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どうしてこうなった道中記-サブスキルで面倒ごとだらけ-  作者: すずめさん
-第一章-スプリングフィールド王国編-
48/603

-第一章四十七節 乙女のハイドリヒと大聖堂の戦いとマサツグの奇策-



マサツグ達が戦場となっている大聖堂のエントランスに辿り着くと眼前には激しい戦闘でやられたのか…冒険者に信者と床に倒れる人達の姿が目に映る。倒れて居る者達の姿は当然ボロボロなのだがその惨状は酷く!…床や壁は酸化が始まった血液や血溜りでベットリ辺りに広がり!…その上を浮いている様に冒険者達や信者達が倒れ息絶えてた。それが聖堂の扉の方へと続く様に伸び、扉の向こうからは今だ戦いは終わって居ないとばかりに剣戟音や怒声が聞こえて来る。


__ワアアアアアァァァァァァァ!!!!…

ガキィン!!…ガキイィィン!!!…


「ッ!?……思っていた以上にヘビィだな!…」


「……幾ら殲滅戦とは言えここまでやるのか?…

相手はただの一般市民の筈なのに?……

あの司祭って名乗って居た奴みたいに

操られていたとかか?…」


「……ッ!!…うぅ!!…」


その余りの惨状にマサツグとモツがエントランスでかなりの激戦が繰り広げられていた事を理解し、思わず一言漏らしてはここまでに至る経緯を考え出すと、辺りに緊張感が漂い始める…先程までの和やかなムードが一瞬にして消し飛び、目の前の光景に戸惑いを隠せないまま呆然としていると、ハイドリヒが自身の口に手を当てその光景から目を逸らす…まるで初めて見た衝撃映像に抵抗と吐き気を覚えた様子で目を逸らし、プルプルと震え出すとそこにはいつも強気なハイドリヒの姿は無く、ただの鎧を身に着けた一人の女性に戻っていた。


「…何なの?…これ!?…

こんなの!!…人に死に方じゃ!!…」


「ッ!…お、おい!…ハイドリヒ?…お前大丈夫か?…

てっきり騎士団長って言う位だからこう言うのに

耐性が有ると思っていたんだが?…」


「ッ!!…ふざけるな!!…

私達はこうならないよう努めて来ただけで!…

耐性がある訳では無い!!…

相手して来たのはモンスターだけで相手が

人の場合は拘束して連行が今までだ!!…

寧ろ私はこんな惨状を見るのは初めてだ!…

何なのだこれは!?…

戦って死んだにしては恐ろし過ぎる!!…

腕は無い!…足に首に胴体!!…

()()()()()()()()()()()()()()()()()!…

()()()()()()()()()()!!…」


ハイドリヒは騎士らしく振舞おうとするもやはり酷く動揺した様子で目を逸らし、その様子に気が付いたマサツグが心配する表情で一言声を掛けては見慣れていると誤解した様子で話し続け、そのマサツグの言葉にハイドリヒが若干涙目でマサツグの方に振り返ると文句の言葉を口にする。それもそうだ…まず普通に過ごしていればこんな地獄の様な光景を目にしない筈、しかし今目の前に広がるのは人が人を殺した惨状…普通恐怖しない方がおかしい。今までそう言った場面に出会わないよう努めて来たと現状に酷いショックを受けた様子で話し、倒れて居る者達の状態を思い出し恐れる様にマサツグへ訴え掛けていると、恐怖で脚が竦み始めたのかその場にへたり込む。


__…ズル…ズルズル…ぺたん…


「ッ!…ハイドリヒ?…」


「……正直に言うと怖いのだ!…

私もあんな風に倒れてしまうのか?…

私もあんな風に人を殺めてしまうのか!?と……」


「ッ!……ハイドリヒ…」


クラリスの記憶水晶確認時といい…今現在進行形のハイドリヒといい…如何やらこの世界(ゲーム)はNPCに優しくないらしい…マサツグとモツの視点からはやはり全年齢対象用の影フィルターが掛けられ、部位欠損の遺体は隠れて見えなくなるがNPCには諸筒抜け…嫌でも目に入ってしまう光景にさすがの騎士団長様も参った様子でマサツグの腕を掴み動かなくなってしまうと、思わず弱気なハイドリヒを見たマサツグは、可愛い…と感じてしまう。そしてマサツグがハイドリヒの様子を一応心配している最中、モツは警戒した様子でエントランスを進んで索敵し、聖堂の中に入る大扉を開け出すとそこにはまた普通では考えられない光景が広がっていた。


__コッ…コッ…チラッ…チラッ…

…ギイイィィィィ!!!……


「ッ!?…うわあぁ…バリケード作って籠城かよ!…

面倒だな………?…でも何でさっさと破壊しないんだ?…

アレだったらこの任務に参加しているメンバーで

十分どころか余裕で破壊出来る筈じゃ…

それにさっきから見る限り術技を使っては……ッ!?…」


モツが聖堂の扉を開けてまず目にした物は分が悪いとばかりに長椅子を高く積んでバリケードにし抵抗する信者達と、そのバリケードに阻まれ思う様に攻める事の出来ない様子を見せる冒険者達の様子であった。その際冒険者側も信者側も一切技を使う様子を見せず戦闘を繰り広げ、戦闘は大量の続く限りの泥仕合…我慢比べ状態になっており、その様子にモツが疑問を持ちふと天井から見えている白い影が気になり目をやると…


「なッ!?…何だよコレ!?…」


__ズラアアァァァァン!!…

…グラグラ…プラプラ…


「ま、繭!?…

見た感じ蚕の繭にも見えるけど……とにかく!…

感知(サーチ)!!……ッ!?…嘘だろ!?…」



モツが大聖堂の天井に目を向けるとそこには楕円状の白い繭が無数に吊るされている光景が目に映る。大きさにして約1m~2mの長さの物がユラユラと揺れており、繭を天井から吊るす為の糸もか細く…ちょっとの衝撃で直ぐに切れそうな様子を見せて居た。そんな繭を一部の冒険者が魔法を使って丁寧に一個ずつ回収して行く様子が伺えるのだが、その中身が何か知らないモツは手っ取り早く物を確かめる為に感知(サーチ)を使用すると、その回収している繭…及び天井から吊り下がっている繭の中から反応が出て来る。そして反応はミニマップにも反映され、ミニマップ一杯の青色の非戦闘モブアイコン…つまり人である事の反応が出て来るとモツが驚き青ざめ、マサツグを呼び始める。


「…ヤ…ヤブ!!…ちょっと良いか!?…」


「ッ!…あ…あぁ!…ちょっと待ってくれ!!…

ハイドリヒ!お前はここに残れ!…

別に無理しなくて良い!!…

お前のお母様がどれ程怖いかは知らないけど…

一緒に謝ってやるから!…な?…

…と言っても元から無理そうだな…よし!…」


モツの呼ぶ声にマサツグが反応し慌てた様子で返事をすると、とにかくハイドリヒが心配と言った様子で声を掛ける。苦手な物は誰にでもある!…落ち着いて後ろで隠れて居ろ!とマサツグが真剣な表情でハイドリヒの両肩を掴み、相手の目を見て真っ直ぐに話すとそのマサツグの行動にハイドリヒがドキッ!…と不意打ちとばかりに顔を赤くし驚き戸惑う。そしてこの時若干乙女の表情を見せるハイドリヒにマサツグが戸惑った表情を見せるのだが、ハイドリヒが動けそうに無い事に気が付くと膝裏と背中に腕を回してお姫様抱っこをする。


「よっこいしょっと!…」


__……ッ!!!!!……


「なっ!?…なっ!?…

なああぁぁぁぁ!?!?!?!?…」


「悪いけど近くの柱の陰にでも隠れててくれ!…

この戦いが終わったら迎えに来るから!…

大人しく待って居るんだぞ?…」


「大人しく?……ッ!!!!!!!……」


マサツグがハイドリヒをお姫様抱っこで抱えると、今まで経験した事が無いのか突如として慌て出し、顔を真っ赤にすると言葉にならない様子で驚き戸惑っては何かをマサツグに抗議するが、鈍感の極みを身に着けたマサツグに当然その抗議が届く筈も無く、そのまま柱の陰にそっと運ばれ下ろされる。ハイドリヒ本人からすればただでさえ両肩を掴まれて真剣な目で見詰められた事に動揺していると言うのに、お姫様抱っこされた!…しかも弱っている時に!?…と言った心境で、運ばれた後マサツグから迎えに来ると言われ、それを如何言う風に受け取ったのか更に機関車の様に頭から湯気を吹き出し始めると口をパクパクさせ戸惑い続ける。そんなハイドリヒの様子など分かっていないマサツグは返事を聞かぬままモツの方へと駆け出し合流すると、大聖堂での戦闘の様子を目にする。


「悪い!!遅れた!!…って、何だよコレ!?…」


「皆の者ぉぉ!!…奮戦せよぉぉ!!…

救世主様の復活の儀式を邪魔する不届き者達を

追放するのだ!!」


「クソッ!!

まだ抵抗するか!!

押せぇーー!!こっちが有利なんだ!!

あとは物量の力で何とかなる!!!」


マサツグが目にしたものはモツと同じく信者達の籠城に苦戦する冒険者達の図…長椅子バリケードの向こうからは信者達を先導する者の声が響き、それに答えるよう信者達が必死に抵抗を見せると苦戦する冒険者達も負けじと吠えて押し返す!戦場は拮抗しており思う様に攻められないと言ったイライラ感が感じ取られ、マサツグが呆然とその様子を立ち尽くした様子で見ていると、モツがマサツグに天井を見る様に指を差す。


「…とにかく面倒この上ないってのは

確かなようだぞ?……天井を見ろ!…」


「え?…天井?……ッ!?…んな!?…」


「アレが如何やら攫われた人達らしい!…

降ろす作業も同時進行でやってるけど

圧倒的に人手が足りてなくてこの様子…

とは言え俺達もあの繭を降ろす作業に

参加出来るかと言われれば…」


モツが指差す方向を見ては天井に釣ら下がる繭に気付き、驚いた反応を見せて居るとモツが中身の説明をする。その際マサツグは一度戸惑った様子でモツの方を振り向くのだが、話を聞いた途端女将さんの娘ちゃんもこの中に居るのかと自覚すると、マサツグが驚き慌て表情を見せては何も言わず再度見上げる。そして二人揃ってその繭を降ろす作業を手伝うか?…それとも先に信者達を駆逐するか?…で悩み始めるのだが、繭を一個づつ降ろす様な術技も技量も無い事を二人揃って自覚すると、一言呟きバリケードの方を振り向く。


「……かなり難しいな…」


__ザッ!…

…ワアアアアアァァァァァァァ!!!!…


そしてマサツグとモツが改めて状況を確認し始めるのだがこれがまた器用な事に厄介な状況になっており、まず初めに目に付くのは言わずもがな教会で見かける様なベンチで作られた防壁…いやバリケードで、高さ3~4m程度のベンチで造られた防壁を登ろうものなら…信者がバリケードの上からひょっ〇りはんしては物を投げ付け迎撃!…これが結構厄介なのかまともに喰らった冒険者はそのまま頭から落下し、地面に頭をぶつけると強制的にスタン状態になると袋叩きに遭う等…面倒この上ない事になっていた。


__ガツンッ!!…

ワアアアアァァァァァァ!!!…


「……ひでぇな…

今顔面に植木鉢を食らっていた奴がいたぞ?……」


__ゴオォォォ!!…ヒュウゥゥン!!…

バシュゥゥウ!!…


「ッ!?…アイツら本気か!?…

今相殺したから良かったものの!!…」


更に面倒な事に信者達は繭の中の人達を諦めたのか…それとも人質に取っているのか…信者の中に魔法の心得がある者は繭に向かいファイアーボールを唱える等の遠距離攻撃で繭を落とそうとする為、何が何でも阻止しなくてはならなくなる。これにより繭の回収に向かう冒険者を守る為…はたまた救助する為の人員を割かないといけない為…こちらの戦力が削られ、攻めあぐねる原因となっていた。


「……あと一番の原因はこれじゃねえか?…

俺達含めてバリケードに翻弄されている

前衛職面々が多いって事…後衛は完全に…

繭を守る為にほぼ全員駆り出されてるって感じか…

はあぁ~!!…もう!メッケメケェ~!……」


「ッ!…え?…何それ?…メッケメケ?…」


「え?…あぁ…ただの口癖…気にしないでくれ…」


そして更に厄介な事は続く!…それはこの任務に参加した者の大半がまさかの前衛職!…戦士や騎士と言った近接戦闘職ばかりで遠距離からの攻撃に適した支援が圧倒的に少ないと言う事も一因になっていた。そう言った人材は先程言った通り…魔法を相殺する為の人員として確保されて居る為、バリケードの中に居る者達へ攻撃出来無い上に前に進めない状態を作り出している要因の一つになっていた。それら三つの要因を目にしたマサツグが呆れた様子で頭を掻き毟って良く分からない言葉を口にし嘆き、その言葉を聞いたモツがマサツグにツッコミを入れていると、マサツグはモツの言葉に戸惑った様子で気にするなと声を掛ける。ただ唯一の救いは信者達よりこちらの戦力が多い事位で、何とか今の所繭の方に被害が出て居ないと言った所であろうか…それは大聖堂内は冒険者vs信者達の混戦を極めていた。


「……これじゃあジリ貧待った無しだな…

狩人も矢が無くなれば実質戦闘不能、

魔法使いもTPが切れたら同様…

かなり不味い展開だな…」


「とは言え…

俺達があのまま突っ込んだ所で何が出来るか……

何かある筈なんだよなぁ~?…

運営もそんな打開策無しでこんな…」


__ガッチャ!!ガッチャ!!

ガッチャ!!ガッチャ!!…


「あっ!…居た!!…

こらあぁぁぁぁ~~~!!!」


戦況が芳しくない事に距離を取りながら打開策を考え始める二人、無策に突っ込んでも意味が無いと悟り…かと言って現状如何にか出来そうな所を探すも、信者達の取り纏めは優秀なのかボロが見えない…そうして二人が状況を見ては腕を組み…あぁ~でも無い…こ~でも無いと首を傾げ悩んで居ると、後ろから重装備らしき足音が聞こえて来ると同時に、聞き覚えの有る声で怒声を上げる者が二人に近付いて来る!その声に反応し二人が振り返るとそこにはエントランスの光景を見て動けなくなって居た筈のハイドリヒが走って来ており、腕を振り上げマサツグの方に走って来ると続け様に文句を言い出す。


「おい!マサツグ!!!

貴様よくも私を置いて行ったな!?…

おかげであの後信者共に襲われたではないか!!!…」


「えぇ~!?…って、俺のせい!?……

てか、遺体を見てへたり込んでいた

騎士団長様を介護しろっていうのかよ…

悪いがそこまで面倒は…」


「ち!…違う!!…

私が言いたいのはだな!!……ッ!!…

た…只単に近くに居て欲しかっただけだ!!…

…こ…心細かったんだぞ!…」


「え?……」


マサツグの元に来るなり詰め寄って文句を言い出すハイドリヒに、マサツグが戸惑い呆れた様子で逆に文句を言い出すとハイドリヒは顔を赤くし、マサツグへ更に抗議する!その様子はまるで子供の様に見えマサツグも最初は宥めるよう聞き流していたのだが、徐々にハイドリヒの様子がシナシナとし始めてしおらしくなり、モジモジしてはマサツグから視線を外し頬赤く染める。その様子にマサツグは困惑した表情を浮かべて戸惑いの一言を口にするのだが、そんな二人の仲など御構い無しと言った様子で突如一時戦線離脱した…何処かで見たゴツく黒い鎧甲冑の戦士が下がって来る。


__ガッシャ!!…ガッシャ!!…

ガッシャ!!…ガッシャ!!…


「チィ!!…逆賊共目が!…中々にやりおる!!…

こうも見事に籠城されては一筋縄では行かんなぁ!……

何か打開策を考えねば!!……ん?…」


「ッ!?…し!…師匠!!…ご無事で!!…」


「おぉ!!…ハイドリヒ!!…

今まで何処に行っていたのだ?…

戦場で姿を見かけなかった故…心配したぞ?…

……冒険者殿達も今来た所か?」


苦戦し疲れた様子で下がって来た黒い鎧甲冑の戦士が後ろ目で前線の様子に戸惑い、一人戦況を見ては一休みと言った様子で独り言を口にしマサツグ達の前に歩いて来ると、漸くマサツグ達の存在に気が付いたのか前を振り向く。そしてそれが将軍であると言う事にハイドリヒが気付き、慌てた様子で将軍に敬礼をしては将軍の無事を喜ぶ言葉を口にすると、将軍もハイドリヒに気が付いては心配したと声を掛け出す。その際マサツグとモツも一緒に居る事に気が付き、状況が芳しくないと言った様子で声を掛け始めると先を見越したのか悩んだ表情で話を続ける。


「…今は御覧の有様だ……信者共目!…

形振り構わずに抵抗して来居る!!…

自分達が攫った者達を盾にこの状態になっている!!…

……うぅ~む…このままでは敗戦の色が

濃厚と言った所か…勇敢な戦士や騎士が前線を

押してくれては居るが信者達の対抗が激しく

押し切る事が出来ん!…ワシも存分に戦おうにも

天井にアレが釣ら下がって居るのでは迂闊に

全力も出せん!!…遠距離からの攻撃に長けて

居る者も今は人質を守る事を優先して回せん…

……はあぁ~…こう言う時…

何か突拍子も無い事を考えつく

奇才は居ない者かなぁ?…」


「………え?…何でそこでこっちを見て来るんですか?…」


マサツグとモツが確認した通りの戦場を将軍が説明するよう語り…このままではジリ貧で負けると話しては天井の人質が厄介と言った様子で天井を見上げては戸惑いの表情を見せる。本気が出せないと不満そうな表情をマサツグ達に見せて、自身の身の丈以上有る大剣を肩に乗せ溜息を吐くと、徐に独り言の様な事を言い出し…マサツグに視線を送り始める。それはまるでマサツグに期待している様な視線で、それに気が付いたマサツグが戸惑いながらその視線について将軍に尋ねると、将軍は何食わぬ顔で返事をする。


「いや…別に…これと言って他意は無いが…

…はあぁ~…何とかガラリと状況を変える事が

出来る奇才は現れない者かなぁ~…

例えば相手の技を自身の力に変え撃ち返すと言った戦闘…

いや、()()()()()()は居ないのだろうか?…」


__チラッ…チラッ…


「えぇ~……」


「…こりゃ駄目だ…諦めて考えるしか無いぞ?…」


「……はああぁぁ~~…

あんまし期待しないで欲しいが……」



将軍はあからさまにマサツグへ何かを期待した様子で何度もチラ見をし、その様子にマサツグが声を漏らし戸惑いを隠せずにただ将軍のチラ見を見ていると、モツが隣でマサツグの肩に手を置いては目を閉じ…諦めるようマサツグに言葉を掛け始める。そのモツの言葉にマサツグはガクッと肩を落とすと諦めた様子で何か無いかを改めて見回し始めるのだが、目に付くのは信者達が作ったバリケードに天井の繭と…どれもアドバンテージになりそうな物では無く寧ろ劣位性でしか無い。更に言うと本来こう言った作戦を考えるのはモツや他の友人の方が、正攻法かつ上手くて潤滑に進める事が出来る一方…マサツグが苦手としている分野である。しかしあの視線!!…将軍は完全にマサツグへ期待しておりこの時点でモツに任せる事が出来ず、モツもマサツグが考える羽目になり任せたと言った様子で見詰めては如何しようも出来なくなる…そんな状況にマサツグが思わず二度目の溜息を吐こうとするのだが、ふと何か目にチカッと感じると視線の先にある物を見つける。


__……は…チカッ!…ッ!!……?……


「……ステンドグラス?…

まぁ、大聖堂だし別にあってもおかしくは……

…ッ!!…そうか!!…あっ!…いや!…でも…」


マサツグが突然の光に驚きその光を感じた方に視線を向けると、目に入ったのは信者達が立て籠もっている場所の後ろにある巨大なステンドグラス…皮肉にもまるで信者達を支持しているかの様に光が差し込んでは七色に光り、マサツグがその七色の光に特段おかしい事は無いと口に出して視線を逸らし…考えるのだが、次の瞬間ハッ!と思い付いた様子で反応してはそのマサツグの様子に将軍が食い付く!


「何!?…何か思いついたのか!?…」


「えぇ!?…いや!…あの…その…」


「何でも良い!!…一度言ってみよ!?…」


まるで子供の様にキラキラとした目でマサツグの方を振り向いては異様なまでの食い付きを見せ、そんな将軍にマサツグが驚き後退りすると将軍の圧力に負けて戸惑い出す。そんな様子をモツとハイドリヒも戸惑った様子で見守っていると将軍はどんな事でも良いとマサツグに詰め寄り、マサツグが戸惑った表情で更に後退りをすると少し悩んだ様子で溜息を吐いては将軍にある事を尋ね始める。


「えぇ~~……はあぁ~…じゃあ…

この建物に二階ってありますか?…」


「……何?…」


「え?…それは如何言う?……」


「……ッ!…まさか!!…それってアリなのか!?…

システム的に無理なんじゃ!?…」


マサツグが戸惑った様子で突如大聖堂に二階が在るか如何かを質問し出し、その質問に将軍がへ?…と言った様子で戸惑い一言漏らすと、同じ様にハイドリヒも困惑し始める。そしてその意味についてマサツグへ質問をし始めるのだが、モツはマサツグの考えている事を理解したのか若干慌てた様子でマサツグに質問し出す!そんなマサツグとモツのやり取りに付いて行けない将軍とハイドリヒは置いてけぼりになるのだが、ハイドリヒが納得行かないと言った疑問の表情を浮かべては再度マサツグに質問をする。


「ちょ!…ちょっと待て!!…

一体如何言う事なのだ!?…

何故二階に用がある!?…

それに戦場はこの大聖堂の筈だぞ!?…」


「…アイツらの後ろにステンドグラスが有るだろ?…

…つまり、そう言う事さ。」


「いや、如何言う事なんだ!?…」


ハイドリヒの質問に対してマサツグは後ろを振り向き、信者達の立て籠もっている場所の後ろにあるステンドグラスを指差してはただそう言う事と話す。その際何処かのバンドに居るギタリストみたいな口調で話し、当然そんな言い方で理解出来る筈が無いハイドリヒはマサツグにツッコミを入れるよう三度質問をし、そんな二人のやり取りに対して将軍は困惑しつつも最初のマサツグの質問に対して答えを口にし始める。


「あ…あぁ…そうだな……

確かにこの大聖堂は三階建てになっていて…

二階は如何なっていたかは覚えていないが…

三階には鐘楼を鳴らす為の装置諸々が

置かれてあるフロアになっていたと思う…

…各フロアへは尖塔の階段を上って行くのだが?…

…一体何を?…」


「ッ!…やっぱり伝わらないか…

えぇ~っと…簡単な話です。

あのステンドグラスをぶち破って背後から

奇襲を掛けるんです。」


「ッ!?…な、何と!!…」


「……はあぁ~…やっぱり…

そんな事だろうと思った…

因みに如何やってぶち破る…」


将軍がギルドから手渡された地図を開きマサツグに二階どころか三階まであると答え、自分もハイドリヒ同様意図が読めないと疑問の表情で質問をすると、その問い掛けに対しマサツグは苦笑いして答え始める。その際本当に簡単とばかりに自身が考えた作戦…奇襲を口にし、その考えを聞いた将軍は驚きハイドリヒはマサツグの正気を疑う様な戸惑い方をして見せると、モツは予想通りとばかりに呆れて頭を抱える。そしてマサツグに如何やってそれを成し遂げるか質問をしようとするのだが、ハイドリヒが慌てて戸惑い更に怒った様子で話を遮ると止めるよう抗議し始める!


「ッ!?…ちょっ!!…今なん!…は!?…

おい貴様!!…馬鹿を言うんじゃないぞ!?…

ここは我が国の文化遺産として残している

大聖堂だぞ!?…ただでさえカルト教団に

あの椅子をバリケードに使われ憤りを覚えていると

言うのに!!…言うに事欠いてステンドグラスを

ぶち破るだと!?…

そんな事したら幾ら任務と言えど罰則は免れ!!…」


まさかの提案にハイドリヒは怒ってマサツグをブリッジさせる勢いで詰め寄り、マサツグは両掌を相手に見せるよう前に差し出し、戸惑った表情で防御の体勢を取ると後退りする。しかしその程度であのハイドリヒを止められる筈も無く、マサツグはハイドリヒに抗議を受けながらその場をグルグル回るよう追い詰め・追い詰められを繰り返し…その様子にモツは更に呆れた表情を見せたが徐に見取り図を開き、マサツグの考えた奇襲が出来るかどうかを確認し出すのだが、その答えが出るより先に将軍が腕を組み悩んだ様子を見せてマサツグに質問し始める。


「…因みにやるとしたらどれ位の時間が掛かる?……」


「ッ!?…師匠!!!…」


「まぁ、待て!…話だけでも聞く価値はある!…

…続けてくれ!…」


「…多分イケると思います!…

前線で誰かがアイツらの気を引いて…

こっちの動きがバレない様に出来れば!……

それに二階から仕掛けるのでそんなに

時間は掛からないかと…最悪二階にも

信者達が居たとしてもそんなには時間は

掛からないと思うんですが…」


将軍の質問にハイドリヒがマサツグを追い駆けるのを止めて戸惑いの表情を向け、そのハイドリヒの反応に将軍が落ち着くよう声を掛けると、とにかく作戦の詳細をマサツグに尋ね始める。マサツグはハイドリヒから解放されて将軍の方に振り向くと自身が考えた不安要素を交えて質問に答え出し、その質問の答えを聞いた将軍が目を瞑って悩み出すと今度はモツがマサツグに質問をする。


「…それは良いけど……大丈夫なのか?…

システム的な方に不安を覚えるんだが?…」


「それに関しては大丈夫だと思う!…

…ほら!…前に話しただろ?…妖精の国の話?…」


「え?…あ…あぁ!…あれな?…

確か…妖精の国に行ってティターニアを

助けたって話だろ?…」


「そう!…その時の瘴気の原因がフジツボで…」


モツはゲームの設定上の方でマサツグの奇襲に不安を覚えるとその事を悩んだ様子で話し出し、マサツグが問い掛けに対して妙に自信を持った表情をして大丈夫と答える。そしてモツの問い掛けに対して妖精の国での話を持ち出し、フジツボの話をし始めるのだが、それよりも話す事が有るだろう!!と言った様子でハイドリヒが吠え出す!!


「今はフジツボ等如何でも良い!!…

それが何だと言うのだ!?…

とにかく!!!…この建物を壊さない様に!!!…」


「えぇ~?…うぅ~ん……

……とは言え何も思いつかねぇんだよな…

圧倒的にジリ貧で被害最小限の作戦…

そんな都合よく出て来ねぇよ…」


「ッ!?…クッ!!!…」


ハイドリヒは余程この建物に思い入れがあるのか頑なにマサツグの奇襲に反対し、話しを遮る。そんなハイドリヒの反応にマサツグとモツも戸惑いを隠せない様子で見詰めては他の案を考え出すも、一番効果的で被害が最小限で済む奇策が思い付かず…考えは難航し、思わす愚痴を零すとハイドリヒが苦悩する。そうして揉めているとバリケード前の戦士達にも疲れが見え始め徐々に勢いを失い出すと信者達が活気付き、それに気が付いた将軍が目を開き考えを纏めると、マサツグ達に指示を出し始めるのであった。



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