-第六章六十二節 荒れた修練場とシロお姉ちゃんと時の闘士-
さてシロに勝利を約束して闘技エリアへ
向かったマサツグの一方で、
改めて先程まで訓練がされて居た所に戻って行くと…
その修練場内はまるで氷室の様にひんやりとして居り、
恐らく立て掛けてあっただろう木製の武器も
散乱している様子が伺えると、
その訓練の激しさを物語っていた!…
何なら修練場自体が凍結して居る所が多々あり、
マネキンも無双されたように地面に転がり!…
と、そんな様子を見てシルビィも戸惑い!…
ふと先程のマサツグの様子に気が付いた様で、
ハティから一撃も浴びて居ない様子で
あった事も思い出すと、
更に妙な物まで目にしてしまう!…と言うのも…
{……かなり荒れていますね…
幾ら使われていなかったにしても
こんなにも汚い筈がありませんし…
恐らくはこの訓練場全体で戦っていたのでしょう……
…ッ!…ですがこの跡は何でしょうか?……
リングの上…執拗なまでの円形状に踏み固められた跡…
それもつい最近出来た様に見えますが…
…まさか旦那様が?…}
シルビィが見つけたのはそのリング上、
ほぼ中央付近で妙に踏み固められた様な円形状の跡!…
それはそこに立って居たのが容易に伺え、
そこから一歩も動いて居ない様な!…
そんな痕跡の様子にシルビィもまさか?と考え出すと、
それはマサツグのモノとも困惑する!…
因みにその様な円形状に踏み固められた痕跡は他になく、
本当にリング中央付近にたった一つだけ
残されては異様さを物語っており!…
と、とにかくそうとしか思えない光景に
シルビィは戸惑い!…
ハティを膝枕しながらマサツグの足取り?を
目で追う様に見回して居ると、徐々にハティが目を!…
「…う…うぅ……」
「ッ!……目をお覚ましになられましたか?…」
「…あれ?…シグルーンおねえさん?…
如何してここに?………ッ!?…
…そうです、人間さんは!?…ッ!!…」
それはまるで朝の目覚め様に目を覚まし…
シルビィもそんなハティの様子に
ふと気が付いた具合で視線を向けると、
次には声を!…若干の心配を露わにする!…
するとその呼び掛けに対してハティも
目をパチパチとさせて行くと、
今度は自身が何故横になって居るのかについて疑問を…
が、それも直ぐに気が付いた様子でハッ!として見せ!…
途端に体を起こしては辺りを見回し!…
マサツグの姿を探して見せると、
シルビィが落ち着くよう声を…
更にハティの体を心配する!…
「あぁ!!…そんな急に動かれてはなりません!…
…あの後ハティビィエール様は
見事旦那様の訓練に耐え抜かれ!…
酷く疲れた様子でその場にお崩れになったのです!…
…それと旦那様からエリクサーを
預かっていますのでこちらを…」
それこそ突如跳ね起きるハティの様子に
シルビィが静止を促し!…
手でスッとハティを捕まえて
直ぐに落ち着かせに掛かって行くと、
然程力を入れて居ないにも関わらず
ハティの体はパタッと倒れ!…
と、それだけ消耗をして居る事にシルビィも気付き!…
されたハティも若干吃驚した様子で
自身の消耗具合を理解すると、
次にはシルビィの膝の上で脱力!…
一旦は落ち着きを取り戻して見せる!…
「ッ!……ッ…そ、そうなのですか?……ふうぅ~…
あ、ありがとうなのです……これは?…」
「…そうですねぇ…
凄い薬…とだけ申し上げておきましょうか?…
さすがに私も使った事が無いのでアレなのですが…
その効力は絶大!…
旦那様が持っている薬の中で最高級の物だとか…」
この時自身でも消耗して居る事は分かって居るが、
それでもやはりマサツグの後を追い駆けたい様な…
しかしそれをグッと堪えて見せると、今は回復に努め!…
そしてシルビィからエリクサーを手渡された事で
これは何?と…
やはり未知な物に対して若干戸惑い!…
シルビィもその問い掛けに対して
自身も良く分かっていない具合に話しをすると、
とにかく凄い物と口にする!…
その際程度についても最高級である事は確かと言うと、
ハティもそれを聞いて若干の興味を持った様な!…
と、次には座り直して封を切り!…
パシュッ!と小気味よい音を立てて行くと、
一人飲んでみる事を決意する!…
「…と、とにかく飲んでみるのです!…
ッ~~……ッ!!…」
__ゴクッ!!…ゴクッ!!…ゴクッ!!…ゴクッ!!…
シュワシュワ~!!…
「ッ!!!…………。」
別に最高級と言う言葉に反応を示した訳では無く、
ただ外のモノと言う事に興味を示し!…
何ならマサツグが残して行った物と言う事で
更に興味を持って行き!…
その小瓶の中で炭酸が揺らめき!…
踊っている様子をハティがジッと見詰めて行くと、
次には決意を固めた様子でキッと睨み!…
そしてエリクサーを口に含む!…
その際一口飲んで味を確かめると言った事は一切せず、
流れに身を任せる様に一気飲みを!…
と、同時に生涯初めての炭酸に驚きを露わにして見せ!…
思わず体を強張らせて行き!…
そのままの状態で固まってしまうと、
次にはシロが駆け寄って来る!…
__…ッ!…トットットットット!…
「ハ、ハティちゃん?…」
「ハティビィエール様?…如何致しま…」
__ぷはぁ!!…けぷぅ~~っ!!!…
「………。」
エリクサーを飲んで動かなくなってしまった
ハティの様子にシロもハッ!と、
そして心配をした様子で駆け寄り!…
と、そんな駆け寄って来るシロの様子に
シルビィもハッ!として見せ!…
同じく小瓶を傾けたまま動かなくなってしまった
ハティに声を掛けると、次にはハティの様子に動きが!…
それはフッと小瓶を口から離して行くと、
そこでロングトーンのゲップを一つする!…
するとそんなハティのゲップにシロとシルビィが
固まってしまうと、
思わずえ?っとばかりに戸惑いを露わに!…
何ならただハティを見詰めては黙して語らず!…
その一方でハティはご満悦の様子を露わにして行き!…
更にトドメとばかりに小さなゲップも漏らして見せると、
さも感動を受けた様に目を輝かせる!…
__…けぷっ!!……
「な、何ですかこの薬は!?…
これは本当に薬なのですか!?…
口に入るとシュワシュワして!…甘くて!…
こんな飲み物今まで飲んだ事が無いのです!!…」
「…き、気に入って頂けた様で良かったです…
こちらは人間の町で売られている物だとか?…」
それは初めて飲んだエリクサーに
ハティはご満悦の様子で!…
興奮をしている具合に子供のようキャッキャと燥ぐと
感想を口に!…
何なら外に対して興味を持った様に話しをすると、
シルビィもそのハティの始めて見る興奮具合に
戸惑い気味に!…
だがそれでも何事も無くて良かった!とばかりに
返事をして見せ!…
その感想に答えるよう何処で売って居るのか?についても
話して行くと、次にはシロがプルプル!と…
何か怒りを覚えるかの如く震え始める!…
__……ぷるぷるぷるぷる!!…
「…っ!…シロ様?…」
「ッ~~~!!…ハティちゃん!!…」
「ッ!?…な、何なのですか!?…」
するとそんなシロの様子にシルビィも
気が付いた様子で反応をすると、
次には恐る恐る名前を呼び!…
と言うのも誰が如何見ても怒っている様子が
ハッキリと見られ!…
シロもその場で俯き拳を握って見せると、
次には震え声でハティを!…
呼ばれたハティもハッとする!…
そしてシロに対して戸惑い気味に返事をすると、
シロはフッと顔を上げ!…
それはもう我慢の限界!と言った様子で
ムスッくれて居り!…
そこから詰め寄る様にして
ハティにズイッ!と迫って行くと、
自分がお姉ちゃんとばかりに言葉を!…
それは今まで探して居た様子で説教をする!…
「もう!!…心配をさせないで下さい!!!…
何か有ったのかな?って
ビックリしちゃったじゃないですか!!!」
「ッ!?…うぇ!?…」
「それに皆に黙ってご主人様の所に行っちゃうし!!」
「ッ!?…うぅ!?…」
恐らく珍しくなのだろうか?…
とにかくシロは何故ここに居るのかを話し出し!…
ハティに対して心配をした!と言って見せると、
ハティもその言葉を受けて
途端に戸惑った反応を露わに!…
が、そんなハティを前にしても
シロの勢いは決して止まらず!…
続けて先程の光景を思い出した様に!…
さもマサツグと密会をして居たかの様に
更に膨れて見せると、
ハティもその事を言われてハッと何かバツが悪そうな…
とにかく気まずい表情を浮かべて見せる!…
それはさっきの訓練を見られて居たのか?と
不安になると、対策を練られたので!?とも考え!…
しかしシロが言いたいのはそう言う事では無い様で!…
何か勘違いをした具合に更に膨れた表情を
浮かべて見せると、文句の言葉も続けて行く!…
「…それにシロに隠れてご主人様と遊ぶなんて!?…
絶対に許さないのです!!!」
「ッ!?…
あれを遊んで居ると思っていたのですか!?…」
それはシロから見ると遊んでいた様に見えたらしく、
マサツグと遊んでいた事に嫉妬し!…
と、そんなシロの言葉にハティも当然驚きを露わに!…
あれが遊んでいた!と…
そんな訳が無い!と言った風に
目を真ん丸にして驚いていると、
シルビィもシルビィで驚きを露わにして見せる!…
と言うのもこの荒れ様から決して遊んでいた様には
見えない訳で、だとしたらシロの言う遊びとは一体!?…
何なら初めて見るシロの尻尾の毛の逆立ち具合にも
思わず目を!…
本当なら止めに入らなければいけない所では
あるのだが!…
思わず呆然とした様子で見て居ると、
ハティと共々説教を!…
懇々と関係無く叱られ続ける!…
そして中々終わらないシロの説教に
二人が動けず仕舞いになって居ると、
ここで騒ぎを聞きつけたのか兵士達が!…
__バアァン!!…ッ!!…
「ここに居られましたかスコルティナ様!!…
ハティビィエール様!!…
さぁ!!…戻りますぞ!!…
観覧席にて女王様がお待ちに!!…」
「ッ!?…ゲッ!…爺じ!…
こんな時に来るなんて最悪なのです!!…」
「ッ!!…」
そこにはマグダラスの姿も有り!…
マグダラスを先頭に修練場の中へと
その兵士達が入って来ると、
次には戻るよう注意を!…
それは呆れた具合に話しをする!…
しかしそんなマグダラスに対して
シロとハティは嫌そうにピクッと反応をすると、
次には振り返ってその様子を確認!…
更にはハティが余計なのが来た!とばかりに
言葉を零し!…
先程まで膨れて居たシロもマグダラスの姿を見るなり!…
嫌悪の表情を浮かべて見せると、
ジト!とした目で見詰めて行く!…
そしてそんな二人の幼女から
嫌悪の眼差しを受けて居るマグダラスとしても!…
何かショックを受けるそんな反応を露わにすると、
次には再度忠告を!…
「な!?…
何が最悪で御座いましょうかハティビィエール皇女!?…
…とにかく勝手に出歩くなど言語道断ですぞ!?…
それにスコルティナ様まで!?…
女王様がどれほどお二方の事を心配して居ると!?…」
「…ッ!!…分かっているのです!!…
もう用件も済ませたので帰るつもりです!!…」
__タッ…タッ…タッ…タッ…ドン!!…
「あっ!!…ハティちゃん!!…」
そもそも出歩く事を禁じられて居た様子で話しを!…
その際女王が心配をして居る事を
マグダラスがハティ達に話して行くと、
ハティはそれを耳にするなり不貞腐れ…
そしてシルビィの膝から降りて見せる!…
するとそこからはずっと!…
めちゃめちゃ不機嫌そうな表情を浮かべながら
扉に向かい歩いて行くと、
マグダラスをガン無視して見せ!…
何なら邪魔!とばかりに押し飛ばす始末になって行き!…
マグダラスも反抗的なハティに若干戸惑い!…
この時若干フラ付く様なそんな反応も取って見せると、
小さい子を相手に睨む!…
何とも大人げない反応を露わにする!…
そしてそんなマグダラスの事など御構い無いし!…
シロもそんなハティの様子を見て
追い駆けようとするのだが、
しかし途端に何かをハッと思い出した様子で脚を止め!…
耳をピクッとさせながらクルッとシルビィの方へ
振り返ると、ある物を手渡しに向かい!…
「…ッ!…そうだ!…シルビィお姉さん!…」
「ッ!…は、はい!…何でしょうか?…」
と、突如シロの呼ばれた事でシルビィも戸惑い!…
それでも呼ばれて直ぐに立ち上がって
シロの居る方へと!…
同じ様に駆けて行って見せると、
しゃがんで用件を聞き始める!…
するとシロもシルビィが来てくれた事で
笑みを浮かべて行くと、
次には自身のポッケに手を入れてはある物を探し!…
そして何か当たりを見つけたのかそれを引っ張り出し!…
ポッケの中から紙切れ一つ!…
それを徐にシルビィへ向かい差し出して見せると、
更にある事を口にする!…
「えっと、えっとぉ…うぅ~ん……ッ!…あ、あった!…
これ!…女王様からの伝言です!…
ご主人様と一緒に読んで欲しいって言ってました!」
__カサッ…
「ッ!……これは!!…」
__ッ!……チラッ?…コクリッ…スッ…
この時シロはそれを女王からの伝言!と言って
手渡して行くと、シルビィもそれ以上何も聞かずに
その紙をシロから受け取り!…
と、その紙を受け取るなり次にはハッ!とした表情を
浮かべて見せ!…
何か分かった様子で続けて驚きの様子を露わにすると、
それを大事そうに仕舞おうとする!…
その際その手渡された紙に!…
端の方に一文字[S]と書かれて有るのを目にして行くと、
その受け渡しの様子を目撃したマグダラス達としても
気になり!…
何より普段ポーカーフェイスのシルビィが、
驚きを露わにして居る事で更に気になり!…
となると確認しようと動き始め!…
マグダラスが兵士に目配せをして
その紙を奪取させようとして見せると、
シルビィもそれに感付くなり途端に殺気を放ち!…
「何だそれは?…見せろ!!…」
__ッ!!…フォン!!…バキィィ!!!…
「ッ!?…ブハアァァ!!!…」
「ッ!?…き、貴様ぁ!!!…」
兵士が手を伸ばして来た瞬間シルビィは
スッと立ち上がるなりハイキック!…
それは見事なIバランスで相手の顎を蹴り上げ!…
蹴られた兵士もそのまま後ろへ吹き飛ぶ様にして
倒れて行くと、苦痛の声を上げて見せる!…
そして自身の顎を抱えては兵士が一人悶絶し始め!…
シルビィもスカートの中身が見えそうになろうが
関係無し!…
そのままスッと脚を降ろして凛といつもの様に
立ち振る舞い!…
その一連の様子にマグダラス達も警戒!…
途端に槍を構えてシルビィに対して
身構えるそんな素振りを露わにすると、
シルビィもシルビィで警告を口に!…
何なら余裕!とばかり全く動じて居ない様子で
笑って見せる!…
「…申し訳有りませんが…
これを誰かにお見せする事は
女王様に硬く禁じられている為…
許可された方以外にはお見せ出来ません!…
…それでももし見たいと言うのなら勿論力尽くで…
と言う事になりますが?…宜しいでしょうか?…」
それは武器が手元に無くとも余裕で兵士達を
相手に出来る!と言った不敵な笑みで、
そんな笑みを向けられたマグダラスや
兵士達はたじろぎ!…
その際そこに居るのはただメイドの姿をした獣人
たった一人だけなのだが、
そのメイドの姿とは裏腹に闘気の様な!…
一目でただ者では無い!と言う事だけが
ヒシヒシと伝わり!…
そんなシルビィの様子にマグダラスを含める
兵士達が一歩も動けずに恐々とすると、
次にはマグダラスもその紙切れを諦めた様子!…
苦虫を噛んだ様な表情を見せる!…
「ッ!?…グッ!!……もう良い!!…
…そんな紙切れなど必要ない!!…
…今は皇女二人を誰にも攫われぬよう
警護する方が先だ!…
…さて…スコルティナ様?…観覧席の方に…」
__タッタッタッタッタッタ!!…
「ハティ~ちゃ~ん!!…待って~!!!…」
「…とっくに置いて行かれて居る様に御座いますが?…」
その際明らかに何か悔しそうなそんな表情を見せつつ…
シルビィに背を向けてその場を後にしようとして
見せると、兵士達に撤収を!…
その蹴りを喰らった兵士の回収も指示して行く!…
そして本来の目的を達成するよう更にフンッと
鼻息も荒くして見せると、徐にシロへ声を掛け!…
それはまるで付いて来るよう丁寧に畏まった様子を
見せて行き、ある意味で媚を売る様なそんな反応にも
見えるのだが!…
時既にお寿司シロはハティを追い駆けて扉の向こう!…
何ならハティを追い駆ける声も聞こえて居り!…
シルビィがその事をツッコむ様に
サラッと言葉を口にすると、マグダラスも更に怒りを!…
兵士達に八つ当たりをする様に指示を出す!…
「ッ!…ッ!!…おいお前達!!…
何をボォっと突っ立っておる!!!…
速く追い駆けぬか!!!」
「ッ!?…ハ、ハハァ!!…」
__ガッチャガッチャガッチャガッチャ!!…
「……チッ!!…やはり余計な奴ら目!!…」
マグダラスがあからさまに怒りを露わにして見せると、
シロが出て行った扉の向こうを指差し命令を!…
となるとそんなマグダラスの指示に兵士達も
慌てて見せ!…
次には敬礼をするなり跳び出す様にして
その場を後にして行くと、
マグダラスも修練場を後にする!…
その際その場に残って居るシルビィに対して
後ろ目でジロッと睨んで行くと、
舌打ちをしては文句を!…
だが当然そんな様子など相手にせず!…
シルビィが依然として澄ました様子を見せると、
マグダラスはやはり苦虫を噛んだ様な表情を!…
そしてその場を後にする!…
さてその一方でシルビィも
漸く邪魔者が消えた!と言った様子で一息吐くと、
改めてシロから手渡された紙切れを見詰め!…
そこからマサツグが帰って来るのを待つ事に!…
一人控室へ戻って話をオリハにしようと考えると、
同じく修練場を後にする!…
さてそうして誰も居なくなった
修練場には荒れた惨状だけが残されて行くと、
一方では大盛り上がりの様子が!…
と言うのもマサツグの準々決勝が始まっており!…
その際その闘士も欠片刀を持って居た様子で
掲げて見せると、次には使用する事無く投げ捨てる!…
何なら自らの足で踏み砕いて見せる!…
するとそのパフォーマンスが観客達に受けた様で、
観客達はそんな闘士に賛辞の歓声を!…
__ワアアアアアアアアァァァァァァァァァァ!!!!…
〈な!…何と言う事でしょう!!!…
今日で三人目の欠片刀使用者が
出てしまうのかと思われた矢先!!!…
自分は違う!とばかりに
その欠片刀を地面に叩き付けると!!…
勢い良く踏み砕いたああぁぁ!!!!…
これは何と言うアピールか!!!…
彼こそは紛う事無き!!!…
真の闘士その者だあああぁぁぁぁ!!!!!〉
「ウオオオアアアアァァァァァァァァァァ!!!!」
と、そんな闘士の様子に司会も賛辞の言葉を口に!…
何なら三人目と危惧して居た様子で話して行き!…
結果英断をしてくれたとばかりに
その闘士を真の闘士!と称えて行くと、
その闘士も吠えて見せる!…
その際観客席に向かって力一杯に
両腕を振り上げアピールをすると、
更に観客席は盛り上がり!…
しかしその一方で一人冷めた様子で視線を…
その冷めた視線を送って居る者と言うのも
マサツグで有り!…
一体何の話か全く理解出来て居ない様子で
立ち尽くしていると、一人言葉も漏らし始め…
「……何でこんなに歓声が上がってるの?…
そんなにあのナイフが凄いものだったのか?…
…良く分からないけどさっさと始めてくれ…
こっちはいつでも良いんだからさ?…」
__……スウゥ…ボワアアアアァァァァァァァンン!!!…
「ッ!!…ウオオオアアアアァァァァァァァァ!!!!」
__ジャキン!!…ッ…ダッ!!…ドドドドドドド!!!…
全く興味無い様子でぼぉっと見詰め!…
先程の欠片刀についても疑問を…
が、幾ら考えた所で当然マサツグには何も分からず!…
ただ目の前でポーズを取り続ける人狼に対して…
不満の言葉を漏らしながらに
試合の合図はまだか?と待って居ると、
次にはドラ係がバチを!…
そのドラに向かって振り被る!…
すると次には闘技場内にドラの音が激しく響き渡ると、
周りも観客達も始まったとばかりにこれまた沸き!…
と、次にはその闘士もピクッと反応!…
マサツグに対して吠えて見せ!…
武器を掲げて突貫の様子を露わにすると、
その光景にフィロが…
さも無謀である!とばかりに笑って見せる!…
「…くっふふふふ♪…話にならんな?…」
「ッ!…急に如何した?…
何かそんなに可笑しい事でも?…」
「これが笑わずに居れようか!…この試合…
…いや、もはや試合と呼べるものでは無くなって居る!…
マサツグの圧勝じゃ~♪」
「ッ!…え?…」
その際フィロが意味深な言葉を口にすると、
モツもそれをしっかりと聞いた様子で次には反応!…
と、そんな笑って見せるフィロに対して質問をし出し!…
その言葉の意味について如何言う意味なのか?と…
ずっと笑って居る理由についても質問をすると、
フィロは笑いながらに返事をする!…
この時もうこの試合の決着は着いて居る!とばかりに
答えて見せると、一方的な暴力と語り!…
何なら深くは語らずマサツグの圧勝!と…
嬉々とした様子で笑みを浮かべ!…
そのモフモフの尻尾を揺らして見せると、
やはり意味が分からないモツは戸惑い!…
思わず言葉を漏らして見せる!…
因みにこの時マサツグはその向かって来る闘士に対して
身構えもせず、棒立ち状態でジッと見詰め!…
「………。」
「…な、なぁ?…あれホンマに大丈夫なんか?…
なんか目が虚ろになってる様に見えんねんけど?…」
となるとそんなマサツグの様子に一同不安を!…
特にマサキが心配をした様子で言葉を零し!…
マサツグの状態についてまるで解説をする様に
話しをすると、次の瞬間には決着が!…
と言うのもこの時誰も余所見をしては
居なかった筈なのだが、
その決着が着くタイミングを誰も見て居らず!…
気が付けばマサツグがその向かって来た闘士に対して
サブミッションを敢行!…
逆四の字固めで相手の動きを拘束して行き!…
これには相手闘士も堪らず慌ててタップをすると、
降参の言葉を口にする!…
__…ズシャアアァァァ!!……グリイィ!!…
「ッ!?…イィ~タタタタタタタタタタタ!!!…
ギ、ギブだギブ!!…ッ~~~!!!!…
こ、このままやっても勝てないってのは!!…
良く分かったから!!…ギ、ギブだあぁ!!…」
「……え?…」×4
当然この呆気ない幕切れに一同困惑!…
そして何が起きたのかも分かって居らず!…
ただ分かるのは相手闘士がマサツグに対して
降伏を訴え!…
必死にタップをして居ると言う事だけが
視覚的にモツ達の目の中へと入って来ると、
ますます混乱へと誘われてしまう!…
その際その闘士はまるで某・ミスターサ○ンの様な
痛がり方を露わにすると、
ひたすらにマサツグへ降伏を訴え!…
となるとアレだけ歓声を上げていた観客達も
驚き戸惑い!…
同じく一体何が起きたのか?を理解出来ずに
見ていると、フィロだけは一人お腹を抱えて笑う!…
そして当然!と言葉を口にする!…
「あぁっはははははははは!!!…ッ~~!!…
やはりそうよな?…そうなってしまうよな?…」
「ッ!…え?…」
終始フィロはこの結末が見えて居た様子で笑いに笑い、
そして予想通りになった!と漏らし!…
と、そんなフィロの言葉を聞いて
またもやモツが戸惑って見せ!…
視線をその笑い転げるフィロの方に!…
何で?とばかりに視線でも尋ねるよう
言葉をポロッと漏らして行くと、
フィロも気が付いた様子で反応!…
モツの問い掛けに答え始める!…
その際未だマサツグの状態について気付いて居ない事に
ふと気が付くと、そこから入り始め!…
「…何じゃ、気付いて居らんかったのかや?…
…最初マサツグがここに出て来た時!…
既にそのマサツグの体は臨戦態勢に
入って居ったのじゃ!!…
…そうじゃのぅ?…分かり易く言う所で…
[あっぷをしていた]と言う所かや?…
…とにかくマサツグの体は既に温まり切って居る状態で…
あの状態のマサツグを相手に出来る者等…
わっち達やモツ!…
あそこで見て居る女王位じゃろうて!!…
そしてそんな化け物状態のマサツグを
相手にすると言う事はすなわち!…
結果はこうなる!…と言う奴じゃな?…
故にこれを笑わずして!…
何を喜劇と言えようか!…ククク!!…
アァッハッハッハッハッハッハ!!!…」
「…き、喜劇って!…
それにその笑い方も何とかならんのか?…
いつもの上品なのは如何した!?…
…けど、なるほどな?…」
フィロはマサツグの状態を臨戦態勢!と、
一目見た瞬間マサツグの状態が分かる様な事を
口にして行き!…
すると更にはあれでは相手闘士の方が
可哀そうと言った具合に言葉を続け!…
あの状態のマサツグを相手に出来る者も
限られて居る!と…
さもマサツグの事を化け物呼ばわりして見せると、
何なら隠す事無くその事をそのまま口にする!…
そしていつもならクフフ!と笑う所を大声で
大いに笑って見せると、
モツも戸惑った様子でツッコミを入れ!…
しかしフィロが言っている事も理解した様子で!…
次には一人納得した様に言葉を零して居ると、
更にフィロが話しを続ける!…
「くふ!…くふふ!!…良く考えてもみぃ?…
マサツグの体を温める事が出来そうな奴の事を?…
勿論モツはずっとここに居たから出来ないとして…
後は出来そうなのはオリハとシルビィの二人位じゃ!…
しかしそんな事をせんでも勝てる相手に
態々その様な事をするか?と思うと…
この二人も外れる!…
何せそもそも戦う理由が無いのじゃからなぁ?…
となると何故マサツグはあの様に整っておるのか?…
もし考えられるとするなら!…」
「…ッ!!…もしかしてシロちゃん達って事?…」
この時モツにツッコまれてかフィロも我慢をする様な!…
そんな素振りを取って見せるが、
それでもやはり我慢が出来ない様子で噴出し!…
しかしそれでも話がある様子で言葉を続け!…
そこで何か意味有り気に!…
突如マサツグが何故あの様な状態で
出て来たのか?について触れて行くと、
さもナゾナゾの様子に話しを進める!…
その際マサツグを相手に出来る者に
対しても触れて行くと、
徐々にその選択肢を絞り!…
何ならこの絞った選択肢が本題とばかりに!…
さも答えて欲しそうにモツ達に話しを続けて行くと、
くまさんが思い付いた様子で答えを!…
するとフィロもハッとした様子で返事をする!…
「ッ!…おぉ、さすがはお義母様!!…
正解なのじゃ!!…
恐らくマサツグの体が温まっておるのはシロの奴めが
マサツグの事を振り回したからで!…
と言う事はあ奴自身も
然程切羽詰まった状態に居ない!と…
何と無くわっちとしても察する事が
出来たから可笑しかったのじゃ!…」
「ッ!………。」
フィロはくまさんの答えに対して肯定を口に、
そしてヨイショをする様に褒める言葉も続けて行き!…
と、そこから自身の考えられる推理をふと口にし始め!…
その様子からシロ達が無事である!と…
この大会の裏が見えないモツ達に対して
安心をするよう言葉を続けると、
それを自身が笑った理由と話し!…
更にクスクスと噴き出し続ける!…
するとその話を聞いてモツ達も
ハッとした様なそんな表情を浮かべると、
徐にその未だに締めに掛かって居るマサツグに視線を!…
一方でそんなモツ達の様子にフィロも更に話しを続け!…
これがもし緊急事態であれば!…
更にややこしい事になって居ると更に話して見せると、
徐々に落ち着きも露わにする!…
「…もし本当に緊急事態になれば勿論白いのや
あのハティビィエールとか言う小娘!…
女王の身も危うくなって居る事じゃろう!…
…しかしいざ蓋を開けてみれば
あの様にマサツグも平然と…
いや寧ろ温まった様子で出て来たからで!…
…まぁこれ何処まで合っているかは分からん!…
何せさすがのわっちも
全てを見通せる訳では無いからなぁ?…
…しかしあの様子を見る限り大丈夫!と…
とにかくそう感じたから可笑しかったのじゃ!…
…あぁ~!…やれやれ!…」
__………。
「…ッ!…何じゃ?…何故その様に皆で見詰めて?…ッ!…
よもや!…
やっとわっちの[かりすま]とやらに気が付いたのかや?…
くふふふぅ~♪…よいよい!…
そんなに見詰めんでもわっちには!…」
__……フッ……ッ!……ッ?…
さてここまでがフィロが笑った話であり!…
その話を聞いて改めて一同が驚きを露わにすると、
そんな話をして来るフィロに視線を!…
と言うのもたまぁにこの様な感じで!…
真剣な話をぶっこんで来るフィロの思考に
戸惑いを覚える始末であって!…
その様な話が出て来る度に思わず本物か?と疑う事に!…
しかしそんな視線を受けてかフィロは
そこから勘違いをして行き!…
それは何故か仰け反って見せてはドヤ顔をして見せ!…
自分は偉い!とばかりに態度をデカく振舞って見せると、
そんなフィロの様子にこれまた各々が本物だと…
認識しては苦笑いをする…
さてそうして各々がフィロに対して
ガッカリした反応を見せて居ると、
漸くドラの音が辺りに響き!…
それは当然試合終了を告げるドラの音であって!…
マサツグもそれを聞いて漸く闘士を解放すると、
やっと試合に決着!…
まさかの更なる大会記録の上塗りに
成功するのであった!…
尚これがきっかけでマサツグは
何故か「時の闘士」と呼ばれる事に!…
静かに観客達から人気を集める事になるのであった!…




