表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
どうしてこうなった道中記-サブスキルで面倒ごとだらけ-  作者: すずめさん
-第一章-スプリングフィールド王国編-
37/605

-第一章三十六節 光り輝く樹と騎士の亡霊と思い出す感覚-


__ザッ…ザッ…ザッ…ザッ…


「…徐々に光が強くなって来たな!…

それに心成しか体が軽い様な?…」


「…確かにそうだが…

これで違いましたって考えると相当心に来るぞ?…

ちゃんと覚悟は決めた方が良いだろうな!…」


もはや人キメラに襲われる心配のない状態で光が見える方に向かって歩き続けるマサツグ達、その光が次第に強くなって行くに連れ不思議な事に周りの瘴気も薄くなり、マサツグ達に付き纏う様に付いていた負荷(デバフ)が消え始める。その瘴気の向こう側から見える光を頼りに声を掛けながら進んで居ると、先程の自爆する肉の塊が居た広場より小さい…開けた場所に辿り着くとその広場の奥の方に一本の青白い光を放つ樹が植わっているのを見つける。まるで竹取物語の西洋版みたいな風景にマサツグとモツが驚きつつも、その光り輝く樹には遠目からでも分かる位の林檎程の大きさの実がなっており、その光り輝く樹や木の実以外に目立つ(オブジェクト)と言えばコレと言って見当たら無いのだが…違う意味である物が転がって居る事に気が付く。


「…あれっぽいな?……

クエスト巻物(スクロール)にも書いてあった

光り輝く樹になる実ってのは?…」


「…そうだと良いけど……その前に…」


「…分かってるよモツさん……

あのこれ見よがしに()()()()()()()()だろ?…」


「…あれが恐らくは手記に書いてあった騎士様…

だろうな?…」


その光り輝く樹の根元にはグッタリとした様子でもたれ掛かり、舟を漕いでいる様な動作をして見せるボロボロの西洋の鎧甲冑を身に着けた遺体が有り、左手にはカイトシールドが握られ、腰には少し変わった白銀の剣が携えられている。恐らくはここに来るまでの道中で偶然見つけた手記に書いてあった騎士なのだろうが、その見た目は明らかにボロボロで動けるかどうかも怪しいのでは?…と言った様子を見せて居た。そしてボロボロになる前はそれは綺麗な白銀であったであろう鎧を着こんだ騎士から確かにまだ息が有る様子で…この場にそぐわないダークでソウルなある意味で神秘的な光景に警戒をしつつ、剣の柄に手を添えていつでも臨戦態勢に入れるよう構えその広場へとマサツグ達が足を踏み入れると、モツは警戒した様子でその遺体に対して鑑定(アプレェィザァル)を使用する。


鑑定(アプレェィザァル)!…」


__ピピピ!…ヴウン!…


ここでこのゲームにおける説明を一つしようと思う…。

このゲームでは案外人の遺体と言う物は良く見つかる…何故ならその遺体が冒険者(プレイヤー)だったり、冒険者のNPCだったりと…その他にもクエストで人の捜索を頼まれて探してみたら実は既にお亡くなり等…パターンが色々有るからである。そしてそんな遺体達に対して鑑定(アプレェィザァル)を使用すると本来なら「遺体」と表記されるのだが、もしそれが仮死状態或いはモンスターだった場合は違う表記がされる。仮死状態ならばステータス画面が現れては残りHPに症状が表記され、モンスターの場合は普通にモンスターの名前・ステータス・スキルと表示される。仮に鑑定(アプレェィザァル)を習得していない状態で遺体か如何かを調べる事は出来ないのかと問われると、出来るのは出来るのだがその場合直に接触して調べないと判断が出来なく…もしそれがモンスターだった場合は高確率で不意打ちを受ける事になる。故に大抵の冒険者(プレイヤー)がこの鑑定(アプレェィザァル)を持っている訳なのだが、中にはふざけて某大作RPG風にあの名言をネタで使用しては実はモンスターでした!と襲われる事例が結構あるらしい…そしてモツの鑑定結果はと言うと最初の予想が当たっていたのか、鑑定結果には遺体とは表記されずハッキリと敵として表記される。


 -----------------------------------------------------------------------


 「エイブレント(亡者)」


 「忠義の騎士」 ダンジョンBOSS


  Lv.25


  HP 18500  ATK 260   DEF 160


       MATK 50  MDEF 85



 SKILL


 阿吽の呼吸 Lv.10 シールドバッシュ Lv.5 刺突剣術 Lv.5

 -----------------------------------------------------------------------


「…如何やら出会いたくない…

…いや、出会わないといけない化け物を

見つけたみたいだぞ?…」


「……マジかぁ…」


鑑定結果にモツがやっぱり…と言った様子で警戒しては剣を抜き始め、そのモツの結果を聞いてマサツグは落胆すると顔に手を当て天を仰ぐ…手記には強い!…化け物!…と表記されてあった騎士の化け物が今目の前に居り、更にはダンジョンBOSSと言う事はコイツを倒さない限り、ここから生きて出る事が出来ないと言う事に二人は焦りを覚え始める!そして向こうもマサツグ達がある程度近づいて来た事で反応してか、そのボロボロの甲冑をガチャガチャと音を立てながらゆっくり立ち上がると、腰の剣を抜いて構えてはマサツグとモツの両方を見据え始める。


__ア゛ア゛ァァ…ガッチャ!…ガッチャ!…

…スラァ…チャキッ!…


「コロ……クレ……」


「…何か言ってるけど…如何する?…」


「いや、如何するったってやるしかない…」


そのダンジョンBOSSとマサツグ達とのレベル差はイーブン…しかし当然ながら相手はBOSSモンスターとして出現して居る為、普通のモンスター達より圧倒的に強くシブトイ!…そんな面倒事にマサツグは落胆しつつも、いつまでも落ち込んでは居られないと顔を下げて剣に手を掛けると、エイブレントはよく聞き取れない声で何かを話し掛け始める。その様子にマサツグが戸惑いモツにどうするかと尋ねるも、モツもその問い掛けに戸惑った様子で返事をし、二人が困惑した様子でただ剣を握って居ると先に動き出したのはそのボロボロのエイブレントであった。


「オオオォォ!!……」


「ッ!?…来た!?…ッ!!…一か八か!!…」


__フォン!!…ガキイィィン!!!…


勢い良く飛び出して来たエイブレントがマサツグに斬り掛かろうとしては剣を頭上に振り上げ、マサツグが慌てて剣を横に構えてはその斬撃を防ごうと考える。相手はBOSSモンスター!…その攻撃を防ぐ事が出来るのか!?と戸惑いつつも、ガードするマサツグにそのエイブレントの攻撃が襲い掛かるとその攻撃は驚くほど弱々しく、まるで剣の重さだけで斬り掛かって来ている様な衝撃をマサツグが覚えると、逆に攻撃が軽過ぎる事に戸惑いを覚えてしまう。


「ッ!?…あれ、軽い!?…」


__ガキイィィン!!…オオォォ!……フラフラ…


「ッ!?…案外弱い?…いやそんな訳…

…?…何が何だか分からないけど…

エンジンが掛かって居ないのなら今の内に!…」


__バッ!!…


マサツグはエイブレントの攻撃を受け止めた後、大して鍔迫り合いになる事も無くそのエイブレントの攻撃を弾き飛ばしては相手をよろめかせ、距離を取った所で改めて如何言う事かと悩み始める。BOSSモンスターにしては弱い…戦って来たオオトカゲやサイクロプスの事や今までやって来た体験型ゲームでのBOSSモンスターの事を思い出しては不安を覚えるも、マサツグは逆にこれを好機では!?と考えるともはや深くは考えずに本能のままに動き出し始める!しかし!…


「ダッシュ!!…」


「ッ!?…待ったヤブ!!!」


「ッ!?…」


__ドザアァァ!!…


マサツグが一気に決着を付けようと飛び出し剣を横に構えては得意の技を繰り出すのだが、モツが何かに気が付いた様子で慌てて止めに入ってはマサツグは驚き、急ブレーキを掛けて躓くとエイブレントの目の前で逆立ちの様なヘッドスライディングを決める。もしエイブレントが生身の相手だったならば敵だろうとまず慌てた様子でマサツグの心配をしたのでは?…と思う程に豪快なヘッドスライディングを決めるのだが相手は亡者、ただマサツグの事を見下ろしては距離を取り、冷静に体勢を立て直すと剣を構え直してはマサツグとモツの両方に見詰めて来る。そしてモツはマサツグが盛大にズッ転けた事にやっちまった!…と言った表情でマサツグを見詰めては、マサツグは自身の頭を摩りながら素早く立ち上がり始める。


「あったたたたた…

…急に如何した本ちゃん!?…

せっかくのチャンスだったのに?…」


「わ…悪い!…

まさかあそこまで盛大にすっ転ぶとは!…

でも今のは罠だ!!…もう一人いる!!…

感知(サーチ)を使ったら反応が()()あった!!…」


マサツグが急に止めに入った事に対して不満そうな表情で振り向き文句を言い始めると、モツも止めるタイミングを間違えたと言った様子でマサツグに謝る。しかしモツは先程のマサツグとエイブレントの攻防戦にマサツグ同様の違和感を覚えていたのか、感知(サーチ)を使った事を話してはこれが仕組まれた罠である事を看破し、エイブレントの動きに警戒しながらもう一人敵が居る事を慌てた様子でマサツグに話すと、マサツグは慌てた様子で辺りを見渡し始める。その際モツの反応だとその反応はマサツグとエイブレントの間から反応が見られ、一度でも反応が有った者に対しては自身のミニマップに反映されるようになっているらしい…


「え!?…で…でも見た感じ…

敵はあの騎士だけしか…」


「…この反応に状況…考えれるとするなら!…

…雷撃刃!!!」


__コオォォ!…バシュゥ!!…

…ガサッ!!…ズシャ!!!…


マサツグが辺りを警戒した様子で見回している中…モツが反応を頼りに相手の位置を推測し、自分が使える技で遠距離にも対応している技をマサツグとエイブレントの間辺りにある樹の幹に向かって放つと、その斬り落とした樹の幹と一緒にもう一人の人影が受け身を取りながら落下して来る!そしてゆっくりと立ちあがてはマサツグ達から距離を取るようひらりとバックステップし、エイブレントと合流するとその姿を見せる。


「よしッ!…ビンゴ!!…」


「うわぁ!?…本当に出た!?…

と、とにかく鑑定(アプレェィザァル)!!…」


__ピピピ!…ヴウン!…


 -----------------------------------------------------------------------


「ライモンド(亡者)」


「型破りの騎士」 ダンジョンBOSS


 Lv.25


 HP 21500  ATK 310  DEF 110


       MATK 20   MDEF 65



 SKILL


 阿吽の呼吸 Lv.10 パリィ Lv.5 大剣武術 Lv.5

 -----------------------------------------------------------------------


モツがライモンドを見つけた事にガッツポーズをして喜んで、マサツグが驚き慌てて鑑定(アプレェィザァル)をするとライモンドの情報を得る。その空から降って来た遺体には一応騎士と言う肩書きが付いているのだが、その見た目はエイブレントとは違い騎士らしい見た目はしておらず、まるで何処かの切り込み部隊を率いて居そうな格好に見える…額にはボロボロの鉢巻きを締めており、顔はミイラの様に乾涸びては皺くちゃ…鎧も皮と鉄のハイブリッドで出来たブリガンダインで、それに合わせるよう小手に脛当て…腰みのと同じ様な素材で出来ているのが良く分かる。ボロボロの外套を身に纏い、その手には自身の身長と同じ位の大きさを誇る大剣が握られており、片手で振り回しては刃を自身の肩に置いて首を回し始める。


__ガキッ!…ゴキッ!…バキッ!!…


「……明らかにヘビーファイターだよな!?…」


「力押し…真正面からの戦闘は不味そうだ!!…

…にしても面倒だな!!…確かに一人とは言って

いなかったが二人を相手にするのか!?…」


__……スッ……


互いに二人一組と言った様子で剣を握り、向かっての睨み合いが始めると互いに実力はイーブンと認め合っているのか動く気配を見せない。不穏な空気のまま睨み合いが続き、互いに如何切り込むかで悩み始めると先に動き出したのはエイブレントとライモンドの二人であった。ライモンドは徐にエイブレントの前に出てはまるで盾になるよう腰を中腰に落とし、大剣を斜に構えて防御の姿勢を取り始めるとその後ろではエイブレントが背筋を伸ばし、マサツグ達に向かって真っ直ぐ剣を突き付け…まるで挑発している様に見えるエイブレントの姿が有るのだが、その異様な構えにマサツグとモツはただただ戸惑いを覚えるしかない。


「…ッ!?…何あの構え!?…」


「…分からない!……

でも迂闊に入り込むとヤバいってのは

ガンガン伝わって来る!…」


__オオオオォォォォ……


異様な雰囲気に…異様な構え…マサツグにとって初めてのBOSS戦で、セオリーを知らないマサツグは如何した良いか分からずモツの方に視線を向けるが、モツも困惑しているのか剣を構えるばかりで動こうとしない。まるでこれが狙いだったかの様にエイブレントとライモンドはただ微動だにせず、その構えのまま固まりジッとマサツグ達の様子を伺っては待ち構えていた。そして騎士達の間合いに踏み込めぬまま警戒し続け、そろそろ五分が経とうとして居た時その様子にマサツグが痺れを切らしたのか突如ハッと!思い付いた表情を見せると、突如モツの方に振り返り一言口にする。


「…ッ!!…モツ!!…」


「ッ!!…何!?如何した!?…」


「後は任せた!!!」


「……うぇえ!?…」


それはとんでもないキラーパスであった。マサツグがモツの方に振り返り笑顔を見せると一言…後は任せた!と言っては騎士達が構える方に向かって突如走り出し、考える事を放棄したからである!勿論そのキラーパスにモツは慌てて戸惑いマサツグの後を追う様に走り始めるのだが、マサツグはただ思い付いたままにダッシュ斬りを敢行しては真っ直ぐにBOSS二人組に挑み始める!


「ダッシュ斬り!!!」


__バシュ!!!…


「ッ!?本当に何考えてんだマサツグの奴!?!?

無策に突っ込むとか正気の沙汰じゃ!!……ッ!?…」


身構える騎士二人に対して無策に突っ込んで行く様に見えたモツがマサツグに異常性を感じるのだが、その時モツがふとマサツグの表情を見ると何故か笑っていた。まるでこの状況を楽しむ様に…何かが吹っ切れた様に突っ込んで行こうとするマサツグを見てモツもハッ!と理解したのか気が付いた表情で剣を握り直し、マサツグに続いて行く!そしてダッシュ斬りで向かって行くマサツグが先に騎士二人の間合いに入り、それに反応してライモンドがガードの構えのままマサツグの前に飛び出すと、マサツグとライモンドによる激しいぶつかり合いが始める!


「ハアアアァァァ!!!」


「オオオォォ!!!…」


__ッ!…ガキイィィン!!…ギギギギギギ!!…


「ッ!?…やっぱそうだよな!?…

ボスな訳なんだしあんな弱い訳ないよな!?

一撃が予想以上に重い!!!…でも!…

ここまでは予想通り!!!…」


マサツグとライモンドがぶつかり合った瞬間激しい剣戟音と共に軽く火花が飛び散り、どっちが強いかの押し比べ状態へと変わり始める。激しいぶつかり合いでマサツグのTPは削れ、若干バランスを崩しそうになるも根性で耐えて見せてはライモンドとの鍔迫り合いを始め、ライモンドの攻撃に驚いた様子で戸惑うもマサツグは予想通りと呟くと、ライモンドに負けないよう剣で押し始める!そして互いが一歩も退かない状態で後方には互いに相方が居る中、マサツグがライモンドとの鍔迫り合いに集中して居るとそれは突然起きる!


__クイッ!…バヒュッ!!…


「ッ!?…」


鍔迫り合いの最中ライモンドが突如首を右に傾け何かを避ける様な動作をして見せると、避ける動作をして数秒後に突如ライモンドの後方から剣が飛び出してはマサツグの顔目掛けて突きが向かって来る!よく見るとそこには突きの構えで走って来たであろうエイブレントの姿がそこにあり、その正確無慈悲な突然の突きにマサツグが戸惑った表情で鍔迫り合いをしながら困惑し始める!


{ッ!?…なるほどこう言う事だったのか!!…

傭兵モドキが敵を押さえて騎士ゾンビが打ち取る!!…

そう言う構えだったのか!!…

おまけにガッチリ押して来るから抜けねぇし!!…

ヤバいな!!…かなりヤバい!!…}


二人の奇妙な構えにマサツグは一人納得し目の前の状況に焦りを覚え、今すぐにでも回避行動を取りたくても動けない事に気が付くと、マサツグは戸惑いと困惑を隠し切れない様子でただ向かって来る突きに視線を向け続ける。何故ならマサツグがライモンドとの鍔迫り合いを中断しその突きに対してガードの体勢を取ろうにも、ライモンドの押し込みが激しくガードの体勢に持って行く事が出来ない。更に無理やり体勢を崩して回避したとしてもライモンドは既に追撃を放つ体勢にある為、突きを回避したとしてもそのままライモンドに追撃を放たれては一撃即死の危険性もある。この時点でマサツグはもはや絶体絶命のピンチで如何しよう無い状態なのであるが…


__……フフフッ……ッ!?…


もしライモンドが生身の人間ならば表情豊かに戸惑ったであろう…何故なら…目の前で今まさに自分の命が危ないと言うのに平然と…不敵な笑みを浮かべる(マサツグ)が居るのだから!…その表情はまるで助かるのを諦めたから笑って居ると言う訳では無く、明らかに思惑通りに進んだと言う確固たる自信から来ている笑みを見せたからであった。そんなマサツグの表情を見たライモンドは自身の表情を変える事が出来ないのだが、明らかに戸惑った様な反応を見せて理解出来ないで居ると、マサツグはただ一言呟いて見せては驚く行動に出る。


「…何もかもが予想通りだった!!」


__ッ!?……スッ…コオォォ!!!…

カッ!!…バリバリバリバリ!!…


「……雷撃刃!!!」


__……バッ!!!…


まるで読んでいたと言わんばかりにマサツグもライモンド同様首を右に傾げて見せては突きを回避する体勢に入り、そのマサツグが回避行動に入って数秒後に後方から雷の刃が飛んで来るとエイブレントの突きとぶつかり合い、マサツグとライモンドの目の前で衝撃波が起きる!モツが放った雷撃刃は弾けて消え去り、エイブレントの突きは押し戻され剣に帯電し始め、モツはマサツグの後方から雷撃刃を撃った後の様子で剣を構えては再度エイブレントに向かって走り出し、衝撃波が起きるとライモンドはその衝撃波に巻き込まれないよう首を傾げた状態で右側へ瞬時にドッジロールをすると、それに合わせてマサツグが追い掛けるようライモンドと一緒に同じ方向へ追い掛けドッジロールを決めて見せる。


「ッ!?…逃がすか!!…」


__バッ!!!……ッ!!…ダッダッダッダッ!!…ッ!?…


「ちょっと待っただ!エイブレントさん!?…

アンタの相手は俺がさせて貰う!!」


__オオオォォォ!!……


ライモンドが逃げる様に転がり、マサツグが追い掛ける様に転がり…二人が転がった先には丁度簡単には戻れない段差が有ったのか、その段差を二人は落ちる様に転がって行く。エイブレントが衝撃波からの仰け反りに復帰してはライモンドの援護に向かうよう走り出すが、その前を阻む様にモツが回り込むとエイブレントを呼び止めて剣を構えて見せる。ここまでの間で刹那は一切使って居ない一瞬の出来事で、不思議な事にその間マサツグとモツの体感的にはスローモーション様に見えるのだが、本人達は全くの無自覚で今の状況体感に関しては何の疑問も抱く事は無い。ただ目の前の出来事にのみ集中した様子で身構えては、突発的な作戦が上手く行った事にマサツグが上機嫌で話し始めるとそれぞれが一対一の状態になる。


「…ふぅ!……上手く行ったぜ!!…

コンビプレイが得意なのは!…

お前等だけじゃないんだぜ!?…」


「…だとしても何か言ってからやれ!!…

こっちはヒヤヒヤモンだったっての!!…

まさか突発的なミラー(物真似)をやるのかって

思ってたけど…マジでやりやがって!!…

死ぬとこだったんだぞ!?」


「わ…悪かったって!…でも気が付いてくれたし?…

それに今こうして一対一の状態を作れたんだ!!…

今は目の前の敵に集中って事で!!」


「……ったく!…今度やる時は何かしら合図を頼む!!…

でないと拾い切れないからな!?…」


光り輝き樹の広場ではモツVSエイブレント…

その段差下ではマサツグVSライモンド…互いにそんな離れていないのかマサツグの言葉が聞こえて来た事にモツが怒った様子で注意をしてはマサツグが謝り、目線だけは目の前の敵に向けると剣をギュッと構えて見せる。エイブレントはそれを見てライモンドを助けるより先にモツを倒した方が速いか…と助ける事を諦めたのか、モツに対して剣を突き付けて構え出しライモンドはマサツグに対してやってくれたなぁ!…と言わんばかりに首を鳴らすと大剣をゆっくり両手で握り構え始める。


__チャキッ!……ガキッ!…ゴキッ!…

バキッ!!…ジャキッ!!…


「…思い出すなぁ!…

あん時の負けられないって感じのやる気!…

いつ以来だろうか?…」


「……少なくとも高校卒業後も

チョクチョクやってたから然程離れて無いと思うぞ?…」


__ザッ…ザッ…ザッ…ザッ…


幾ら相手が亡者とは言えその実力は先ほど見た限りでは本物とマサツグとモツも本気モードになり、あの頃夢中になってやっていた某神の名を冠する神食いゲームの協力プレイ時の様な感覚を思い出し始める。複数の敵を相手にする際…一人一人がその敵を相手にする一切手助け無しのヒリヒリした感覚が蘇り始める中、相手は待つ気無しと言った様子で動き出し始めると、マサツグが後で再会出来るよう声を掛ける。


「ッ!…んじゃまぁ…おっぱじめますか!!…

また後で!!…」


「あぁ!…また後で!!…」


__オオオオォォォォォ!!!…


「さぁ!!…行くぞ!!!」×2


互いが再会を誓い合いそれを合図にエイブレントとライモンドがそれぞれに歩き出し始めると、マサツグとモツも騎士達に向かって剣を構えては歩き出す!光り輝く樹の広場はちゃんとした地面での戦いなのだが、マサツグとライモンドが落ちた段差下は足元が泥濘と動き難く戦い辛い…それでも探り合う様に四者が互いの相手に回るよう動き出し、まるで戦闘を楽しむような雰囲気になり始めると、段差の上と下での一騎打ちの火蓋が今切って落とされるのであった!



そして一方、マサツグとモツがエイブレントとライモンドとの戦闘を始めた頃…農村ブルーベルズでは……


__ザッ…ザッ…ザッ…ザッ…


「……さぁ…

偉大なる救世主様をこの世に召喚する為!!…

生贄となる素晴らしい者達を連れて行くのです!……

我々の目指す世界はもう直ぐ!…

目の前まで来ているのです!!…

あと少し…皆さん!!頑張って下さいね!?…」


__バルフィモ~ル…バルフィモア~ル…

バルフィモ~ル…バルフィモア~ル…


「……さぁて…

これで私の格が更に上がる事は間違いないでしょう!…

頑張って下さいね?…皆さん!…

私が更なる力を得る為に!!…」



謎の者達がブルーベルズの前までやって来て部下なのか何者なのか…クランベルズでの事件同様の事を指示に出しては村へと進行させ始める。譫言の様に同じ言葉を呟き、虚ろな目をした本当に生きてるか如何かも疑わしい者達は農村へと進行して行き、その様子を先導者は高笑いしながら見詰めていた。ただ自分が更なる力を得られるとだけ…そして…


「…おかあさ~ん!!…

お客さん達が一杯来たよぉ~!!!

私迎えに言って来る~!!!」


「え?…あっ!…コラ待ちなさい!!…」


__ガランガラン!!…タッタッタッタッ!…


「ようこそ!!ブルーベルズへ!!

宿屋はこっち!!……ッ!?…」


__バルフィモ~ル…バルフィモア~ル…

バルフィモ~ル…バルフィモア~ル…



何も知らない女の子が元気にまたマサツグとモツの時同様お客だと勘違いし、前と同じく宿屋を飛び出しては呼び込みに出かける。その際母親の制止を振り切り母親が慌てて娘の後を追い掛けて出て来るのだが、次に目にした光景は信じがたい物だった。自分の娘がその虚ろな者達に呼び込みを始めるも、虚ろな者達は女の子を見るなり一斉に襲い掛かるとあっと言う間に捕まえてしまい、その様子を見た母親が戸惑いの声を挙げると虚ろな者達は母親に気が付く。


「ッ!?…リコ!?…」


__バルフィモ~ル…バルフィモア~ル…

バルフィモ~ル…バルフィモア~ル…


「な!…何なんですか貴方達は!?…

娘を返して!!…」


__バルフィモ~ル…バルフィモア~ル…

バルフィモ~ル…バルフィモア~ル…



それはマサツグとモツが狩人狩りの森に出てから半日後の話であり、母親の目の前で娘が堂々誘拐されては返すよう訴え掛けても、譫言の様に同じ言葉を呟くだけ…助けを呼ぶにも衛兵どころか抵抗出来る者は居らず、その虚ろな者達は雪崩れ込む様にして村へと侵攻しては次々と村人達に襲い掛かり、クランベルズ同様女性と子供だけを誘拐し始める…こうして二人の知らない所でまた、村の人達は謎の者達の手によって蹂躙されて行くのであった…



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ