始末!!…
さぞ教官殿の腹の虫も煮え繰り返った事でしょう!…」
「………。」
この時一度は隊長と呼ぶのだが、
直ぐに改まった様子でシルビィと呼び直し!…
するとそんな呼び直しにシルビィも
若干驚いた様子でピクッと…
しかしそれ以上動じる事無く…
ただ槍を構えラグナスの事を
ジッと変わらず見詰め続けて行くと、
ラグナスもラグナスで話を続ける!…
それはシルビィが辛く当たって来る理由に
気が付いた様子で話し出すと、
今までの自身の様子についても思い返す様に話し!…
そしてその時のシルビィの心情についても話しを続け!…
そんなラグナスの話に観客達も
何が何だか分からない様子で戸惑い出すと、
少しながらにざわつき始める!…
しかしだからと言ってその様子を
誰一人として止める事も勿論なく!…
ラグナスも続けてシルビィに話しを続けて見せると、
徐々にシルビィにも変化が!…
「確かに今の私は貴方に半人前と言われて当然です!!…
何故なら最後に貴方が残していった言葉を!!…
自身の胸の中に刻め!と言われたにも関わらず!!…
その兵士は!!…
何も覚えていない様子だったからですね!!!…」
「…この際ですから尋ねておきます…
何が言いたいのです?…私は今…
貴方の言うシルビィーナとして話を聞いているのですが…
貴方の意図が全く見えません…
貴方は私に何を認めて欲しいのですか?…」
「ッ!……ッ~~~!!…」
それはラグナスが自分の未熟さを認め!…
握り拳を作って俯き悔しがる姿を見せて行くと、
シルビィは呆れた様子で言葉を!…
何なら既に答えは分かって居る!と言った具合に
敢えて尋ね!…
その際も一度構えを解いてまるでスラッとボケる様に!…
ラグナスへ自身の本心を尋ねる様に煽って見せると、
ラグナスもそのシルビィの言葉を聞いてハッ!と…
闘志に火が点けた様な表情を見せる!…
そしてこの時ふとモツ達も
そんなラグナスの様子を見る一方で!…
シルビィの方もチラッと見ると、
そこにはいつもの澄ました表情を無く!…
「……ッ!…ア、アレ?…シ、シルビィ?…」
__ギンッ!!……スウゥ…ッ!…
「…私は!…ッ~~!!…俺は!!…」
__…グッ!!…バシュウゥゥンン!!…
言うなればまるで師匠の顔!…
何か弟子の成長具合を見る様に!…
険しい表情を浮かべるシルビィの様子を目にして行くと、
その初めて見る表情に思わず戸惑い!…
そして絶句をしてしまう!…
しかしそんなモツ達の事など当然知る由もない!…
シルビィはジッとラグナスの事を睨んで行くと、
堂々の仁王立ちをして見せ!…
と、そんなシルビィに対してラグナスも感情を露わに!…
それはシルビィに触発された様子で
決意を改めて固めて行き!…
そして顔をパッと挙げてその手に自身の魔力で
武器を生成し出すと、次にはシルビィでは無く
アレクシスホワイトファングに!…
一人の戦士として宣戦布告をし始める!…
「……俺は貴方に!!…
アレクシスホワイトファングに
ちゃんと認められた兵士になる!!!…
…前置きが長くなって申し訳有りませんが!…
改めて再卒業試験にお付き合い願えますか!!!…」
「……ふふふ!……何を急にとは思いましたが…
相変わらず…ド直球の馬鹿者ですね?…ふふふ!…
…ッ…よし、良いだろう!!…来い!!!…」
ラグナスは両手に生成武器を握り締めると構えて見せ!…
そして覚悟が決まった表情でシルビィの事を睨み!…
するとその宣戦布告を聞いた所でシルビィも
フッと冷静に!…
そこから可笑しかったのか若干の笑みを零して見せ…
そして素直に思った事もポロポロと言葉で
漏らして行くと、途端にその意を汲んだ様に!…
その表情と口調を変えて見せる!…
それは教官時代に戻ったよう厳しいモノに変えて行くと、
再度槍を構え直してはラグナスを睨み!…
と、これによりやっと本格的に戦闘開始の方向へと
進んで行き!…
観客達も先程までのあの話に何が何だか?…
しかし遂に始まる!…
ライカンスロープ最強VS伝説の闘神の姫の戦いが
始まる事だけを理解すると、
途端に観客達は盛り上がり様を露わにする!…
それはまるで霊峰の闘技場ファンの誰もが
望んだ様子で熱気を放つと、
それにを応をする様にドラ係が勢い良くドラを叩き!…
__ボワアアアァァァァァァァァァァンン!!!…
バッ!!!…
「「ハアアアアアァァァァァァァァ!!!!」」
__ガキイイィィン!!!…
ワアアアアアアアアァァァァァァァ!!!…
「「ッ!!…
ハアアアアアァァァァァァァァ!!!!」」
試合開始のドラの音を合図に両者共に一気に飛び出し!…
自身の持っている武器を振り被り!…
逃げる事無くまずは真正面からぶつかって行くと、
闘技エリア内に激しい衝撃音が!…
それはまるで挨拶代わりと言った具合に響いて行く!…
すると最初っから大迫力のぶつかり様に!…
観客達もこれが見たかった!とばかりに歓声を上げると、
更に興奮をした様子で沸きに沸き!…
そこからはまるで鍔迫り合いを嫌ったよう
両者共に弾き合って仕切り直し!…
更には演舞の様に!…
シルビィとラグナスは互いに一歩も退かない!…
一撃の繰り出し合いへと発展させると、
観客席に居るモツ達は本気でぶつかり合う
二人の様子を見て…
さっきのやり取りは何の事だったのか?と疑問を持つ!…
__ガキン!!…ガキン、ガキン、ガキン!!…
「…さっきの二人の会話…如何言う意味だったんだ?…」
「…わ、分からないけど…
とにかく本気のシルビィちゃんと
戦いたい!って言ってたのかな?…
戦う前に昔話とかが混じってたみたいで
良く分からなかったけど…」
「…まぁ、とにかくあのラグナスっちゅうのは…
一回本気のシルビィに勝ちたいって
思とったんとちゃうか?…
ほれ?…実際本気でぶつかり合ってる訳やし?…」
「……如何だろうな?…
私にはただ戦いたいと言う
思いだけではない様な気がするが…
話を聞く限りもっとこう…
複雑な気持ちが混ざっている様な?…」
と言うのもあの様子と会話の内容から!…
決して不和が生まれたとかそう言うのでは無い!と
言うのは分かるのだが、
それでも突然のあのラグナスの変わり様に
一同はやはり疑問を覚えるモノで!…
となると各々思った事を口にし出し!…
あぁでも無いこぉでも無い!と…
二人の戦いを見ながら
モツ・くまさん・マサキ・パルシィが
議論を口にして居ると、
一方で更にその戦闘の激しさは増し!…
__ガキン!!…ヒュン!!…バッ!!!…
ガキキキィィィ!!!…
それは徐々にヒートアップして来た様子で
やはり一進一退の攻防を続ける!…
ラグナスが斬り掛かればシルビィが
槍でその攻撃を弾き!…
その流れでクルリと舞う様に回って見せると、
追撃をしようと横薙ぎに!…
だがラグナスも紙一重にその横薙ぎを
バク転で回避して見せ!…
着地した際しゃがんだ状態!…
そこから一気に飛び出す様にして
膝のバネを使ってダッシュをすると、
更に攻撃を繰り出しに掛かる!…
その際また攻撃が飛んで来ても
大丈夫な様に自身の顔の前で!…
氷と炎の剣をクロスさせる様に構えて見せると、
シルビィを射程圏内に入れた所で振り下ろし!…
しかしシルビィもそれを読んで居た様子で受け止め!…
ラグナスの動きに関心した様子で言葉を口にし始めると、
不敵にニヤリと笑って見せる!…
「ッ!!…ほほぅ?…
さすがライカンスロープ最強と言われるだけの
実力は有るな?…攻撃を的確に!…
叩き込んでは回避も同時にする!…
その身軽さを生かした一撃離脱振りは
相変わらず面倒だな!!」
「はぁ!…はぁ!…お褒めに預かり光栄です!!…
ですがこれだけ攻撃しているのに!…
まだちゃんとした攻撃は一度として当たっていない!!…
余裕が有るのか無いのか分からないその防御を!!…
破ろうとするのは未だに至難の技ですよ!!…
ハアアァァ!!…」
__ガキィィン!!!…ザザアアァァ!!!…
シルビィ自身別にラグナスの事を
とことん認めて居ないとかそう言うのではなく、
その狼らしい動きを褒める様に言葉を口に!…
と、その一方でラグナスも素直に
そのシルビィの言葉を受け取って返事!…
しかし一撃を与えられて居ないのもまた事実!…
ラグナスもシルビィが厄介と言った様子で
言葉を続けて行くと、
互いに弾き合っては仕切り直し!…
何度目となるか分からない
その距離の取り合いに発展する!…
尚ここまでずっとトップギアで戦っていたせいか、
両者共に徐々にではあるが息を切らす様子も
チラホラ見られ!…
その都度両者の動きに緊張が走り!…
観客達も如何にもその光景に
何か疲労感の様なモノを覚え出すと、
手に汗を滲ませ始める!…
さてそんな二人の戦いと言うのは、
展望デッキに返って来た
シロとハティの目にも当然止まり!…
二人はまるでその戦いぶりを吸収する様に
ジッと見詰め!…
「……さすがシグルーンお姉さんなのです!…
あんなにも攻撃を受けているのに
全部弾いているのです!!…
まるで槍がお姉さんを守っているみたいです!…」
「それもそうですが
あのラグナスお兄さんも凄いのです!…
何度も弾かれているのに攻撃の手が止まらない!…
まるでお兄さんの腕が沢山有る様に見えるのです!…」
ハティはシルビィの方を一点に見詰めると、
その攻撃の弾き方を真似する様に
手をパタパタと動かし!…
一方でシロはラグナスの方を一点に見詰めると、
その足捌きを真似する様に足をバタバタと
動かして見せる!…
そして互いに無自覚なのか気にする様子を
見せる事無く!…
ただジッと戦闘の成り行きを見詰めて居ると、
一方でその二人の様子に女王は悲し気な…
辛そうな表情を浮かべては二人の事を心配する!…
と言うのもこのトーナメント戦の後の事を
考えると憂鬱で仕方がなく、
早く終わらせようとするマサツグ達に対して
女王は戦闘が長く続く事を祈り!…
と、同時に後継者争いを回避する方法を必死に考え!…
これまたその一方ではマグダラスが
何か妖しい笑みを浮かべて見せると、
不穏な空気を静かに放つ!…
__……ニヤリッ!……チラッ?…チラッ?…
{…あの子達が闘士達の戦いぶりを
見て学ぼうとしている!……
このトーナメントが終われば
一対一の決闘が待っていると言うのに!…
…スコルティナが届けてくれたと言っていましたが…
そこからあの紙気付くかどうかはシグルーン次第!…
気付いたとしてもこのトーナメント表を見る限り…
確認する時間はほぼ無いに等しいですし…
何とか早くあの書置きに気付いて貰わないと
大変な事に!!!…}
「「……やっぱり凄いのです!…」」
それはまるで何か頃合いを見計らう様にチラチラ確認!…
仕切りに女王の様子に目を向け!…
一方で女王はそんなシロ達の無邪気な様子に
やはり何か悲しさを覚え!…
そしてシロに渡した手紙の事についても気に掛け!…
シロから話を聞いたのか…
とにかく自身の思惑に気付いて欲しい!とばかりに
祈って居ると、シロ達はそんな女王の事など露知らず!…
ただただ二人の戦いに目を真ん丸にして見せる!…
さてその様子は観客席に居るある子狐にも
見られる様子で!…
二人が遂に膠着状態に入って行くと、
息を呑んではいつ動くのかとワクワクしており!…
__……ゴクッ!!…
{…クッ!…シルビィにラグナスの奴等め!…
中々に面白い戦いを見せ居る!!…
わっちが気になっていたのは
正直マサツグだけと思っておったが!…
こうも見応えの有る戦いを見せられては
疼いてしまうではないか!!…}
__うずうず!!…ムズムズ!!…
うずうず!!…ムズムズ!!…
「…ッ!…如何した玉藻前?…
何をそんなにウズウズしているのだ?…
トイレなら早めに行った方が…」
「ッ!?…違うわい!!!…」
二人の一進一退の攻防はフィロの興味をそそったのか、
まるで無邪気な子供の様に夢中になっており!…
それは次第に何か興奮した様子でムズムズ!と…
今にも飛び出しそうな感じで軽い地団太を踏んで
尻尾も振って行くと、
その様子にパルシィがハッ!と気が付いた反応を…
次には誤解した様子で呼び掛ける!…
それこそトイレを我慢して居る様に
見えて居る事を口にすると、
フィロもその事を言われて違う!と
はっきりツッコミを!…
と、その一方で遂に決着の時が来たのか!…
互いに残りの体力的な事を考えて
自身の最高の技を放つ構えを見せると、
最初のぶつかって行く様子の再現みたく!…
真正面から突っ込んで行くのであった!…




